2024.03.26更新
出っ歯はインビザラインで治せる?メリットや期間、費用も解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
出っ歯の治療を目立たずおこなう方法として、インビザラインを検討している方もいるのではないでしょうか。インビザラインは、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる方法です。
治療中であることが目立たない、痛みが少ないなどの理由から、選択されることが多い治療法です。
この記事では、インビザラインでの出っ歯の治療について解説します。出っ歯にお悩みの方や、矯正治療を検討している方、インビザラインで出っ歯を治せるのか気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
出っ歯とは?
出っ歯は、上の前歯が大きく前に突き出た状態を指します。出っ歯は口元の印象だけでなく、横顔にも影響を及ぼします。
出っ歯によってもたらされるデメリットは、以下の通りです。
・一部の発音が難しくなる
・食べ物を噛み切りにくくなる
・虫歯や歯周病のリスクが高まる
出っ歯で発音が悪くなる理由は、歯を噛み合わせたときにできる隙間から息が漏れやすいからです。とくにサ行やタ行、ラ行の発音に影響を与えるといわれています。
通常の状態では、下の前歯を上の前歯が軽く覆っており、上下の歯には1〜2mmほどのすき間があります。出っ歯の状態ではこのすき間が大きくなるので、食べ物を噛み切ることが難しくなるのです。
また、歯が正しく噛み合っていない場合、噛む力が均等に分散されないので噛む力が弱まることもあるでしょう。つまり、出っ歯の人は噛む力を最大限に発揮できない可能性があるのです。
虫歯や歯周病のリスクが高くなる理由は、口の中が乾燥しやすいからです。出っ歯の状態では口を閉じにくいため、空気が口へ入り乾燥につながります。
乾燥すると唾液の自浄作用や殺菌作用がうまく働かず、虫歯や歯周病の原因となる菌が繁殖しやすくなります。そのため、出っ歯の場合は虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。
出っ歯はインビザラインで治せる?
インビザラインでは、出っ歯の治療症例が多くあります。
しかし、個々の症状や原因によって治療の適否は異なります。歯科医師と相談し、適切な治療方法を選択することが大切です。
インビザラインで治療可能な出っ歯と、できない出っ歯について解説します。
インビザラインで治せる出っ歯
歯の傾斜による出っ歯は、インビザラインで治せるでしょう。歯が斜めに傾いていることが原因の出っ歯の場合は、歯の傾きを改善すれば出っ歯も改善されるので治療可能な場合が多いです。
インビザラインで治せない出っ歯
上顎の位置などが原因で出っ歯に見えている場合は、インビザラインだけでの改善は難しいでしょう。顎の骨の発達に問題があることや、上下の顎の骨の位置関係に問題があることが原因の出っ歯は、歯を移動させるだけでは改善できません。
インビザラインをはじめ、矯正治療では顎の骨の位置は調整できないためです。骨格にアプローチする外科手術が必要になるでしょう。
出っ歯をインビザラインで治すメリット
出っ歯をインビザラインで治すメリットは、以下のとおりです。
・治療中であることが目立たない
・食事や歯磨きがしやすい
・痛みが少ない
・シミュレーションで治療結果を予測できる
インビザライン矯正では透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくいです。金属のブラケットやワイヤーを使用する矯正方法と比較すると、人目を気にする必要がなく自然な笑顔を保てるでしょう。
インビザラインは食事のときは取り外し可能で、歯磨きも通常通りおこなえます。マウスピースの汚れ原因の虫歯や歯周病も予防しやすいのです。
ワイヤー矯正と比べるとインビザラインは口内への違和感や痛みが少ないことも特徴です。インビザラインでは徐々に歯を動かすので、ワイヤー矯正よりも強い力がかかりにくいためです。
また、インビザラインでは事前にシミュレーションをおこない、治療結果を予測します。治療の進捗を把握しやすく、モチベーションを保ちやすいのです。
出っ歯をインビザラインで治すデメリット
出っ歯をインビザラインで治すデメリットは、以下のとおりです。
・費用がかかるケースがある
・マウスピースを管理しなければならない
・効果が出るまで時間がかかる
