2024.04.16更新

セラミック治療後にメンテナンスを受けるのはなぜ?頻度も解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミック治療後にメンテナンスを受けるのはなぜか疑問のイメージ

セラミック治療後は定期的にメンテナンスを受ける必要があります。

「治療が終了したのに、どうしてメンテナンスを受けなければならないの?」「セラミック治療後のメンテナンスでは何をするの?」「メンテナンスを受ける頻度は?」など、疑問をもつ方もいるでしょう。

今回は、セラミック治療後にメンテナンスを受ける理由やメンテナンスで行う内容、頻度について詳しく解説します。セラミックの寿命や寿命を短くする原因についてもご紹介しますので、セラミック治療中の方やセラミック治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

セラミック治療後にメンテナンスを受けるのはなぜ?

セラミック治療後にメンテナンスを受けるのはなぜか考える人

セラミック治療後にメンテナンスを受けるのには理由があります。セラミック治療後にメンテナンスを怠ると、セラミックの歯の寿命が短くなる可能性があります。また、何か問題があったときに、対応が遅れることもあるでしょう。

例えば、セラミックの土台になっている歯や歯肉に問題が生じることがあります。メンテナンスを怠ると歯周病や虫歯のリスクが高まり、これらの問題がセラミックの歯の寿命を縮める原因になるのです。

セラミックの歯を長持ちさせるためには、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、セラミックの歯や口腔内にトラブルが起こっていないか確認してもらう必要があります。

万が一、トラブルが発生していても、定期的にメンテナンスを受けていれば早期に発見でき、必要に応じた処置が受けられるでしょう。

セラミックの寿命はどれくらい?

セラミックの寿命イメージ

セラミックの寿命は、保険が適用される銀歯やレジンなどの素材に比べると長いといわれています。種類によって寿命は異なりますが、10年〜15年程度です。

種類ごとの寿命と、セラミックの寿命が長い理由について確認しましょう。

セラミックの種類ごとの寿命

セラミックにはいくつか種類があります。

それぞれの特徴と寿命について、以下に解説します。

オールセラミック

オールセラミックとは、セラミックだけで作られた素材です。天然の歯に近い透明感と美しい白さが特徴です。強度が高い素材ですが、過度の力がかかると割れる可能性があります。

オールセラミックの寿命は10年〜15年程度です。

ジルコニア

ジルコニアとは、酸化ジルコニウムを主成分として作られた素材です。人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど強度が高い素材のため、噛み合わせの力が加わりやすい奥歯に適しているかもしれません。

ジルコニアの寿命は10年〜15年程度です。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックとは、レジンとセラミックを混ぜ合わせた素材です。比較的安価ですが、ほかの素材よりも耐久性や審美性は劣ります。

ハイブリッドセラミックの寿命は7年〜8年程度です。

メタルボンド

メタルボンドとは、金属の外側にセラミックを焼き付けた素材です。金属の強度とセラミックの審美性を兼ね備えています。

しかし、内側に金属が使用されているため金属アレルギーがある方は避けたほうがよいでしょう。

メタルボンドの寿命は8年〜10年程度です。

セラミックの寿命が長い理由

セラミックの寿命が長い理由は、以下のとおりです。

歯に適合しやすい

セラミックは生体親和性に優れており、歯に適合しやすい素材です。そのため、セラミックと歯との間に隙間ができにくく、虫歯になるリスクが低いといえます。

耐久性に優れている

金属は強度に優れているものの、口腔内の環境では劣化が避けられません。

一方、セラミックは耐久性が高いため、口腔内でも安定性が保たれ、長期間にわたり形や強度を維持できます。

汚れが付着しにくい

セラミックの表面は滑らかであるため、汚れが付着しにくいです。細菌の温床となるプラークや歯石などが付着しにくいため、虫歯や歯周病のリスクが低くなります。

セラミックの寿命が短くなる原因とは?

セラミックの歯

セラミックの寿命は、さまざまな原因によって短くなることがあります。

ここでは、セラミックの寿命が短くなる原因について解説します。

経年劣化

セラミックは優れた素材ですが、長年使用すると劣化する可能性があります。セラミックの歯を長年使用することで変色や摩耗、微細な亀裂などが生じることがあるのです。

例えば、ハイブリッドセラミックにはプラスチックが含まれているため、変色・磨耗しやすい傾向にあります。

セラミックと歯の適合不良

セラミックと天然の歯との適合状態が悪いことが原因で寿命が短くなることもあります。

セラミックと天然の歯との間に隙間ができると、その部分に食べ残しや細菌が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病の原因になります。その結果、セラミックが外れることもあるでしょう。

噛み合わせの変化

噛み合わせは加齢や歯周病の進行、歯の摩耗などによって変化することがあります。噛み合わせが変化すると、一部の歯に過度の力が集中するようになり、セラミックの歯が割れたり欠けたりしやすくなります。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの癖も、セラミックの寿命が短くなる原因です。歯ぎしりや食いしばりをすると、歯に強い力が加わるため、セラミックの歯が割れたり欠けたりする可能性があります。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、専用のマウスピース(ナイトガード)の使用を検討するとよいでしょう。専用のマウスピースを装着することで過剰な力を分散し、セラミックの歯にかかる負荷を軽減できます。

また、歯ぎしりや食いしばりの原因となるストレスを軽減することや生活習慣を改善することも重要です。

セラミック治療後のメンテナンスでは何をする?

