2024.07.30更新
インビザライン矯正中にマウスピースが割れたときの対処法と予防法
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザライン矯正中にマウスピースが割れるケースがあります。実際に割れた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、インビザラインのマウスピースが割れる原因と、割れた際の対処法・注意点を解説します。マウスピースが割れるのを防ぐ予防法も説明していますので、マウスピースの破損が心配な方はぜひ参考にしてください。
インビザライン矯正中にマウスピースが割れる原因
インビザライン矯正中にマウスピースが割れた経験がある方もいらっしゃるでしょう。マウスピースが割れる原因として、以下の4つが考えられます。
・歯ぎしりや食いしばり
・着脱方法が適切でない
・専用のケースで保管できていない
・装着したままの状態で食事をしている
それぞれの原因を詳しく解説します。
歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりがあると非常に強い力が加わるため、インビザラインのマウスピースが割れるリスクが高まります。歯ぎしりや食いしばりは就寝時に無意識に行われることが多いため、ご自身で意識して抑えるのは難しいでしょう。
着脱方法が適切でない
着脱方法が正しくないと、無理な力がマウスピースに加わり割れることがあります。着脱時にマウスピースを無理に引っ張ったり、マウスピースを噛んで装着したりしないようにしましょう。
正しい着脱方法が分からない場合は、歯科医院で確認してください。
専用のケースで保管できていない
マウスピースを外した際に専用のケースに入れていないと、マウスピースが割れる原因になります。専用のケースを使用しないと、紛失するリスクも高まるでしょう。
マウスピースを破損・紛失しないためにも、外したら必ず専用のケースに入れる習慣をつけてください。
装着したままの状態で食事をしている
インビザライン矯正中は、飲食時にマウスピースを外さなければなりません。マウスピースを装着したまま食事をすると、装置が割れる原因になるからです。
飲食の際にマウスピースを外し、飲食後は歯磨きとマウスピースの洗浄を行ってから再度マウスピースを装着するようにしましょう。
マウスピースが割れた際の注意点
万が一、マウスピースが割れた際は以下の3つの点に注意しましょう。
・割れたままのマウスピースを使用しない
・自分で修理しない
・速やかに歯科医院を受診する
それぞれの注意点を詳しく解説します。
割れたままのマウスピースを使用しない
割れたマウスピースをそのまま使用しないでください。割れたまま使用すると、口の中を怪我したり正しくマウスピースを装着できなかったりする恐れがあります。
少しヒビが入った程度であれば、修理すればマウスピースをそのまま使用できることもあります。
しかし、破損の大きさによっては治療を計画通りに進行できない可能性もあるでしょう。また、そのまま使用するか、修理・作り直しが必要かは歯科医師が判断します。
自分で修理しない
マウスピースが割れた場合に、接着剤などを使用して自分で修理する方がいらっしゃいます。割れたマウスピースの修理は、絶対に自分でしないようにしましょう。
インビザラインのマウスピースは、歯の移動を考慮して緻密に作製されています。そのため、少しでもズレが生じると治療の進行に影響を及ぼす可能性があるのです。
自己判断で修理せず、まずは歯科医師に相談してください。
速やかに歯科医院を受診する
割れた状態のマウスピースは装着しないほうがいいですが、何も装着せずにそのまま過ごすのも良くありません。インビザライン矯正は、1日に20時間以上マウスピースを装着することで継続して歯に矯正力を加えて歯並びを整える矯正治療です。
何も装置を装着していないと治療が進まないだけでなく、元の歯並びに戻ろうとする後戻りを起こす可能性もあります。歯並びが乱れる原因にもなるため、何も装着しないまま放置せず、速やかに歯科医院を受診して相談しましょう。
インビザライン矯正中にマウスピースが割れたときは
インビザライン矯正中にマウスピースが割れた際の対処法は、以下の2つです。
・歯科医院に連絡する
・1つ前もしくは次のマウスピースを使用する
それぞれの対処法について詳しく解説します。
歯科医院に連絡する
インビザライン矯正中にマウスピースが割れた場合は、まずは歯科医院に連絡してください。マウスピースの破損が少なければそのまま使用できることもありますが、破損の状態によっては修理や再製作が必要になることもあるでしょう。
ご自身で判断せず、必ず歯科医師の指示に従うようにしましょう。