インビザラインだけで治療できない場合は、相場よりも費用がかかるかもしれません。重度の出っ歯の場合、顎の骨格を調整する外科手術や抜歯が必要となり、インビザラインだけでは治療できないことがあるのです。
インビザラインのマウスピースは外せるため、自己管理が必要です。詳しくは後述しますが、装着時間や交換時期を守らなければ十分な効果を得られません。また、マウスピースを洗浄せずに使用し続けると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
ワイヤー矯正と比較すると、インビザラインはゆっくりと歯を動かす治療法です。そのため、口元の突出感を改善できるまでに時間がかかる可能性もあるでしょう。
出っ歯をインビザラインで治す方法
インビザラインでは、少しずつ形状が異なるマウスピースを何枚も使用して歯並びを改善します。最も大切なのは、1日20〜22時間マウスピースを装着することでしょう。
1枚のマウスピースで歯を動かせる距離は最大0.25mmほどなので、1〜2週間に一度マウスピースを交換して歯を移動させていきます。装着時間と交換時期を守ることが、治療をスムーズに進めるために重要です。
出っ歯を治療する場合は、抜歯が必要なこともあるでしょう。その場合は、抜歯してからインビザラインの治療計画を立てることが多いです。歯の側面をわずかに削って歯を並べるスペースを作るIPRを行うこともあります。
どのような場合でも、歯科医師としっかり相談しながらご自身が納得できる計画を立てて治療を進めましょう。
出っ歯をインビザラインで治すためにかかる期間
出っ歯をインビザラインで治療するためにかかる期間には個人差がありますが、一般的には6か月から2年程度です。治療範囲が広ければ治療期間は延びるでしょう。
歯の動きやすさや装着時間にも個人差があります。子どもであれば顎の骨が柔らかく代謝が活発なため歯が動きやすいですが、大人になるにつれ歯の移動が遅くなる傾向があるのです。
また、マウスピースの装着時間や交換時期を守らなければ、治療期間が延びる原因になります。インビザライン中に虫歯や歯周病になった場合も、治療を優先するケースが多いので矯正期間が延びるでしょう。
出っ歯をインビザラインで治すためにかかる費用
出っ歯の治療にかかる費用にも個人差があります。部分矯正の場合は約30万円〜50万円、全体矯正の場合は60万円〜120万円ほどかかるでしょう。
インビザラインの費用は、使用するマウスピースの枚数の影響を大きく受けます。歯の移動本数・距離が多ければ多いほどマウスピースが多く必要になるので、費用も増加するでしょう。
歯の移動状況や口内の問題の有無を確認するために1ヶ月に一度受診する必要がありますが、その際も調整料がかかるケースが多いです。そのため、治療期間が長くなれば調整料を支払う回数が増えます。
費用の負担を抑えるためには、マウスピースの装着時間や交換時期を守り、治療を長引かせないことが非常に重要です。口内を清潔に保って虫歯や歯周病も予防しながら、治療を進めてください。
まとめ
出っ歯は、基本的にはインビザラインで治療できます。インビザラインは他の矯正方法と比べると目立たず、痛みや違和感が少ないことから選択したいと考える方が多いでしょう。
しかし、インビザラインだけでは治療できない出っ歯もあります。歯を並べる十分なスペースがない症例や、顎の骨格に問題がある症例は、インビザラインだけでは改善できないでしょう。
ワイヤー矯正を併用したり、顎のバランスを整える外科手術が必要になったりすることもあります。この場合、インビザラインの一般的な治療期間よりも時間がかかり、費用も高額になるでしょう。
治療にかかる費用は症例によって異なりますが、歯科医師と相談しながら適切な治療プランを立てましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.03.19更新
セラミック治療では歯を削ることがある?削る量や痛みについても解説
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミック治療は、天然歯に近い質感と色をもつセラミック素材を使用し、歯の形状や色調を改善する治療法です。
セラミック治療では天然の歯とセラミックの歯を適切にフィットさせるために、歯を削ることがあります。削る歯の量は、使用するセラミックの種類や治療する歯の状態によって異なります。
この記事では、セラミック治療で歯を削る理由や削る歯の量、また痛みについて詳しく解説します。
セラミック治療では歯を削ることがある?
