2024.10.29更新

重度の歯周病の症状と治療方法!費用や期間、放置するとどうなるのか

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

歯周病イメージ

「歯科医院で重度の歯周病と診断された」「重度の歯周病を放っておくとどうなるの?」という方もいらっしゃるでしょう。「重度といわれても、どのような状態なのかイメージがつきにくい」と感じている方もいるかもしれません。

今回は、重度の歯周病の症状や治療方法、治療にかかる費用と期間、放置するリスクなどについて解説します。

重度の歯周病の症状

歯周病で歯茎が腫れている女性

重度の歯周病と聞いても、具体的にはどのような症状がでるのか分からないという患者さんも多いのではないでしょうか。ここでは、そもそも歯周病とはどのような病気なのか、重度の歯周病とはどのような状態を指すのかとあわせて、重度の歯周病の症状を解説します。

歯周病とは

歯周病とは、歯周病菌によって引き起こされる炎症性の疾患のことです。歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)に細菌が蓄積することにより引き起こされます。

初期の段階では自覚できる症状がないことがほとんどですが、進行にともなって歯周ポケットが深くなり、出血や歯ぐきの腫れ、膿などの症状が現れます。「そのまま放っておけば治るのではないか」と考える方もいますが、歯周病が自然に治ることはありません。

そのまま放っておけば病気は進行し、最悪の場合には歯が抜け落ちることもあります。歯周病は口の中だけの病気だと考える方は多いかもしれませんが、全身疾患と関連していることも明らかになっています。

治療せずに放置するとさまざまなリスクを伴うため、早めに治療を受けることが重要です。

重度の歯周病とは

歯周病の段階は、歯周ポケットの深さで判断されます。健康な歯ぐきの状態では歯周ポケットは1~2mm、軽度の歯周炎では3~5mm、中等度では4~7mm、重度では6mm以上となります。

重度の歯周病は、歯を支える骨の2/3以上は破壊されている状態です。

重度の歯周病の症状

重度の歯周病になると、歯がグラグラと動いたり食べ物を噛みにくくなったりする症状がみられます。また、歯肉は下がり、歯根が露出することも特徴です。露出した歯根には大量の歯石が付着していることも確認できるでしょう。

さらに、歯肉が赤く腫れて、歯と歯肉のすき間から膿が出ることもあります。朝起きた際に口の中がネバついたり、血の味がしたりすることもあるでしょう。血や膿の影響で、口臭が強くなることも重度の歯周病の症状として挙げられます。

重度の歯周病の治療方法

歯周病の治療を受けている患者

重度の歯周病の治療には、いくつかの種類があります。ここでは、代表的な治療方法について解説します。

歯周病の基本治療

歯周病の段階に関係なく、基本治療が行われます。基本治療とは、歯周病の原因となる歯垢や歯石の除去、噛み合わせの調整など、口腔内の環境を改善するための治療のことを指します。

歯周病の基本治療では、歯科医院で行うクリーニングなどはもちろん、患者さん自身が自宅で行うセルフケアも重要となります。

FMD

FMD(フルマウスディスインフェクション)とは、歯周病菌に効く抗生剤の服用とバイオフィルムの除去を行う治療です。一度できたバイオフィルムは普段のブラッシングだけでは除去できませんので、歯科医院でプロのクリーニングを受ける必要があります。

身体の中と口腔内、両方から歯周病菌の除去にアプローチすることで、治療の効果を高めます。

歯周外科治療

歯周病が重度まで進むと、歯の根っこの深い部分にまで歯石が付着するため通常の器具では取り除くことが難しくなります。歯ぐきを直接切開して歯根を露出させ、歯石を除去完璧に除去しなければなりません。

なお、治療の際は麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯を支える組織を再生させる治療です。失われた組織を再生するために薬剤を使用します。薬剤には、エムドゲイン、幹細胞サイトカイン、CGF、AGFなどいくつか種類がありますが、歯科医院によって使用するものは異なります。

歯周補綴療法

重度の歯周病の状態では、歯を支える骨の半分以上が溶けて歯がグラグラしてきます。そのような状態では、食べ物を噛む際に支障が出るだけでなく、クリーニングやセルフケアもしにくくなるでしょう。