1つ前もしくは次のマウスピースを使用する
修理や再製作が必要になった場合、マウスピースが完成するまでの期間は別のマウスピースを使用しなければなりません。この場合、治療の進行状況によって1つ前のマウスピースを使用したり、次のステージのマウスピースを使用したりすることが多いです。
そのため、交換済みのマウスピースも捨てずに保管しておいたほうがいいでしょう。1つ前のマウスピースと次のステージのマウスピースのどちらを使用するかは、歯科医師が判断するため自己判断で行動しないようにしてください。
インビザライン矯正中にマウスピースが割れるのを防ぐには
インビザライン矯正のマウスピースが割れるのを防ぐ対策は、以下の4つがあります。
・マウスピースの着脱を適切に行う
・飲食時はマウスピースを外す
・マウスピースは専用のケースで保管する
・歯ぎしりや食いしばりの癖は相談しておく
それぞれの予防法を詳しく解説します。
マウスピースの着脱を適切に行う
マウスピースの着脱は丁寧に行うようにしましょう。無理な着脱をしていると、マウスピースに負担がかかって割れたり歪んだりする原因になります。
マウスピースの着脱が難しい場合は、歯科医師に相談して適切な着脱方法を指導してもらいましょう。
飲食時はマウスピースを外す
飲食時はマウスピースを外さなければなりません。マウスピースを装着したまま食事をすると、装置が破損するだけでなく虫歯や歯周病の原因にもなります。
飲食時はマウスピースを外し、再度マウスピースを装着する前には歯磨きと装置の洗浄を行ってください。
マウスピースは専用のケースで保管する
マウスピースを外した際は、専用のケースで保管するように習慣づけておきましょう。専用のケースに入れていなければ、誤ってマウスピースを落としたり踏んだりして割れるかもしれません。
外出先でティッシュにマウスピースを包んだまま誤って捨てたり紛失したりすることも少なくありません。マウスピースの破損・紛失を避けるためにも、装置は専用のケースで保管しましょう。
歯ぎしりや食いしばりの癖は相談しておく
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、インビザライン矯正ができないというわけではありません。
しかし、歯ぎしりや食いしばりによってマウスピースが破損するリスクを伴います。頻繁にマウスピースが破損するようであれば、治療が進まない可能性もあるでしょう。
そのため、歯ぎしりや食いしばりがある方は、事前に歯科医師に相談しておきましょう。歯ぎしりや食いしばりの原因を考え、症状を軽減するよう対処しておくことがマウスピースの破損予防にもつながります。
まとめ
インビザラインのマウスピースは、違和感が少なくなるよう薄く作られているため割れる可能性があります。マウスピースが割れた場合、破損したマウスピースをそのまま使わないようにしましょう。
インビザラインのマウスピースは歯の動きを計算して緻密に作製されているため、少しのズレでも治療計画が崩れることがあります。自分で修理するのもやめましょう。
マウスピースが割れた際には、まずは歯科医院に連絡して対処法を確認することが大事です。1つ前のマウスピースや次のステージのマウスピースを使用することもあるため、マウスピースの交換後も捨てずに保管しておいたほうがいいでしょう。
インビザラインのマウスピースは、正しく取り扱うことで破損を防げます。割れないようにするためにも、着脱方法や保管方法、使用の注意点を確認しておきましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。
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2024.07.23更新
ジルコニアセラミックとは?メリット・デメリットや費用を解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
歯の見た目を綺麗にしたいと考える方が被せ物をいれる際に候補に入る素材のひとつにジルコニアセラミックがあります。
しかし、ジルコニアセラミックとはどのような素材なのか、また選択することでどのようなメリットがあるのか知らない方も多くいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、ジルコニアセラミックとはどのような素材なのか、またどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。ジルコニアセラミックの費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ジルコニアセラミックとは?