セラミック治療では、虫歯治療とラミネートベニアの治療過程で歯を削ることがあります。それぞれ以下に解説します。
虫歯治療
虫歯を取り除いたあとに、虫歯の大きさに応じて、インレー(詰め物)かクラウン(被せ物)としてセラミックが用いられます。
セラミックは銀歯などの金属より割れやすい素材です。耐久性を高めるためには厚く作る必要があるため、結果として歯をより多く削る必要があるのです。
虫歯治療自体は審美目的ではありませんが、セラミックは保険適用外のため費用が高くなることがあります。
ラミネートベニア
ラミネートベニアとは、歯の表面を軽く削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付ける審美治療です。
矯正治療やホワイトニングと比較して、短期間で歯の見た目を変えることができるのが大きな特徴です。ラミネートベニアは、歯の色や形を改善したい方に推奨されます。
セラミック治療で歯を削るメリット
セラミック治療で歯を削るメリットは、以下の通りです。
セラミックの密着性が高まる
虫歯治療でセラミックを使用する場合、はじめに虫歯になっている部分を削って除去します。単に虫歯を取り除いただけでは土台が不安定であり、被せ物や詰め物の適合性が低いため、外れることがあるでしょう。
また、虫歯は一定の形で広がるわけではなく、時に複雑な形状をしていることがあり、それに合わせた被せ物や詰め物を作る必要があります。
歯を削ることによって、天然歯と被せ物・詰め物が密着しやすくなります。被せ物・詰め物が天然歯にしっかりと密着することで、汚れや細菌が侵入しにくくなるため、二次虫歯のリスクを低減することにもつながるでしょう。
ラミネートベニアをより自然に美しく装着できる
ラミネートベニアは、歯の表面をわずかに削り、その上に0.4mm程度の薄いセラミック製の板を貼りつける治療法です。歯を削らずにラミネートベニアを装着すると、歯の厚みが増すことで違和感が生じる可能性があります。
歯を削ることでラミネートベニアを自然に見せることができ、また違和感なく装着できるのです。
セラミックを長期間使用できる
セラミックは耐久性が高く、変形・破損しにくいため、10〜15年程度使用できるといわれています。
セラミックを含む被せ物や詰め物の寿命は、歯との適合性に大きく左右されます。歯を削ることで、被せ物や詰め物を隙間なくフィットさせることができ、適合性が高まることで被せ物や詰め物を長期間使用することができるのです。
セラミック治療で歯を削るデメリット
セラミック治療で歯を削るデメリットは、以下の通りです。
知覚過敏を引き起こす場合がある
セラミック治療で歯を削ると、神経を保護する層が減少します。これにより、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなり、結果として知覚過敏のリスクが高まるのです。
歯を削る行為は見た目の改善につながるものの、このような副作用が伴うことを理解しておく必要があります。
削った歯の寿命が短くなる可能性がある
歯を削ってセラミック治療を行うことで見た目を天然歯のように美しくし、耐久性を高めることができますが、天然歯を一度削ると、その部分が元に戻ることはありません。歯を削ることで、天然歯の寿命が短くなる可能性があります。
天然歯は、いかに優れた人工歯と比較しても、その価値と機能性を超えるものは存在しないため、わずかな量を削ることでさえも、慎重に検討する必要があります。
神経を抜かなければならない場合がある
セラミック治療で歯を大きく削ったときに神経にまで達すると、痛みが生じることがあります。場合によっては神経を抜かなければならないケースもあるでしょう。
神経を抜くということは歯の内部血管も取り除くことを意味し、結果として歯に栄養が供給されなくなります。これにより、歯の強度が低下すると、将来的に歯が弱くなるリスクがあります。
セラミック治療で削る歯の量はどれくらい?