セラミック治療後のメンテナンスでブラッシング指導を行う

セラミック治療後のメンテナンスでは、どのようなことを行うのでしょうか。

メンテナンスで行う主な内容は、以下のとおりです。

お口の中の確認

メンテナンスでは、虫歯や歯周病になっていないかなど、お口全体の状態を確認します。

また、歯科医師の目でセラミックの状態や噛み合わせのチェックを入念に行い、適合状態が保たれているかどうかを確認します。セラミックと歯との間にズレやすき間が生じている場合は、対処します。

ブラッシング指導

正しい歯磨きの仕方を身につけるためにブラッシング指導を行う場合もあるでしょう。

染め出しを行って磨き残しが多い部分や磨き癖を知り、その人に合わせた歯磨きの仕方を歯科衛生士が指導します。ブラッシング指導を受け、適切な歯磨きの仕方を身につけることで、セラミックの歯や口腔内全体を清潔な状態に保てるでしょう。

クリーニング

メンテナンスでは、セルフケアでは落としきれない汚れを除去するために口腔内のクリーニングも行います。

専用の器具を用いて歯ブラシでは落としきれない歯垢や歯石を徹底的に除去します。歯と歯の間などの見逃しがちな部分に残った汚れも取り除けるため、虫歯や歯周病の予防につながります。

セラミック治療後のメンテナンスを受ける頻度

メンテナンスを受ける頻度のイメージ

セラミック治療後は、2〜3か月に1回の頻度でメンテナンスを受けるのが一般的でしょう。

しかし、口腔内の状態が悪い方は、1〜2か月に1回の頻度でメンテナンスを受けたほうがよいかもしれません。また、日頃からしっかりと口腔ケアができている方であれば、半年に1回でよいケースもあります。

メンテナンスを受ける頻度については、歯科医師に確認しましょう。

まとめ

セラミック歯のチェック

セラミックは、汚れが付きにくく、歯との間に隙間ができにくいため、金属の被せ物や詰め物よりも寿命が長いといわれています。

しかし、メンテナンスを怠ると虫歯や歯周病になり、セラミックの寿命が短くなる可能性があるのです。セラミックを長持ちさせるためには、自宅でしっかりと口腔ケアを行うことに加えて、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが重要です。

歯科医院でのメンテナンスでは、口腔トラブルが起こっていないか、またセラミックの詰め物・被せ物に異常はないか確認を行います。また、適切な歯磨きの仕方を指導したり、クリーニングを行ったりします。

セラミックの歯を長持ちさせるためにも、自宅でしっかりとセルフケアを行い、また定期的にメンテナンスを受けましょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.03.19更新

セラミック治療では歯を削ることがある?削る量や痛みについても解説

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックの歯

セラミック治療は、天然歯に近い質感と色をもつセラミック素材を使用し、歯の形状や色調を改善する治療法です。

セラミック治療では天然の歯とセラミックの歯を適切にフィットさせるために、歯を削ることがあります。削る歯の量は、使用するセラミックの種類や治療する歯の状態によって異なります。

この記事では、セラミック治療で歯を削る理由や削る歯の量、また痛みについて詳しく解説します。

セラミック治療では歯を削ることがある?

セラミックの歯を削る

セラミック治療では、虫歯治療とラミネートベニアの治療過程で歯を削ることがあります。それぞれ以下に解説します。

虫歯治療

虫歯を取り除いたあとに、虫歯の大きさに応じて、インレー(詰め物)かクラウン(被せ物)としてセラミックが用いられます。

セラミックは銀歯などの金属より割れやすい素材です。耐久性を高めるためには厚く作る必要があるため、結果として歯をより多く削る必要があるのです。

虫歯治療自体は審美目的ではありませんが、セラミックは保険適用外のため費用が高くなることがあります。

ラミネートベニア

ラミネートベニアとは、歯の表面を軽く削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付ける審美治療です。

矯正治療やホワイトニングと比較して、短期間で歯の見た目を変えることができるのが大きな特徴です。ラミネートベニアは、歯の色や形を改善したい方に推奨されます。

セラミック治療で歯を削るメリット

セラミック治療で歯を削るメリットイメージ

セラミック治療で歯を削るメリットは、以下の通りです。

セラミックの密着性が高まる

虫歯治療でセラミックを使用する場合、はじめに虫歯になっている部分を削って除去します。単に虫歯を取り除いただけでは土台が不安定であり、被せ物や詰め物の適合性が低いため、外れることがあるでしょう。

また、虫歯は一定の形で広がるわけではなく、時に複雑な形状をしていることがあり、それに合わせた被せ物や詰め物を作る必要があります。

歯を削ることによって、天然歯と被せ物・詰め物が密着しやすくなります。被せ物・詰め物が天然歯にしっかりと密着することで、汚れや細菌が侵入しにくくなるため、二次虫歯のリスクを低減することにもつながるでしょう。

ラミネートベニアをより自然に美しく装着できる

ラミネートベニアは、歯の表面をわずかに削り、その上に0.4mm程度の薄いセラミック製の板を貼りつける治療法です。歯を削らずにラミネートベニアを装着すると、歯の厚みが増すことで違和感が生じる可能性があります。

歯を削ることでラミネートベニアを自然に見せることができ、また違和感なく装着できるのです。

セラミックを長期間使用できる

セラミックは耐久性が高く、変形・破損しにくいため、10〜15年程度使用できるといわれています。

セラミックを含む被せ物や詰め物の寿命は、歯との適合性に大きく左右されます。歯を削ることで、被せ物や詰め物を隙間なくフィットさせることができ、適合性が高まることで被せ物や詰め物を長期間使用することができるのです。

セラミック治療で歯を削るデメリット

セラミック治療で歯を削るデメリットイメージ

セラミック治療で歯を削るデメリットは、以下の通りです。

知覚過敏を引き起こす場合がある

セラミック治療で歯を削ると、神経を保護する層が減少します。これにより、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなり、結果として知覚過敏のリスクが高まるのです。

歯を削る行為は見た目の改善につながるものの、このような副作用が伴うことを理解しておく必要があります。

削った歯の寿命が短くなる可能性がある

歯を削ってセラミック治療を行うことで見た目を天然歯のように美しくし、耐久性を高めることができますが、天然歯を一度削ると、その部分が元に戻ることはありません。歯を削ることで、天然歯の寿命が短くなる可能性があります。

天然歯は、いかに優れた人工歯と比較しても、その価値と機能性を超えるものは存在しないため、わずかな量を削ることでさえも、慎重に検討する必要があります。

神経を抜かなければならない場合がある

セラミック治療で歯を大きく削ったときに神経にまで達すると、痛みが生じることがあります。場合によっては神経を抜かなければならないケースもあるでしょう。

神経を抜くということは歯の内部血管も取り除くことを意味し、結果として歯に栄養が供給されなくなります。これにより、歯の強度が低下すると、将来的に歯が弱くなるリスクがあります。

セラミック治療で削る歯の量はどれくらい?