ジルコニアセラミックとは、二酸化ジルコニウムから作られたセラミックのことをいいます。ジルコニアと聞くと多くの方が宝石のジルコニアを想像するかもしれません。
宝石のジルコニアと歯科で使うジルコニアの違いは添加物の量です。歯科用ジルコニアでは添加物を減らしているため加工がしやすくなり、それぞれの歯にマッチした被せ物が作成できるようになっているのです。
これまで、審美歯科治療では陶材を使用したセラミックが一般的でした。
しかし、セラミックには強度をはじめ、さまざまな弱点がありました。セラミックの弱点を補完してくれるのがジルコニアセラミックなのです。
ジルコニアセラミックのメリット
ジルコニアセラミックにはさまざまなメリットがあります。ジルコニアセラミックの治療を検討している方はこれらのメリットをしっかりと知っておきましょう。ジルコニアセラミックのメリットは、次の通りです。
強度が高い
セラミックの弱点であった強度を補っているのがジルコニアセラミックです。ジルコニアは人工ダイヤモンドといわれるほど強度が高いことが特徴です。
セラミックよりも強度が高く、通常のセラミックの10倍以上ともいわれていることから、セラミックでは簡単に割れる可能性がある奥歯にも使えます。また、人と接触するスポーツをしても割れる可能性がセラミックよりも低いといわれています。
割れにくいことから長い期間使用できるでしょう。
審美性が高い
ジルコニアセラミックは、陶材であるセラミックを使用しているため天然の歯のような白さを再現できます。色調の調整ができるため、ほかの歯と馴染むでしょう。天然の歯のような自然な見た目を再現できる点は大きなメリットといえます。
金属アレルギーの心配がない
金属の詰め物や被せ物を入れると唾液によって金属が溶けだして金属アレルギーの症状が現れることがあります。歯茎が黒ずむこともあるでしょう。
一方でジルコニアセラミックは、金属を一切使用していないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。歯茎が黒ずむ心配もありません。
虫歯になるリスクが低い
虫歯になるリスクが低い点もジルコニアセラミックのメリットです。セラミックの表面は滑らかで、汚れが付着しにくいという特徴があります。歯磨きをしっかりと行えば汚れを落とせるため、虫歯になりにくいのです。
ジルコニアセラミックのデメリット
さまざまなメリットがあるジルコニアセラミックですが、デメリットもあります。ジルコニアセラミックのメリットだけでなくデメリットについても知ったうえで検討しましょう。
ジルコニアセラミックのデメリットは、以下のとおりです。
支台歯の影響を受けやすい
ジルコニアセラミックは、歯を装着する支台歯の影響を受けやすいとされています。支台歯の色や形の影響を受けることから、ジルコニアセラミックそのものの審美性は高いのに支台歯のせいで審美性が低くなるというケースもあるのです。
費用が高額
ジルコニアセラミックをはじめとしたセラミック治療は保険が適用されません。そのため、費用が高額になります。
治療実績が少ない
ジルコニアセラミックは近年新たに出てきた歯科材料であることから治療実績がほかの歯科材料と比較してもまだまだ少ないのが現状です。そのため、ジルコニアセラミックを歯科材料として取り入れていない歯科医院もあるかもしれません。
ジルコニアセラミックを検討されている方は、取り扱いがあるか歯科医院で確認しましょう。
微調整が困難
ジルコニアセラミックは、一般的なジルコニアと比較すると扱いやすい素材となっている一方、歯科材料という観点で考えると扱いにくいため、微調整が困難です。
研磨や調整が非常に難しいことから、割れたり欠けたりした場合には修理ができず、最初から治療をしなければならないケースもあります。せっかく治療をしても、破損した場合にはまた1からやり直しになる可能性があるという点はデメリットといえるでしょう。
ジルコニアセラミックの費用
ジルコニアセラミックは審美治療のため保険が適用されません。自費診療になるため、歯科医院によって費用は異なりますが、1本あたり10~20万円程度が相場といわれています。
ジルコニアセラミックそのものの費用に加えて検査費用やアフターケアの費用がかかることもあります。費用に関しては、事前に歯科医院で確認しておきましょう。
なお、ジルコニアセラミックは貴金属材料のように価格の変動が少ないといわれています。そのため、時代の流れによって価格が大きく変わることは少ないです。
ジルコニアセラミックはどのような方に選ばれている?
