2024.10.29更新
重度の歯周病の症状と治療方法!費用や期間、放置するとどうなるのか
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
「歯科医院で重度の歯周病と診断された」「重度の歯周病を放っておくとどうなるの?」という方もいらっしゃるでしょう。「重度といわれても、どのような状態なのかイメージがつきにくい」と感じている方もいるかもしれません。
今回は、重度の歯周病の症状や治療方法、治療にかかる費用と期間、放置するリスクなどについて解説します。
重度の歯周病の症状
重度の歯周病と聞いても、具体的にはどのような症状がでるのか分からないという患者さんも多いのではないでしょうか。ここでは、そもそも歯周病とはどのような病気なのか、重度の歯周病とはどのような状態を指すのかとあわせて、重度の歯周病の症状を解説します。
歯周病とは
歯周病とは、歯周病菌によって引き起こされる炎症性の疾患のことです。歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)に細菌が蓄積することにより引き起こされます。
初期の段階では自覚できる症状がないことがほとんどですが、進行にともなって歯周ポケットが深くなり、出血や歯ぐきの腫れ、膿などの症状が現れます。「そのまま放っておけば治るのではないか」と考える方もいますが、歯周病が自然に治ることはありません。
そのまま放っておけば病気は進行し、最悪の場合には歯が抜け落ちることもあります。歯周病は口の中だけの病気だと考える方は多いかもしれませんが、全身疾患と関連していることも明らかになっています。
治療せずに放置するとさまざまなリスクを伴うため、早めに治療を受けることが重要です。
重度の歯周病とは
歯周病の段階は、歯周ポケットの深さで判断されます。健康な歯ぐきの状態では歯周ポケットは1~2mm、軽度の歯周炎では3~5mm、中等度では4~7mm、重度では6mm以上となります。
重度の歯周病は、歯を支える骨の2/3以上は破壊されている状態です。
重度の歯周病の症状
重度の歯周病になると、歯がグラグラと動いたり食べ物を噛みにくくなったりする症状がみられます。また、歯肉は下がり、歯根が露出することも特徴です。露出した歯根には大量の歯石が付着していることも確認できるでしょう。
さらに、歯肉が赤く腫れて、歯と歯肉のすき間から膿が出ることもあります。朝起きた際に口の中がネバついたり、血の味がしたりすることもあるでしょう。血や膿の影響で、口臭が強くなることも重度の歯周病の症状として挙げられます。
重度の歯周病の治療方法
重度の歯周病の治療には、いくつかの種類があります。ここでは、代表的な治療方法について解説します。
歯周病の基本治療
歯周病の段階に関係なく、基本治療が行われます。基本治療とは、歯周病の原因となる歯垢や歯石の除去、噛み合わせの調整など、口腔内の環境を改善するための治療のことを指します。
歯周病の基本治療では、歯科医院で行うクリーニングなどはもちろん、患者さん自身が自宅で行うセルフケアも重要となります。
FMD
FMD(フルマウスディスインフェクション)とは、歯周病菌に効く抗生剤の服用とバイオフィルムの除去を行う治療です。一度できたバイオフィルムは普段のブラッシングだけでは除去できませんので、歯科医院でプロのクリーニングを受ける必要があります。
身体の中と口腔内、両方から歯周病菌の除去にアプローチすることで、治療の効果を高めます。
歯周外科治療
歯周病が重度まで進むと、歯の根っこの深い部分にまで歯石が付着するため通常の器具では取り除くことが難しくなります。歯ぐきを直接切開して歯根を露出させ、歯石を除去完璧に除去しなければなりません。
なお、治療の際は麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯を支える組織を再生させる治療です。失われた組織を再生するために薬剤を使用します。薬剤には、エムドゲイン、幹細胞サイトカイン、CGF、AGFなどいくつか種類がありますが、歯科医院によって使用するものは異なります。
歯周補綴療法