セラミック治療で削る歯の量は、セラミックの種類によって異なります。
削る歯の量について、種類ごとに解説します。
セラミックインレー
セラミックインレーは、セラミックのみで作られた詰め物です。神経まで進行していない虫歯を治療する際に使用されます。
セラミックインレーの場合、被せ物治療と比べると削る歯の量が少なく、多くても1mm程度です。虫歯の部分のみを削るため、健康な部分を保ちつつ治療ができます。
セラミッククラウン
セラミッククラウンは、セラミックのみで作られた被せ物です。天然歯に近い色調を再現できるため、審美性に優れています。
セラミッククラウンを適応する際、どれだけ歯を削る必要があるかは、患者さんの症状によって異なりますが、耐久性を高めるために歯を大きく削る必要があるでしょう。
虫歯が深くにまで進行している場合には、セラミッククラウンが選択されることが多いです。
e-max
e-maxは、ガラス系の材料で作られるセラミッククラウンで、その透明度の高さと自然な見た目が特徴です。e-maxは天然歯と同等の強度を持っているため、破損することはほとんどありません。
e-maxを使用する場合、歯を大きく削る必要が少なく、削る量は歯のどの部位であっても1〜1.5mm程度です。これにより、患者さんの負担を軽減しながら、美しく自然な仕上がりを期待できます。
ジルコニア
ジルコニアは、高い透明性と強度から「人工のダイヤモンド」とも称されるセラミック素材です。ジルコニアの場合、削る歯の量は位置によって異なりますが、前歯や臼歯では1.0〜1.5mm程度、臼歯の咬合面は最大で2mm程度削る必要があります。
耐久性が高く、長期間使用できるというメリットがありますが、削る歯の量が多いことを理解しておきましょう。
メタルボンド
メタルボンドは、内側は金属、外側はセラミックでできた被せ物です。自然な色調を再現できますが、透明性には限界があります。
削る歯の量は、一般的に0.8〜1.2mm程度であるものの、咬合面や切縁面は2mm程度削る場合が多いです。内側が金属であるため、金属アレルギーを引き起こす可能性がある点は注意しなければなりません。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、色調を改善する目的で薄いセラミック製の板を歯に貼り付ける方法です。
この治療法では、薄いセラミック製の板を均一に貼り付けるため、支台歯を薄く削る必要があります。エナメル質が残るように慎重に削らなければならず、削る量は0.3〜0.5mm程度です。
この微細な調整により、自然な見た目を保ちつつ、色調の改善を目指せます。
歯を削るときに痛みはある?
歯を削る際の痛みは、歯の構造と虫歯の進行度に大きく依存します。歯は表面のエナメル質、その下の象牙質、そして中心にある歯髄(神経のある部分)の3層から成り立っています。エナメル質に虫歯が留まっている場合は、削ってもほとんど痛みは感じません。
しかし、虫歯が象牙質に達している場合、削ると痛みを感じやすくなるため、麻酔を使用して痛みを抑える必要があります。さらに、虫歯が歯髄まで達している場合は、麻酔が必要です。
麻酔をする際は、針を刺入する部分に表面麻酔を塗布するため、痛みはほとんどありません。多くの場合、注射を受けたことすら感じないほどです。
まとめ
今回は、セラミック治療では歯を削ることはあるのか解説しました。
セラミック治療では、審美性と機能性を高めるために歯を削ることがあります。歯を削って治療を行うことで、天然歯とセラミックが密着しやすくなるなどのメリットがあるのです。
しかし、削った歯は元に戻ることはありません。神経を抜かなければならない場合や歯の寿命が短くなる場合もあるでしょう。
歯を削ることによるメリットやデメリットをよく理解し、歯科医師と相談しながら最適な方法を選択することが重要です。
セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.03.12更新
インビザライン矯正で行うIPRとは?目的やデメリットを詳しく解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザライン矯正でガタガタした歯並びや出っ歯を改善する場合、IPRという処置を行うことがあります。IPRとは、歯の側面をわずかに削ることで、歯と歯の間に隙間を作る処置のことです。
歯を削ると聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、麻酔のいらない安全な処置なのでご安心ください。
今回は、インビザライン矯正で行うIPRについて詳しく解説します。IPRを行う目的ややり方についても解説しますので、インビザライン矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インビザライン矯正で行うIPRとは?