ジルコニアセラミックのメリットとデメリットを踏まえたうえで、ジルコニアセラミックはどのような方に選ばれているのかを解説します。
人と接触するスポーツをする方
バスケットやサッカー、ラグビーなど人と接触する可能性があるスポーツをすると、歯が割れたり欠けたりする可能性があります。自分の歯でも割れたり欠けたりするリスクがあるためセラミックにおいてはその可能性がさらに高くなるでしょう。
上述のとおり、ジルコニアセラミックは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が高いジルコニアを使用しています。オールセラミックと比較しても強度が高いことから、人と接触するスポーツにおいて割れたり欠けたりするリスクが少ないとされているのです。
前歯の被せ物を検討している方
ジルコニアセラミックは色の調整が可能です。ほかの歯と馴染むように色の調整ができます。自然な見た目を再現できることから、見た目が重視される前歯にも使用可能です。前歯の治療において、耐久性だけではなく審美性も重視する方にも選ばれています。
奥歯の被せ物を検討している方
奥歯は前歯に比べて強い力がかかりやすいです。奥歯をぐっと噛みしめたときにかかる力は、最小で27.5kg、最大で100kgとされています。セラミックは陶器と類似した素材であるため、強い力が加わると割れることがあります。
一方でジルコニアセラミックはオールセラミックよりも強度が高いことから、強い力がかかっても簡単に割れることはないでしょう。そのため、奥歯の被せ物としてジルコニアセラミックは選ばれやすい傾向にあります。
参照元:日本歯科医師会「スポーツと歯科」
まとめ
ジルコニアセラミックは、一般的なセラミックと異なり耐久性に優れていることが最大の特徴です。
そのため、人と接触するスポーツをしている方や奥歯をかみしめる癖がある方にも使用できます。また、色の調整が可能で、天然の歯のような白さを再現できることから前歯の被せ物としても選ばれています。
ただし、ジルコニアセラミックをはじめとしたセラミック治療は保険が適用されません。そのため、費用は高額になります。また、硬い素材であるため微調整が難しいという点もデメリットです。
これらの特徴を理解したうえで歯科医師に相談し、ご自身に合った素材を選択しましょう。
審美歯科治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。
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2024.07.17更新
インビザラインで受け口は治る?治療期間や費用も解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
受け口を治したいと考え、インビザラインでの治療を希望している方もいるでしょう。インビザラインで受け口を治すことはできるのでしょうか。
今回は、インビザラインで受け口を治せるかどうかについて解説します。インビザラインのメリット・デメリットや治療にかかる費用、期間もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
受け口とは
受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前方に位置したり、下顎全体が上顎よりも前に突出したりしている状態のことです。専門的には、下顎前突や反対咬合と呼ばれます。
受け口は、歯槽性と骨格性の2つに大きく分けられます。歯槽性の受け口は主に歯の傾きや位置が原因で、骨格性の受け口は顎骨の成長異常や位置関係の問題によって起こります。
受け口を放置すると、虫歯や歯周病になりやすい、顎関節症を発症しやすいなどの問題が生じるでしょう。
受け口になる原因
受け口になる原因を確認しましょう。
遺伝的要因
受け口の原因の一つに、遺伝的要因が挙げられます。歯の大きさや骨格の特徴は、遺伝の影響を受けます。そのため、親や祖父母に受け口の特徴がある場合、子孫に遺伝する可能性があるのです。
