2024.08.06更新
親知らずは抜くべき?抜いたほうがいいケースと手順を解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
親知らずが生えてきた時、抜くべきかどうか悩む方は多いでしょう。親知らずは他の歯と違って斜めや横向きに生えることが多く、虫歯や歯周病の原因となることが少なくありません。
この記事では、親知らずを抜いたほうがいいケースと、抜歯の手順について詳しく解説します。抜歯後のケアも紹介するので、親知らずに関する悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてください。
親知らずとは?
親知らずとは、第三大臼歯とも呼ばれ、通常は20歳前後に生えてくる歯です。一番奥に位置しており磨きにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高いとされています。
親知らずは抜くべき?
すべての親知らずを抜かなければならないわけではありません。親知らずは、抜いたほうが良い場合と抜かなくても良い場合があります。
抜いたほうがいい親知らず
抜いたほうがいい親知らずは、以下の通りです。
斜めや横向きに生えている場合
親知らずが斜めや横向きに生えると、周囲の歯や歯茎に悪影響を及ぼす可能性があります。汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因となるため抜歯が推奨されます。特に、隣の歯を押して歯並びを乱すリスクがあるため、矯正治療を行う前には抜歯するのが一般的です。
噛み合わせが悪い場合
上下どちらかにしか親知らずが生えていない場合、噛み合う歯がないので食事がしづらくなることがあります。この場合、噛む力が均等に分散されず他の歯や顎に負担がかかるため、抜歯を検討する必要があります。
噛み合わせが悪い状態が長期間続くと、顎関節症などの原因にもなるため注意が必要です。
虫歯になっている場合
親知らずが虫歯になっていると、他の健康な歯にも影響を与えるリスクが高まります。特に、親知らずは位置的に治療が難しいため、治療しても再発することが多いです。何度も虫歯になる場合は、抜歯したほうがよいでしょう。
感染が広がる前に抜歯することで、全体の口腔衛生を保つことができます。
智歯周囲炎が繰り返される場合
親知らずの周囲の歯茎が炎症を起こすことを、智歯周囲炎と言います。繰り返し炎症を起こす場合、痛みや腫れが頻発し生活の質を低下させるでしょう。
智歯周囲炎は親知らずの位置や生え方によって発生するため、症状を繰り返す場合は抜歯するのが望ましいです。
歯並びに影響を与える場合
親知らずが他の歯を押して歯並びを悪くするリスクがある場合、抜歯を検討します。特に、矯正治療を受けた後などは、親知らずの影響で歯並びが再び乱れるのを防ぐため、抜歯を考慮することが重要です。
抜かなくてもよい親知らず
抜かなくてもよい親知らずは、以下の通りです。
正常に生えている場合
親知らずが真っ直ぐに正常に生えており、噛み合わせや周囲の歯に問題を起こさない場合は、無理に抜歯する必要はありません。特に、しっかりと歯磨きができる状態であれば、そのまま残しておいても問題ないでしょう。
完全に埋まっている場合
親知らずが歯茎の中に完全に埋まっていて、痛みや炎症がない場合は抜かなくても良いとされています。特に、周囲の歯や骨に悪影響を与えない場合は、経過観察を続けることが多いでしょう。
ブリッジや入れ歯の土台に利用できる場合
健康な親知らずは、将来的に他の歯が失われた場合にブリッジや入れ歯の土台として利用できることがあります。適切に管理を続けられる場合は、抜歯せずに残しておく選択肢もあります。
また、他の奥歯を失った場合、親知らずを移植して再利用することも可能です。
親知らずを抜く手順
以下に、親知らずを抜く際の一般的な手順を紹介します。
レントゲン撮影
まず、レントゲン撮影を行い、親知らずの位置や周囲の血管、神経の状態を確認します。安全かつ効果的な抜歯計画を立てるには、レントゲン撮影が不可欠です。
麻酔
痛みを最小限に抑えるため、表面麻酔を施してから注射で麻酔を行います。注射の麻酔は、電動麻酔器を使用する歯科医院もあります。電動麻酔器を使用すれば、圧力をコントロールできるので痛みを軽減できます。
抜歯