セラミック歯を削るイメージ

セラミック治療で削る歯の量は、セラミックの種類によって異なります。

削る歯の量について、種類ごとに解説します。

セラミックインレー

セラミックインレーは、セラミックのみで作られた詰め物です。神経まで進行していない虫歯を治療する際に使用されます。

セラミックインレーの場合、被せ物治療と比べると削る歯の量が少なく、多くても1mm程度です。虫歯の部分のみを削るため、健康な部分を保ちつつ治療ができます。

セラミッククラウン

セラミッククラウンは、セラミックのみで作られた被せ物です。天然歯に近い色調を再現できるため、審美性に優れています。

セラミッククラウンを適応する際、どれだけ歯を削る必要があるかは、患者さんの症状によって異なりますが、耐久性を高めるために歯を大きく削る必要があるでしょう。

虫歯が深くにまで進行している場合には、セラミッククラウンが選択されることが多いです。

e-max

e-maxは、ガラス系の材料で作られるセラミッククラウンで、その透明度の高さと自然な見た目が特徴です。e-maxは天然歯と同等の強度を持っているため、破損することはほとんどありません。

e-maxを使用する場合、歯を大きく削る必要が少なく、削る量は歯のどの部位であっても1〜1.5mm程度です。これにより、患者さんの負担を軽減しながら、美しく自然な仕上がりを期待できます。

ジルコニア

ジルコニアは、高い透明性と強度から「人工のダイヤモンド」とも称されるセラミック素材です。ジルコニアの場合、削る歯の量は位置によって異なりますが、前歯や臼歯では1.0〜1.5mm程度、臼歯の咬合面は最大で2mm程度削る必要があります。

耐久性が高く、長期間使用できるというメリットがありますが、削る歯の量が多いことを理解しておきましょう。

メタルボンド

メタルボンドは、内側は金属、外側はセラミックでできた被せ物です。自然な色調を再現できますが、透明性には限界があります。

削る歯の量は、一般的に0.8〜1.2mm程度であるものの、咬合面や切縁面は2mm程度削る場合が多いです。内側が金属であるため、金属アレルギーを引き起こす可能性がある点は注意しなければなりません。

ラミネートベニア

ラミネートベニアは、色調を改善する目的で薄いセラミック製の板を歯に貼り付ける方法です。

この治療法では、薄いセラミック製の板を均一に貼り付けるため、支台歯を薄く削る必要があります。エナメル質が残るように慎重に削らなければならず、削る量は0.3〜0.5mm程度です。

この微細な調整により、自然な見た目を保ちつつ、色調の改善を目指せます。

歯を削るときに痛みはある?

歯が痛い男性

歯を削る際の痛みは、歯の構造と虫歯の進行度に大きく依存します。歯は表面のエナメル質、その下の象牙質、そして中心にある歯髄(神経のある部分)の3層から成り立っています。エナメル質に虫歯が留まっている場合は、削ってもほとんど痛みは感じません。

しかし、虫歯が象牙質に達している場合、削ると痛みを感じやすくなるため、麻酔を使用して痛みを抑える必要があります。さらに、虫歯が歯髄まで達している場合は、麻酔が必要です。

麻酔をする際は、針を刺入する部分に表面麻酔を塗布するため、痛みはほとんどありません。多くの場合、注射を受けたことすら感じないほどです。

まとめ

セラミックの歯

今回は、セラミック治療では歯を削ることはあるのか解説しました。

セラミック治療では、審美性と機能性を高めるために歯を削ることがあります。歯を削って治療を行うことで、天然歯とセラミックが密着しやすくなるなどのメリットがあるのです。

しかし、削った歯は元に戻ることはありません。神経を抜かなければならない場合や歯の寿命が短くなる場合もあるでしょう。

歯を削ることによるメリットやデメリットをよく理解し、歯科医師と相談しながら最適な方法を選択することが重要です。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.02.20更新

金属アレルギーでも大丈夫?安心してセラミック治療を受けるためには

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

心配する女性

金属アレルギーの方の場合は、補綴物や矯正治療の装置などを選ぶ際に気をつける必要があります。装置や素材によっては金属が使われているからです。

セラミック治療は、セラミックで作った詰め物・被せ物で行う治療のことですが、金属アレルギーの方でも受けられるのでしょうか。

今回は、金属アレルギーの症状や金属アレルギーの方が使えるセラミック、使えないセラミックについて解説します。

セラミック治療とは?

セラミック治療

セラミック治療とは、セラミックを素材とした詰め物や被せ物で行う治療のことです。詰め物・被せ物の治療で使われる素材には、保険診療の銀歯やコンポジットレジン、自由診療のセラミックがあります。

セラミックのメリットは、透明感のある白さで見た目が良いことです。硬く耐久性が高いこと、保険診療の素材と比較して虫歯や歯周病になりにくいことも挙げられるでしょう。

セラミックには、ジルコニアやメタルボンド、E-max(イーマックス)、オールセラミック、ハイブリッドセラミックなどさまざまな種類があります。それぞれ特性が異なり費用に差があるので、歯科医院で説明を受けたうえで選択してください。

セラミック治療は金属アレルギーでも大丈夫?

金属アレルギーでもセラミック治療ができるか疑問の女性

セラミックは陶材なので、基本的には金属アレルギーの方も安心して使用可能です。実際に、セラミック治療で使われるほとんどの素材はメタルフリーであるため心配ありません。

しかし、金属アレルギーの方には使用できないセラミックの詰め物・被せ物もあります。金属アレルギーの方は、治療を受ける際に必ず歯科医師に伝えましょう。

金属アレルギーの方が使用できないセラミックは、メタルボンドです。メタルボンドは、表面はセラミックで内側が金属でできている被せ物です。

通常のセラミックよりも強度が高く奥歯にも使用できますが、内側の金属の影響で金属アレルギーを引き起こす可能性があります。

金属アレルギーとは?