インビザライン矯正で行うIPRとは、Inter-Proximal(隣接面)Reduction(削減)の略で、歯の側面を削って歯と歯の間に隙間を作ることです。
歯の側面を削ると聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、IPRでは歯の表面であるエナメル質をごくわずかしか削りません。そのため、IPRが原因で歯がしみたり痛んだりすることはほとんどないでしょう。
また、麻酔も必要ないため、患者さんの負担も少なく、安全性の高い処置だといえます。
インビザライン矯正でIPRを行う目的
IPRを行う目的は、歯を並べるスペースを確保し、効率的にインビザライン矯正を進めることです。また、インビザライン矯正後に歯の形を微調整することで、審美面の改善も期待できます。
そこでここでは、インビザライン矯正でIPRを行う目的について解説します。
歯を並べるスペースの確保
ガタガタした歯並びや出っ歯などの場合、歯を並べるスペースが足りないことで歯並びが悪くなっている場合が多いといえます。このような歯並びを改善するには、歯を並べるスペースが必要です。
IPRで歯と歯の間に隙間を作ることで歯を並べるスペースを確保できるため、効率的にインビザライン矯正を進められます。
歯の大きさ・形の改善
歯の大きさや形には個人差があります。人によっては一部の歯だけが周りの歯よりも長かったり大きかったりすることがあるでしょう。
特に、前歯の大きさや形が揃っていない場合、インビザライン矯正で歯並びを整えても、患者さんの理想とする口元にはならないことがあります。このような場合、IPRで歯の形を微調整することで、理想の口元に近づけられるでしょう。
歯と歯茎の隙間の改善
IPRには、歯の見た目の改善以外に、歯と歯茎の隙間を改善する目的もあります。
加齢や歯周病で歯茎が下がったり、インビザライン矯正で歯を動かしたりすることによって、歯と歯茎の隙間に黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができることがあります。特に、歯と歯の重なりが大きい部位は、歯と歯茎の間に隙間ができやすいといわれているのです。
歯と歯茎の間に隙間ができると歯が長く見えるため、見た目がよくありません。また、食べかすが詰まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが上がるでしょう。
このような場合、IPRで歯を削ることで歯が面で密着し、歯と歯茎の隙間を改善することができます。
インビザライン矯正でIPRを行うメリット
インビザライン矯正でIPRを行うことで、以下のようなメリットがあります。
抜歯を回避できる
ガタガタした歯並びや出っ歯などの主な原因は、歯を動かすためのスペースが足りないことです。
このような場合、抜歯をしてスペースを確保することがありますが、IPRで複数本の歯を削ることでスペースを確保できれば、抜歯の必要はありません。抜歯を回避できるのは大きなメリットといえるでしょう。
ただし、IPRによって削ることができる歯の量には限りがあるため、歯の重なりが大きい場合には対応できない場合があります。
より美しい口元に仕上がる
美しい口元の条件は、正中(歯並びの真ん中)が合っており、上下左右の歯の大きさや形、バランスが左右対称であることです。歯の大きさや形には個人差があるため、一部分の歯だけが長かったり大きかったりすることも珍しくありません。
このような場合、IPRで歯の形を微調整することで、美しい口元に仕上がります。特に、見えやすい前歯がアンバランスな場合、歯の側面を微調整することで理想の口元に近づけられるでしょう。
治療期間を短縮できる
インビザライン矯正では治療前にシミュレーションを行います。治療計画の段階でIPRを行うタイミングや歯を削る量がわかるため、効率的にインビザライン矯正を進められます。マウスピースで歯を動かすこととIPRを同時に行えるため、治療期間を短縮できるでしょう。
また、インビザライン矯正は歯を動かす距離が長くなればなるほど、その分治療期間が長い傾向にあります。インビザライン矯正でIPRを行うことにより抜歯を回避できることで、その分治療期間が短くできるのもメリットのひとつです。
歯並びが安定しやすい
天然歯の歯と歯の間は、先端に近い部分で接触していますが、IPRで歯と歯の間を削ることで、歯の接触面積が大きくなります。歯の接触面積が大きくなることで、歯と歯が固定されて動きにくくなるため、インビザライン矯正後の歯並びが安定しやすくなるのです。
