2024.03.19更新
セラミック治療では歯を削ることがある?削る量や痛みについても解説
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミック治療は、天然歯に近い質感と色をもつセラミック素材を使用し、歯の形状や色調を改善する治療法です。
セラミック治療では天然の歯とセラミックの歯を適切にフィットさせるために、歯を削ることがあります。削る歯の量は、使用するセラミックの種類や治療する歯の状態によって異なります。
この記事では、セラミック治療で歯を削る理由や削る歯の量、また痛みについて詳しく解説します。
セラミック治療では歯を削ることがある?
セラミック治療では、虫歯治療とラミネートベニアの治療過程で歯を削ることがあります。それぞれ以下に解説します。
虫歯治療
虫歯を取り除いたあとに、虫歯の大きさに応じて、インレー(詰め物)かクラウン(被せ物)としてセラミックが用いられます。
セラミックは銀歯などの金属より割れやすい素材です。耐久性を高めるためには厚く作る必要があるため、結果として歯をより多く削る必要があるのです。
虫歯治療自体は審美目的ではありませんが、セラミックは保険適用外のため費用が高くなることがあります。
ラミネートベニア
ラミネートベニアとは、歯の表面を軽く削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付ける審美治療です。
矯正治療やホワイトニングと比較して、短期間で歯の見た目を変えることができるのが大きな特徴です。ラミネートベニアは、歯の色や形を改善したい方に推奨されます。
セラミック治療で歯を削るメリット
セラミック治療で歯を削るメリットは、以下の通りです。
セラミックの密着性が高まる
虫歯治療でセラミックを使用する場合、はじめに虫歯になっている部分を削って除去します。単に虫歯を取り除いただけでは土台が不安定であり、被せ物や詰め物の適合性が低いため、外れることがあるでしょう。
また、虫歯は一定の形で広がるわけではなく、時に複雑な形状をしていることがあり、それに合わせた被せ物や詰め物を作る必要があります。
歯を削ることによって、天然歯と被せ物・詰め物が密着しやすくなります。被せ物・詰め物が天然歯にしっかりと密着することで、汚れや細菌が侵入しにくくなるため、二次虫歯のリスクを低減することにもつながるでしょう。
ラミネートベニアをより自然に美しく装着できる
ラミネートベニアは、歯の表面をわずかに削り、その上に0.4mm程度の薄いセラミック製の板を貼りつける治療法です。歯を削らずにラミネートベニアを装着すると、歯の厚みが増すことで違和感が生じる可能性があります。
歯を削ることでラミネートベニアを自然に見せることができ、また違和感なく装着できるのです。
セラミックを長期間使用できる
セラミックは耐久性が高く、変形・破損しにくいため、10〜15年程度使用できるといわれています。
セラミックを含む被せ物や詰め物の寿命は、歯との適合性に大きく左右されます。歯を削ることで、被せ物や詰め物を隙間なくフィットさせることができ、適合性が高まることで被せ物や詰め物を長期間使用することができるのです。
セラミック治療で歯を削るデメリット
セラミック治療で歯を削るデメリットは、以下の通りです。
知覚過敏を引き起こす場合がある
セラミック治療で歯を削ると、神経を保護する層が減少します。これにより、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなり、結果として知覚過敏のリスクが高まるのです。
歯を削る行為は見た目の改善につながるものの、このような副作用が伴うことを理解しておく必要があります。
削った歯の寿命が短くなる可能性がある
歯を削ってセラミック治療を行うことで見た目を天然歯のように美しくし、耐久性を高めることができますが、天然歯を一度削ると、その部分が元に戻ることはありません。歯を削ることで、天然歯の寿命が短くなる可能性があります。
天然歯は、いかに優れた人工歯と比較しても、その価値と機能性を超えるものは存在しないため、わずかな量を削ることでさえも、慎重に検討する必要があります。
神経を抜かなければならない場合がある
セラミック治療で歯を大きく削ったときに神経にまで達すると、痛みが生じることがあります。場合によっては神経を抜かなければならないケースもあるでしょう。
神経を抜くということは歯の内部血管も取り除くことを意味し、結果として歯に栄養が供給されなくなります。これにより、歯の強度が低下すると、将来的に歯が弱くなるリスクがあります。
セラミック治療で削る歯の量はどれくらい?