金属アレルギーの女性

金属アレルギーの場合、皮膚や粘膜に金属が触れることで、かゆみがでたり赤く腫れたりする症状がでます。発熱や倦怠感などの症状が出ることもあるでしょう。

アレルギー反応が出やすい金属は、ニッケルやコバルト、クロム、スズ、銅、亜鉛などが挙げられます。

歯科治療では、被せ物や詰め物だけではなく、入れ歯や矯正装置などにも金属が使用されます。そのため、歯科治療由来の金属アレルギーが引き起こされることもあります。

口の中に金属が長時間入っていると、唾液が徐々に金属を溶かします。口内炎や歯肉炎、口腔内が腫れるなどのトラブルにつながることもあります。

金属に近い部分の粘膜が荒れる、舌に白いまだら模様ができる、かゆくなる、ヒリヒリするといった症状がある場合、金属アレルギーの可能性があるでしょう。そのまま放置して重症化すると、味覚や痛みがなくなることもあるので早めに歯科医院に相談してください。

また、歯科金属が原因で全身性金属皮膚炎になることもあります。この場合は口の中だけではなく、全身に炎症や湿疹が広がります。

疲れやすくなったり、不眠症状がでたり、イライラしたり、生活に支障が出ることも多いでしょう。

「金属アレルギーはないから大丈夫」と考える方もいるかもしれませんが、今まで症状がなくてもある日突然金属アレルギーの症状が出る方もいます。

また、どの金属に反応するかは人それぞれです。心配な方は、大学病院の専門外来や皮膚科などで金属アレルギー検査をしておくと良いでしょう。

最も安全なのは、金属不使用の技工物を使うことです。詰め物・被せ物については、保険診療でもプラスチックの素材も選択できるため、金属が使われているかいないかをしっかり確認してから素材を選びましょう。

金属を使用しないセラミックはある?

金属アレルギーを使わないセラミックがあるか考える女性

セラミック治療では、メタルボンド以外は金属を使用しません。そのため、メタルボンドを選ばなければ、金属アレルギーの方も安心して治療できます。

金属アレルギーの方でも適したセラミックをいくつかみていきましょう。

オールセラミック

オールセラミックは、名前の通り100%すべてセラミックでできています。金属アレルギーの心配がないというだけではなく、艶と透明感があって非常に美しいです。そのため、前歯など目立つ部分に使われることが多いです。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。他のセラミックと比較して優れた強度を持つため、強い力がかかる奥歯に使用されることも多いです。

見た目は、オールセラミックにはやや劣りますが、強度の面から目立つ歯にもジルコニアセラミックを選択する方も多いです。

E-max(イーマックス)

E-maxとは、ガラスセラミックと呼ばれるバランスが良い素材です。見た目は天然歯に近く、強度についても天然歯と同程度です。

歯垢や歯石がつきにくいので、虫歯や歯周病が心配な方から選ばれる傾向があります。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材のことをさします。自由診療のものだけではなく、保険診療のハイブリッドセラミックもあります。

他のセラミックの素材と比べると安価であることが大きなメリットです。レジンと比較すると変色しにくく、色のバリエーションもあるため自然に仕上がるでしょう。

オールセラミックと比較すると耐久性と審美性が劣るため、審美性を追求したい方は注意しなければなりません。

金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるためには

歯医者へ相談

金属アレルギーの方の場合、歯科治療に対して不安を感じることもあるでしょう。日本の歯科治療では、虫歯治療の際に銀歯を使用するのは一般的です。矯正治療でも金属のワイヤーを使用することがあります。

ここでは、金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるために気をつけるべきことを解説します。

金属アレルギーであることを歯科医師に伝える

患者さま自身が金属アレルギーであることが既にわかっている場合は、あらかじめ歯科医師に伝えるようにしてください。そうすることで、金属を使っているメタルボンドは除外して治療の選択ができます。

銀歯やメタルボンドなど、金属で歯を補った後に金属アレルギーと判明した場合は、早めにメタルフリーの素材に交換しましょう。口内に金属がある限り、金属アレルギーの症状が落ち着くことはありません。

皮膚科の診断を受ける

金属アレルギーと思われる症状はあるけれど、大学病院の専門外来や皮膚科で診断を受けていない場合は、一度検査をしてもらいましょう。金属アレルギーと思われる症状が出ていても、実は別の病気の可能性もあります。

アレルギー反応が出る金属が特定できれば、原因金属を確実に避けて安全に治療を受けられるでしょう。

選択できる治療の費用を計算しておく

金属アレルギーの方は、金属を使用する治療が選択できません。そのため、高額な素材を選ばなくてはいけないことも多いです。事前に予算をどれくらいかけられるのかを考慮しておきましょう。

保険診療のコンポジットレジンなら安価で、金属アレルギーの方でも問題なく使用できます。

医療費控除を申請する

セラミック治療を選択する場合は、費用は1本5万円以上になることが多いでしょう。1年にかかった医療費が10万円を超えると、医療費控除の対象になります。

セラミックで歯を数本治療すると総額10万円以上になるので、医療費控除を申請すると良いでしょう。領収書が必要になるので、大切に保管しておいてください。

まとめ

セラミックの歯

歯科治療では金属の技工物が使用されることがよくあります。金属アレルギーの方は気をつける必要があるでしょう。

セラミック治療の場合は、基本的には金属不使用の素材を使います。金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられると言えます。

しかし、金属を使用したセラミックも存在します。表側がセラミックで裏側が金属できたメタルボンドは、金属アレルギーの方は避ける必要があるでしょう。

金属アレルギーの方が歯科医院で治療を受ける際は、事前にその旨を伝えてください。治療後に症状が現れた場合は、放置せずに迅速に歯科医院に連絡しましょう。

金属アレルギーでセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.12.19更新

セラミック治療で後悔しないために!デメリットと対策を知ろう!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミック治療をした女性

セラミック治療は、審美性と耐久性を兼ね備えたセラミック素材を使用した歯科治療です。虫歯治療での利用だけでなく、歯並びなどの外見を改善する治療にも用いられます。歯科治療で使用する素材として、セラミックを選ぶ方は多いでしょう。

ただし、セラミック治療はデメリットがまったくない万能な治療方法ではありません。セラミック治療を受けて、後悔したケースも少なからず存在します。

今回は、セラミック治療のメリット・デメリットや、後悔しないための対策について解説します。セラミック治療で後悔した例もご紹介するので、セラミック治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

セラミック治療とは?

