医院ブログ

2024.01.09更新

インビザラインで治療が難しい3つの症例と治療が向かない人の特徴!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザラインで治療について考える女性

インビザラインは、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる矯正治療です。日本では2006年に導入されましたが、矯正していることがわかりにくく矯正中の痛みが少ないことから、非常に注目を集めています。

しかし、インビザラインでは治療が難しい症例もあります。インビザラインは年齢に関係なく受けられる治療ですが、どのような歯並びにも対応できるわけではありません。歯の状態などによっては、インビザライン治療を断られるケースがあるのです。

今回は、インビザラインでの治療が難しい症例と、治療が向かない人の特徴について解説します。

インビザラインで歯を動かす仕組み

インビザラインの治療

インビザラインは、透明なマウスピースを1日20〜22時間装着して歯並びを整える治療法です。1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで、徐々に理想の歯並びを目指します。

インビザラインに限らず、歯列矯正では歯根膜という組織の性質を利用して歯を移動させます。歯根膜とは、歯を支える歯槽骨と歯の根の間にある膜のことです。歯根膜には、膜の厚みを一定に保とうとする性質があるのです。

インビザラインのマウスピースによって歯に矯正力がかかると、移動させる方向にある歯根膜は縮められます。反対側の歯根膜は、引き伸ばされて厚みが増すでしょう。

縮められた歯根膜は、もとの厚みに戻るために歯槽骨を溶かす細胞を増やします。引き伸ばされた歯根膜は、歯槽骨を作る細胞を増やします。

歯根膜の厚みを一定に保つために、歯槽骨の吸収と再生が繰り返されることで、歯が移動するのです。

インビザラインで使用するマウスピースは、上述しましたが1〜2週間に一度と頻繁に交換します。マウスピースは1枚1枚少しずつ形状が異なり、現状の歯並びからずらして作成されています。

歯並びとマウスピースにずれがあることで、継続的に歯列に矯正力をかけ、歯を移動させるのです。

インビザラインで治療が難しい3つの症例

叢生の人

インビザラインはマウスピースを用いるので、年齢に関係なく治療を受けられます。

ただし、インビザラインでの治療が難しい症例も存在します。どのような症例がインビザラインでは治療が難しいのか確認しましょう。

重度の叢生(そうせい)である

叢生(そうせい)とは、歯が重なり合ってガタガタした歯並びのことです。一部の歯が歯列から突出している八重歯も、叢生に含まれます。

叢生の原因の多くは、顎が小さいことで歯が歯列に収まらないことです。顎に対して歯が大きい場合も、歯列に収まらないので叢生になることが多いです。

軽度〜中度の叢生はインビザラインで治療可能なことが多いですが、重度の叢生は難しいことがあります。歯の移動距離や本数が増加するため、徐々に歯並びを整えるインビザラインは適さないことがあるのです。

歯を動かすスペースを作るために、抜歯をすることもあります。マウスピースの枚数が増え治療が複雑になることが多いので、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法のほうが適している可能性が高いです。

重度の歯周病がある

歯周病とは、歯垢に含まれる細菌が増殖したことで歯茎が炎症を起こす病気です。初期段階では、歯茎が赤くなる腫れる、出血するなどの症状しか現れず、歯周病に気づかない方も多いでしょう。

進行して歯槽骨にまで炎症が広がると、骨が溶けて歯がグラグラし始めます。非常に歯が不安定な状態なので、重度の歯周病がある人はインビザラインに限らず歯列矯正を受けられません。

歯列矯正による負荷に耐えられず、歯が抜け落ちる可能性があるためです。インビザラインを行う前に歯周病の治療を受けて、口腔環境を整えなければなりません。

骨格に問題がある

出っ歯や受け口には、歯の傾斜や生え方が原因の症例と、顎の骨格が原因の症例があります。顎の位置や発達に問題がなく、歯の生え方に問題があって出っ歯や受け口になっている場合は、インビザラインで治療できるでしょう。

しかし、顎の骨格が原因の場合はインビザラインだけでは治療が難しいです。歯並びだけを整えても、前歯の突出感やしゃくれている印象は改善されないのです。

骨格に問題がある症例では、外科手術が必要になる可能性があります。

インビザラインでの治療が向かない人の特徴

インビザラインが向かない人について考える女性

インビザラインで治療ができる症例でも、インビザラインが適しているとは限りません。インビザラインでの治療が向かない人の特徴を確認しましょう。

・マウスピースの管理ができない
・定期的に通院できない
・インプラントがある

それぞれ解説します。

マウスピースの管理ができない

インビザラインでは、マウスピースを使用して歯並びを整えます。そのため、マウスピースの管理ができなければインビザラインの治療は向きません。

マウスピースは、基本的には食事と歯磨きの時間以外は装着する必要があります。1日20〜22時間装着しなければならず、頻繁に外すと治療計画どおりに歯の移動が進まないでしょう。

装着時間を守ることと同様に、交換時期を守ることも重要です。歯科医師の指示に従って、定期的にマウスピースを交換してください。同じマウスピースを装着し続けても、歯の移動は進みません。

また、マウスピースを外した際はマウスピースの清掃と歯磨きをしてから再装着しなければなりません。マウスピースや口腔内の清潔を保てないと、口腔環境の悪化につながります。

マウスピースの適切な管理ができない人は、インビザライン治療は向かないでしょう。

定期的に通院できない

インビザライン治療中は、口腔内や治療の進み具合を確認してもらうために定期的に通院する必要があります。矯正治療は数年間に及ぶことも多いですが、通院を怠るとさまざまなトラブルにつながります。

虫歯や歯周病になった場合、治療期間が長引くでしょう。虫歯治療で歯の形が変わった場合、マウスピースの作り直しが必要になることもあります。余分な費用がかかる可能性もあるので、定期的に通院することは非常に重要なのです。

また、定期的に通院していないと、発生したトラブルにも気づけない可能性があります。歯の移動速度には個人差があるので、マウスピースの装着時間を守っていたからといって必ず計画どおりに歯が移動するとは限らないのです。

治療計画と実際の歯の動きにずれがある場合は、治療計画を修正しなければならないでしょう。適切に治療を進めるために、定期的に通院する必要があります。

インプラントがある

インプラントがあってもインビザライン治療を受けることは可能です。

しかし、インプラントは矯正力をかけても移動しません。そのため、特にインプラントの本数が多い場合は、インビザラインに限らず歯列矯正が難しいです。

インプラントは、人工歯根を顎の骨に埋め込んで失った歯を補う治療を指します。顎の骨と結合するので天然歯のように噛めることが特徴ですが、人工物なので歯根膜がなく、矯正力をかけても移動しないのです。

動かせない歯を設定して治療計画を立てることは可能ですが、理想とする歯並びにならない可能性があることは理解する必要があるでしょう。

インビザラインで治療が難しい場合にはどうしたらいい?

ワイヤー矯正の模型

インビザラインで治療が難しい場合でも、歯列矯正を諦める必要はありません。インビザラインが難しい場合の治療方法を確認しましょう。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯に接着したブラケットにワイヤーを通して矯正力をかけて歯並びを整える治療です。非常に歴史が長い歯列矯正方法で、適応できる症例が幅広いことが特徴です。

インビザラインでは治療が難しい症例でも、ワイヤー矯正なら治療できることが多いでしょう。

ワイヤー矯正には、歯の表側にブラケットを装着する表側矯正、歯の裏側にブラケットを装着する裏側矯正、上の歯は裏側に下の歯は表側にブラケットを装着するハーフリンガル矯正があります。裏側矯正のほうが目立ちませんが、高度な技術が必要なため費用が高額になる傾向があります。

ワイヤー矯正とインビザラインの併用

抜歯の本数が多くインビザラインだけでは治療が難しい症例でも、ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで治療できる場合があります。大きな歯の移動が必要な矯正初期はワイヤー矯正を行い、歯並びの微調整を行う矯正中期・後期をインビザラインで行う流れが一般的です。

まとめ

歯列矯正をする女性

今回は、インビザラインで治療が難しい3つの症例と、インビザライン治療が向かない人の特徴について解説しました。

インビザラインは、重度の叢生や骨格に問題がある歯並びなどは対応することが難しいでしょう。重度の歯周病がある場合は、インビザラインに限らず歯列矯正が難しくなります。

インビザラインでの治療が難しくても、歯列矯正を諦める必要はありません。ほかの矯正方法も検討して、理想の歯並びを目指しましょう。

歯列矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.12.26更新

インビザラインの7つの失敗例と失敗しないための対策!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザラインを失敗して悩む人

「インビザラインにも失敗はあるの?」「インビザラインで失敗しない方法は?」など、インビザラインに興味があっても、失敗したときのことを考えて一歩を踏み出せない方もいるでしょう。

今回は、インビザラインの概要や失敗例を詳しく解説します。失敗しないための対策もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザラインのマウスピース

インビザラインとは、アメリカに本社があるアライン・テクノロジー社が開発、研究を重ねているマウスピース矯正治療です。1997年に開発され、1999年に治療が始まりました。

アライン・テクノロジー社独自の技術で、現在も日々改良されています。世界中で1,500万人以上の方が、インビザラインで歯並びや噛み合わせを整えているのです。

インビザラインの特徴は、大きくわけて2つあります。

1つ目は、マウスピースが透明なので目立ちにくいことです。矯正治療中の見た目が気になる患者さまでも安心して使用できます。

2つ目は、マウスピースの着脱を患者さまが行えることです。食事やブラッシングのときには取り外しできるため、矯正治療開始前と同じように食事を楽しめるでしょう。ワイヤー矯正と比べるとブラッシングがしやすく、食べかすが残りにくいため虫歯や歯周病のリスクも低減できます。

インビザラインの7つの失敗例

インビザラインの失敗をした人

近年人気のインビザラインですが、絶対に失敗しないとはいえません。歯科医師の腕や患者さまの歯並び・噛み合わせの状態によって、仕上がりは左右されます。

インビザラインの7つの失敗例を確認しましょう。

治療前より歯並びが悪くなった

インビザラインの失敗で多いのが、上下の真ん中(正中)がずれるケースです。出っ歯や八重歯などの目立った乱れが整うと、正中がずれていてもすぐに気づかないケースもあります。

正中がずれていると歯並びが悪くみえるので、治療途中でもしっかり確認しましょう。

治療前より噛み合わせが悪くなった

歯科矯正では、見た目の美しさだけではなく噛み合わせも考慮しなければなりません。

しかし、経験と知識の浅い歯科医師が治療計画を決定すると、噛み合わせが悪化することがあるのです。インビザラインでは、専用のシミュレーションソフトを用いて治療計画を立てます。