そのため、グラグラしている歯を被せ物で固定し、安定させる治療を行います。歯が安定することにより歯周治療が行いやすくなるだけでなく、噛み合わせの回復も目指せます。

抜歯

歯がグラグラしている重度の歯周病であっても、まずは歯を残すための治療が行われます。

しかし、残すことによるリスクが高い場合や残せる見込みがない場合には、抜歯を検討しなければなりません。

重度の歯周病の治療にかかる費用と期間

重度の歯周病の治療にかかる費用イメージ

歯周病の治療にかかる費用や期間は、歯ぐきの状態や進行具合などによって異なります。ここでは、重度の歯周病の治療にかかる費用と期間の目安について解説します。

重度の歯周病の治療にかかる費用

歯周病治療には、基本的に保険が適用されます。

ただし、費用は重症度によって異なります。軽度の場合の治療費は5,000円~1万円、中等度では1万円~1万5,000円が目安です。

重度の歯周病になると、1万5,000円~2万円程度が目安でしょう。重度の歯周病では治療完了までに何度も通院する必要があるため、保険適用でもトータルで10万円以上かかるケースも珍しくありません。

重度の歯周病の治療にかかる期間

重度の歯周病の場合、8回~10回程度の診療が必要となります。患者さまの口腔内の状態にもよりますが、治療期間は1年以上に及ぶことも考えられるでしょう。自費診療を選択することにより、通院回数を少なくすることは可能です。

ただし、この場合には、1回あたりの治療費が3万円~5万円と高額になります。通院回数を少なくできるかどうかは、かかりつけの歯科医院と相談しましょう。

重度の歯周病を放置するとどうなる?

口臭を気にしている女性

重度の歯周病を放置していても自然に治ることはありません。それどころか、さまざまなリスクが生じますので注意が必要です。

以下では、重度の歯周病を放置するリスクについて解説します。

食生活に影響が出る

重度の歯周病では、歯を支える骨の半分以上は破壊されています。歯ぐきが下がって腫れ上がり歯がグラグラとするため、食べ物を噛みにくくなることがあるでしょう。また、それほど硬くない食べ物であっても、噛んだ時に痛みが生じることも考えられます。

口臭が悪化する

重度の歯周病では、歯と歯ぐきのすき間から血や膿が出ます。毎日歯磨きやマウスウォッシュなどをしていても、口臭が悪化していくでしょう。

ご自身の口臭に気づくのは非常に難しく、対人関係に影響を及ぼす恐れもあります。

歯が抜け落ちる

歯周病を放っておいても自然に治ることはありませんので、放置して入れば骨の破壊が進んでいきます。その結果、歯を支える骨が溶かされて、歯が抜け落ちることも考えられるでしょう。

全身疾患が引き起こされることがある

歯周病は、さまざまな全身疾患を引き起こすことが明らかになっています。例えば、歯周病菌が口から体内に入ることにより、心臓血管疾患や呼吸器疾患などが引き起こされることがあります。

また、歯周病により糖尿病の症状が悪化することや、妊婦の場合には低出生体重児などのリスクが高まることもわかっています。

まとめ

歯周病が治り笑顔の女性

重度の歯周病とは、歯周ポケットの深さが6mm以上となり、歯を支える骨が半分以上破壊されたり歯がグラグラしたりした状態のことを指します。この状態では、あまり硬くない食べ物を噛んだだけでも痛みが生じたり、歯と歯ぐきのすき間から血や膿が出たりします。

重度の歯周病が自然に治ることはありません。それどころか、さらに進行すれば歯が抜け落ちることや全身疾患が引き起こされることも考えられるでしょう。

「重度になったら歯を抜くしかないのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、重度であっても行える治療方法は複数あります。できるだけ早めに歯科医院へご相談ください。

重度の歯周病にお悩みの方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.10.22更新

予防歯科とは?何をするの?費用と保険適用についても解説

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

予防歯科の治療を行っている女性

「歯の治療は痛いしお金がかかる」と、通院するのをためらう方もいるのではないでしょうか。

しかし、歯の問題が重症化すると、治療にかかる費用や期間が増えることになります。また、見た目に自信がなくなったり、好きなものが食べにくくなったり、日常生活に支障をきたす場合もあるでしょう。