麻酔が効いたら、専用の器具を使用して親知らずを抜きます。親知らずが完全に埋まっている場合は、周囲の骨を削ったり歯を分割したりしてから取り出します。この間、患者さまが痛みを感じた場合は、追加の麻酔を行います。
縫合と止血
抜歯後は、傷口が早く塞がるように糸で縫合します。傷口に止血用のスポンジを挿入することもあります。ガーゼを噛んで、圧迫止血を行います。
服薬
抜歯後は、抗生物質や鎮痛剤が処方されます。歯茎の腫れや感染を防ぐために、医師の指示通り服薬してください。
糸の除去
抜歯から1週間ほど経過し、傷口が塞がり始めたら糸を取り除きます。完全に回復するまでには数ヶ月かかることもありますが、通常は数週間で日常生活に支障がなくなります。
親知らずを抜いたあとの注意点
親知らずを抜いた後の適切なケアと注意点を理解することは、早期の回復と感染予防にとても重要です。以下、抜歯後に気をつけるべき主なポイントです。
出血の管理
抜歯後は、ガーゼをしっかりと噛んで圧迫し、出血を止めることが大切です。ガーゼは約30~60分間噛み続けてください。出血が続く場合は、清潔なガーゼやティッシュで再度圧迫止血を行います。
過度なうがいは避け、口腔内の血餅(けっぺい)を保つようにしましょう。血餅とは、抜歯窩に溜まった血が固まってできる塊です。かさぶたの役割を果たすため、血餅が取れてしまうと治癒が遅れるだけでなく、感染のリスクも高まります。
抜歯後の数日は、出血を最小限に抑えるために安静に過ごすことが重要です。
痛みと腫れの管理
麻酔が切れた後に痛みが出ることがあるので、処方された痛み止めを指示通りに服用してください。また、腫れが気になる場合は、患部を軽く冷やすと効果的です。
ただし、冷やしすぎは逆効果になることがあるので注意が必要です。冷却する際は、20分冷やして20分休むサイクルを繰り返すと良いでしょう。通常、腫れは抜歯後2~3日でピークを迎え、その後徐々に引いていきます。
食事
抜歯後は、硬い食べ物や刺激物(辛いもの、熱いもの、アルコールなど)は避けるようにし、柔らかい食事を摂りましょう。患部とは反対側で噛むようにして、飲酒や喫煙も避けてください。
飲酒や喫煙は、出血を促進し治癒を遅らせる可能性があるためです。初日はスープやヨーグルトなどの冷たい食べ物を選びましょう。熱い食べ物や飲み物は避け、口腔内の温度を一定に保つことが大切です。
口腔ケア
抜歯当日は、強いうがいや歯磨きを避け、翌日からは軽いうがいを行います。傷口周辺は特にデリケートなので、優しくケアを行いましょう。
口腔内の衛生を保つために、抗菌うがい薬を使用するのも有効です。食後にはぬるま湯で軽くうがいをして、食べ物の残りカスを除去します。
ただし、強くうがいするのは避けてください。ブラッシングの際も傷口を避けて、周囲の歯を優しく磨くようにしましょう。
安静と活動制限
抜歯後は安静に過ごし、激しい運動や長時間の入浴は避けるようにします。これらの行動は血行を促進し、出血や腫れを悪化させる可能性があります。
特に抜歯後24時間は、できるだけ横になって安静にすることが推奨されます。また、頭を高くして寝ると、腫れを軽減できます。
仕事や学校への復帰も、症状が落ち着くまでは控えるようにしましょう。
定期的なフォローアップ
抜歯後の経過を確認するために、歯科医師の指示に従い定期的な診察を受けましょう。異常な痛みや腫れ、出血が続く場合は、早めに歯科医院に相談してください。
通常、抜糸や消毒のために、1週間後に再度受診します。また、血餅が剥がれてしまうドライソケットなどの合併症を避けるために、経過観察を怠らないことが重要です。
まとめ
親知らずは、第三大臼歯とも呼ばれ、通常20歳前後に生えてくる歯です。正常に生える場合もありますが、多くは斜めや横向きに生えるため、虫歯や歯周病の原因となることが多いです。
抜歯が推奨されるのは、痛みや炎症を繰り返す場合や、周囲の歯に悪影響を及ぼす場合が挙げられます。正常に生えている場合や完全に埋まっている場合は、抜歯を避けることも可能です。
抜歯後は出血の管理、痛みや腫れの対処、適切な口腔ケアが重要です。親知らずに関する疑問や不安がある場合は歯科医師に相談しましょう。
親知らずの抜歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。
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