シミュレーションソフトが立案した計画を調整し、最終決定するのは歯科医師です。

整った歯並び・噛み合わせを得るためには、歯科医師の経験と知識も必要です。

歯根が露出した

インビザラインに限らず、矯正治療では歯に力をかけて移動させます。無理に力を加えると、歯が埋まっている歯槽骨に負担がかかりすぎて歯茎が痩せることがあるのです。

歯茎が痩せると歯根が露出し、少しの刺激で痛みを感じるようになるかもしれません。目立った症状がなくても、歯根が露出すると歯と歯茎のすき間に三角形の空間(ブラックトライアングル)ができることが多いです。

ブラックトライアングルができると食べ物が非常に挟まりやすいため、虫歯や歯周病の原因になり得ます。見た目にも影響を及ぼすため、インビザライン治療を失敗したと感じる可能性が高いです。

虫歯や歯周病になった

通常、口腔内の汚れは、唾液の自浄作用によってある程度流されます。歯並びによって効果には差がありますが、唾液の自浄作用や抗菌作用が働くことで、虫歯や歯周病を防いでいるのです。

インビザラインでは、マウスピースを1日20〜22時間装着します。歯とマウスピースが密着しているため、唾液の自浄作用を十分に受けられません。

そのため、マウスピースを装着していない状態と比較すると、虫歯や歯周病のリスクが高いです。虫歯や歯周病になると治療を優先するため、矯正治療が一時的に中断されます。

治療期間が延びる、追加の費用がかかるなど、インビザラインを失敗したと感じるかもしれません。

IPRで歯を削りすぎた

矯正治療では、歯を移動させるすき間が足りないときに、歯の側面をわずかに削ってスペースを確保する方法(IPR)があります。治療計画を立てる段階で必要なスペースやそれぞれの歯の削る量などは計算されるので、削りすぎることは基本的にはありません。

しかし、必要以上に歯を削った場合、すき間が埋まらないことがあります。もともとの歯並びのお悩みが改善されても、すきっ歯に悩む可能性があるのです。

歯を削りすぎたことで生じたすき間を埋めるためには、マウスピースの追加が必要になるでしょう。治療期間が延びる、追加の費用がかかるなど、患者さまの負担が増加します。

理想の歯並びにならなかった

インビザラインでは、1日20〜22時間マウスピースを装着しなければなりません。また、マウスピースは1〜2週間に一度の頻度で交換します。

装着時間や交換時期を守らなかった場合や、マウスピースを順番どおりに使わなかった場合、矯正治療の効果が十分に現れません。装着時間や交換時期を患者さまが守れることを前提で治療計画が立てられるので、歯科医師の指示どおりにマウスピースを管理しましょう。

抜歯したすき間に隣接する歯が倒れ込んだ

矯正治療において、歯を並べるスペースが大きく足りない場合は、抜歯を選択することがあります。矯正治療が進めば、抜歯したすき間を利用して歯並びが整うので、基本的には問題ありません。

しかし、歯の移動がうまく進まないことがあります。すき間に隣接する歯が倒れ込むと、倒れた歯を戻す作業が必要になります。

倒れ込んだ歯を戻すのは、マウスピース矯正だけでは難しいケースもあるでしょう。一時的にワイヤー矯正を行うこともあります。

抜歯を伴う矯正治療は、特に歯科医師としっかりと相談しながら進めましょう。

インビザラインで失敗しないためには

インビザラインで失敗しないポイント

インビザラインで失敗しないための対策は、以下のとおりです。

インビザライン中に違和感がある場合はすぐ相談する

インビザラインは、通院回数が少ないことも特徴です。通院は2〜3か月に一度ですが、少しでも違和感がある場合は早めに歯科医師へ相談しましょう。

トラブルが起こっていても、早期に発見して適切に対処できれば、治療計画が大きく乱れることはありません。

豊富な経験と知識のある歯科医師に治療してもらう

インビザラインのマウスピースは、アライン・テクノロジー社に依頼して製作されます。治療計画もシミュレーションソフトが立案するので、歯科医師の知識や経験は関係ないと思うかもしれません。

しかし、治療の方針を考えるのは担当する歯科医師です。患者さまの希望を聞きながら、治療計画を微調整して最終決定するのも歯科医師です。

そのため、豊富な経験と知識があり、信頼できる歯科医師のもとで治療を受けてください。無料の矯正相談を利用してさまざまな歯科医師の話を聞き、納得できる説明を受けられた歯科医院を選択するとよいでしょう。

マウスピースの装着時間を厳守する

インビザラインの治療効果は、患者さまがどれだけ自己管理できるかに依存します。マウスピースの装着時間や交換時期を守ることは、非常に重要です。

治療を始めたばかりのときや、マウスピースを交換したときは、違和感が大きいかもしれません。装着するのが不快なこともあるでしょう。

しかし、装着時間を守らなければ計画どおりに歯が動きません。違和感は徐々に解消されるので、ブラッシングと食事のとき以外は、マウスピースをつけて過ごしてください。

マウスピースのお手入れと口腔ケアをしっかり行う

マウスピースは、流水と柔らかい歯ブラシで優しく汚れを落とし、清潔を保ちましょう。マウスピース用の洗浄剤を使用してもよいでしょう。

熱には弱いため、熱いお湯は使わないでください。乾燥させる場合でも、ドライヤーなどは使わず自然乾燥させます。

マウスピースが口内にあると汚れが溜まりやすいため、ふだんよりも口腔ケアを丁寧に行いましょう。

まとめ

インビザラインのマウスピース

インビザラインを含む矯正治療は、自費診療のため高額な治療費がかかります。そのため、失敗したくないと思う方が多いでしょう。

インビザラインが失敗しないためには、歯科医師の知識や経験だけでなく、患者さまの自己管理が重要です。口腔ケアを徹底し、マウスピースの装着時間・交換時期を守り、マウスピースのお手入れを丁寧に行いましょう。

インビザラインは通院回数が少ないことが特徴ですが、少しでも気になることがあれば早めに歯科医院へ連絡して指示を仰いでください。目立ちにくく、痛みを感じにくいインビザラインで、整った歯並びと噛み合わせを目指しましょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.12.19更新

セラミック治療で後悔しないために!デメリットと対策を知ろう!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミック治療をした女性

セラミック治療は、審美性と耐久性を兼ね備えたセラミック素材を使用した歯科治療です。虫歯治療での利用だけでなく、歯並びなどの外見を改善する治療にも用いられます。歯科治療で使用する素材として、セラミックを選ぶ方は多いでしょう。

ただし、セラミック治療はデメリットがまったくない万能な治療方法ではありません。セラミック治療を受けて、後悔したケースも少なからず存在します。

今回は、セラミック治療のメリット・デメリットや、後悔しないための対策について解説します。セラミック治療で後悔した例もご紹介するので、セラミック治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

セラミック治療とは?

 セラミックの歯

セラミック治療とは、セラミック素材を使用した歯科治療のことです。虫歯などで失った歯の治療だけでなく、歯並び・歯の色・歯の形を改善する治療にも利用されています。

主にセラミックが使われるのは、インレーやクラウン、ブリッジとよばれる、詰め物や被せ物で歯の機能を補う治療です。また、前歯の形や色調を整えるラミネートべニアという治療にも用いられます。

一般的には推奨されていませんが、ワイヤーやマウスピースで行う通常の矯正治療の代わりに、セラミックを用いた矯正が行われることもあるでしょう。

セラミック素材は審美性と耐久性を兼ね備えており、天然歯に近い自然な見た目に仕上がることが特徴です。経年劣化しにくく、変色・着色しにくいため、美しい見た目を長く維持できます。

強度が高く耐久性に優れているため、保険適用で使用されるプラスチックの素材よりも、長い期間使用できることが多いです。

セラミック治療を後悔した例

セラミック治療で後悔した女性

セラミックを用いた治療にはさまざまなメリットがあり、審美性や耐久性に優れた治療方法として知られています。

一方で、セラミック治療を受けたことで後悔するケースも存在します。セラミック治療を後悔した例を確認しましょう。

噛み合わせが悪くなった

セラミック治療を受けたことで、噛み合わせが悪くなるケースがあります。噛み合わせが不適切な状態が続くと、顎関節症や慢性的な頭痛・肩こりを引き起こす可能性があります。

治療時の噛み合わせは問題なくても、時間の経過とともに噛み合わせが悪くなることもあるでしょう。特に、人工ダイヤモンドともよばれるジルコニアを用いてセラミック治療をした場合、天然歯よりも硬いことから、噛み合う歯がすり減ることがあります。

徐々に噛み合わせが悪化し、顎関節症などの問題につながることがあるのです。セラミック治療後に噛み合わせに違和感を覚えた場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。

歯髄炎が生じた

歯髄炎とは、歯の中心部にある神経と血管が通っている歯髄に炎症が生じることです。強い痛みを伴うことが多いため、大きなストレスを感じるでしょう。

セラミック治療においては、天然歯を削る範囲が広すぎた場合や、削った際に歯髄に強い衝撃が加わった場合、歯髄炎を生じることがあります。歯髄炎が悪化すると、歯の神経を抜く必要が生じることもあるでしょう。

セラミックが割れた

セラミックはプラスチックの素材よりも強度が高く、耐久性に優れています。

しかし、強い衝撃が加わると割れる可能性があります。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、セラミックが割れるリスクが高いので注意が必要です。

一度割れたセラミックは修理できず、再治療が必要になるでしょう。費用も追加でかかる場合が多いです。

虫歯になった

セラミックが虫歯になることはありませんが、土台になっている天然歯や周辺の組織は虫歯・歯周病になる可能性があります。セラミックの下が虫歯になると、天然歯との適合性が低下します。

そのため、セラミックを再度作り直す必要があり、費用も追加でかかるでしょう。

希望していた仕上がりにならなかった

セラミック治療後、希望していた仕上がりにならないケースもあります。例えば、セラミック歯の色が周囲の天然歯と異なると、見た目に違和感や不自然さが生じるでしょう。

セラミック治療は、審美性の高さから選択する方が非常に多いです。希望していた仕上がりにならなかった場合、後悔する可能性があるでしょう。

費用が高額だった

セラミック治療は、基本的に保険適用外です。自由診療のため歯科医院によって費用は異なりますが、保険適用で使用される素材と比較すると高額になる傾向があります。

セラミック治療のデメリット

セラミック治療のデメリットイメージ

セラミック治療のデメリットは、以下のとおりです。

・セラミックが割れることがある
・保険適用外なので治療費が高い
・寿命がある

セラミックは、強い力が加わると割れる可能性があります。セラミックはプラスチックの素材と比べて耐久性が高いですが、陶材なので割れるリスクがあるのです。セラミックが割れると作り直す必要があり、費用もかかるでしょう。