予防歯科は、虫歯や歯周病の発生を抑え、歯の健康維持のために有効な手段です。

この記事では、予防歯科の内容や費用、保険適用の可否について解説します。メリットやデメリットもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

予防歯科とは

予防歯科の治療を行っている女性

予防歯科とは、虫歯や歯周病などのトラブルを未然に防ぎ、歯の健康寿命を長くするための取り組みです。従来の治療は症状が出てから行うのが主流でしたが、予防歯科は普段から歯の健康を保つために積極的に歯科医院を受診します。

海外では予防歯科の考え方が一般的になっており、近年では、日本でも予防歯科に力をいれる歯科医院が増えてきました。

予防歯科では何をするの?

予防歯科では何をするか説明している歯科医師

予防歯科では、プロフェッショナルケアとセルフケアの2つを組み合わせることで、虫歯や歯周病を予防します。ここからは、プロフェッショナルケアとセルフケアの内容をご紹介します。

プロフェッショナルケア

以下で、歯科医院で行うプロフェッショナルケアの内容について詳しく解説します。

検査

まず、予防歯科ではお口の中の検査を行います。歯科医師がお口の中を見て、虫歯・歯周病の有無や歯周ポケットの深さ、歯茎や噛み合わせの状態などを確認します。他にも、歯の動揺や割れ・欠けがないかなどの確認も行われるでしょう。

必要に応じて、レントゲン撮影をする場合もあります。健康なときのお口の中の状態を知っておくことで、問題が起こった際にすぐに気づいて対処できるのです。

スケーリング

予防歯科では、歯の表面や歯周ポケットにたまった歯石を専用器機で取り除く、スケーリングと呼ばれる処置が行われます。歯垢を放置すると石灰化して歯石になりますが、セルフケアでは除去できません。

歯石は口内トラブルの原因になるため、歯科医院でしっかり除去してもらうことが重要なのです。スケーリングを定期的に受けることで口腔内の健康を維持し、虫歯や歯周病を防げるでしょう。

PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、専門的なクリーニングのことです。専用の機器や研磨剤を使用して、セルフケアでは取り除けない汚れや細菌の塊(バイオフィルム)を除去します。

PMTCでは、歯の表面を滑らかにして汚れや細菌が再び付着しにくい状態を保ちます。また、飲食物やタバコによる着色汚れも取り除けるため、審美性の向上も期待できるでしょう。

歯磨き指導

虫歯や歯周病を防ぐためには、歯科衛生士による歯磨き指導も重要です。予防歯科では、歯科衛生士が患者様の歯の状態に合わせて、適切な歯ブラシの選び方や歯磨きのやり方、歯間ブラシやフロスの使い方などを丁寧に指導します。

歯磨き指導を受けるとセルフケアの質が向上し、口腔内の健康を長期にわたって保つことにつながるでしょう。

フッ素塗布

フッ素は、歯質を強化して虫歯になりにくくする作用があります。特に、歯が柔らかい乳歯や生えて間もない永久歯には、フッ素による予防は有効です。

汚れや歯石をしっかり取り除いた歯にフッ素を塗布することで、フッ素の効果を最大限に発揮できます。フッ素の効果は約3~4ヶ月程度持続するため、その期間内に再度歯科医院を受診して塗布してもらうと良いでしょう。

シーラント

シーラントは、歯の溝を歯科用プラスチックで埋めて虫歯を予防する処置です。歯の溝には歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすやプラークが溜まりやすいです。シーラントで溝を埋めれば、歯垢や食べカスがたまりにくくなるのです。

また、歯を強くするフッ化物が含まれている場合が多く、歯の再石灰化を促進するため虫歯予防に高い効果が期待できるでしょう。

特に、生えたばかりの6歳臼歯や乳歯の奥歯は、歯の溝が深く虫歯になりやすいです。シーラントが予防に非常に有効です。

通常は予防のために行う処置は保険適用外ですが、6〜12歳のお子様であれば保険適用でシーラントを受けられます。

セルフケア

予防歯科では、歯科医院でのプロフェッショナルケアに加えて、自宅でのセルフケアもしっかり行うことが大切です。

毎日のケアを疎かにして磨き残しが生じると、汚れや歯垢が蓄積して細菌が繁殖します。虫歯や歯周病の原因になるため、歯の汚れを毎日しっかり落として口腔内を清潔に保つことが重要です。