そのため、インビザライン矯正でIPRを行うことにより、後戻りを予防する効果があるでしょう。
インビザライン矯正でIPRを行うデメリット
IPRには効率的にインビザライン矯正が進められるというメリットがあるものの、以下のようなデメリットもあります。
健康な歯を削らなければならない
IPRにはさまざまなメリットがありますが、健康な歯を削らなければならない点は大きなデメリットといえるでしょう。
ただし、歯を削るといっても、虫歯治療のように歯に穴を空けたり大きく削ったりするわけではありません。歯の側面をごくわずかに削る程度であるため、IPRによって歯がしみたり痛んだりすることはほとんどないでしょう。
しかし、虫歯になっていない歯を削ることにかわりはないため、IPRを行う際は事前に歯科医師とよく話し合って検討することが大切です。
歯と歯の接触面積が大きくなる
インビザライン矯正でIPRを行うことで、歯と歯の接触面積が大きくなります。歯と歯の接触面積が大きくなることで後戻りを予防する効果があるものの、汚れが溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。
そのため、IPR後は歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシなどを使用し、歯と歯の間を丁寧に磨くように心がけましょう。
出血することがある
歯の根元部分や歯茎に近い部分を削ったときに出血することがあります。特に、歯肉炎などで歯茎の状態が悪い場合には出血しやすく、痛みが出ることもあるかもしれません。
しかし、IPRによる出血は処置を行った日に治ることがほとんどなのでご安心ください。
IPRの方法
インビザライン矯正でIPRを行うのは、歯を並べるスペースが足りない場合や審美的な問題がある場合です。
インビザライン矯正は、治療前に専用のソフト「クリンチェック」に歯型などの情報を取り込むことで、どの歯を削るのか、どの程度削るのかなどをシミュレーションできます。
IPRでは歯を削る際に以下の器具を使用します。
・テープ状のやすり(手動)
・ダイヤモンドディスク
・糸鋸状のやすり
・細いバー
まず、手で動かすタイプのテープ状のやすりや円盤状のダイヤモンドディスク、糸鋸状のやすりなどを使用して、徐々に歯を削り、歯と歯の間に隙間を作ります。その後、削る量を確認しながら細いバーでさらに歯と歯の間を広げます。
歯を削ると聞くと虫歯治療のイメージがあるかもしれませんが、IPRで歯を削る量はエナメル質の0.1~0.25mm程度とごくわずかです。両側の歯を削っても最大0.5mm程度ですので、IPRによって虫歯になりやすくなることはありません。
また、エナメル質の側面をごくわずかに削る程度であるため、歯がしみたり痛んだりすることもないでしょう。
IPRで歯を削った後は、歯の表面がなめらかになるよう丁寧に研磨し、フッ素塗布も行います。フッ素塗布を行うことで歯質の強化もできるため、虫歯予防の効果も期待できるでしょう。
IPRを行うタイミング
インビザライン矯正でIPRを行うタイミングは、状況によって異なります。
歯を並べるスペースが足りない場合にはインビザライン矯正前・矯正中にIPRを行います。仕上がりをより美しくするためにインビザライン矯正後にIPRを行う場合もあるでしょう。
まとめ
インビザライン矯正で行うIPRとは、歯と歯の間を削る処置のことです。IPRを行うことで、歯を並べるスペースを確保できたり、歯の形を整えられることでより美しい口元に近づけられたりします。
IPRを行うことで歯を動かすスペースを確保できれば、抜歯を回避して効率的に歯並びを整えられる場合もあるのです。
歯の側面を削ると聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、IPRではエナメル質のごくわずかな部分のみを削ります。そのため、IPRが原因で歯がしみたり痛んだりすることはないでしょう。
インビザライン矯正でIPRが必要かどうかはお口の状態によって異なるため、歯科医師に確認しましょう。
インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.03.05更新
前歯をセラミックにするメリットとは?セラミックの種類や費用も解説
