2024.04.23更新
インビザラインのゴムかけのやり方と注意点を解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザラインではゴムかけという処置を行うことがあります。「ゴムかけをする理由は?」「ゴムかけの期間はどれくらい?」など、ゴムかけに関する疑問をおもちの方もいるでしょう。
今回は、インビザラインで行うゴムかけとはどのようなものなのか解説します。ゴムかけのやり方や期間、注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインのゴムかけとは?
ゴムかけとは、矯正治療中に歯科医師の指示があった場合に行うものです。自分の歯にボタンをつけてゴムをかける方法と、マウスピースにフックを作ってゴムをかける方法があります。専門用語では顎間ゴムと呼ばれ、上の歯と下の歯をつなぐようにゴムをかけます。
ゴムかけはインビザライン矯正のみに限らず、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などすべての歯列矯正で行われることがあります。
ゴムかけをすると、ゴムの伸び縮みする作用によって歯にさらに強い力をかけられます。歯を動かしやすくなり、マウスピースだけを使用するよりも、歯の移動がスムーズに進む効果が期待できます。
また、歯の水平移動だけでなく垂直移動ができるようになるため、噛み合わせの調整の目的のために使用されることもあります。
インビザラインのゴムかけのやり方
症状によってゴムかけのやり方は異なります。
インビザラインのゴムかけには、おもに以下の4つの種類があります。
・垂直ゴム
・交叉ゴム
・II級ゴム
・Ⅲ級ゴム
それぞれ詳しく解説します。
垂直ゴム
垂直ゴムは、開咬(かいこう)を改善する際に使用されます。開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに上下の歯の間に隙間ができて歯が接していない状態のことです。上下の歯に対して垂直にゴムをかけ、ゴムの力を利用して歯を縦方向に引っ張ります。
前歯が噛み合っていないときは前歯、奥歯が噛み合っていないときは奥歯に使用します。前歯同士にゴムをかけるときは目で確認できるため、比較的簡単にかけられますが、奥歯などの見えにくい部分にゴムをかけるときは慣れるまで少々難しく感じるかもしれません。
交叉ゴム
交叉ゴムは、交叉咬合(こうさこうごう)や鋏状咬合(はさみじょうこうごう)を改善する際に使用されます。
交叉咬合とは、下の歯が上の歯よりも外側に出ている状態のことです。鋏状咬合とは、下の歯と上の歯がすれ違って生えている状態のことです。
上の歯の表側と下の歯の裏側というように噛み合わせを跨ぐようにゴムをかけて噛み合わせの改善をはかります。
Ⅱ級ゴム
Ⅱ級ゴムは、上顎前突を改善する際に使用されます。上顎前突とは、いわゆる出っ歯のことで、下の前歯よりも上の前歯が前に出ている状態のことです。
上の歯の犬歯(前から数えて3番目の歯)と下の第一大臼歯(前から数えて6番目の歯)にゴムをかけます。すると上の前歯を後ろに引き下げ、下の歯を前方に出せるため、出っ歯の症状を改善する効果が期待できます。
Ⅲ級ゴム
Ⅲ級ゴムは、反対咬合を改善する際に使用されます。反対咬合とは、受け口とも呼ばれ、上の歯よりも下の歯が前に出ている状態のことです。
ゴムをかける部分は上の第一大臼歯(前から数えて6番目の歯)と下の歯の犬歯(前から数えて3番目の歯)であることが多いです。Ⅱ級ゴムとは逆の位置にゴムをかけることで、逆になっている噛み合わせの改善をはかります。
インビザラインのゴムかけを行う期間
ゴムかけを始める時期は症状によって異なります。
インビザライン矯正の治療開始から早い段階でゴムかけをスタートする場合もあれば、ある程度歯並びが改善される治療中盤から終半にかけてゴムかけをすることもあります。治療中盤から終半にかけて行うケースが比較的おおいとされています。
ゴムかけを行う期間も症状によって異なります。1ヶ月程度で終わるケースもあれば、半年以上必要になるケースもあるでしょう。ゴムかけを怠ったり、やり方を間違えたりすると、期間が延びることもあります。
ゴムかけを行う期間が気になる方は、担当の歯科医師に確認しましょう。
インビザラインのゴムかけを行うときの注意点
インビザラインのゴムかけを行う時の注意点をまとめました。
ゴムかけを行う際は、以下の点に注意しましょう。
・ゴムかけの時間を守る
・正しい部分にゴムをかける
・毎日新しいゴムに交換する
・ボタンが外れたら歯科医院に連絡する
・予備のゴムを持ち歩く
・ゴムかけが難しい時はエラスティックホルダーを使う
それぞれ詳しく解説します。
ゴムかけの時間を守る
マウスピースと同様に、ゴムかけも1日20時間以上行うように推奨されています。時間を守らなければ、歯がスムーズに動かないことがあり、ゴムかけの期間も当初より延びてしまうこともあるでしょう。
ゴムかけが始まったら、マウスピースの装着とセットで行うように習慣づけ、忘れないようにしましょう。
正しい部分にゴムをかける
どの位置にどの方向でゴムをかけるか決められています。ゴムかけをすることが決まったら、担当の歯科医師からくわしい説明がありますので、必ずその指示に従って正しくゴムをかけるようにしてください。
間違った方法で行うと、本来動かしたい方向とは逆の方向に歯が動いてしまい、治療計画が崩れる恐れがあります。
また、ゴムかけは必ず左右セットで行い、どちらか片方だけつけたり、1日ごとに交互につけたりすることは避けましょう。
毎日新しいゴムに交換する
ゴムは毎日新しいものに交換してください。1日使い終わったゴムは伸びているため、使い続けても歯に適切な力をかけることができません。また、左右の歯に均等に力をかけることも困難になります。
同じゴムを使い回すのは不衛生でもありますので、毎日新しいものに交換しましょう。
ボタンが外れたら歯科医院に連絡する
ゴムかけを行う際、歯の表面にボタンを接着することがあります。このボタンは外れることがあり、外れたときは速やかに歯科医院に連絡し、指示を仰いでください。
予備のゴムを持ち歩く
口を大きく開けたり、あくびをしたりした瞬間にゴムが切れることがあります。外出先で切れても、すぐに付け替えられるように予備のゴムを持ち歩くようにしましょう。
先ほども述べたように、治療の効果をしっかり得るためにはしっかりと装着時間を守ってゴムかけをすることが重要です。ゴムをつけないで過ごす時間が長くなると、それだけ歯も動きにくくなります。
また、どちらか一方のゴムが切れた時は切れたほうだけを交換するのではなく、両方のゴムを新しいものに交換するようにしてください。これは左右のゴムの力を均等にするためです。
ゴムかけが難しい時はエラスティックホルダーを使う
ゴムかけが始まってすぐは、ゴムが適切な部分にうまくかけられなかったり、装着に時間がかかったりすることがあるかもしれません。そのようなときは、エラスティックホルダーを使用するのがいいでしょう。
エラスティックホルダーとは、先端部分にフックが付いたプラスチック製のアイテムです。何度もゴムかけをしていれば徐々に慣れてくるでしょう。
まとめ
インビザライン矯正では、歯の移動をサポートするためにゴムかけという処置を行うことがあります。症状ごとにゴムのかけ方は異なり、開始時期や期間も患者様によってさまざまです。
ゴムかけを怠ると、計画どおりに歯を動かすことができません。マウスピースの装着時間を守ることはもちろん、ゴムかけの時間も守るようにしましょう。
インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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