特に、就寝中は唾液の分泌量が減るので、お口の中が乾き細菌が増えやすい状態になります。寝る前の歯磨きをしっかり行い、細菌の量をできるだけ抑えましょう。

また、食生活の改善も予防歯科には欠かせません。糖分の摂取を控えたり、栄養バランスの取れた食事をしたり、口腔内の健康を保ちましょう。

食生活の改善は、口腔内だけでなく全身の健康にもつながります。バランスの取れた食事を心がけ、適切な食習慣を続けることで長く健康な歯を保てるでしょう。

予防歯科の費用と保険適用について

予防歯科の費用イメージ

以前は、予防歯科は基本的には保険適用外の自由診療でした。健康保険の制度は病気の最低限の治療をカバーするもので、予防歯科は病気になる前の診療なので治療ではないと考えられていたからです。

しかし、2020年4月の診療報酬改定によって、虫歯予防も治療の一環という考えに変わり、保険が適用されるケースも出てきました。予防歯科の保険適用の条件は、大きくわけて以下の2つです。

  • すでに虫歯や歯周病がある
  • 口腔管理体制強化加算の基準を満たしている

虫歯や歯周病は、進行を抑えることが重要です。重症化すると治療の難易度が高くなるため、予防処置が必要と判断された場合は保険が適用されます。

また、治療を行う歯科医院が、口腔管理体制強化加算という基準を満たしていることも予防歯科に保険が適用される条件です。

予防歯科にかかる費用は、保険診療の3割負担の場合、1回3,500円程度が目安とされています。自由診療の場合の目安は、1回5,000円〜2万円程度です。

自由診療は治療費を歯科医院で自由に決めることができ、歯科医院によって費用が異なるため、事前に確認しましょう。

予防歯科のメリット・デメリット

予防歯科のメリット・デメリットイメージ

ここからは、予防歯科のメリットとデメリットを解説します。両方をしっかり理解しておきましょう。

メリット

予防歯科のメリットは、以下のとおりです。

虫歯や歯周病を未然に防げる

予防歯科に定期的に通うことで、虫歯や歯周病を未然に防げます。初期の虫歯や歯周病は自覚症状がほとんどなく、気づいた時には進行しているケースも少なくありません。

予防歯科では、虫歯や歯周病になりにくい口内環境を作れます。また、定期的に歯科医院を受診していれば、虫歯や歯周病になった場合でも早期に発見して治療できるのです。

将来の治療費を抑えられる

予防歯科は、将来かかるかもしれない高額な治療費の抑制が期待できるでしょう。虫歯や歯周病は、症状が進行するほど治療が複雑になって通院回数が増え、治療費も高くなります。

しかし、予防歯科で定期的に歯科医院を受診していれば、万が一トラブルが発生しても症状が軽いうちに発見・対処できます。予防歯科で口内の健康を維持することで、将来かかる治療費用の負担を減らせる可能性があるのです。

全身疾患のリスクを軽減できる

予防歯科で虫歯・歯周病予防を行えば、さまざまな病気のリスクを軽減できます。

虫歯や歯周病の細菌が歯茎から血管に入り全身を巡ると、心臓や脳の疾患などを引き起こす可能性があります。そのため、虫歯や歯周病の予防をすることで、全身疾患のリスクの低減につながるのです。

また、近年では歯が残っている本数が多いほど、健康寿命が長くなるということが明らかになってきました。健康な歯があることで食べ物をしっかり噛めて脳の血流が増え、全身の健康につながるのです。

デメリット

予防歯科のデメリットは、定期的に通院する必要があることでしょう。患者さまによって多少異なりますが、一般的に約3ヶ月に1回、年に3〜4回程度の通院が必要とされています。