また、保険適用外であるため費用が高額になること、耐久性は高いですが寿命があることもデメリットといえます。セラミックの寿命は一般的に10年程度といわれていますが、虫歯や歯周病などのトラブルが生じた場合は数年で交換が必要になることがあります。

ただし、毎日の丁寧なセルフケアや定期メンテナンスを徹底することで、本来の寿命以上に長く使用し続けることも可能です。

セラミック治療のメリット

セラミック治療のメリットイメージ

セラミック治療のメリットは、以下のとおりです。

・天然歯に近い美しい見た目に仕上がる
・虫歯が再発しにくい
・治療時の見た目が長く続く

セラミック治療は、天然歯に近い美しい見た目に仕上がることが大きなメリットでしょう。セラミックは、天然歯が持つ透明感や艶なども再現できます。限りなく天然歯に近い、自然な仕上がりが期待できるでしょう。

虫歯が再発しにくいことも、セラミック治療のメリットです。セラミックは長期間使用しても変形しにくく、すき間や段差が生じにくいため二次虫歯になりにくいのです。

また、セラミックはレジンなどの素材と比べて、経年変化しにくいとされています。変色・着色しにくい素材なので、治療時の白さや透明感を長期間に渡って維持できます。

セラミック治療を後悔しないための対策

セラミック治療を後悔しないためのカウンセリング

セラミック治療は費用が高額なので、長期間美しさを保って使用し続けたいと思う方が多いでしょう。

本項目では、セラミック治療を後悔しないための対策をご紹介します。しっかりと対策して、満足できる治療結果を目指しましょう。

治療前にカウンセリングを受ける

セラミック治療を受ける前に、必ずカウンセリングを受けてください。カウンセリングでは、セラミック治療のリスクや注意点などの説明を受けます。

しかし、ただ説明を受けるだけでは、セラミック治療を後悔することになるかもしれません。理想とする仕上がりをしっかり歯科医師に伝えましょう。

疑問や不安がある場合は解消し、納得のいく治療計画を立てることが重要です。

定期的に歯科検診を受ける

歯科検診では、噛み合わせの確認や、日々の歯磨きでは落とせない汚れの除去などを行います。セラミックを問題なく使い続けるために、歯科検診は非常に重要です。

虫歯や歯周病など、口腔内のトラブルの早期発見や早期治療にもつながるでしょう。セラミックを長く維持するために、定期検診は欠かさないでください。

虫歯を予防する

セラミックは、レジンや金属などの素材に比べて汚れが付着しにくいです。虫歯や歯周病の予防としても有効な治療方法ですが、日々のセルフケアを怠ると、土台の天然歯や周囲の組織が虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスなども使用して虫歯予防に努めましょう。

歯ぎしりを改善する

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、セラミックが割れる可能性が高くなります。歯ぎしりや食いしばりの主な原因はストレスなので、ストレスを溜めないことが大切です。

しかし、ストレスを完全になくすことは難しいでしょう。歯ぎしりや食いしばりは無意識に行う方も多く、改善するのは難しいです。

就寝中の歯ぎしり・食いしばりには、ナイトガードが効果的です。強い負荷から歯を守り、セラミックが割れるリスクを軽減できます。

まとめ

笑顔の女性

セラミックは自然で美しい仕上がりを実現でき、健康面でのメリットも大きいです。そのため、セラミック治療を希望する患者さまは増えています。

しかし、セラミック治療にはデメリットも存在し、治療後に後悔する方がいるのも事実です。セラミック治療を後悔しないためには、事前のカウンセリングで歯科医師と十分なコミュニケーションを取り、治療後も毎日のセルフケアや定期健診などを継続することが大切です。

セラミック治療のメリットだけでなく、デメリットも理解することで治療を後悔しないように対策できるでしょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.12.12更新

インビザラインの7つのメリット!治療が適している人とは?

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザラインは、多くの歯科医院で採用されているマウスピース矯正です。

「インビザラインにはどのようなメリットがあるの?「インビザラインにはデメリットはあるの?」など疑問をおもちの方もいるでしょう。インビザラインを検討するにあたり、メリットとデメリットの双方を理解しておくことが大切です。

今回は、インビザラインのメリットとデメリットについて詳しく解説します。インビザラインを検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。

インビザラインとは?

インビザラインをする女性

インビザラインとは、多くの歯科医院で採用されているマウスピース矯正です。

インビザラインは、3Dスキャナーで歯の動きをシミュレーションして治療計画を立て、治療計画に合わせてマウスピースが作製されます。

インビザラインでは治療に使用するすべてのマウスピースを一度に作製し、1〜2週間の頻度で交換しながら歯を動かす矯正方法です。

インビザラインの7つのメリット

インビザラインのメリットイメージ

インビザラインには、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法にはないメリットがあります。インビザラインのメリットを知ることで、ご自身に適した矯正方法か判断するのに役立つでしょう。

インビザラインのメリットは、以下の7つです。

①矯正中でも目立たない

インビザラインのマウスピースは、透明で薄いため、パッと見ただけではマウスピースをつけているとわかりません。矯正中でも目立たないため「仕事に支障が出るのは困る」「笑ったときに矯正装置が目立つのが気になる」など、審美性が気になる方に適した矯正方法といえるでしょう。

②通院頻度が少ない

インビザラインは、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法に比べて通院頻度が少ない点もメリットといえます。ほかの矯正方法の通院頻度が約1か月に1回なのに対して、インビザラインの通院頻度は約2〜3か月に1回です。

インビザラインでは、歯の動きをコンピューター上でシミュレーションをして、すべてのマウスピースを一度に作製します。一度にまとめてマウスピースを受け取れるため、自宅で1〜2週間のペースで交換しながら治療ができるのです。

仕事や学業、子育てなどで忙しく、頻繁に歯科医院に通えない方や、遠方から歯科医院に通っている方にも負担になりにくいでしょう。

③ほかのマウスピース矯正に比べて幅広い症例に対応できる

インビザラインは、ほかのマウスピース矯正に比べて幅広い症例に対応できます。ほかのマウスピース矯正では対応が難しい症例でも、インビザラインであれば対応できることがあるのです。

例えば、抜歯が必要な症例でも、インビザラインで対応できる場合があります。「マウスピース矯正は、軽度の症例しか治療できない」というイメージを覆す矯正方法なのです。

④型取りの負担が少ない

インビザラインには、歯の型取りによる負担が少ないというメリットもあります。本来の型取り(印象)は、粘土のような材料を口の中に入れ、固まるまで待つ方法でした。

しかし、インビザラインでは3Dスキャナーを使用して歯の型取りをします。そのため、口の中に異物が入ることで嘔吐反射が起こるリスクが減るのです。

さらに、本来の型取りに比べて、より精密な歯並びと噛み合わせの情報を得られます。負担なく、正確な情報をもとに、矯正治療ができる点は大きなメリットといえるでしょう。

⑤歯並びのシミュレーションができる

インビザライン矯正を始めるにあたって、3Dスキャナーで得た情報をもとにコンピューター上でシミュレーションをします。今の歯並びがどのように動き、理想の歯並びへと変化するのかイメージしやすいです。

治療後の歯並びがイメージできるため、矯正治療のモチベーションも保ちやすく、治療への不安も軽減されるでしょう。

⑥取り外しができる

ワイヤー矯正の場合は、強い痛みが出ることや、矯正装置にものが挟まることがあり、ふだんどおりに食事ができないことがあります。

一方、インビザラインのマウスピースは取り外しが可能です。そのため、矯正治療前と同じように食事ができるのです。また、マウスピースを取り外せるため、ふだんどおりに歯磨きもできます。マウスピースを取り外して歯磨きができるため、お口の中を清潔に保てるでしょう。

⑦金属アレルギーの心配がない

インビザラインで使用するマウスピースは、ポリウレタン製です。金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。金属アレルギーがある方や、金属アレルギーが心配な方でも安心して矯正治療を受けられます。

インビザラインの4つのデメリット

インビザラインのデメリットイメージ

ワイヤー治療や、ほかのマウスピース矯正にもいえることですが、インビザラインはメリットだけでなくデメリットもあります。インビザラインのデメリットを理解し、ご自身に適した矯正方法かを考えることも大切です。

インビザラインのデメリットは、以下の4つです。

①対応できない症例もある

インビザラインは、ほかのマウスピース矯正に比べて幅広い症例に対応できるとはいえ、すべての症例に対応できるわけではありません。例えば、重度の症例や骨格が関係している症例には対応できないことがあります。

インビザラインでは対応が難しいと診断された場合は、ワイヤー矯正で矯正治療を行う必要があるのです。インビザラインで対応できる症例かは、歯科医師の診断が必要となるため、一度カウンセリングを受けるとよいでしょう。

②自己管理の必要がある

インビザラインは、ご自身でマウスピースを交換しながら治療を進めるため、自己管理が必要です。例えば、矯正治療中は以下のことを守る必要があります。

・装着時間を守る
・交換時期を守る
・正しく装着する
・マウスピースを清潔に保つ

マウスピースの装着時間や交換時期を守らないと、計画どおりに歯が動きません。マウスピースを正しく装着しないことも、計画どおりに歯が動かない原因になるでしょう。

また、マウスピースを清潔に保つことも重要です。マウスピースのお手入れを怠ると、装置に細菌が繁殖し虫歯や歯周病の原因になります。

インビザライン矯正中に虫歯・歯周病になると、虫歯・歯周病の治療をするためにインビザライン矯正を一時中断することがあるでしょう。虫歯・歯周病の治療後にインビザライン矯正が再開となるため、治療期間が延長になります。

このように、自己管理ができないと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延長になることがあるのです。

③細かい調整をしなければならない

インビザラインは、矯正治療の過程で細かい調整をしながら治療を進めていくことを理解しておかなければなりません。コンピューター上でシミュレーションをして治療計画を立てますが、計画どおりに進むとは限らないためです。

例えば、マウスピースの装着時間が短い場合や正しく装着されていない場合、計画どおりに歯が動きません。また、頬杖や舌の使い方などの癖が影響して、計画どおりに歯が動かないことも考えられます。

計画どおりに歯が動いていない場合には、微調整をしながら治療を進めていくのです。2〜3か月ごとに通院した際に、経過を確認し調整をします。状態によっては、作り直しが必要になることもあるでしょう。

④マウスピースが破損のリスクがある

歯ぎしりや食いしばりによって、マウスピースが破損するリスクもあります。インビザラインは弾力性のある装置ですが、非常に薄く、強い力が加わると破損することがあるのです。

歯ぎしりや食いしばりをすると、ご自身の体重やその倍以上の力がかかります。継続的にマウスピースに強い力が加わることで、破損するリスクが高くなるのです。

マウスピースが破損した場合、作り直しになる可能性があります。マウスピースの作り直しには1〜2か月程度かかるため、治療期間も延長になるのです。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、ワイヤー矯正のほうが適していると判断されることもあるでしょう。