 セラミックの歯

セラミック治療とは、セラミック素材を使用した歯科治療のことです。虫歯などで失った歯の治療だけでなく、歯並び・歯の色・歯の形を改善する治療にも利用されています。

主にセラミックが使われるのは、インレーやクラウン、ブリッジとよばれる、詰め物や被せ物で歯の機能を補う治療です。また、前歯の形や色調を整えるラミネートべニアという治療にも用いられます。

一般的には推奨されていませんが、ワイヤーやマウスピースで行う通常の矯正治療の代わりに、セラミックを用いた矯正が行われることもあるでしょう。

セラミック素材は審美性と耐久性を兼ね備えており、天然歯に近い自然な見た目に仕上がることが特徴です。経年劣化しにくく、変色・着色しにくいため、美しい見た目を長く維持できます。

強度が高く耐久性に優れているため、保険適用で使用されるプラスチックの素材よりも、長い期間使用できることが多いです。

セラミック治療を後悔した例

セラミック治療で後悔した女性

セラミックを用いた治療にはさまざまなメリットがあり、審美性や耐久性に優れた治療方法として知られています。

一方で、セラミック治療を受けたことで後悔するケースも存在します。セラミック治療を後悔した例を確認しましょう。

噛み合わせが悪くなった

セラミック治療を受けたことで、噛み合わせが悪くなるケースがあります。噛み合わせが不適切な状態が続くと、顎関節症や慢性的な頭痛・肩こりを引き起こす可能性があります。

治療時の噛み合わせは問題なくても、時間の経過とともに噛み合わせが悪くなることもあるでしょう。特に、人工ダイヤモンドともよばれるジルコニアを用いてセラミック治療をした場合、天然歯よりも硬いことから、噛み合う歯がすり減ることがあります。

徐々に噛み合わせが悪化し、顎関節症などの問題につながることがあるのです。セラミック治療後に噛み合わせに違和感を覚えた場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。

歯髄炎が生じた

歯髄炎とは、歯の中心部にある神経と血管が通っている歯髄に炎症が生じることです。強い痛みを伴うことが多いため、大きなストレスを感じるでしょう。

セラミック治療においては、天然歯を削る範囲が広すぎた場合や、削った際に歯髄に強い衝撃が加わった場合、歯髄炎を生じることがあります。歯髄炎が悪化すると、歯の神経を抜く必要が生じることもあるでしょう。

セラミックが割れた

セラミックはプラスチックの素材よりも強度が高く、耐久性に優れています。

しかし、強い衝撃が加わると割れる可能性があります。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、セラミックが割れるリスクが高いので注意が必要です。

一度割れたセラミックは修理できず、再治療が必要になるでしょう。費用も追加でかかる場合が多いです。

虫歯になった

セラミックが虫歯になることはありませんが、土台になっている天然歯や周辺の組織は虫歯・歯周病になる可能性があります。セラミックの下が虫歯になると、天然歯との適合性が低下します。

そのため、セラミックを再度作り直す必要があり、費用も追加でかかるでしょう。

希望していた仕上がりにならなかった

セラミック治療後、希望していた仕上がりにならないケースもあります。例えば、セラミック歯の色が周囲の天然歯と異なると、見た目に違和感や不自然さが生じるでしょう。

セラミック治療は、審美性の高さから選択する方が非常に多いです。希望していた仕上がりにならなかった場合、後悔する可能性があるでしょう。

費用が高額だった

セラミック治療は、基本的に保険適用外です。自由診療のため歯科医院によって費用は異なりますが、保険適用で使用される素材と比較すると高額になる傾向があります。

セラミック治療のデメリット

セラミック治療のデメリットイメージ

セラミック治療のデメリットは、以下のとおりです。

・セラミックが割れることがある
・保険適用外なので治療費が高い
・寿命がある

セラミックは、強い力が加わると割れる可能性があります。セラミックはプラスチックの素材と比べて耐久性が高いですが、陶材なので割れるリスクがあるのです。セラミックが割れると作り直す必要があり、費用もかかるでしょう。

また、保険適用外であるため費用が高額になること、耐久性は高いですが寿命があることもデメリットといえます。セラミックの寿命は一般的に10年程度といわれていますが、虫歯や歯周病などのトラブルが生じた場合は数年で交換が必要になることがあります。

ただし、毎日の丁寧なセルフケアや定期メンテナンスを徹底することで、本来の寿命以上に長く使用し続けることも可能です。

セラミック治療のメリット

セラミック治療のメリットイメージ

セラミック治療のメリットは、以下のとおりです。

・天然歯に近い美しい見た目に仕上がる
・虫歯が再発しにくい
・治療時の見た目が長く続く

セラミック治療は、天然歯に近い美しい見た目に仕上がることが大きなメリットでしょう。セラミックは、天然歯が持つ透明感や艶なども再現できます。限りなく天然歯に近い、自然な仕上がりが期待できるでしょう。