虫歯や歯周病の予防に不可欠なことを理解していても、通院時間の確保が必要だったり費用の負担が増加したり、通い続けるのが難しいと感じる方もいるかもしれません。

しかし、虫歯や歯周病になると治療費がかかり、重症化している場合は費用や通院の負担が大幅に増加します。予防歯科を続けることで、結果的に将来的な治療の負担を減らせる可能性が高くなるため、受けたほうが良いでしょう。

まとめ

予防歯科によって健康な歯を維持できている女性

予防歯科では、虫歯や歯周病にかからないためのケアを行い、健康な歯を維持するためのサポートが行われます。定期的な通院で将来かかるかもしれない治療費を軽減でき、病気のリスクも抑えられるのがメリットです。

ただし、保険適用外になる場合もあるので、事前に歯科医院に相談しましょう。歯の健康を長く保つためにも、予防歯科を検討してみてはいかがでしょうか。

予防歯科を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.10.15更新

子どもが虫歯になりやすい理由!進行レベル別の治療方法や防ぐ方法

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

虫歯で歯が痛い子供

子どもの歯である乳歯は、大人と比較して虫歯になりやすいとされています。乳歯のうちから虫歯になると、永久歯の歯並びの悪化や変色といった悪い影響を及ぼす可能性もあります。

子どもの歯を虫歯から守るためにはどのような対策が必要なのか、疑問に思う方もいるでしょう。

今回は、子どもが虫歯になりやすい理由や進行別の治療法、虫歯を防ぐ方法について解説します。

子どもが虫歯になりやすい理由

ドーナッツを食べている子供

子どもの歯である乳歯は、永久歯と比較して虫歯になりやすいとされています。主な原因として、歯磨きや間食といった習慣や、歯の構造が挙げられます。

子どもの虫歯の原因を理解して適切に対処を行うこと、がむし歯の予防につながります。

エナメル質が薄い

乳歯は、永久歯とよりもエナメル質が薄いです。エナメル質は、歯の内部を保護したり細菌やウイルスから歯を守ったりする役割を持つ組織です。

そのため、エナメル質が薄い乳歯はむし歯になりやすいのです。

歯磨きに慣れていない

歯磨きがうまくできないことで口の中に食べかすが残ると、虫歯のリスクが高まります。特に、小さい子どもは手先があまり器用ではなく、歯磨きを十分にできません。

虫歯菌は食べかすや磨き残しをエサにして増殖していくため、虫歯を予防するためには正しい歯磨きで汚れを取り除かなければなりません。お子様だけで十分に磨けないことが多いので、10〜12歳頃までは仕上げ磨きが必要とされています。

糖分を好む

甘いお菓子や飲料といった、糖分の多い食品を食べると虫歯のリスクが高まります。クッキーやチョコレート、ジュースなど、甘い飲食物を好むお子様が非常に多いことも、子どもが虫歯になりやすい理由と言えるでしょう。

食事の回数が多い

子どもは体が小さく、1日3回の食事では十分な栄養・エネルギーを摂取できないことが少なくありません。特に子どもは成長が著しいため、3回の食事とは別で1日1〜2回、補食が必要とされています。

しかし、長い時間口の中に糖分が留まると、虫歯のリスクが高まるのです。食後は口内が酸性に傾きますが、唾液の働きによって徐々に中和されていきます。食事の回数が多いと中和が間に合わず、酸性の時間が長く続くため虫歯になりやすくなります。

子どもの虫歯の特徴

虫歯になった子供

子どもの虫歯の特徴を確認しましょう。

進行が速い

子どもの虫歯は、大人よりも進行が早いのが大きな特徴です。また、初期段階の場合には痛みが少ないことも多く、進行するまで虫歯に気づかないケースもあります。

虫歯になっても歯が白い

子どもの乳歯が虫歯になった場合、黒く変色するのではなく白く濁ることが多いです。歯の表面のエナメル質が酸によって溶けることで、白く濁った色になります。

虫歯は黒いというイメージを持っている方が多いため、見過ごされる原因になりやすいです。

神経まで達しやすい

乳歯は、大人の歯に比べて虫歯への抵抗力が弱いという特徴があります。エナメル質が薄いため進行しやすく、悪化すると神経まで達するリスクが高いでしょう。

永久歯に影響を及ぼす

乳歯が虫歯になると、永久歯に悪い影響を及ぼす可能性があります。具体的には、歯並びが悪くなったり、永久歯が変色したりするリスクがあります。永久歯の発育が十分に進まない恐れもあるので、いつか抜ける乳歯の虫歯も予防することが重要です。

