2024.06.11更新
インビザラインですきっ歯(空隙歯列)は治せる?治療期間や費用を紹介
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
「すきっ歯が気になるのだけど、インビザラインで治せるの?」「すきっ歯を放っておくとどうなるの?」「すきっ歯を治すための費用はどれくらいなの?」とお悩みではありませんか。
インビザラインは、審美性の高さや痛みの少なさから人気を集めている治療法です。すきっ歯の治療にも効果がありますが、歯並びの状況によってはインビザラインでの矯正が難しい場合もあります。
本記事では、すきっ歯になる原因や放置するリスクに加えて、すきっ歯を治療するメリット・デメリットについても詳しく解説します。すきっ歯の治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
すきっ歯(空隙歯列)とは
すきっ歯とは、歯と歯の間にすき間がある状態を指していて、正式名称は空隙歯列といいます。歯列全体にすき間がある空隙歯列(くうげきしれつ)と、前歯の間にすき間がある正中離開(せいちゅうりかい)という2種類があります。
放置しておくとすきっ歯が悪化する可能性が高いため、早めに歯科医院を受診しましょう。
すきっ歯(空隙歯列)になる原因
すきっ歯になる原因は、以下の4つが考えられます。
・歯が通常よりも少ない・多い
・上唇小帯の異常
・頬杖をついている
・舌や下唇を噛むクセがある
それぞれ解説します。
歯が通常よりも少ない・多い
通常であれば、成人の歯は上下で28本、親知らずがある場合は最大で32本生えています。
しかし、人によっては生まれつき歯の本数が少ない方や多い方がいらっしゃいます。歯の本数が少なくても顎のサイズは変わらないので、歯と歯の間のすき間が大きくなり、すきっ歯になるのです。
通常よりも多く生える歯を過剰歯と言いますが、過剰歯もすきっ歯の原因になり得ます。過剰歯を避けるように他の歯が生えるため、過剰歯の周辺に隙間ができる可能性があります。
過剰歯は歯茎に埋まったまま生えてこないこともあるため、すきっ歯の原因になっているとご自身では気付けないことも少なくありません。
上唇小帯の異常
歯ぐきと上唇をつなぐ筋のことを上唇小帯(じょうしんしょうたい)といいます。上唇小帯が過度に発達して上の前歯と前歯の間に入り込むと、すきっ歯になる可能性があります。
上唇小帯が邪魔で歯みがきがしにくかったり、入れ歯や被せ物をうまく装着できなかったりする場合は、切除を検討する必要があるでしょう。
頬杖をついている
頻繁に頬杖をつくクセがあると、あごや奥歯に負荷がかかって全体の歯並びが悪化し、すきっ歯になることがあります。また、頬杖をつくと姿勢が悪くなり、口呼吸の原因にもなります。口呼吸が続くと、口周りの筋肉のバランスが悪化して歯並びが乱れることがあります。
頬杖をつくクセがある場合は、すきっ歯や姿勢が悪化する前に早めに改善しましょう。
舌や下唇を噛むクセがある
舌を前歯の裏に押し当てるクセや下唇を噛むクセがある場合も、すきっ歯の原因になります。前歯の内側から常に舌で押し続けていると、徐々に歯が動き出っ歯やすきっ歯になるのです。
また、下唇を噛むことで前歯が外側に押されると、すきっ歯の原因となります。
すきっ歯(空隙歯列)をそのままにするリスク
以下、すきっ歯を放置することで起こりうる3つのリスクについて解説します。
・むし歯や歯周病のリスクが高くなる
・噛み合わせが悪くなる
・発音に支障をきたす
それぞれ解説します。
むし歯や歯周病のリスクが高くなる
すきっ歯のままだと、歯と歯の間に食べかすが詰まりやすいため虫歯のリスクが高まります。また、除去できなかった汚れから細菌が繁殖し、歯周病になる可能性も高いです。
噛み合わせが悪くなる
すきっ歯を放置すると、噛み合わせが悪くなることがあります。噛み合わせが悪いと食べものをうまく噛めずに、あごの筋肉が発達しにくくなります。その結果、歯並びが悪化し、すきっ歯になる可能性が高くなるのです。
また、噛み合わせが悪くなると、肩こりや頭痛などの原因にもなります。
発音に支障をきたす
すきっ歯は、歯と歯の間から空気が漏れることで発音や滑舌に悪影響を及ぼすことがあります。とくに、サ行やタ行の発音が不明瞭になることが多く、発音の悪さが原因でコミュニケーションに支障をきたす可能性があります。
インビザラインですきっ歯(空隙歯列)は治療できる?
