2024.02.20更新
金属アレルギーでも大丈夫?安心してセラミック治療を受けるためには
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
金属アレルギーの方の場合は、補綴物や矯正治療の装置などを選ぶ際に気をつける必要があります。装置や素材によっては金属が使われているからです。
セラミック治療は、セラミックで作った詰め物・被せ物で行う治療のことですが、金属アレルギーの方でも受けられるのでしょうか。
今回は、金属アレルギーの症状や金属アレルギーの方が使えるセラミック、使えないセラミックについて解説します。
セラミック治療とは?
セラミック治療とは、セラミックを素材とした詰め物や被せ物で行う治療のことです。詰め物・被せ物の治療で使われる素材には、保険診療の銀歯やコンポジットレジン、自由診療のセラミックがあります。
セラミックのメリットは、透明感のある白さで見た目が良いことです。硬く耐久性が高いこと、保険診療の素材と比較して虫歯や歯周病になりにくいことも挙げられるでしょう。
セラミックには、ジルコニアやメタルボンド、E-max(イーマックス)、オールセラミック、ハイブリッドセラミックなどさまざまな種類があります。それぞれ特性が異なり費用に差があるので、歯科医院で説明を受けたうえで選択してください。
セラミック治療は金属アレルギーでも大丈夫?
セラミックは陶材なので、基本的には金属アレルギーの方も安心して使用可能です。実際に、セラミック治療で使われるほとんどの素材はメタルフリーであるため心配ありません。
しかし、金属アレルギーの方には使用できないセラミックの詰め物・被せ物もあります。金属アレルギーの方は、治療を受ける際に必ず歯科医師に伝えましょう。
金属アレルギーの方が使用できないセラミックは、メタルボンドです。メタルボンドは、表面はセラミックで内側が金属でできている被せ物です。
通常のセラミックよりも強度が高く奥歯にも使用できますが、内側の金属の影響で金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
金属アレルギーとは?
金属アレルギーの場合、皮膚や粘膜に金属が触れることで、かゆみがでたり赤く腫れたりする症状がでます。発熱や倦怠感などの症状が出ることもあるでしょう。
アレルギー反応が出やすい金属は、ニッケルやコバルト、クロム、スズ、銅、亜鉛などが挙げられます。
歯科治療では、被せ物や詰め物だけではなく、入れ歯や矯正装置などにも金属が使用されます。そのため、歯科治療由来の金属アレルギーが引き起こされることもあります。
口の中に金属が長時間入っていると、唾液が徐々に金属を溶かします。口内炎や歯肉炎、口腔内が腫れるなどのトラブルにつながることもあります。
金属に近い部分の粘膜が荒れる、舌に白いまだら模様ができる、かゆくなる、ヒリヒリするといった症状がある場合、金属アレルギーの可能性があるでしょう。そのまま放置して重症化すると、味覚や痛みがなくなることもあるので早めに歯科医院に相談してください。
また、歯科金属が原因で全身性金属皮膚炎になることもあります。この場合は口の中だけではなく、全身に炎症や湿疹が広がります。
疲れやすくなったり、不眠症状がでたり、イライラしたり、生活に支障が出ることも多いでしょう。
「金属アレルギーはないから大丈夫」と考える方もいるかもしれませんが、今まで症状がなくてもある日突然金属アレルギーの症状が出る方もいます。
また、どの金属に反応するかは人それぞれです。心配な方は、大学病院の専門外来や皮膚科などで金属アレルギー検査をしておくと良いでしょう。
最も安全なのは、金属不使用の技工物を使うことです。詰め物・被せ物については、保険診療でもプラスチックの素材も選択できるため、金属が使われているかいないかをしっかり確認してから素材を選びましょう。
金属を使用しないセラミックはある?
セラミック治療では、メタルボンド以外は金属を使用しません。そのため、メタルボンドを選ばなければ、金属アレルギーの方も安心して治療できます。
金属アレルギーの方でも適したセラミックをいくつかみていきましょう。
オールセラミック
オールセラミックは、名前の通り100%すべてセラミックでできています。金属アレルギーの心配がないというだけではなく、艶と透明感があって非常に美しいです。そのため、前歯など目立つ部分に使われることが多いです。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。他のセラミックと比較して優れた強度を持つため、強い力がかかる奥歯に使用されることも多いです。
見た目は、オールセラミックにはやや劣りますが、強度の面から目立つ歯にもジルコニアセラミックを選択する方も多いです。
E-max(イーマックス)
E-maxとは、ガラスセラミックと呼ばれるバランスが良い素材です。見た目は天然歯に近く、強度についても天然歯と同程度です。
歯垢や歯石がつきにくいので、虫歯や歯周病が心配な方から選ばれる傾向があります。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材のことをさします。自由診療のものだけではなく、保険診療のハイブリッドセラミックもあります。
他のセラミックの素材と比べると安価であることが大きなメリットです。レジンと比較すると変色しにくく、色のバリエーションもあるため自然に仕上がるでしょう。
オールセラミックと比較すると耐久性と審美性が劣るため、審美性を追求したい方は注意しなければなりません。
金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるためには
金属アレルギーの方の場合、歯科治療に対して不安を感じることもあるでしょう。日本の歯科治療では、虫歯治療の際に銀歯を使用するのは一般的です。矯正治療でも金属のワイヤーを使用することがあります。
ここでは、金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるために気をつけるべきことを解説します。
金属アレルギーであることを歯科医師に伝える
患者さま自身が金属アレルギーであることが既にわかっている場合は、あらかじめ歯科医師に伝えるようにしてください。そうすることで、金属を使っているメタルボンドは除外して治療の選択ができます。
銀歯やメタルボンドなど、金属で歯を補った後に金属アレルギーと判明した場合は、早めにメタルフリーの素材に交換しましょう。口内に金属がある限り、金属アレルギーの症状が落ち着くことはありません。
皮膚科の診断を受ける
金属アレルギーと思われる症状はあるけれど、大学病院の専門外来や皮膚科で診断を受けていない場合は、一度検査をしてもらいましょう。金属アレルギーと思われる症状が出ていても、実は別の病気の可能性もあります。
アレルギー反応が出る金属が特定できれば、原因金属を確実に避けて安全に治療を受けられるでしょう。
選択できる治療の費用を計算しておく
金属アレルギーの方は、金属を使用する治療が選択できません。そのため、高額な素材を選ばなくてはいけないことも多いです。事前に予算をどれくらいかけられるのかを考慮しておきましょう。
保険診療のコンポジットレジンなら安価で、金属アレルギーの方でも問題なく使用できます。
医療費控除を申請する
セラミック治療を選択する場合は、費用は1本5万円以上になることが多いでしょう。1年にかかった医療費が10万円を超えると、医療費控除の対象になります。
セラミックで歯を数本治療すると総額10万円以上になるので、医療費控除を申請すると良いでしょう。領収書が必要になるので、大切に保管しておいてください。
まとめ
歯科治療では金属の技工物が使用されることがよくあります。金属アレルギーの方は気をつける必要があるでしょう。
セラミック治療の場合は、基本的には金属不使用の素材を使います。金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられると言えます。
しかし、金属を使用したセラミックも存在します。表側がセラミックで裏側が金属できたメタルボンドは、金属アレルギーの方は避ける必要があるでしょう。
金属アレルギーの方が歯科医院で治療を受ける際は、事前にその旨を伝えてください。治療後に症状が現れた場合は、放置せずに迅速に歯科医院に連絡しましょう。
金属アレルギーでセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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