子どもの虫歯の治療方法[進行レベル別]

虫歯治療を受けている子供

子どもの虫歯は、進行度に応じて治療法が変化していきます。

虫歯が進行すればするほど、治療期間が長くなって通院回数が多くなっていきます。最悪の場合には抜歯が必要になる可能性もあります。

虫歯になってしまった場合には、できる限り早期に治療を始めることが重要です。

C0(虫歯になりかけの状態)

C0の虫歯は、感染している部分が浅く特別な治療を必要としません。正しいブラッシングやフロスによって汚れを落としたり、フッ素を塗布して虫歯の進行を止めたりする治療を中心に行います。

また、歯科医院でのケア・治療だけでなく、唾液の分泌量を増やすことも効果的です。よく噛んで食べる必要がある食材を与えるなど、工夫してみましょう。

 C1(エナメル質に虫歯がある状態)

エナメル質に虫歯が進行すると、虫歯がある箇所をドリルで削って詰め物をするという治療を行います。レジンを詰めて治療するのが一般的です。

この段階であれば、1日で治療が終了する場合もあります。

C2(虫歯が象牙質に達している状態)

C2の状態でも、基本的には虫歯部分を削って、削った部分を補うという治療を行います。

ただし、虫歯が象牙質まで達している場合、歯を削る量が多くなります。より広範囲を削って詰め物を行うため、治療の負担が増加する可能性があります。

 C3(虫歯が神経に達している状態)

虫歯が神経まで達すると、激しい痛みが生じて日常生活に支障をきたすようになります。この場合、根管治療が必要になるでしょう。神経を抜いた後には、被せ物を装着して歯を補います。

子どもの歯の場合、神経の一部を残して子どもの再生力を利用して治療するケースもあります。

 C4(歯冠が崩壊した状態)

虫歯が歯の根元まで達すると、神経が死んで痛みを感じなくなります。このまま放置すると、歯茎が膿み強い痛みを感じたり、口内環境が悪化したりします。

虫歯がこの段階まで進行すると、抜歯を行うことが多いです。

子どもの虫歯を防ぐ方法

歯磨きをしている子供

子どもの虫歯を防ぐためには、日ごろの食生活に気をつけて適切なケアを続けることが重要です。食事管理や正しい歯磨きは小さな子供だけでは徹底できないので、保護者の方の協力が不可欠でしょう。

食生活に気を付ける

子どものむし歯を防ぐためには、間食の内容やタイミングに気を付ける必要があります。特に、砂糖を含んだおやつや飲み物をだらだらと食べていると、口内に長時間糖分が残るので虫歯になりやすいです。

間食をする時間を決めて、だらだら食べないように気をつけましょう。また、寝る前の間食を控えたり、糖分が残りやすい飴やチューイングキャンディなどのお菓子を避けたりすることも重要です。

適切な歯磨きを行う

正しい歯磨きの習慣を身に付けることが、虫歯のリスクを減らすために重要です。口の大きさに合う歯ブラシを使用して、歯の表面だけでなく歯と歯の間や歯茎など隅々まで丁寧にブラッシングしましょう。

小さい子どもが一人で歯磨きを行うのは難しいため、仕上げ磨きを行うことも虫歯予防につながります。

フッ素を塗布する

フッ素を塗布することで、歯のエナメル質を強化できます。生活習慣や口内の状態に合わせて、3ヶ月に1回を目安にフッ素塗布を受けましょう。

また、フッ素入りの歯磨き粉を日常のケアに取り入れることも虫歯予防に効果的です。

定期検診を受ける

定期的に歯科医院を受診することで、セルフケアでは除去できない汚れを除去したり、虫歯の早期発見に繋げられたりします。定期検診では正しい歯磨き方法の指導も行われるので、普段のケアの質を高めることにもつながるでしょう。