インビザラインが適している方

鏡の前でマウスピース矯正を付ける女性

インビザラインのメリットとデメリットを考慮し、インビザラインの治療が適しているか見極める必要があります。

インビザラインが適している方は、以下のとおりです。

・周りに気づかれることなく矯正をしたい方
・食事を楽しみたい方
・金属アレルギーのある方
・自己管理ができる方

周りに気づかれることなく矯正をしたい方

「職業柄、人と話すことが多いため、装置が目立つのは困る」という方もいるでしょう。インビザラインは薄く透明なマウスピースを使用するため、周りに気づかれずに矯正をしたい方に適しています。

食事を楽しみたい方

インビザラインのマウスピースは取り外しができるため、ふだんどおりに食事ができます。そのため「矯正前と変わらずになんでも食べたい」という方にも適した矯正方法といえるでしょう。

金属アレルギーのある方

インビザラインのマウスピースは、ポリウレタン製です。金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられます。

自己管理ができる方

前述のとおり、インビザラインではマウスピースの装着時間や交換時期を守らないと、計画どおりに歯は動きません。そのため、マウスピースの装着時間や交換時期などの自己管理ができる方に適した矯正方法といえるでしょう。

まとめ

インビザラインで使用するマウスピース

今回は、インビザラインのメリット・デメリットについて解説しました。

インビザラインでは透明のマウスピースを使用するため、目立たないというメリットがあります。また、取り外しができるため矯正前と変わらず、なんでも食べることが可能です。

一方、すべての症例に対応できるわけではない点や、自己管理が必要である点はデメリットといえます。

この記事で解説したインビザラインのメリットとデメリットを理解したうえで、歯科医師の意見を聞きながらご自身に適した矯正方法を選択しましょう。

インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.12.05更新

セラミックとジルコニアの違いとは?費用や寿命など比較して解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックとジルコニアの違いを比較

セラミックとジルコニアはどちらも見た目が美しく、金属アレルギーの心配がない身体に優しい素材ですが「セラミックとジルコニアの違いは何?」「どちらを選ぶべき?」など疑問をもつ方もいるでしょう。

今回は、セラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説します。費用や寿命などの違いを比較して解説しますので、ご自身に合った治療法を選択するために、ぜひ参考にしてください。

セラミックとは?

セラミックの歯

セラミックとは、陶器と同じ素材を使用した詰め物・被せ物です。

天然歯のような透明感があり、自然な色調を再現できます。虫歯治療だけでなく、過去に金属で治療した詰め物・被せ物の交換や、歯並びや歯の形の改善、歯の変色の治療などに用いられる治療法です。

メリット

セラミックには見た目の美しさだけでなく、多くのメリットがあります。

セラミックのメリットは、以下の4つです。

審美性が高い

セラミックの最も大きなメリットは審美性の高さです。天然歯に近い色調を再現でき、透明感のある美しい見た目で隣の歯とよく馴染みます。天然歯と比べても、ほとんど見分けがつかないほどです。

歯茎が変色しない

金属の詰め物・被せ物を長期間使用すると、溶け出した金属イオンの影響で歯茎が黒っぽく変色することがあります。オールセラミックであれば金属を一切使用しないため、歯茎が変色する心配がないのです。

金属アレルギーの心配がない

オールセラミックは金属を使用していません。生体親和性が高く、身体に優しい素材のため、金属アレルギーの方でも安心して使用できるのです。

虫歯が再発しにくい

銀歯は歯との接合性が低く、長期間使用すると歯と銀歯の間にすき間や段差が生じます。歯と銀歯の間にすき間ができると歯垢や歯石が蓄積して、虫歯が再発するリスクがあるのです。

一方、セラミックは歯との接合性に優れており、歯とセラミックの間にすき間や段差が生じにくいため虫歯の再発リスクが低いです。また、セラミックは表面が滑らかで汚れが付着しにくいことからも虫歯になりにくいといえます。

デメリット

セラミックには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。

セラミックのデメリットは、以下の3つです。

費用が高い

セラミックは保険が適用されません。そのため、保険が適用される治療と比較すると費用が高いです。

割れやすい

セラミックは陶器と同じ素材でできているため、陶器製の食器などと同じように割れやすいという特徴があります。

日常生活でセラミックの歯が割れるほどの強い衝撃が加わることはあまりありませんが、歯ぎしり・食いしばりによって割れる可能性があるのです。特に就寝中、無意識で行っていることが多い歯ぎしり・食いしばりは、歯に大きな負担をかけます。

歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合、ナイトガードを使用することで歯への負担を軽減できるでしょう。

健康な歯を削る

セラミックは薄いと割れる可能性が高いため、一定の厚みが必要になります。一定の厚みをもたせるために、健康な歯を削る量が多くなるのです。

健康な歯を削ると歯の寿命を縮めることになるため、歯を削るデメリットを十分に理解したうえで治療法を選択しましょう。

ジルコニアとは?

ジルコニア

ジルコニアとは、二酸化ジルコニウムという素材を使用した詰め物・被せ物です。

人工ダイヤモンドとも呼ばれており、強度が非常に高いという特徴があります。セラミックと同様に天然歯に近い白さと透明感を再現することが可能です。

メリット

ジルコニアにはセラミックにはないメリットがあります。

ジルコニアのメリットは、以下の6つです。

審美性が高い

以前のジルコニアは透明感がなく白っぽく見えるのがデメリットでした。

しかし、最近では透過率の高いジルコニアが登場し、天然歯に近い自然な透明感・色調を再現できるようになりました。

強度が高い

ジルコニアは、非常に強度の高い素材です。そのため、噛み合わせが強い奥歯の治療や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方の治療に使用しても、割れることや欠けることがほとんどありません。

しかし、強度が高いとはいえ破損しないとは言い切れません。歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は歯科医師に相談し、ナイトガードの使用などの対応策を検討しましょう。

幅広い治療に対応できる

ジルコニアは強度と審美性を兼ね備えているため、前歯はもちろん、強度を必要とする奥歯も白く修復することが可能です。また、詰め物・被せ物だけでなく、入れ歯やブリッジ、インプラントの人工歯としても使用できます。

歯茎が変色しない

ジルコニアもセラミックと同様に金属を使用しないため、歯茎が変色する心配がありません。

金属アレルギーの心配がない

ジルコニアは金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。生体親和性が高く、身体に優しい素材のため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。

虫歯が再発しにくい

ジルコニアはセラミックと同じように接合性に優れているため虫歯が再発しにくいです。強度が高く表面が傷付きにくいことからも、虫歯になるリスクは低いといえるでしょう。

デメリット

ジルコニアにはセラミックにはないメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ジルコニアのデメリットは、以下の4つです。

破損する可能性がある

ジルコニアは非常に強度が高い素材ですが、あくまで人工物なので破損するリスクはゼロではありません。特に、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は破損する可能性があるため注意しましょう。

修理が難しい

ジルコニアは、不具合が起こっても修理が難しいです。不具合が起こったときは作り直しが必要になるでしょう。

費用が高い

ジルコニアは保険が適用されません。そのため、保険が適用される治療に比べて費用が高いです。治療を開始する前に、カウンセリングで費用を確認しましょう。

歯根や噛み合う歯への負担が大きい

ジルコニアは非常に硬いため、歯根や噛み合う歯への負担が大きいです。歯科医院で定期的に噛み合わせの調整を行う必要があります。

セラミックとジルコニアの違い

セラミックとジルコニアの比較

セラミックとジルコニアにはそれぞれにメリット・デメリットがあるため「どちらを選べばいいのかわからない」という方もいるでしょう。

治療を検討する際の参考になるよう、セラミックとジルコニアの違いを表にまとめました。

<セラミックとジルコニアの違い>

  セラミック ジルコニア
審美性 非常に高い 高い
強度 高い 非常に高い
寿命 7~10年 10~15年
変色のリスク 心配ない 心配ない
虫歯の再発リスク 低い 低い
金属アレルギー 心配ない 心配ない
費用 詰め物 55,000〜80,000円 44,000~70,000円
被せ物 80,000〜220,000円 55,000〜110,000円

審美性の違い

セラミックとジルコニアはどちらも審美性に優れていますが、セラミックはより透明感のある自然な見た目となります。ジルコニアも天然歯に近い色調を再現でき透明感も十分ありますが、セラミックには少し劣るでしょう。

強度の違い

強度ではセラミックよりジルコニアのほうが圧倒的に優れています。セラミックは割れやすく、万が一破損したら再治療が必要になり、その分時間と費用がかかります。

一方で、ジルコニアは非常に硬い素材なので割れにくいです。そのため、奥歯の治療や歯ぎしり・食いしばりの癖がある方の治療に適しています。

費用の違い

セラミックとジルコニアはどちらも保険が適用されないため、費用は高額です。費用の違いは大きくはありませんが、ジルコニアのほうが少し安いでしょう。

セラミックが適している方

歯の見た目を気にする女性

セラミックは、以下のような方に適しています。

・前歯を治療する方
・見た目の美しさを重視したい方

セラミックは透明感があり天然歯のような自然な色調を再現できるため、目立ちやすい前歯を治療する方に適しています。割れやすいというデメリットはありますが、見た目の美しさを重視したい方に適した治療法といえるでしょう。

ジルコニアが適している方

ラグビー

ジルコニアは、以下のような方に適しています。

・奥歯を治療する方
・歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
・スポーツなど歯に衝撃が加わる機会が多い方

ジルコニアは強度に優れているため、顔に強い衝撃を受けても割れる心配がほとんどありません。野球やサッカー、ラグビーなどのスポーツで、ボールやプレイヤーとの接触によって強い衝撃を受ける可能性がある方にはジルコニアが適しています。

また、ジルコニアは割れることや欠けることがほとんどないため、奥歯の治療や歯ぎしり癖・食いしばりの癖がある方の治療にも適しているでしょう。

破損によって再治療が必要になると、その分費用もかかります。そのため、強度を重視したい方に適しているといえるのです。

まとめ

セラミックとジルコニアについて説明する女性

今回は、セラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説しました。

セラミックとジルコニアはどちらも多くのメリットがある治療法ですが、審美性や強度、費用、寿命などに違いがあります。納得して治療を受けるためには、それぞれの治療法を比較検討することが重要です。

今回ご紹介したセラミックとジルコニアの特徴やメリット・デメリットを参考に、ご自身に合った治療法を選択しましょう。

セラミックやジルコニアでの治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.11.28更新

インビザラインとワイヤー矯正の違い!あなたに適した治療法とは?