虫歯が再発しにくいことも、セラミック治療のメリットです。セラミックは長期間使用しても変形しにくく、すき間や段差が生じにくいため二次虫歯になりにくいのです。

また、セラミックはレジンなどの素材と比べて、経年変化しにくいとされています。変色・着色しにくい素材なので、治療時の白さや透明感を長期間に渡って維持できます。

セラミック治療を後悔しないための対策

セラミック治療を後悔しないためのカウンセリング

セラミック治療は費用が高額なので、長期間美しさを保って使用し続けたいと思う方が多いでしょう。

本項目では、セラミック治療を後悔しないための対策をご紹介します。しっかりと対策して、満足できる治療結果を目指しましょう。

治療前にカウンセリングを受ける

セラミック治療を受ける前に、必ずカウンセリングを受けてください。カウンセリングでは、セラミック治療のリスクや注意点などの説明を受けます。

しかし、ただ説明を受けるだけでは、セラミック治療を後悔することになるかもしれません。理想とする仕上がりをしっかり歯科医師に伝えましょう。

疑問や不安がある場合は解消し、納得のいく治療計画を立てることが重要です。

定期的に歯科検診を受ける

歯科検診では、噛み合わせの確認や、日々の歯磨きでは落とせない汚れの除去などを行います。セラミックを問題なく使い続けるために、歯科検診は非常に重要です。

虫歯や歯周病など、口腔内のトラブルの早期発見や早期治療にもつながるでしょう。セラミックを長く維持するために、定期検診は欠かさないでください。

虫歯を予防する

セラミックは、レジンや金属などの素材に比べて汚れが付着しにくいです。虫歯や歯周病の予防としても有効な治療方法ですが、日々のセルフケアを怠ると、土台の天然歯や周囲の組織が虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスなども使用して虫歯予防に努めましょう。

歯ぎしりを改善する

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、セラミックが割れる可能性が高くなります。歯ぎしりや食いしばりの主な原因はストレスなので、ストレスを溜めないことが大切です。

しかし、ストレスを完全になくすことは難しいでしょう。歯ぎしりや食いしばりは無意識に行う方も多く、改善するのは難しいです。

就寝中の歯ぎしり・食いしばりには、ナイトガードが効果的です。強い負荷から歯を守り、セラミックが割れるリスクを軽減できます。

まとめ

笑顔の女性

セラミックは自然で美しい仕上がりを実現でき、健康面でのメリットも大きいです。そのため、セラミック治療を希望する患者さまは増えています。

しかし、セラミック治療にはデメリットも存在し、治療後に後悔する方がいるのも事実です。セラミック治療を後悔しないためには、事前のカウンセリングで歯科医師と十分なコミュニケーションを取り、治療後も毎日のセルフケアや定期健診などを継続することが大切です。

セラミック治療のメリットだけでなく、デメリットも理解することで治療を後悔しないように対策できるでしょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.11.21更新

セラミックの歯は何年もつ?寿命を縮める原因と長持ちさせる方法!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

歯がきれいな女性

見た目がよく自然な美しさが続くので、セラミック歯を選ぶ方は少なくありません。セラミック歯を検討中の方は「何年もつ?」「セラミックは劣化するの?」など、疑問に思うことがあるでしょう。

今回は、セラミックの寿命について解説します。寿命を縮める原因や長持ちさせるコツもご紹介するので、セラミック治療に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

セラミックの歯は何年もつ?

セラミックの歯の寿命イメージ

セラミック歯は10年以上もつといわれています。保険適用の治療で使用する材料の場合、寿命は5年程度です。セラミック歯の寿命が非常に長いことがわかるでしょう。

しかし、セラミックにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や寿命が異なります。本項目では、それぞれのセラミックの特徴や寿命をまとめました。

オールセラミックは何年もつ?

オールセラミックは、10〜15年もちます。オールセラミックとは、100%セラミックで作られた詰め物・被せ物です。天然歯の色調・透明感・艶を再現できるので、人工歯と気づけない場合もあります。

オールセラミックは経年劣化しにくいことが特徴です。ほとんど変色しないので、治療時の美しさを長く維持できます。金属アレルギーの心配がなく、安全に使用できることも特徴でしょう。

ただし、すべてセラミックでできているので、衝撃には強くありません。硬い食べ物を噛んだときや、何らかの衝撃を受けたときに、欠ける可能性があるでしょう。

メタルボンドは何年もつ?

メタルボンドは8年程度もちます。メタルボンドとは、金属にセラミックを焼き付けて作った被せ物です。

セラミックに比べると審美性が劣るものの、内側が金属なので強度が高いです。歯ぎしり・食いしばりの癖がある方にも使用できるでしょう。噛む力が強い奥歯にも使用できます。

ただし、金属を使用しているため、金属イオンが溶け出して金属アレルギーを発症する可能性があります。また、金属が劣化するため、ほかのセラミックに比べると寿命が短いです。

ジルコニアセラミックは何年もつ?

ジルコニアセラミックは、10〜15年もちます。ジルコニアは、人工ダイヤモンドともよばれるほど非常に硬い素材です。

高い強度を誇りながら、審美性に優れていることが特徴でしょう。劣化・変色しにくいので、美しい状態を保てます。

非常に強度が高いですが、金属を使用していないため、金属アレルギーの心配はありません。

セラミックの歯が長持ちする理由

長持ちするセラミック歯

セラミックの歯は10〜15年もちますが、金属やレジンなどの詰め物・被せ物の寿命は5年ほどです。セラミックの歯には保険が適用されないので費用が高くなりますが、その分長持ちするのです。

セラミックの歯が長持ちする理由を解説します。

表面がなめらかである

セラミックは、表面が非常になめらかです。汚れが付きにくく、歯ブラシなどで簡単にケアできます。

金属やレジンは、セラミックに比べると汚れが付着しやすいです。特に金属は、唾液と反応して静電気を帯びることがあります。

人体に影響を与えるほどではありませんが、汚れが付着しやすいでしょう。そのため、注意して口腔ケアをしなければなりません。

劣化しにくい

セラミックは金属やレジン(プラスチック)に比べると、劣化しにくいことも特徴です。金属やレジンは、治療当初はきれいに見えても経年劣化します。

素材が溶け出す、欠けるなど、使い続けるとトラブルが発生するでしょう。気がつかないうちに段差ができ、汚れが溜まって虫歯や歯周病を発症することも少なくありません。

セラミックは劣化しにくいため、しっかりとケアできている場合は、二次虫歯や歯周病を発症にくいのです。

変色しにくい

セラミックは、金属やレジンに比べて変色しません。装着したときとほとんど同じ色合いをキープできるのです。

金属の被せ物は、金属イオンが溶け出して歯茎が黒ずむリスクがあります。レジンは吸水性があるので、年月が経過すると黄ばみます。コーヒーなど、色の濃い飲食物の影響も受けやすいでしょう。