まとめ

虫歯がなく笑顔の子供

子どもの歯である乳歯は、永久歯と比較して虫歯になりやすいとされています。主な原因として、永久歯よりもエナメル質が薄いことや歯磨きを上手に行えないこと、栄養補給のために間食の習慣があることが挙げられます。

子どもの虫歯は白く濁るだけで見た目では分かりづらかったり、進行が早いなどの特徴があります。気づかないうちに神経まで達している可能性もあり、最悪の場合には抜歯が必要になることも考えられます。

日ごろから食生活に気を付け、定期検診を受けて虫歯を早期に発見・治療を行うことが重要です。

子どもの虫歯が気になる方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.10.08更新

歯のブリッジ治療とは?メリット・デメリット、費用や寿命をわかりやすく解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

歯のブリッジ治療イメージ

何らかの理由で歯を失ったときの治療法のひとつに、ブリッジがあります。歯のブリッジ治療とは一体どのような治療方法なのか疑問をおもちの方もいるでしょう。

今回は、歯のブリッジ治療とはどのような治療法か解説します。ほかの治療方法と比較したブリッジのメリットやデメリット、費用、ブリッジを長持ちさせる方法などについても解説しますので、失った歯を補う治療法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

歯のブリッジ治療とは

歯のブリッジ

歯のブリッジ治療とは、むし歯や歯周病、怪我などで失った歯を補うための治療方法の一つです。失った歯の両隣の歯を削って、橋渡しをするように連結した人工歯を取り付けます。

歯がないまま放置すると、食べ物が噛みにくくなるだけでなく、隣接する歯が隙間を埋めようと倒れてきたり、噛み合わせの歯が伸びてきたりして、歯並びや噛み合わせが変化する恐れがあります。そのため、ブリッジなどの治療法で歯を補う必要があるのです。

ブリッジは両隣の歯を土台として使用するため、両隣にむし歯や歯周病などを患っていない健康な歯であることが治療の条件になります。

歯のブリッジ治療のメリット

歯のブリッジ治療のメリットイメージ

歯をブリッジにするとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、歯のブリッジ治療のメリットについて解説します。

・使用する素材によっては保険が適用される
・入れ歯よりもしっかり噛める
・着脱の必要がない
・治療期間が短い

それぞれくわしく解説します。

使用する素材によっては保険が適用される

ブリッジ治療に使用する素材によっては、保険が適用されます。保険が適用される素材を選択することで費用を抑えることが可能です。

ただし、セラミックなどの見た目が良く、耐久性のある素材を選ぶと、保険が適用されないので注意が必要です。

入れ歯よりもしっかり噛める

ブリッジは、土台となる両隣の歯に人工歯を固定するため、しっかり噛めるようになります。入れ歯のようにグラグラしたり、硬い食べ物が噛めなかったりするということはないでしょう。

着脱の必要がない

着脱の必要がない点もブリッジのメリットです。ブリッジは土台となる両隣の歯に接着剤で固定するため、入れ歯のように外して洗浄したりなどの特別なケアは不要です。

治療期間が短い

ブリッジの一般的な治療期間は1〜2ヶ月程度で、2〜3回程度の通院で治療が完了するケースが多いでしょう。インプラントの治療期間は3ヶ月〜1年程度といわれているため、ブリッジは治療期間が短い方法だといえます。

歯のブリッジ治療のデメリット

歯のブリッジ治療のデメリットイメージ

一方で、歯のブリッジ治療には、以下のようなデメリットがあります。

・両隣の歯に負担がかかりやすい
・歯を複数本失っていると治療できないことがある
・汚れが溜まりやすい

それぞれくわしく解説します。

両隣の歯に負担がかかりやすい

ブリッジのデメリットは、両隣の歯に負担がかかりやすいという点です。ブリッジ治療では両隣の健康な歯を削る必要があります。

また、失った歯の代わりに両隣の歯を土台として使用するため、咀嚼をするときに負担がかかりやすく、歯の寿命が短くなる可能性があります。大きく削った歯は、健康な歯に比べて脆くなるため、むし歯などが進行しやすくなる可能性もあるでしょう。