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザラインとワイヤー矯正を比較する女性

矯正治療を検討している方は、インビザラインとワイヤー矯正のどちらにしようか迷うでしょう。「せっかくお金と時間をかけて矯正するのだから後悔したくない」と考える方は非常に多いです。ワイヤー矯正とインビザラインの違いを理解して、ご自身に適した治療法を選ぶことが大切です。

今回は、インビザラインとワイヤー矯正の違いについて詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットや、どのような方に向いているのかを解説するので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザライン矯正

インビザラインは、透明なポリウレタン製のマウスピースを用いて歯並びを整える治療法です。

3D画像を用いたシミュレーションを行い、治療計画を立てます。治療計画をもとに作られたマウスピースを1日20〜22時間装着し、1~2週間ごとにご自身で交換しながら治療を進めます。

インビザラインは、軽度から中度の歯列不正に対して行われることが多いです。

インビザラインのメリット

インビザラインでは透明なマウスピースを用いるので、目立ちにくく、矯正治療中であることが気づかれにくいです。

マウスピースは自由に取り外すことができることもメリットでしょう。食事の際は取り外して、歯磨きをしたあと再び装着します。マウスピースのことを気にせずにふだんどおりに食事ができるのです。

歯磨きやデンタルフロスによるセルフケアは、マウスピースを外した状態で行う必要があります。矯正装置が歯磨きを邪魔することがないので、口腔内を清潔に保ちやすいでしょう。

また、マウスピースは約0.5mmと薄く、表面もなめらかです。口腔粘膜や舌を傷つけないので、不快感を抑えながら治療を続けることができます。

インビザラインのデメリット

マウスピースによって歯を動かすインビザラインは、ワイヤー矯正と比べると歯を大きく移動させるのには向いていません。重度の歯並びの乱れには対応できないことがあります。

マウスピースは患者さまがご自身で管理して、正しく装着する必要があります。スムーズに治療を進めるためには、1日20〜22時間装着しなければなりません。装着時間が短いと、治療が予定どおりに進まなくなります。

自由に取り外せるのはインビザラインの大きなメリットですが、自己管理が苦手な方にとってはデメリットになるでしょう。

ワイヤー矯正とは?

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ブラケットという金属製の装置を歯に取りつけ、ワイヤーを通して歯を移動させる方法です。ワイヤーがもとに戻ろうとする力を利用して歯を移動させます。

歯の1本1本にしっかりと力が加わるので、比較的短期間で歯を大きく移動させることができます。ワイヤー矯正は歯科医院だけでなく大学病院でも行われており、抜歯や外科処置を伴う複雑な歯列不正の治療にも用いられることが多いです。

ワイヤー矯正のメリット

ワイヤー矯正の歴史は長く、世界中で多くの治療が行われてきました。症例に合わせて、どのように治療を進めるのがよいのか、どのようなトラブルが発生する可能性があるのかなど、豊富な研究データをもとに判断できるため、安心して治療を受けられるでしょう。

ワイヤー矯正は適応症例が幅広く、すきっ歯、八重歯、出っ歯、受け口、噛み合わせの不良など、歯並びに関するさまざまな悩みをカバーできることもメリットです。

また、歯を大きく移動させられるので、治療期間は比較的短いといわれています。抜歯と組み合わせることで、歯並びを大きく変化させることも可能です。

ワイヤー矯正のデメリット

歯の表側にブラケットを取り付けるワイヤー矯正は、目立ちやすいというデメリットがあります。

機能面においては、食事や歯磨きがしづらいことがデメリットです。歯の表面にブラケットとワイヤーが固定されるので、食べ物が引っかかりやすく、矯正装置の破損につながることもあります。

食べかすが歯と歯のすき間や、歯と矯正装置のすき間に残りやすいこともデメリットでしょう。矯正装置が邪魔をして歯磨きがしづらく、デンタルフロスを通しにくいなど、口腔内を清潔に保つことが難しくなります。セルフケアをしっかり行わないと、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。

矯正装置が口腔粘膜を傷つける可能性もあります。食事や会話をするときに矯正装置が粘膜と接触し、痛みが生じる場合や、口内炎ができる場合があるでしょう。

インビザラインとワイヤー矯正の違い

比較する女性

インビザラインとワイヤー矯正はいずれも自由診療のため、治療の進め方や費用などは歯科医院によって異なります。単純に比較することは難しいですが、インビザラインとワイヤー矯正の違いを確認しましょう。

通院頻度

通院回数には、大きな違いがあります。ワイヤー矯正は1か月に一度の頻度で通院してブラケットやワイヤーの調整を行います。インビザラインは歯科医院によって異なりますが、2〜3か月に一度の頻度で経過観察を行うのが一般的です。

通院に伴う負担は、インビザラインのほうが小さいといえます。

日常生活への影響

ワイヤー矯正は、強い締めつけ感を覚える方が多いです。

しかし、インビザラインで強い痛みや不快感を覚える方は少ないです。痛みがあっても、2〜3日程度で慣れて気にならなくなる方が多いでしょう。

また、ワイヤー矯正では矯正装置が少なからず食事や歯磨きの妨げになります。インビザラインではマウスピースを取り外して食事や歯磨きを行うので、ふだんどおりに行えます。

自己管理

インビザラインは、患者さまご自身でマウスピースを管理し、日々適切に装着する必要があります。装着時間を守る必要もあるので、自己管理が苦手な方には向かないでしょう。

ワイヤー矯正はご自身で装置を取り外すことはできないので、自己管理する必要はありません。

治療費

矯正治療には、すべての歯を対象とする全体矯正と、前歯などを部分的に治療する部分矯正があります。全体矯正か部分矯正かによって費用は大きく異なります。

基本的に、インビザラインとワイヤー矯正で費用が大きく変化することはないでしょう。

全体矯正の場合は、いずれも600,000~1,000,000円程度です。部分矯正の費用はワイヤー矯正で300,000~700,000円程度、インビザラインで200,000円~600,000円程度でしょう。

ただし、インビザラインのほうが費用を抑えられるケースがあります。例えば、ワイヤー矯正には目立たないように矯正装置を歯の裏側に取りつける裏側矯正という治療法があります。裏側矯正の費用相場は700,000~1,700,000円程度と、高額な傾向があるのです。

また、ワイヤー矯正では、使用する装置の素材を選択できることがあります。セラミックやジルコニアのブラケット、目立ちにくいホワイトワイヤーなどは、別途費用がかかるのが一般的です。

治療期間

治療期間に大きな違いはなく、インビザラインとワイヤー矯正のいずれも全体矯正なら1~3年程度とされています。部分矯正の場合、早ければ2か月程度で治療が完了するでしょう。

ただし、歯列不正の程度などの条件が同じ場合は、ワイヤー矯正のほうが治療期間が短くなることが多いです。

また、インビザラインは軽度から中度の歯列不正を扱うことが多いため、比較的短期間で治療が終わるといえます。治療期間が長期に及ぶ可能性が高い重度の歯列不正は、インビザラインではなくワイヤー矯正で治療するのが一般的です。

インビザラインが向いている方

インビザラインのマウスピースとケース

インビザラインが向いているのは、周囲の視線が気になる方、矯正装置が食事や歯磨きの妨げになることを避けたい方、日常生活への負担が少ないほうがよい方が挙げられるでしょう。

ただし、ワイヤー矯正と比べると、インビザラインの適応症例は広くありません。複雑な歯列不正や複数本の抜歯が必要な症例は、対応できないことが多いです。

インビザラインの適応になるかどうか、希望する歯並びを実現できるかどうかは、歯科医師が適切に判断します。気になる方は、歯科医院に相談するとよいでしょう。

ワイヤー矯正が向いている方

ワイヤー矯正中の女性

ワイヤー矯正が向いているのは、自己管理が苦手な方、矯正装置が目立つことが気にならない方、できるだけ早く治療を終えたい方といえます。治療実績が豊富で多くの歯科医院が採用しているので、安心して治療を受けたい方も挙げられるでしょう。

また、ワイヤー矯正はインビザラインに比べて適応症例が幅広いです。複雑な歯の移動が必要な方や、歯を大きく移動させる必要がある方に適しているでしょう。インビザラインでの治療は難しい症例でも、ワイヤー矯正なら可能というケースも少なくありません。

まとめ

歯科矯正の説明

今回は、インビザラインとワイヤー矯正の違いについて解説しました。

目立ちにくく自由に取り外せるインビザラインは、周囲の視線が気になる方に向いています。食事や歯磨きをふだんどおり行うことができるので、治療中の不快感を軽減できるでしょう。

ワイヤー矯正は、非常に歴史が長く適応症例が幅広い治療法です。インビザラインでは対応できない複雑な歯列不正を治療できることもあります。

矯正治療を受けるときは、納得できるまで歯科医師に質問して、ご自身に適した方法を選びましょう。

インビザラインやワイヤー矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.11.21更新

セラミックの歯は何年もつ?寿命を縮める原因と長持ちさせる方法!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

歯がきれいな女性

見た目がよく自然な美しさが続くので、セラミック歯を選ぶ方は少なくありません。セラミック歯を検討中の方は「何年もつ?」「セラミックは劣化するの?」など、疑問に思うことがあるでしょう。

今回は、セラミックの寿命について解説します。寿命を縮める原因や長持ちさせるコツもご紹介するので、セラミック治療に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

セラミックの歯は何年もつ?

セラミックの歯の寿命イメージ

セラミック歯は10年以上もつといわれています。保険適用の治療で使用する材料の場合、寿命は5年程度です。セラミック歯の寿命が非常に長いことがわかるでしょう。

しかし、セラミックにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や寿命が異なります。本項目では、それぞれのセラミックの特徴や寿命をまとめました。

オールセラミックは何年もつ?

オールセラミックは、10〜15年もちます。オールセラミックとは、100%セラミックで作られた詰め物・被せ物です。天然歯の色調・透明感・艶を再現できるので、人工歯と気づけない場合もあります。

オールセラミックは経年劣化しにくいことが特徴です。ほとんど変色しないので、治療時の美しさを長く維持できます。金属アレルギーの心配がなく、安全に使用できることも特徴でしょう。

ただし、すべてセラミックでできているので、衝撃には強くありません。硬い食べ物を噛んだときや、何らかの衝撃を受けたときに、欠ける可能性があるでしょう。

メタルボンドは何年もつ?

メタルボンドは8年程度もちます。メタルボンドとは、金属にセラミックを焼き付けて作った被せ物です。

セラミックに比べると審美性が劣るものの、内側が金属なので強度が高いです。歯ぎしり・食いしばりの癖がある方にも使用できるでしょう。噛む力が強い奥歯にも使用できます。

ただし、金属を使用しているため、金属イオンが溶け出して金属アレルギーを発症する可能性があります。また、金属が劣化するため、ほかのセラミックに比べると寿命が短いです。

ジルコニアセラミックは何年もつ?