セラミック治療で削る歯の量は、セラミックの種類によって異なります。
削る歯の量について、種類ごとに解説します。
セラミックインレー
セラミックインレーは、セラミックのみで作られた詰め物です。神経まで進行していない虫歯を治療する際に使用されます。
セラミックインレーの場合、被せ物治療と比べると削る歯の量が少なく、多くても1mm程度です。虫歯の部分のみを削るため、健康な部分を保ちつつ治療ができます。
セラミッククラウン
セラミッククラウンは、セラミックのみで作られた被せ物です。天然歯に近い色調を再現できるため、審美性に優れています。
セラミッククラウンを適応する際、どれだけ歯を削る必要があるかは、患者さんの症状によって異なりますが、耐久性を高めるために歯を大きく削る必要があるでしょう。
虫歯が深くにまで進行している場合には、セラミッククラウンが選択されることが多いです。
e-max
e-maxは、ガラス系の材料で作られるセラミッククラウンで、その透明度の高さと自然な見た目が特徴です。e-maxは天然歯と同等の強度を持っているため、破損することはほとんどありません。
e-maxを使用する場合、歯を大きく削る必要が少なく、削る量は歯のどの部位であっても1〜1.5mm程度です。これにより、患者さんの負担を軽減しながら、美しく自然な仕上がりを期待できます。
ジルコニア
ジルコニアは、高い透明性と強度から「人工のダイヤモンド」とも称されるセラミック素材です。ジルコニアの場合、削る歯の量は位置によって異なりますが、前歯や臼歯では1.0〜1.5mm程度、臼歯の咬合面は最大で2mm程度削る必要があります。
耐久性が高く、長期間使用できるというメリットがありますが、削る歯の量が多いことを理解しておきましょう。
メタルボンド
メタルボンドは、内側は金属、外側はセラミックでできた被せ物です。自然な色調を再現できますが、透明性には限界があります。
削る歯の量は、一般的に0.8〜1.2mm程度であるものの、咬合面や切縁面は2mm程度削る場合が多いです。内側が金属であるため、金属アレルギーを引き起こす可能性がある点は注意しなければなりません。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、色調を改善する目的で薄いセラミック製の板を歯に貼り付ける方法です。
この治療法では、薄いセラミック製の板を均一に貼り付けるため、支台歯を薄く削る必要があります。エナメル質が残るように慎重に削らなければならず、削る量は0.3〜0.5mm程度です。
この微細な調整により、自然な見た目を保ちつつ、色調の改善を目指せます。
歯を削るときに痛みはある?
歯を削る際の痛みは、歯の構造と虫歯の進行度に大きく依存します。歯は表面のエナメル質、その下の象牙質、そして中心にある歯髄(神経のある部分)の3層から成り立っています。エナメル質に虫歯が留まっている場合は、削ってもほとんど痛みは感じません。
しかし、虫歯が象牙質に達している場合、削ると痛みを感じやすくなるため、麻酔を使用して痛みを抑える必要があります。さらに、虫歯が歯髄まで達している場合は、麻酔が必要です。
麻酔をする際は、針を刺入する部分に表面麻酔を塗布するため、痛みはほとんどありません。多くの場合、注射を受けたことすら感じないほどです。
まとめ
今回は、セラミック治療では歯を削ることはあるのか解説しました。
セラミック治療では、審美性と機能性を高めるために歯を削ることがあります。歯を削って治療を行うことで、天然歯とセラミックが密着しやすくなるなどのメリットがあるのです。
しかし、削った歯は元に戻ることはありません。神経を抜かなければならない場合や歯の寿命が短くなる場合もあるでしょう。
歯を削ることによるメリットやデメリットをよく理解し、歯科医師と相談しながら最適な方法を選択することが重要です。
セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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