ただし、遺伝的に受け口の傾向があるからといって、必ず受け口になるわけではありません。また、幼少期に受け口になる傾向がみられた場合には、顎の発達を抑える治療を行うことで防いだり症状を軽減したりできます。
悪習癖や口呼吸
幼少期から続く悪習癖は顎の成長や歯の位置に影響を及ぼし、受け口の原因になります。例えば、指しゃぶりの癖や、舌で下の前歯を前方に押し出す癖がある場合、年月の経過とともに下顎が前方に押し出され受け口になるかもしれません。
また、口呼吸をすると口を常に開けた状態になり、舌の位置が下がって気道を圧迫します。下顎を前に出して呼吸をするようになるため、受け口につながります。
上記の習慣は顎の正常な発育を妨げ、下顎が前に成長しやすくなる傾向があります。早期に改善することが重要です。
上顎と下顎のバランスの崩れ
上顎と下顎がバランスよく成長することで、適切な咬合関係が維持されます。そのため、下顎の過剰な成長は受け口の原因になります。また、上顎の成長が不十分な場合も、相対的に下顎が前方に突出しているように見えるでしょう。
下顎の成長が早く上顎の成長が遅いというように、成長期には一時的に上下の顎のバランスが崩れて受け口の状態になることがあります。多くの場合、成長を終える頃には両顎のバランスが整いますが、中には不均衡なままになるケースもあるでしょう。
受け口を放置するとどのようなリスクがある?
受け口を放置した場合に、どのようなリスクがあるのか確認しましょう。
コンプレックスになる
受け口は、横顔のバランスが崩れたり顔の下半分が長く見えたりします。下顎が前方に突出することで、しゃくれ顔と呼ばれる顔貌になり、特に思春期においては外見に対して強いコンプレックスを抱く可能性があるでしょう。
写真を撮られることを避けたり、社交的な場面で消極的になったりします。長期的には自尊心の低下や社会生活での不安、精神的な問題につながる恐れもあるのです。
虫歯や歯周病になりやすい
受け口は、口腔内の衛生状態を維持することを困難にし、虫歯や歯周病のリスクを高めます。受け口で噛み合わせが悪いと、口の中が乾燥しやすくなるためです。
また、受け口と叢生などを併発している場合、歯磨きが困難になります。磨き残しが発生しやすく、歯垢や歯石が蓄積することによって虫歯や歯周病になるリスクが高まるでしょう。
咀嚼や発音への悪影響
受け口の状態では、上下の歯が正常に噛み合わないため、効率的な咀嚼が困難になります。特に、食べ物を上手く噛み切れず不便に感じるでしょう。食べ物を十分に咀嚼しないまま飲み込むと、胃腸に負担をかけて消化不良や栄養吸収の低下につながります。
また、受け口は、特定の音の発音が困難になる可能性があります。例えば、上下の前歯が正しく噛み合わないため、サ行やタ行の発音が不明瞭になることなどが挙げられます。発音の問題によって、会話に苦手意識を持つかもしれません。
歯や顎に負担がかかる
受け口は歯や顎に過度な負担をかけ、長期的には様々な健康問題を引き起こす可能性があります。正常な咬合では咀嚼力が歯全体に均等に分散されますが、受け口の場合は力の分散が不均衡になり、歯の摩耗や歯の動揺につながるのです。
また、顎への負担が増えれば、顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、顎関節と周囲の筋肉、靭帯などに問題が生じる疾患です。顎の痛みや、口を開閉する際に音が鳴るなどの症状が現れます。
インビザラインで受け口は治る?
インビザラインで受け口の治療を行うことは可能です。例えば、歯並びが原因であるの受け口の場合は、インビザラインで矯正が可能なケースが多いでしょう。
ただし、インビザラインは軽度から中程度の不正咬合に対して用いられる治療法です。顎の骨格に問題があるなどの重度の受け口は、インビザラインのみでは治療できないでしょう。
ワイヤー矯正や外科手術など、他の治療と組み合わせる必要があったり、症例によってはインビザラインで治療できなかったりします。
インビザラインで受け口を治すメリットは?