ジルコニアセラミックは、10〜15年もちます。ジルコニアは、人工ダイヤモンドともよばれるほど非常に硬い素材です。

高い強度を誇りながら、審美性に優れていることが特徴でしょう。劣化・変色しにくいので、美しい状態を保てます。

非常に強度が高いですが、金属を使用していないため、金属アレルギーの心配はありません。

セラミックの歯が長持ちする理由

長持ちするセラミック歯

セラミックの歯は10〜15年もちますが、金属やレジンなどの詰め物・被せ物の寿命は5年ほどです。セラミックの歯には保険が適用されないので費用が高くなりますが、その分長持ちするのです。

セラミックの歯が長持ちする理由を解説します。

表面がなめらかである

セラミックは、表面が非常になめらかです。汚れが付きにくく、歯ブラシなどで簡単にケアできます。

金属やレジンは、セラミックに比べると汚れが付着しやすいです。特に金属は、唾液と反応して静電気を帯びることがあります。

人体に影響を与えるほどではありませんが、汚れが付着しやすいでしょう。そのため、注意して口腔ケアをしなければなりません。

劣化しにくい

セラミックは金属やレジン(プラスチック)に比べると、劣化しにくいことも特徴です。金属やレジンは、治療当初はきれいに見えても経年劣化します。

素材が溶け出す、欠けるなど、使い続けるとトラブルが発生するでしょう。気がつかないうちに段差ができ、汚れが溜まって虫歯や歯周病を発症することも少なくありません。

セラミックは劣化しにくいため、しっかりとケアできている場合は、二次虫歯や歯周病を発症にくいのです。

変色しにくい

セラミックは、金属やレジンに比べて変色しません。装着したときとほとんど同じ色合いをキープできるのです。

金属の被せ物は、金属イオンが溶け出して歯茎が黒ずむリスクがあります。レジンは吸水性があるので、年月が経過すると黄ばみます。コーヒーなど、色の濃い飲食物の影響も受けやすいでしょう。

特に、前歯が変色すると見た目が気になり、再治療したいと感じる方が少なくありません。セラミックは治療当初の色調を長く維持できるので、再治療したいと感じることはないでしょう。

天然歯や身体との適合がよい

セラミックは、天然歯や身体との適合がよいため、口腔内に馴染みます。天然歯としっかりと密着するため、装着後にすき間ができにくく、二次虫歯を防げるでしょう。

一方、金属の被せ物や詰め物は、金属アレルギーを発症するリスクがあります。「金属の詰め物をしていたけど、金属アレルギーになったから再治療になった」という方もいます。

詰め物・被せ物に問題がなくても、健康上の問題で長く使えないことがあるのです。

セラミックの歯の寿命を縮める原因

虫歯

保険適用の素材に比べてセラミック歯は長くもつとはいえ、破損する可能性や再治療が必要になる可能性はあります。セラミックの歯の寿命を縮める主な原因は、以下のとおりです。

食いしばりや歯ぎしりの癖

食いしばりや歯ぎしりの癖がある場合、セラミックの歯に過度な力がかかります。破損する原因になるでしょう。

食いしばりや歯ぎしりをした際に歯にかかる力は、体重の5〜10倍程度、強い部分では30倍程度といわれています。セラミック歯の強度や耐久性が優れているとはいえ、食いしばりや歯ぎしりの力がかかると破損するリスクが高くなるでしょう。

虫歯や歯周病になる

セラミック歯は、汚れが付きにくくケアしやすい素材ですが、まったく汚れないわけではありません。口腔ケアが十分にできていない場合は、虫歯や歯周病を発症するリスクが高くなります。

セラミックの下が虫歯になった場合、詰め物・被せ物を除去して再治療しなければなりません。セラミックの下は視認できないので、気づかないうちに虫歯が進行し、歯を失う可能性もあるでしょう。

セラミックの歯を長持ちさせる方法

歯間ブラシを使う女性

セラミック歯を選択する場合は、高額な費用を支払わなければなりません。できるだけ長く使用したいと思う方が多いでしょう。

セラミックの歯を長持ちさせるための方法は、以下のとおりです。

口腔ケアを丁寧に行う

セラミックの歯を長持ちさせるには、口腔ケアをしっかりと行うことが重要です。上述したとおり、正しい口腔ケアを行わなければ虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどを用いて口腔ケアを行いましょう。

しかし、ご自身では丁寧に磨いているつもりでも、磨き残しが生じていることがあります。磨き方には癖があるので、同じ部分を磨き残している可能性も考えられます。

歯科医院で正しい歯磨き方法を指導してもらいましょう。

定期検診を受ける

定期検診で、歯やセラミック歯の状況を確認することも重要です。噛み合わせが強い部分がある、同じ部分を磨き残している、接着剤が劣化しているなど、ご自身では気づけないことを教えてもらえるでしょう。

定期検診を受けていれば、トラブルが起きていても迅速に対処できます。

食いしばりや歯ぎしりの癖を改善する

食いしばりや歯ぎしりの癖がある場合は、改善しましょう。食いしばりや歯ぎしりは、セラミック歯が破損するだけでなく、顎関節症の原因にもなるからです。

歯科医師の診断に基づいて、マウスピースを作る、噛み合わせを調整するなど、適切に対処しましょう。日中意識があるときに食いしばる癖がある場合は、気をつけて改善してください。

まとめ

セラミック歯の寿命について話す女性

セラミック歯は、10〜15年もつとされています。保険適用の治療で使用する素材に比べて長持ちし、経年劣化もほとんどありません。天然歯に近い見た目をキープできるため、食事も会話も楽しめるでしょう。

セラミック歯を長く使用するためには、正しい口腔ケアを行うこと、定期検診を受けること、歯ぎしりや食いしばりの癖を改善することなどが不可欠です。セラミックの歯を装着したあとも、歯科医師やスタッフとよい関係を築いて健康な口腔内をキープしましょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.11.14更新

前歯の美しさを手軽に!インビザラインで前歯のみを治療するメリット

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザライン

「インビザラインで前歯のみを治療したい」「目立つような大袈裟な矯正装置はつけたくない」とお考えの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

インビザラインは、取り外し可能なマウスピースを使った矯正方法です。独自のデジタル技術を使うことで、従来の型取りを何度も行う必要がありません。デジタルスキャナーを使った型取りを一度行うだけですべてのマウスピースが一度に作製できます。

インビザラインには前歯のみなどの気になる部分だけを治療できる、部分矯正があります。

今回は、前歯のみを治療する場合にインビザラインを選択するメリットや、治療できる前歯の症例、治療プロセスなどについて解説します。

インビザラインで前歯のみを治療することはできる?

クエスチョンマークが書かれた3つの木製ブロック

結論からいうと、インビザラインで前歯のみを治療することは可能です。

インビザラインには、すべての歯を動かす全顎矯正と、一部の歯のみを動かす部分矯正があります。前歯のみを治療する場合は、部分矯正です。

インビザラインでは、前歯のみを部分矯正する場合でもすべての歯を覆う形状のマウスピースを装着します。すべての歯を覆っていても、治療範囲外の奥歯などに歯を動かす力がかかるわけではありません。

部分矯正は軽度な症例にのみ対応できます。「部分矯正のみで前歯を治したい」と思っていても、歯科医師が部分矯正ではきれいに歯列が整わないと判断することもあるのです。

部分矯正で対応が難しいと判断された場合は全顎矯正やワイヤー矯正などの幅広い症例に対応できる矯正方法をすすめられることもあります。部分矯正で治療できる前歯の症例については、のちほど解説します。

前歯のみの治療にインビザラインを選択するメリット

プラスマークに並べられた木製のブロック

前歯のみの治療にインビザラインを選択するメリットは、以下の4つです。

・目立ちにくい

・費用を抑えられる

・取り外しができる

・治療期間が短い

それぞれ詳しく解説します。

目立ちにくい

インビザラインは透明なマウスピースを使った矯正方法です。マウスピースを装着していても、ほとんど目立ちません。

マウスピースは1日20〜22時間以上装着する必要がありますが、この装着時間を守ることができれば人前で話すときや、歯列矯正をしていることに気づかれたくないときなどには取り外すことができます。

「前歯が少し気になるだけだから、ワイヤー矯正のような目立つ矯正装置を装着するのは嫌だな」と考えている方に適した矯正方法といえるでしょう。

費用を抑えられる

動かす歯の本数が少ない部分矯正は、すべての歯を動かす全顎矯正に比べると費用が安いです。

歯列矯正は高いというイメージをおもちの方も多いでしょう。費用が理由で「なかなか治療に踏み込めない」「前歯の歯並びが気になっていたけど、後回しにしていた」という方でも、部分矯正を選択することで費用を抑えて治療ができます。

取り外しができる

インビザラインで使用するマウスピースは、食事や歯磨きのときに取り外すことが可能です。マウスピースを取り外せることで、矯正前と変わらず食事や歯磨きができます。

ワイヤー矯正の場合は、矯正装置を取り外すことができません。「装置に食べ物が詰まりやすいため、人との食事が楽しめない」「歯磨きがしにくいため、虫歯になるのではないか」という悩みを抱える方もいるでしょう。

しかし、インビザラインであればマウスピースを取り外せるため、装置を気にせず食事や歯磨きができるのです。

治療期間が短い

部分矯正は動かす歯の本数が少ないため、全顎矯正に比べて治療期間も短いです。歯列矯正は年単位での治療になることがほとんどですが、軽度な症例であれば早ければ数か月程度で治療が完了することもあります。

前歯のみの治療にインビザラインを選択するデメリット

DEMERITと書かれた木製のブロック

次に前歯のみの治療にインビザラインを選択するデメリットを見ていきましょう。

前歯のみの治療にインビザラインを選択するデメリットは、以下の2つです。

・対応症例に限りがある

・自己管理が必要

それぞれ詳しく解説します。

対応症例に限りがある

インビザラインの部分矯正は軽度な症例のみに対応しています。「部分矯正で気になる前歯を治したい」と思っていても、症例によってはインビザラインの部分矯正では治せない場合もあるのです。