特に、前歯が変色すると見た目が気になり、再治療したいと感じる方が少なくありません。セラミックは治療当初の色調を長く維持できるので、再治療したいと感じることはないでしょう。

天然歯や身体との適合がよい

セラミックは、天然歯や身体との適合がよいため、口腔内に馴染みます。天然歯としっかりと密着するため、装着後にすき間ができにくく、二次虫歯を防げるでしょう。

一方、金属の被せ物や詰め物は、金属アレルギーを発症するリスクがあります。「金属の詰め物をしていたけど、金属アレルギーになったから再治療になった」という方もいます。

詰め物・被せ物に問題がなくても、健康上の問題で長く使えないことがあるのです。

セラミックの歯の寿命を縮める原因

虫歯

保険適用の素材に比べてセラミック歯は長くもつとはいえ、破損する可能性や再治療が必要になる可能性はあります。セラミックの歯の寿命を縮める主な原因は、以下のとおりです。

食いしばりや歯ぎしりの癖

食いしばりや歯ぎしりの癖がある場合、セラミックの歯に過度な力がかかります。破損する原因になるでしょう。

食いしばりや歯ぎしりをした際に歯にかかる力は、体重の5〜10倍程度、強い部分では30倍程度といわれています。セラミック歯の強度や耐久性が優れているとはいえ、食いしばりや歯ぎしりの力がかかると破損するリスクが高くなるでしょう。

虫歯や歯周病になる

セラミック歯は、汚れが付きにくくケアしやすい素材ですが、まったく汚れないわけではありません。口腔ケアが十分にできていない場合は、虫歯や歯周病を発症するリスクが高くなります。

セラミックの下が虫歯になった場合、詰め物・被せ物を除去して再治療しなければなりません。セラミックの下は視認できないので、気づかないうちに虫歯が進行し、歯を失う可能性もあるでしょう。

セラミックの歯を長持ちさせる方法

歯間ブラシを使う女性

セラミック歯を選択する場合は、高額な費用を支払わなければなりません。できるだけ長く使用したいと思う方が多いでしょう。

セラミックの歯を長持ちさせるための方法は、以下のとおりです。

口腔ケアを丁寧に行う

セラミックの歯を長持ちさせるには、口腔ケアをしっかりと行うことが重要です。上述したとおり、正しい口腔ケアを行わなければ虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどを用いて口腔ケアを行いましょう。

しかし、ご自身では丁寧に磨いているつもりでも、磨き残しが生じていることがあります。磨き方には癖があるので、同じ部分を磨き残している可能性も考えられます。

歯科医院で正しい歯磨き方法を指導してもらいましょう。

定期検診を受ける

定期検診で、歯やセラミック歯の状況を確認することも重要です。噛み合わせが強い部分がある、同じ部分を磨き残している、接着剤が劣化しているなど、ご自身では気づけないことを教えてもらえるでしょう。

定期検診を受けていれば、トラブルが起きていても迅速に対処できます。

食いしばりや歯ぎしりの癖を改善する

食いしばりや歯ぎしりの癖がある場合は、改善しましょう。食いしばりや歯ぎしりは、セラミック歯が破損するだけでなく、顎関節症の原因にもなるからです。

歯科医師の診断に基づいて、マウスピースを作る、噛み合わせを調整するなど、適切に対処しましょう。日中意識があるときに食いしばる癖がある場合は、気をつけて改善してください。

まとめ

セラミック歯の寿命について話す女性

セラミック歯は、10〜15年もつとされています。保険適用の治療で使用する素材に比べて長持ちし、経年劣化もほとんどありません。天然歯に近い見た目をキープできるため、食事も会話も楽しめるでしょう。

セラミック歯を長く使用するためには、正しい口腔ケアを行うこと、定期検診を受けること、歯ぎしりや食いしばりの癖を改善することなどが不可欠です。セラミックの歯を装着したあとも、歯科医師やスタッフとよい関係を築いて健康な口腔内をキープしましょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.10.14更新

歯のセラミック治療とは?種類や費用、銀歯との違いを解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミック治療をした女性

歯のセラミック治療は、審美目的で選択されることが多いですが、虫歯治療の際に検討する方もいるのではないでしょうか。
今回は、セラミック治療とはどのような治療なのかを解説します。メリット・デメリットや、セラミック治療の種類、費用などもご紹介するので、セラミック治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

歯のセラミック治療とは?

セラミック

歯のセラミック治療とは、セラミックという素材を使用した歯科治療のことです。虫歯で歯を削ったあとに詰め物として使用する場合が多いでしょう。
近年では、銀歯で治療した歯をセラミックに変える方や、歯の色をきれいにするためにセラミック治療を検討する方も増加しています。

セラミック治療を受ける理由

セラミック治療を受ける理由は、大きく分けて2つあります。
まずは、審美性です。セラミック治療を行えば、非常にきれいな白い歯を手に入れられます。
定期的にホワイトニングを受けても、歯の黄ばみなどが気になる方は多いです。セラミックに変えることで、もともとの歯の色や質感を維持しながら、透明感のあるきれいな歯を手に入れられるでしょう。

次に、機能性です。セラミックは滑らかな素材なので、細菌や汚れが付着しにくいとされています。虫歯や歯周病を予防する目的で、セラミック治療を受ける方もいるのです。

セラミックと銀歯の違いとは?