歯を複数本失っていると治療できないことがある

ブリッジは、両隣の歯を土台として使用するため、連続して複数本の歯を失っていると治療できないことがあります。その場合は、インプラントや入れ歯などのほかの治療方法を検討しなければいけないでしょう。

汚れが溜まりやすい

ブリッジは構造上、人工歯とその下の歯茎の部分に汚れが溜まりやすいです。人工歯部分がむし歯になる心配はありませんが、汚れが溜まると歯茎に炎症が起こったり、土台となる歯がむし歯になったりする恐れがあります。

歯のブリッジ治療の費用

歯のブリッジ治療の費用イメージ

歯のブリッジ治療の費用は、保険診療か自費診療かで異なります。また、選ぶ素材によっても大きく異なります。

保険が適用されるブリッジ治療には、奥歯に金属、前歯に硬質レジン前装冠という白い素材が使用されます。費用は奥歯の場合で1万円〜2万円程度、前歯の場合であれば2万円〜3万円程度が相場です。

一方で、自費診療のブリッジ治療は費用が高額になりますが、セラミックなどの審美性や機能性が高い素材を選択できます。費用は25万円〜50万円程度が相場です。

ブリッジの寿命と長持ちさせるポイント

歯ブラシと歯磨き粉

使用する素材によっては、保険が適用され費用を抑えやすいことがわかりましたが、すぐに使用できなくなると治療費がかさむことになるでしょう。ブリッジの平均寿命は、使用方法やお口の状態によって異なりますが、一般的に7〜8年程度といわれています。

しかし、適切なケアを怠ると寿命が短くなる可能性があるのです。

では、ブリッジを長持ちさせるためにはどうしたらいいのでしょうか。ブリッジをできる限り長く使用するためのポイントは、以下のとおりです。

・しっかり歯磨きをする
・定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける
・ナイトガードを使用する

それぞれくわしく解説します。

しっかり歯磨きをする

ブリッジは人工歯と歯茎との間に汚れが溜まりやすいため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。ブリッジ付近の歯茎が歯周病になったり、土台となる両隣の歯がむし歯になったりすると、人工歯を一度外して治療をしなければならないケースがあります。

むし歯や歯周病を防ぎ、ブリッジを長く使用するためには、ブリッジの周辺に汚れが溜まらないように日頃からしっかりと歯磨きをすることが重要です。

人工歯と歯茎の間には歯間ブラシを使用するとよいでしょう。歯間ブラシを使用することで、歯ブラシでは磨ききれない部分に付着した汚れも除去できます。また、毛先が小さいタフトブラシを使用すると、歯ブラシが届きにくい奥歯もしっかり磨けます。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

ブリッジの寿命を延ばすためには、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることも重要です。

丁寧な歯磨きを心がけていても、すべての汚れを落としきることは難しいといわれています。歯科医院でのメンテナンスでは、ブリッジに異常がないか確認するだけでなく、専用の機械や器具を使ってふだんの歯磨きでは落としきれない汚れを除去していきます。

歯科医院で歯の細かい部分に付着した汚れをきれいに除去してもらうことで、むし歯や歯周病予防に繋がり、ブリッジを長く使用できる可能性が高まるでしょう。

ナイトガードを使用する

ブリッジに強い力がかかると、破損する恐れがあります。そのため、日常的に歯ぎしりや食いしばりをする癖がある方は、ナイトガードを使用することが推奨されます。

ナイトガードとは、就寝中に装着するマウスピースです。就寝中にナイトガードを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによって加わる力を分散させることができ、天然の歯とブリッジを守ることにつながります。

ナイトガードは多くの歯科医院で作成できます。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、一度歯科医院で相談するといいでしょう。

まとめ

歯のブリッジを持っている人

歯のブリッジ治療とは、失った歯を補う治療方法の一つです。使用する素材によっては保険が適用されることや、しっかり噛めるようになること、治療期間が短めであることなどがメリットとして挙げられます。

一方で、両隣の歯を削らなければいけない点や汚れが溜まりやすい点はデメリットといえるでしょう。

歯を補う治療法にはブリッジのほかにインプラントや入れ歯があります。それぞれのメリットとデメリットを比較したうえで、ご自身に合うものを選択してください。

ブリッジ治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

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