ご自身の前歯の症例がインビザラインの部分矯正で治療できるかについては、歯科医師に相談しましょう。症例によっては、ほかの矯正方法が適しているという場合もあります。

自己管理が必要

インビザラインは、マウスピースの装着時間や交換のタイミングをすべてご自身で管理する必要があります。決められたルールを守らなければ、計画どおりに治療が進みません。

ご自身で管理することに自信がない方は、インビザラインは向いていないでしょう。

インビザラインで治療可能な前歯の症例

指でOKサインを出している女性

インビザラインで治療可能な前歯の症例は、基本的に軽度なものに限られます。

具体的には、以下の症例です。

・軽度にガタガタの前歯

・軽度のすきっ歯

・軽度に傾いている前歯

インビザラインで治療できない前歯の症例

悩んでいる男性

インビザラインで治療できない前歯の症例は、以下のとおりです。

・噛み合わせに問題がある症例

・重度の出っ歯・受け口・すきっ歯

・重度にガタガタの前歯

上記のような前歯の症例は大きく歯を動かす必要があるため、インビザラインだけでは治療が難しいでしょう。歯を並べるためのスペースを確保するために抜歯をする場合もあります。

前歯のみを治療する場合でも、奥歯も動かす必要があるケースや、ほかの部分も一緒に治療したほうがよいケースもあるのです。

インビザラインで前歯のみを治療するプロセス

歯科の椅子と治療器具

インビザラインで前歯のみを治療するプロセスについて解説します。

基本的には、前歯のみを治療するプロセスは全顎矯正の場合と変わりません。

1.カウンセリング

2.精密検査

3.型取り

4.シミュレーション

5.矯正開始

6.通院

7.治療完了

8.保定期間

それぞれ詳しく解説します。

1.カウンセリング

まずは、カウンセリングです。

歯並びの悩みや治療後の歯並びのイメージなどを歯科医師と共有し、詳しい治療方法などの説明を受けます。治療に関する疑問点や不安点がある場合はカウンセリングで相談しましょう。

2.精密検査

レントゲン撮影・CT撮影などをしてお口の状態を詳しく検査します。

治療を開始する前に虫歯や歯周病などが見つかる場合もあるでしょう。虫歯や歯周病などのお口トラブルがあるとインビザライン矯正の妨げとなるため、先に治療を行います。

3.型取り

精密検査を終えたら、型取りです。

インビザラインの型取りはiTeroと呼ばれる3Dデジタルスキャナーを使って行います。一度の型取りで治療完了までのすべてのマウスピースを作製するため、新しいマウスピースに交換するごとに型取りをする必要がありません。

4.シミュレーション

インビザラインによって、どのように歯が動いていくのかをコンピュータ上のシミュレーションで確認します。あくまで問題なく治療が進んだ場合のシミュレーションですが、矯正開始前にゴールの歯並びがイメージできるでしょう。

5.矯正開始

マウスピースが届いたらインビザライン矯正開始です。1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯を動かしていきます。

6.通院

計画どおりに治療が進んでいるかどうか、歯科医院を受診して確認します。通院頻度は1〜2か月に1回程度です。

7.治療完了

すべてのマウスピースを使い終えたら、歯科医院で確認してもらい、問題がなければ治療完了です。

8.保定期間

治療後は、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が発生します。

後戻りはインビザライン矯正に限らず、すべての矯正治療で起こるものです。せっかく改善された歯並びが元に戻らないようにリテーナーと呼ばれる保定装置を使って歯を固定します。

インビザラインで前歯のみを治療する場合にかかる期間

カレンダー

インビザラインで前歯のみを治療する場合にかかる期間は、3〜7か月程度です。通院回数は3〜8回程度でしょう。

インビザラインで前歯のみを治療する場合にかかる費用

ノート・ペン・電卓

インビザラインで前歯のみを治療する場合にかかる費用は、300,000〜700,000円程度です。

全顎矯正の場合は700,000〜1,000,000円程度かかるため、前歯のみを治療するほうが費用を抑えられます。

まとめ

鏡を見ている女性

今回は、前歯のみを治療する場合にインビザラインを選択するメリットや、治療できる前歯の症例、治療プロセスなどについて解説しました。

インビザラインで前歯のみを治療することは可能です。取り外しができるマウスピースを使用するため、ふだんどおりに食事や歯磨きもできます。

ただし、インビザラインで治療できる前歯の症例は、軽度なもののみです。ご自身の前歯がインビザラインで治療できる症例か気になる方は、歯科医師に相談しましょう。

インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.11.07更新

セラミック歯の値段はどれくらい?治療にかかる費用内訳も解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックの歯

セラミック歯は高額なイメージがあるため、値段が気になり治療を受けるかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。

セラミック歯には多くの種類がありますが、基本的には保険が適用されません。歯科医院によって値段が異なるため、治療を検討する際は相場を把握するとよいでしょう。

今回は、セラミック歯の値段を種類ごとに解説します。値段の内訳や保険適用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

セラミック歯とは?

セラミック治療

セラミック歯とは、審美性に優れたセラミックを使用した詰め物・被せ物のことです。虫歯治療で歯を削った際は、削った部分の機能を回復するために詰め物・被せ物をします。

詰め物・被せ物といえば銀歯をイメージする方が多いと思いますが、天然歯に近いセラミックを選択することもできます。セラミック歯の特徴は、以下のとおりです。

・透明感があり、天然歯に近い色調に調整できる

・強度がある

・経年劣化しにくく長持ちする

・表面がなめらかで汚れが付着しにくい

・着色・変色しにくい

・虫歯の再発リスクが低い

・生体親和性が高く馴染みやすい

・金属を使用しない場合は、金属アレルギーの心配がない

セラミックは天然歯のような自然な色に調節できるため、本物の歯と見分けがつかないこともあるでしょう。そのため、前歯などの目立ちやすい場所の治療にも適しています。

セラミック歯の値段はどれくらい?

白いノートと白い電卓

セラミック歯には多くの種類があり、値段がそれぞれ異なります。セラミック歯の種類ごとの値段を詳しく確認しましょう。

オールセラミック

オールセラミックの値段は、詰め物の場合40,000~80,000円、被せ物の場合80,000~220,000円が相場です。オールセラミックは、すべてセラミックでできた詰め物・被せ物のことです。

天然歯と見分けがつかないほどの白さと透明感があり、変色もほとんどしません。歯垢や食べかすなどの汚れが付着しにくいため、虫歯の再発リスクが低いのも特徴です。

ただし、強度はジルコニアセラミックより低く、割れることがあります。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックの値段は、詰め物の場合30,000~60,000円、被せ物の場合100,000~200,000円が相場です。ジルコニアセラミックは、審美性と強度を兼ね合わせた詰め物です。

柔軟性があり割れにくいため、噛み合わせが強い奥歯などにも使用できます。また、天然歯に近い色に調整できるため、審美性に優れています。

しかし、非常に硬いため、噛み合う歯を傷めることがあるのがデメリットです。

メタルボンド

メタルボンドの被せ物の値段は、80,000~150,000円が相場です。メタルボンドとは、金属の土台にセラミックを焼き付けた被せ物のことを指します。

表面はセラミックなので天然歯に近く、審美性に優れています。

ただし、オールセラミックと比較すると白さや透明感は劣るでしょう。メタルボンドの土台は金属でできているため強度がありますが、角度によっては金属の土台が見える可能性があります。また、金属を使用しているため、金属アレルギーの方は使用できません。金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむこともあります。

ハイブリッドセラミック 

ハイブリッドセラミックの値段は、詰め物の場合は約30,000円、被せ物の場合は40,000~80,000円が相場です。

ハイブリッドセラミックは、適用条件を満たせば保険が適用されますが、自費診療のハイブリッドセラミックのほうが審美性に優れています。また、保険適用のハイブリッドセラミックは、被せ物にしか使用できません。保険が適用された場合は10,000円程度で受けられるでしょう。

ハイブリッドセラミックとは、セラミックにレジンを混ぜた詰め物・被せ物です。レジンが混ざっているため、ほかのセラミック歯よりも値段を抑えられます。時間が経つと変色しますが、保険適用のレジンよりは変色しにくいです。

セラミック歯の治療にかかる費用の内訳

歯医者で話をする男性

セラミック歯の治療には、セラミック自体の費用のほかに、初診・カウンセリングや虫歯治療、治療後のメンテナンスなどに費用がかかります。費用の内訳を確認しましょう。

初診・カウンセリング

虫歯治療で初めて受診した際は、お口の中の診察やレントゲン撮影などの検査を行って治療方針を決めます。初診料が発生するため、3割負担で3,000~4,000円程度かかるでしょう。

また、セラミック歯の治療に入る前は、治療内容や値段などについてカウンセリングを行います。カウンセリング値段の相場は、無料~5,000円です。

虫歯治療

虫歯治療にかかる値段は、虫歯の進行度によって異なります。虫歯治療には保険が適用されるため、窓口での支払い額は負担割合に応じた金額です。

進行度別の値段の目安は、以下のとおりです。

<進行度に応じた値段の目安>

進行度 状態 値段の目安 (3割負担の場合)
軽度 エナメル質に留まる虫歯 3,000円
中等度 エナメル質だけでなく、象牙質にまで及んでいる虫歯 2,000~10,000円
神経まで達する 抜髄(ばつずい)や根管治療が必要な虫歯 7,000~20,000円
重度 歯の上部が完全になくなって神経が壊死し、抜歯が必要な状態 3,000~20,000円

虫歯が重度まで進行して抜歯が必要な状態になると、ブリッジや入れ歯、インプラントを選択することになります。一般的に、虫歯は進行すればするほど値段が高くなるため、早期治療を心がけましょう。

治療後のメンテナンス

治療後のメンテナンスにかかる値段は、3割負担で1回あたり3,000~4,000円が目安です。メンテナンスの頻度は状態によって異なります。

適切に歯磨きできない方や、虫歯や歯周病になりやすい方は1~2か月に1回、お口の状態に問題がなくしっかりケアできている方は、3~6か月に1回のペースでよいでしょう。

メンテナンスの内容は、以下のとおりです。

・虫歯・歯周病のチェック

・歯垢・歯石の除去

・染め出し

・ブラッシング指導

・生活習慣指導

・フッ素塗布

セラミック歯は、保険治療で使用される素材に比べて長持ちしますが、メンテナンスをしっかり受けていることが前提です。虫歯が再発しにくいセラミックでも、メンテナンスを怠ると虫歯や歯周病にかかり、寿命が短くなる可能性があります。

セラミック歯を長持ちさせるためには、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、詰め物や被せ物の状態、虫歯や歯周病の有無などを確認することが大切です。また、歯の健康を守るためには、歯科医院でのメンテナンスだけでなく、自宅でのセルフケアも非常に重要です。

メンテナンスの際に歯科医師や歯科衛生士からケア方法の指導・アドバイスを受けると、正しいケアを継続できるでしょう。

セラミック歯の治療は保険が適用される?