銀歯

セラミック治療を検討したことがある方は、セラミックと銀歯の違いが気になるかもしれません。セラミックと銀歯の違いは、以下のとおりです。

素材

銀歯は、金属を使用する治療です。セラミックは金属を使用しないので、金属に起因するさまざまなリスクを回避できます。

例えば、金属は唾液によって溶け出し、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。金属アレルギーがある方は、銀歯の治療を受けられないでしょう。
セラミック治療には、メタルタトゥーの心配もありません。メタルタトゥーとは、金属が溶け出すことで、歯茎が黒ずむことです。一度メタルタトゥーで黒ずんだ歯茎は、銀歯を除去してももとの色には戻りません。

虫歯や歯周病のリスク

銀歯は、経年劣化します。劣化した際にセメントが溶け出すと、歯と銀歯の間にすき間が生まれ、虫歯菌が侵入する可能性があります。歯周病になる可能性もあるでしょう。
セラミックは陶器なので、長期間唾液に晒されても劣化しません。虫歯や歯周病のリスクを回避できるでしょう。

また、銀歯は表面に傷がつきやすく、傷から虫歯菌が入り込んで虫歯になる可能性もあります。セラミックの表面は滑らかで傷がつきにくいので、虫歯になりにくいとされています。

見た目

銀歯は金属なので、非常に目立ちやすいです。前歯付近を銀歯で治療すると、会話の際などに銀歯が目立つかもしれません。

しかし、セラミックは天然歯に近い色調や透明感を再現できます。自然な仕上がりになるため、ほとんど目立ちません。近年では、見た目を気にして銀歯からセラミックに変える方もいます。

セラミック治療のメリット

メリットmeritの文字ブロック

セラミック治療のメリットは、以下のとおりです。

長くきれいな色を維持できる

セラミックは、時間が経過しても変色することや黒ずむことがありません。そのため、治療を受けたときの白さを長期間維持できます。

二次的な歯のトラブルを回避できる

銀歯は、長期的に使用すると劣化します。劣化して歯と銀歯の間にすき間が生じると、すき間から虫歯菌が侵入して再度虫歯になることがあるでしょう。
セラミックは劣化しないためすき間が生まれにくく、虫歯のリスクを回避できるのです。

金属アレルギーでも治療できる

銀歯は金属なので、金属アレルギーの方は治療を受けられません。治療を受けたときは金属アレルギーがなくても、銀歯から溶け出した金属を長期的に吸収することで金属アレルギーを発症することがあります。
セラミックには金属が使われていないので、金属アレルギーを発症する可能性はありません。

セラミック治療のデメリット

デメリットと書かれたカード

次に、セラミック治療におけるデメリットを解説します。メリットだけでなく、デメリットも理解したうえで、セラミック治療を受けるかどうか判断しましょう。

自費診療である

銀歯の場合は保険が適用されますが、セラミック治療は自費診療です。詳しい金額は後述しますが、高額な費用がかかることは理解するべきでしょう。
セラミック単体の費用に加えて検査や診察、治療などにも費用がかかるので、金銭的に余裕がない方が治療を受けるのは難しいかもしれません。

割れることがある

セラミックは丈夫ですが、強い力が加われば割れる可能性があります。十分にメンテナンスをしていなければ、長期間使用することはできないでしょう。
割れた場合は再治療が必要になるので、追加で費用がかかります。

セラミック治療の種類

セラミックの種類

セラミック治療の種類は、主に3つです。それぞれ解説します。

オールセラミック

セラミックのみで作られた冠を被せる治療方法です。
金属やレジンなどを一切使用しないため、変色や劣化が起こりにくいことが特徴でしょう。透明度が高く、天然歯と見分けがつかないほど美しく仕上がります。
オールセラミックは、耐久性が高いことも特徴です。しっかりとケアすれば、長く使い続けられるでしょう。

ラミネートベニア

歯の表面を削り、薄いセラミックを貼り付ける治療です。主に前歯に行われます。つけ爪をイメージするとわかりやすいでしょう。
歯を削る量が少なく神経にも達しないので、短時間で終了します。麻酔は使用しませんが、痛むことはありません。
前歯を白くしたい、すきっ歯を治したい、歯の形が気になるという方に適したセラミック治療です。特に、神経が壊死して黒っぽく変色した歯はホワイトニングをしても白くならないので、神経が壊死した歯を白くするときにも行われます。

メタルボンド

金属にセラミックを焼き付けて作った冠を被せる治療法です。歯を大きく削った場合に有効な治療方法です。
内部が金属でできているので耐久性に優れており、奥歯など強い力がかかる部分にも使用できます。表面に白いセラミックを焼き付けていますが、内部が金属なのでオールセラミックと比較すると透明度や白さはやや劣ります。

セラミック治療の費用

コストのブロック

セラミック治療を受ける際に気になるのは、費用でしょう。セラミック治療は保険適用外なので、施術を受ける歯科医院やセラミックの種類によって費用が変動します。

ご紹介したセラミックごとの費用相場は、以下のとおりです。

・オールセラミック:80,000〜180,000円

・メタルボンド:80,000〜150,000円

・ラミネートべニア:50,000〜150,000円

1本あたりの費用なので、施術を受ける本数が増えればさらに費用がかかります。
オールセラミックは、ほかの治療と比べると費用が高い歯科医院が多いです。診察代や検査代、治療の手技の費用も追加されます。

セラミック治療が向いている人

歯の治療

セラミック治療が向いている人は、以下のとおりです。

歯を削る必要がある人

過去に詰めた詰め物が破損・変色した場合や、虫歯になった場合など、これから歯を削る必要がある人は、セラミック治療が向いています。セラミックのためだけに歯を削る必要がなく、治療の過程でセラミックをつけられます。
セラミック治療による大きな負担がないでしょう。

金属アレルギーがある人

金属アレルギーがあって銀歯を入れられない人は、セラミック治療が向いています。セラミック治療は金属を使用していないので、アレルギー反応は出ないでしょう。
丈夫で美しい歯を手に入れることができます。

早く見た目を美しくしたい人

人前に出る仕事をしているなど、歯の治療に時間をかけられない人にも、セラミック治療は適しています。
特に、ラミネートべニアは短期間で前歯の見た目を改善できるでしょう。

まとめ

治療をして笑顔の女性

丈夫で白く美しい歯を作れるセラミック治療は、金属アレルギーのある方や虫歯治療で銀歯を入れたくない方、歯を白く美しく見せたい方から人気の治療です。

しかし、歯を削らなければならない、治療に高額な費用がかかるなど、デメリットがあることも理解しなければなりません。セラミック治療を受けよう思っている方は、まず歯科医院のカウンセリングを受けましょう。自分の歯の状態を調べたうえで、セラミック治療を受けるべきか検討してください。

歯のセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

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