インビザラインで受け口を治すメリットを確認しましょう。
目立ちにくい
インビザラインで使用する矯正装置は薄い透明なマウスピースなため、装着していてもほとんど目立ちません。矯正していることに気づかれにくく、人前で話す機会が多い方にとって大きなメリットといえるでしょう。
取り外しができる
インビザラインのマウスピースは、取り外しが可能です。食事や歯磨きの際にはマウスピースを外すので、食べ物が矯正装置に詰まる心配がなく歯磨きも通常通り行えます。そのため、口内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減できるでしょう。
また、一日に必要な装着時間さえ確保できていれば、スピーチなど人前に出るときにマウスピースを取り外すこともできます。
通院頻度が低い
インビザライン矯正では、治療計画に基づいてマウスピースが作製されます。患者さまご自身で段階ごとにマウスピースを交換して治療を進めるため、頻繁に歯科医院に通う必要がないのです。
通院頻度は患者さまによって異なりますが、一般的には2〜3ヶ月程度です。忙しく、なかなか歯科医院を受診できない方でも治療を継続しやすいでしょう。
インビザラインで受け口を治すデメリットは?
インビザラインで受け口を治すデメリットを確認しましょう。
自己管理が必要
インビザラインによる治療を成功させるには、マウスピースの自己管理が重要です。
インビザラインでは、1日20〜22時間以上マウスピースを装着する必要があります。マウスピースの装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間の延長などにつながるでしょう。
また、マウスピースの定期的な交換や適切な洗浄、紛失・破損の防止なども、患者さまご自身で行わなければなりません。そのため、自己管理が苦手な人にとっては大きな負担になるかもしれません。
管理不足によりマウスピースに何らかの問題が起きて使用できなくなった場合、再作製が必要になります。治療期間が長引く恐れがあるので、注意が必要です。
重度の受け口には不向き
インビザラインは、軽度から中等度の受け口の治療に対しては効果的ですが、すべての症例に適応できるわけではありません。骨格的な問題の重度の受け口などに対しては限界があり、インビザラインだけでは治療効果が得られないことがあります。
インビザラインで受け口を治す方法
インビザラインでは、装着するマウスピースを1〜2週間ごとに交換することで歯を動かし、歯並びを整えていきます。受け口を治す場合、下の歯を後退させながら上の歯を前に出すように歯並びを整えます。
ただし、歯を並べるスペースが足りない場合は抜歯が必要なケースがあります。また、歯の移動距離が大きい場合は、ある程度ワイヤー矯正で歯並びを整えたあとにインビザラインで最終調整を行うケースもあるでしょう。
治療中は定期的に歯科医院を訪れて進捗を確認し、必要に応じて治療計画の微調整を行います。
インビザライン治療が完了した後は、歯の位置を安定させるための保定期間が必要です。リテーナーと呼ばれる保定装置を使用して、矯正治療で移動した歯の位置を固定します。
インビザラインで受け口を治す場合の費用
インビザラインで受け口を治療する場合の費用は、受け口の程度などによって異なります。一般的には、70万円〜100万円程度です。
インビザラインは保険適用外の自費治療のため、歯科医院によっても費用が異なります。検査費や調整費などが別途かかる場合もあるので、歯科医院に詳しい費用を確認することが大切です。
インビザラインで受け口を治す場合の期間
インビザラインで受け口を治療する場合の一般的な治療期間は、1年~3年程度です。歯を動かす範囲や抜歯の有無などによって、かかる期間は変動します。
また、治療期間はインビザラインの装着状況によっても変化します。決められた装着時間を守っていなければ予定通りに歯が動かず、治療期間が長引く可能性があるでしょう。
予定していた治療期間内で治療を終えるには、装着時間をしっかり守ることが大切です。
まとめ
インビザラインによって受け口を改善することは可能です。
ただし、インビザラインは軽度から中度の不正咬合に対して用いられる治療です。そのため、重度の受け口の治療には対応できないことがあります。
受け口は、外見がコンプレックスになったり、口腔ケアを妨げて虫歯や歯周病になりやすかったりするリスクがあります。受け口が気になっている方は、一度矯正治療に精通した歯科医院を受診してみましょう。
インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。