医療保険イメージ

セラミック歯の治療は、基本的に保険適用外です。健康保険が適用されるのは、虫歯などで失われた機能の回復を目的とした治療に限られているためです。

セラミック歯は機能の回復に加え、審美的な目的で行われることが多いです。そのため、自由診療で治療費は全額自己負担となります。

ただし、ハイブリッドセラミックは、適用条件を満たす症例であれば保険が適用されます。セラミックと歯科用プラスチックを材料として使用したCAD/CAM冠という被せ物で、日本では2016年4月から保険が適用されるようになりました。

2016年の段階では小臼歯のみの適用でしたが、2023年10月現在、多くの歯を保険適用で治療できるようになっています。CAD/CAM冠の保険適用条件は、以下のとおりです。

・前歯〜第二小臼歯の治療である

・第一大臼歯の場合、上下左右すべての第二大臼歯が残っている

・第二大臼歯の場合、金属アレルギーと診断されている

CAD/CAM冠の治療では、破損を避けるために銀歯やセラミック治療より歯を多く削る必要があります。また、保険治療を行った部分は原則2年間、保険での再治療ができません。破損などのトラブルが起きた場合は、修理するか自費で作り直す必要があります。

また、CAD/CAM冠はどの歯科医院でも治療を受けられるわけではありません。厚生労働省に承認された歯科医院のみ取り扱える治療法です。

CAD/CAM冠での治療を検討している方は、事前に歯科医院に確認しましょう。

まとめ

セラミック歯の女性

セラミック歯は、審美性に優れたセラミックを使用した詰め物・被せ物です。保険適用の詰め物・被せ物は見た目が悪く、劣化しやすい、虫歯の再発リスクが高いなどのデメリットがあり、比較的短期間で再治療が必要になるでしょう。

セラミック歯は基本的に保険が適用されないため値段は高額ですが、審美性や機能性、耐久性に優れており、メリットの多い治療です。セラミック歯には多くの種類があるため、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、ご自身に合った治療法を選択することが大切です。

セラミック歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.10.31更新

インビザライン矯正の費用相場は?追加費用が発生するケースも解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

歯科用マウスピースを持つ女性

「インビザラインは本当に目立たないの?」 「インビザライン矯正の費用はどれくらい?」 などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。透明なマウスピースを使用した歯列矯正、インビザラインが近年注目を集めています。

しかし、インビザラインの特徴や治療にかかる費用については、詳しく知らない方もいるでしょう。

今回は、インビザラインの概要や費用相場について解説します。追加費用がかかるケースなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

歯科医療で使用するマウスピース

インビザラインとは、透明な取り外し可能なマウスピースを使用して歯を移動させる歯列矯正です。1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換して、徐々に歯並びを整えます。

インビザラインでは透明なマウスピースを使用するので、治療中であることが目立ちません。食事や歯磨きの際に容易に取り外せるので、日常生活の負担が少ないことが大きなメリットでしょう。金属のブラケットやワイヤーを使わないため、違和感や痛みが少ないことも魅力です。

3D技術を活用して治療計画を立てるので、治療前に治療後の歯並びを確認できます。整った歯並びを実際に確認できることは、治療のモチベーション維持に大きな役割を果たすでしょう。

マウスピースは非常に薄いので、口内に痛みや違和感を生じることも少ないです。発音や滑舌にも影響がない場合が多いでしょう。

定期的にご自身でマウスピースを交換して治療を進めるので、通院頻度は2〜3か月に一度程度と、ワイヤー矯正と比較すると少ないです。

インビザラインの種類

インビザラインでは、歯列不正の度合いに応じてパッケージが用意されています。それぞれの特徴を確認しましょう。

インビザライン・エクスプレス

非常に軽微な歯並びの乱れに対応したパッケージです。使用できるマウスピースの枚数は7枚までなので、3〜6か月という短い期間で気になる部分の乱れを整えます。

治療期間が短く使用するマウスピースの枚数も少ないので、最も費用を抑えて受けられるインビザラインです。

しかし、大きく歯を移動させなければならない症例には対応できません。

インビザライン・ライト

軽度の歯並びの乱れに最適なインビザラインです。7〜12か月という短期間での矯正が可能で、比較的費用を抑えて受けられるパッケージといえます。

使用できるマウスピースの枚数は14枚までで、1〜2本の歯の位置を整えたい場合などに適しています。

インビザライン・モデラート

中度の歯並びの乱れに対応したパッケージです。使用できるマウスピースの枚数は26枚までなので、大きく噛み合わせを変える必要のない症例に対応しています。

インビザライン・コンプリヘンシブ

あらゆる歯並びの乱れに対応できるパッケージです。使用できるマウスピースの枚数に制限がなく、抜歯を伴う大きな歯の移動が必要な症例にも対応できることがあります。

治療期間が長くなり、費用も高額になることが多いです。費用は後述しますが、治療期間は1年以上かかることもあるでしょう。

インビザライン矯正の費用相場

インビザライン矯正の費用イメージ

インビザラインの費用は、歯列不正の度合いや期間に左右されます。歯科医院や地域によっても費用が異なるので、各医院に問い合わせましょう。

治療の流れと併せて、費用相場をご紹介します。

治療開始前のカウンセリング費用

治療を開始する前に、カウンセリングを行います。理想の歯並びや現状の歯並びについてのお悩みなどを相談しましょう。

初回のカウンセリングの料金は、無料〜5,000円程度です。

検査費用

インビザラインを受けると決めたら、レントゲンやCTなどの詳しい検査を行います。60,000円程度の費用が発生するでしょう。

治療中にかかる費用

カウンセリングと治療前の検査が完了したら、患者様のニーズに合わせてマウスピースが作成されます。矯正する歯の位置や範囲によって、費用は異なります。

特定の箇所や前歯だけを整える部分矯正の場合、100,000〜500,000円程度の費用がかかるでしょう。奥歯も含めた全体を矯正する場合は600,000〜1,000,000円程度の費用が必要になることが多いです。

歯科医院によって異なりますが、2〜3月に一度の調整の際に6,000円程度の費用がかかる場合もあります。

メンテナンス期間にかかる費用

矯正後は、歯の位置がもとに戻る後戻りが起きます。後戻りを防ぐために、リテーナーを装着して過ごさなければなりません。リテーナーの費用相場は、10,000〜60,000円程度でしょう。

後戻りを防ぎ、歯の位置を固定させる期間を保定期間といいますが、保定期間中も定期的に通院する必要があります。保定期間の通院にかかる費用は、2,000〜5,000円程度でしょう。

インビザライン矯正で追加費用が発生することはある?

費用に疑問あり

インビザライン矯正では、初期費用以外にマウスピースの追加や治療の修正で、追加費用が発生することがあります。アフターケアや定期的なチェックの際の費用も考慮する必要があるでしょう。

発生する可能性がある追加費用は、以下のとおりです。

矯正期間の延長に伴う費用

インビザライン矯正で追加費用が発生するのは、主に矯正期間の延長による型取りの再実施や通院回数の増加に起因します。矯正期間が予定よりも伸びると、追加の治療や手続きが求められることがあり、追加の費用が発生するかもしれません。

ただし、追加費用の取り扱いは、歯科医院の方針によって異なります。実際に追加費用が発生するのかどうか、どの程度の費用が発生するのかは、歯科医院に確認しましょう。

治療期間が延長になると、リテーナーの使用期間も延びる場合があります。定期的な歯のチェックの頻度が増えることも予想されますが、追加費用が発生する可能性があるでしょう。

矯正装置の紛失・破損による費用

矯正装置の修理費用は、無料〜10,000円程度かかります。

大きく破損して使用できない場合や、紛失した場合は、装置を作り直す必要があります。作り直しには、10,000〜30,000円程度の費用がかかるでしょう。

初回は無料で、2回目以降は追加の費用が発生する歯科医院もあります。契約内容によって変動するので、事前に確認しましょう。

作り直しには追加の費用が発生するだけでなく、新しい装置が届くまで治療が中断されるリスクも伴います。治療が中断されると治療期間が延びるので、さらに追加費用が発生するでしょう。

インビザライン矯正は保険が適用される?

健康保険を計算する医師

インビザライン矯正は、美容目的の治療とみなされることが多いです。そのため、健康保険は適用されません。全額自己負担となり、高額な費用がかかるのです。

ただし、以下の条件に該当する場合は、保険が適用されます。

・厚生労働省が定める特定の疾患が原因で噛み合わせに問題がある場合

・永久歯が正常に生えてこない場合

・顎の骨格に問題があって噛み合わせに異常がある場合

先天的な要因で噛み合わせに問題がある場合などは、保険治療でインビザラインを受けられます。顎変形症など、顎の骨の位置が正常でない場合も、保険が適用されることがあるでしょう。

インビザライン矯正の費用を安くする方法はある?

インビザライン矯正の費用を安くする方法

インビザライン矯正の費用を安くする方法として、複数の医院で見積もりを取得して比較することや、分割払いやデンタルローンを利用することなどが考えられます。

複数の医院で見積もりを取得する

インビザライン矯正は自費診療なので、歯科医院が自由に費用を設定できます。歯科医院によって費用が異なるので、複数の医院で見積もりを取得するとよいでしょう。

ただし、安さだけで治療を受ける歯科医院を決めるのは避けてください。アフターケアをしっかり行っていない場合や、追加費用が発生する処置が多いなど、トラブルにつながる可能性があります。

装着時間や交換時期を守る

費用を安くする方法ではありませんが、追加の費用を発生させないためには、インビザラインの装着時間や交換時期を守ることが重要です。

インビザラインを適切に取り扱っていないと、治療期間が延びる原因になるでしょう。治療期間が延びれば、マウスピースの追加や通院回数の増加に伴って追加の費用が発生します。

予定している費用内で治療を終わらせるために、歯科医師に指示を守ってインビザライン矯正を進めましょう。

分割払いやデンタルローンを活用する

クレジットカードの分割払いやデンタルローンを活用すると、一度に支払う費用を抑えられます。

デンタルローンとは、歯科治療専用のローンのことです。さまざまな金融機関から提供されており、一般的なローンと比べて金利が安く設定されていることが多いです。

ただし、クレジットカードやデンタルローンに対応していない歯科医院もあります。カウンセリングの際に、どのような支払い方法を選択できるのか確認してください。

まとめ

インビザライン矯正後の女性

インビザライン矯正は、透明で取り外し可能なマウスピースを使用することが大きな特徴です。

健康保険が適用されないため、治療にかかる費用は全額負担する必要があります。複数の医院で見積もりを取得して比較すれば、インビザライン矯正にかかる費用を抑えられるでしょう。マウスピースの装着時間・交換時期を守り、追加費用が発生しないようにすることも重要です。

クレジットカードの分割払いやデンタルローンを活用すると、一度に支払う費用の負担を軽減できます。インビザライン矯正は長期的な治療なので、情報をしっかり収集して、最良の選択をしましょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

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