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
前歯を天然歯のように白いセラミックにしたいという方は少なくありません。セラミックは見た目がよいだけではなく、さまざまなメリットがあります。
今回は、セラミックの特徴について解説しながら、費用や治療方法についても説明します。セラミックを検討している方は、参考にしてください。
前歯をセラミックにするメリット
前歯は最も目につきやすい歯であると同時に、咀嚼するうえでも重要です。そのため、被せ物や詰め物をする際も、見た目と同時に機能性も十分に考慮しなければなりません。
歯に使われているセラミックは、お皿にも使われている陶器を歯科用に強化したものです。保険診療である銀歯やコンポジットレジンとは費用に大きな差がありますが、以下のようなメリットがあります。
天然歯のように白い歯に仕上がる
保険診療のコンポジットレジンは白い素材ですが、セラミックほどの透明感はなく、自然な白さも再現できません。セラミックは色味の選択肢が多く、他の歯と違和感がないような仕上がりにすることが可能です。
虫歯の再発を防ぎやすい
詰め物や被せ物は、素材によって耐久性が異なります。
銀歯の寿命は7年程度、コンポジットレジンの寿命は3年程度といわれており、徐々に劣化していきます。劣化していくと、詰め物・被せ物と天然の歯との接着面が緩んで隙間ができます。そこから虫歯菌が侵入することがあり、虫歯の再発につながるのです。
セラミックは耐久性が高く、劣化しにくい素材です。虫歯の再発を防ぎやすいので、結果的に天然歯の健康を守ることにもつながります。
金属アレルギーの方も入れられる
内側が金属になっているセラミックもありますが、金属不使用の素材もあります。そうしたセラミックを選択すれば、金属アレルギーの方でも安心して治療可能です。
また、金属は口腔内で少しずつ溶け出すので、歯茎が黒ずんでしまうことがあります。金属不使用のセラミックなら、そのようなリスクもありません。
着色汚れがつきにくく、歯垢も除去しやすい
コーヒーや紅茶、ワインなどを好んで頻繁に飲む場合、着色汚れが歯の表面に付着します。セラミックは着色汚れがつきにくいので、治療時の白さを保てるでしょう。
また、表面が滑らかなので、歯垢などの汚れが付着した場合も除去しやすいです。
前歯をセラミックにするデメリット
前歯をセラミックにするとさまざまなメリットを得られますが、以下のようなデメリットもあります。
費用が高い
セラミック治療は自由診療であるため、保険診療の詰め物や被せ物と比較して非常に高額です。
しかし、セラミックは耐久性が高く、長く使える可能性が高いです。適切にメンテナンスしていれば、銀歯やコンポジットレジンのように数年で交換する必要はないでしょう。
コストパフォーマンスは低くないと言えます。
強い衝撃を与えると割れることがある
硬く強度の高いセラミックですが、強い衝撃が加わると割れてしまうことがあります。強い歯ぎしりや食いしばりがある方の場合、気をつける必要があるでしょう。
セラミックを守るために、就寝中にナイトガードを装着するなど対策しましょう。
歯を多く削る必要がある
上述したように、セラミックは割れるリスクがあります。強度を保つためには厚みが必要なので、銀歯と比較すると少し多めに天然歯を削ることになります。
少しでも多く自分の歯を残したいと考えている方にとっては、デメリットになるかもしれません。
前歯のセラミックの種類と費用
セラミックの種類と費用を確認しましょう。
オールセラミック
100%セラミックでできているのがオールセラミックです。金属を一切使っていないので、金属アレルギーの心配はありません。
透明感と艶があり色味のバリエーションも多いため、自然な見た目に仕上がります。他のセラミックと比較しても審美性が高いため、前歯に使用されることが多いです。
詰め物の場合は4万~8万円、被せ物は8万~18万円が目安です。
ジルコニア
ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれている、セラミックの中で最も硬い素材です。オールセラミックは天然の歯と同じ程度の硬さですが、ジルコニアは天然歯よりも硬い素材のため、奥歯に使用されることも少なくありません。
オールセラミックが持つ透明感や艶、自然な美しさはありませんが、前歯に使用する方もいます。
費用の相場は、詰め物が4万〜6万円、被せ物が10万〜20万円です。
メタルボンド