重度の歯周病の状態では、歯を支える骨の半分以上が溶けて歯がグラグラしてきます。そのような状態では、食べ物を噛む際に支障が出るだけでなく、クリーニングやセルフケアもしにくくなるでしょう。
そのため、グラグラしている歯を被せ物で固定し、安定させる治療を行います。歯が安定することにより歯周治療が行いやすくなるだけでなく、噛み合わせの回復も目指せます。
抜歯
歯がグラグラしている重度の歯周病であっても、まずは歯を残すための治療が行われます。
しかし、残すことによるリスクが高い場合や残せる見込みがない場合には、抜歯を検討しなければなりません。
重度の歯周病の治療にかかる費用と期間
歯周病の治療にかかる費用や期間は、歯ぐきの状態や進行具合などによって異なります。ここでは、重度の歯周病の治療にかかる費用と期間の目安について解説します。
重度の歯周病の治療にかかる費用
歯周病治療には、基本的に保険が適用されます。
ただし、費用は重症度によって異なります。軽度の場合の治療費は5,000円~1万円、中等度では1万円~1万5,000円が目安です。
重度の歯周病になると、1万5,000円~2万円程度が目安でしょう。重度の歯周病では治療完了までに何度も通院する必要があるため、保険適用でもトータルで10万円以上かかるケースも珍しくありません。
重度の歯周病の治療にかかる期間
重度の歯周病の場合、8回~10回程度の診療が必要となります。患者さまの口腔内の状態にもよりますが、治療期間は1年以上に及ぶことも考えられるでしょう。自費診療を選択することにより、通院回数を少なくすることは可能です。
ただし、この場合には、1回あたりの治療費が3万円~5万円と高額になります。通院回数を少なくできるかどうかは、かかりつけの歯科医院と相談しましょう。
重度の歯周病を放置するとどうなる?
重度の歯周病を放置していても自然に治ることはありません。それどころか、さまざまなリスクが生じますので注意が必要です。
以下では、重度の歯周病を放置するリスクについて解説します。
食生活に影響が出る
重度の歯周病では、歯を支える骨の半分以上は破壊されています。歯ぐきが下がって腫れ上がり歯がグラグラとするため、食べ物を噛みにくくなることがあるでしょう。また、それほど硬くない食べ物であっても、噛んだ時に痛みが生じることも考えられます。
口臭が悪化する
重度の歯周病では、歯と歯ぐきのすき間から血や膿が出ます。毎日歯磨きやマウスウォッシュなどをしていても、口臭が悪化していくでしょう。
ご自身の口臭に気づくのは非常に難しく、対人関係に影響を及ぼす恐れもあります。
歯が抜け落ちる
歯周病を放っておいても自然に治ることはありませんので、放置して入れば骨の破壊が進んでいきます。その結果、歯を支える骨が溶かされて、歯が抜け落ちることも考えられるでしょう。
全身疾患が引き起こされることがある
歯周病は、さまざまな全身疾患を引き起こすことが明らかになっています。例えば、歯周病菌が口から体内に入ることにより、心臓血管疾患や呼吸器疾患などが引き起こされることがあります。
また、歯周病により糖尿病の症状が悪化することや、妊婦の場合には低出生体重児などのリスクが高まることもわかっています。
まとめ
重度の歯周病とは、歯周ポケットの深さが6mm以上となり、歯を支える骨が半分以上破壊されたり歯がグラグラしたりした状態のことを指します。この状態では、あまり硬くない食べ物を噛んだだけでも痛みが生じたり、歯と歯ぐきのすき間から血や膿が出たりします。
重度の歯周病が自然に治ることはありません。それどころか、さらに進行すれば歯が抜け落ちることや全身疾患が引き起こされることも考えられるでしょう。
「重度になったら歯を抜くしかないのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、重度であっても行える治療方法は複数あります。できるだけ早めに歯科医院へご相談ください。
重度の歯周病にお悩みの方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。
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