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2024.07.09更新
歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響とセラミックの歯を守る方法
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
「歯ぎしりでセラミックの歯が傷つかないかな?」「セラミックの歯を傷つけないためにはどうすればいいの?」とお悩みではありませんか。歯ぎしりは自分では気づきにくいため、知らないうちにセラミックの歯にダメージを与えていることがあります。
本記事では、歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響や、セラミックの歯を守る方法について詳しく解説します。歯ぎしりに悩んでいる方や、セラミックの歯を長持ちさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは、睡眠中など無意識のうちに上下の歯を擦り合わせたり、噛み締めたりする動作のことです。歯ぎしりは歯の健康に悪影響を及ぼし、歯がすり減ったりグラグラしたりする原因になります。また、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こす可能性も高いです。
歯ぎしりには、次のようなタイプがあります。
クレンチング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる歯ぎしりのことです。食いしばりや噛みしめとも呼ばれます。
歯に大きな力が加わりますが、音がしないため自覚しにくく、他人に指摘されることも少ないので注意が必要です。クレンチングは日中や夜間を問わず行われ、長時間にわたり上下の歯に過度な負担を与え続けます。
グラインディング
グラインディングは、最も一般的な歯ぎしりのタイプです。上下の歯を強く噛みしめて左右に擦り合わせるため、歯やあごに大きな負担をかけます。
主に寝ているときに発生し、ギリギリと音が鳴るため他人に指摘されて初めて気づくことも多いでしょう。長期間続けると、歯が削れたり擦り減ったりすることによって噛み合わせの面が平らになる特徴があります。
タッピング
タッピングとは、上下の歯をカチカチと小刻みに噛み合わせる歯ぎしりのことです。寒さで震えている状態に似ています。
タッピング自体で強い力は加わりませんが、グラインディングやクレンチングのきっかけになることが多いです。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりが起こるメカニズムは明らかになっていませんが、主な原因としては以下の4つが挙げられます。
・ストレスや疲労
・噛み合わせが悪い
・睡眠不足
・生活習慣
順番に見ていきましょう。
ストレスや疲労
歯ぎしりの主な原因の1つが、ストレスや疲労です。仕事や日常生活の中で感じたストレスや不安、憂鬱な気持ちなどを、歯ぎしりによって無意識に解消しているといわれています。
特に、仕事が忙しい時期や人間関係の悩みがあるときに、歯ぎしりが顕著に現れる傾向があります。
噛み合わせが悪い
噛み合わせや歯並びが悪いと、歯ぎしりを誘発しやすいです。噛み合わせが正しくないと、違和感を解消しようとして無意識に歯ぎしりをするのです。また、噛み合わせが悪いことで上下の歯が正しく合わず顎の筋肉が緊張し、歯ぎしりを引き起こす可能性もあるでしょう。
歯ぎしりを改善するには、噛み合わせを調整しなければなりません。高さの合っていない被せ物や詰め物をしている場合は、早めに歯科医師に相談して適切に対処してもらいましょう。
睡眠不足
睡眠不足も歯ぎしりの原因の1つです。深い眠りの際は筋肉の動きが抑制されるため、歯ぎしりが起こりにくいです。
しかし、浅い眠りの場合は筋肉の抑制が解け、咬筋(頬の筋肉)が動いて歯ぎしりが起こりやすいとされています。飲酒や喫煙、ストレスなどは眠りが浅くする原因になるため、注意が必要です。
また、枕やマットレスが体に合っていない、横向きやうつ伏せで寝ることなども、睡眠の質が低下して歯ぎしりを起こす原因になるでしょう。
生活習慣
生活習慣の乱れも歯ぎしりの原因の1つとされています。過度な飲酒や喫煙、カフェインの過剰摂取は睡眠の質を低下させ浅い眠りを引き起こすため、歯ぎしりの原因となるのです。
生活習慣を見直し、改善することが歯ぎしりの改善につながります。
歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響
歯ぎしりによる歯への負担は、体重の数倍から数十倍に達するといわれています。強い力が日常的に加わると、セラミックの歯にはどのような影響があるのでしょうか。
考えられる主な影響は、以下のとおりです。
セラミックの脱落
歯ぎしりによってセラミックに強い力がかかると、脱落するリスクがあります。歯ぎしりを断続的に行うことで、歯とセラミックを固定するための接着剤が劣化したり隙間が生じたりして、セラミックが脱落するのです。
とくに、左右に歯を擦り合わせるグラインディングをしていると隙間が生じやすくなるため、より一層セラミックの脱落につながるでしょう。
セラミックの破損
セラミックは審美性に優れた素材ですが、衝撃に弱く破損しやすいという特性があります。そのため、歯ぎしりによって強い力が加わると破損・摩耗につながる可能性があるのです。
破損したセラミックの歯は修復が難しい場合があり、新たなセラミックの歯の作製が必要になることもあるので注意が必要です。セラミックを長持ちさせるためには、歯ぎしりの改善が非常に重要であることがわかるでしょう。
歯ぎしりからセラミックの歯を守るためには
歯ぎしりからセラミックを守るためには、噛み合わせの調整や生活習慣の見直しが重要です。他にも、セラミックの歯を守る方法はいくつかあります。
セラミック治療後の歯を保護するための方法は以下のとおりです。
ナイトガードを装着する
ナイトガードを使用すると、睡眠中の歯ぎしりからセラミックの歯を守ることができます。
ナイトガードとは、睡眠中に使用するマウスピースのことです。 装着することで、寝ている間に歯と歯が擦れ合うのを防ぎ、歯ぎしりによって歯に加わる力を軽減してくれます。睡眠中の歯ぎしりに悩んでいる方は、ナイトガードの使用を検討してみてください。
顔周りの筋肉のマッサージ
顔周りの筋肉をマッサージすることで、歯ぎしりの改善が期待できます。特に、咬筋(こうきん)や側頭筋のマッサージが効果的です。
咬筋は奥歯を噛みしめたときに固くなるエラ部分の筋肉です。親指をあごの裏に添えて他の指で円を描くように30秒間マッサージしましょう。
側頭筋は、こめかみの部分に位置する筋肉です。咬筋と同様に、円を描くようにマッサージします。
入浴後など血行が良い時に行うと、より効果的でしょう。マッサージオイルを使用すると摩擦が減り、筋肉をほぐしやすくなります。
ボトックス注射
ボトックスとは、ボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素から毒素を取り除いて抽出されたタンパク質の一種です。美容の世界ではシワ取りなどで使用されているボトックス注射ですが、歯科でも歯ぎしりの緩和を目的として使用されることがあります。
咬筋にボトックスを注射することで、筋肉の働きを弱めて歯ぎしりを軽減します。また、ボトックス注射をすることで、筋肉の緊張による頭痛や顎の痛みが緩和されることもあるでしょう。
定期的にメンテナンスを受ける
歯ぎしりのクセがある方は、セラミックやご自身の歯を守るために歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが重要です。歯ぎしりの原因の1つに噛み合わせの悪さがあるため、定期的に歯科医に噛み合わせをチェックしてもらいましょう。
また、セラミックの状態だけでなく、むし歯や歯周病の有無もチェックしてもらえば口腔内の健康を維持することにも役立ちます。症状がなくても、3〜6か月に一度はメンテナンスを受けましょう。
まとめ
本記事では、歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響と、対策について詳しく解説しました。歯ぎしりは無意識のうちに上下の歯を接触させる行為であり、歯の摩耗や破損、顎の痛みなどの症状を引き起こします。
特に、セラミックの歯を装着している方々にとって、歯ぎしりによる影響は大きな問題でしょう。歯ぎしりの原因にはストレス・疲労・噛み合わせの悪さなどがあり、原因を取り除くことが歯ぎしりの改善につながります。
歯ぎしりに悩んでいる方やセラミックの歯を長持ちさせたい方は、この記事を参考にしてセラミックを長持ちさせる対策を取り入れてみてください。
セラミックを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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