メタルボンドは、金属の外側をセラミックで覆った素材です。セラミックは割れやすいので、内側を金属にすることで強度を保っています。金属アレルギーのリスクがありますが、どの部位にも使用できるセラミックといえるでしょう。
デメリットは角度によっては金属が見えてしまうことと、オールセラミックのような透明感や艶がないことです。
費用は、被せ物で8万〜15万円程度です。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材です。レジンよりも透明感があり、変色しにくいのが大きな特徴です。
しかし、レジンが含まれているため、強度や耐久性はそれほど高くありません。表面に細かい傷もつきやすいため、歯垢が溜まりやすく虫歯になりやすいといえます。
費用は他のセラミックと比較すると抑えられる傾向があり、詰め物は3万円前後、被せ物は4万〜8万円が相場です。
e-max(イーマックス)
e-maxは、二ケイ酸リチウムガラスを主成分とするセラミックです。天然歯以上に美しいといわれており、前歯に使用されることも多いです。
強度も天然歯と変わらず、長年使っても変色しにくいです。表面に細菌がつきにくいので、虫歯や歯周病も予防しやすいでしょう。
詰め物は4万〜6万円、被せ物は7万〜10万円が相場です。
前歯をセラミックにする治療の流れ
前歯をセラミックにする際は、以下のように治療が進みます。
カウンセリング
治療を行う前に、患者さまからのご希望を伺います。治療の内容や費用、治療期間などを説明します。
検査・型取り
患部の検査や型取りをします。患部の状態によっては、神経を除去する治療が必要になることもあります。
セラミックに合わせて歯全体を白くしたい場合は、ホワイトニングをします。
セラミックを被せる土台を作る
セラミックを被せるための土台作りをします。セラミックが入った後の歯並びや噛み合わせを考慮しながら調整します。
その後、仮歯を入れて、歯並びや噛み合わせに問題がないか確認します。
セラミックを入れる
セラミックが出来上がったら、仮歯を外してセラミックを入れます。
セラミックの前歯を長持ちさせるためには
セラミック自体は耐久性の高い素材ですが、長持ちさせるには患者さまの努力も大切です。
毎日のセルフケアをしっかり行う
セラミックを長持ちさせるために、虫歯や歯周病にならないように毎日のセルフケアをしっかり行いましょう。歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間も除去してください。
特に就寝前は丁寧にケアする必要があります。就寝中は唾液の分泌量が低下するので、細菌が繁殖しやすくなるためです。
ナイトガードを装着する
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、セラミックが割れてしまうことがあります。就寝時はナイトガードを装着して、セラミックに大きな力がかからないようにしましょう。
噛み合わせを調整する
噛み合わせを考慮しながらセラミック治療を行いますが、口腔内の状態は変化するため、年月を経て噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。噛み合わせが悪くなると、セラミックに大きな負担がかかるようになるでしょう。
必要に応じて噛み合わせを調整してもらってください。
定期メンテナンスを受ける
セラミック治療後は、少なくとも半年に1回の頻度で定期メンテナンスを受けましょう。セラミックの状態や噛み合わせをチェックしたり、お口のクリーニングを受けるためです。
また、定期メンテナンスを受けていれば異変を早期に発見し、すぐに対処することが可能です。
まとめ
前歯をセラミックにすると、さまざまなメリットを得られます。天然歯に近い白い歯にできるだけではなく、耐久性が高まり、虫歯や歯周病の予防にもなります。
保険診療の銀歯やコンポジットレジンと比較すると費用は高いですが、しっかりとメンテナンスしていれば長持ちするでしょう。
セラミックには、オールセラミック、ジルコニア、メタルボンドなど多くの種類があります。それぞれ特徴が異なるので、歯科医師と相談しながらお口に合ったものを選択しましょう。
前歯のセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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