結論からお伝えすると、インビザラインですきっ歯は治療できます。
ただし、すき間が大きすぎる場合や歯の本数が不足している場合は、インビザラインでは改善できないこともあります。その場合、歯科医師からワイヤー矯正やセラミック治療など、ほかの矯正治療を提案されることもあるでしょう。
お口の状態によって選択できる治療法は異なりますので、歯科医師に相談することが重要です。
インビザラインですきっ歯(空隙歯列)を矯正するメリット
ここでは、インビザラインですきっ歯を矯正するメリットをご紹介します。
・治療中でも目立たない
・ワイヤー矯正に比べ痛みや違和感が少ない
・矯正装置の取り外しができる
それぞれ解説します。
治療中でも目立たない
従来のワイヤー矯正では金属製の矯正装置を使用するため、口を開けると目立ちます。そのため、矯正治療を諦めていた方も多いのではないでしょうか。
インビザラインは透明なマウスピースを使用する矯正治療のため、目立ちにくく周囲の目を気にせずに治療を受けられます。
ワイヤー矯正に比べ痛みや違和感が少ない
ワイヤー矯正は歯を締めつけて動かすため、痛みを感じることが多いです。インビザラインはマウスピースを交換しながら少しずつ歯を動かしていくため、痛みや違和感が少ないことが特徴です。
痛みが苦手な方でも、安心して矯正治療を進めることができるでしょう。
矯正装置の取り外しができる
インビザラインで使用するマウスピースは取り外しが可能です。そのため、ブラケットに食べかすが溜まりやすいワイヤー矯正に比べ、口内を清潔に保ちやすいでしょう。
ケアさえ怠らなければ、インビザラインでむし歯になる可能性は低いといえます。
インビザラインですきっ歯(空隙歯列)を矯正するデメリット
インビザラインですきっ歯を矯正するメリットは多くありますが、デメリットも少なからず存在します。主なデメリットは、以下の2つです。
・マウスピースを長時間装着する必要がある
・治療できない症例がある
マウスピースを長時間装着する必要がある
インビザラインで使用するマウスピースは、1日に20時間以上装着する必要があります。装着時間が短いと、治療計画通りに歯が動きません。
また、装着し忘れたりマウスピースをなくしたりすると、治療計画が長引く可能性が高いため自己管理能力が必要です。自己管理が苦手な方は、インビザライン以外の矯正方法が適している場合もあるでしょう。
治療できない症例がある
インビザラインは、すきっ歯をはじめとするさまざまな症状に対応できますが、すべての症例に対応できるわけではありません。すき間が広すぎる場合や、骨格に問題がある場合などは、ワイヤー矯正や外科手術が必要になることもあります。
インビザラインですきっ歯(空隙歯列)を矯正する際の期間
インビザライン矯正ですきっ歯を治療する際の治療期間は、全体矯正か部分矯正かによって異なります。目安は以下のとおりです。
・部分矯正:2か月〜1年程度
・全体矯正:1年〜3年程度
インビザラインですきっ歯(空隙歯列)を矯正する際にかかる費用
インビザライン矯正ですきっ歯を治療する場合の費用の目安は、以下のとおりです。
・部分矯正:10万円〜70万円
・全体矯正:60万円〜120万円
歯科医院によっては、治療費のほかにカウンセリング料や精密検査料がかかる場合があります。詳細な費用については、治療開始前に歯科医師に確認しておきましょう。
まとめ
本記事では、インビザラインですきっ歯は矯正可能なのか解説し、すきっ歯の矯正にかかる治療期間や費用をご紹介しました。
すきっ歯は、歯と歯の間にすき間がある状態です。放置すると噛み合わせが悪化したり、発音に支障をきたしたりするリスクがあります。舌で歯を押したり頬杖をついたりするクセがある場合、すきっ歯が悪化する可能性が高いのでクセは早めに改善しましょう。
インビザライン矯正は目立ちにくく痛みも少ないため、矯正治療に不安がある方でも安心して治療を受けられます。すきっ歯の悩みや不安を抱えているなら、まずは歯科医院でカウンセリングを受けましょう。
インビザライン矯正でのすきっ歯の治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.05.14更新
インビザライン矯正中に口内炎ができたらどうしたらいい?対処法を解説
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザラインは、装置が透明で目立たないという点が人気の矯正方法です。歯に目立つ装置をつけないので、従来の矯正方法と比較して違和感や痛みが少ないという特徴もあります。
とはいえ、歯に異物を装着するので、お口のトラブルが起きる可能性はあります。
今回は、インビザライン矯正中に口内炎ができた場合の対処法や、口内炎を予防する方法について詳しく解説します。
口内炎とは?
口内炎とは、口の中の粘膜に起こる炎症全てを指します。いくつか種類がありますので、ご紹介します。
アフタ性口内炎
最も多く見られる口内炎です。境界がはっきりとした表面が白色、もしくは黄白色の小さい潰瘍で、周りが赤色になった状態です。
頬の内側・舌・唇の裏・歯ぐきにできやすく、痛みがあり食べ物がしみます。放っておいても1〜2週間程度で自然に治ります。
ストレス・寝不足・栄養不足などによる免疫力の低下が主な原因で、口の中にできた傷に細菌やウイルスなどが感染すると悪化します。女性の場合、生理前や妊娠中など、ホルモンバランスが乱れる時期にもアフタ性口内炎ができやすいです。
カタル性口内炎
物理的な刺激によって起こる口内炎です。口の中の粘膜が赤くなったり、水疱やひび割れなどの症状が見られます。アフタ性口内炎のようにはっきりと目立つわけではなく、全体的に赤く腫れるので口内炎だと気がつかない場合もあります。
刺激の強い食べ物がしみたり、ヒリヒリとした痛みを感じることがあります。
入れ歯や矯正装置、食べ物などの物理的な刺激によって傷ができ、そこで細菌が繁殖することが原因です。疲れている時や風邪をひいている時など、免疫力が低下した際に発症しやすくなります。
ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で起こる口内炎です。子供に多いのが特徴で、免疫力が低下している際に発症しやすいです。
激しい痛みや発熱・倦怠感などが現れるため、小児科を受診しましょう。
カンジダ性口内炎
カンジダというカビの一種が口腔内で増殖して起こる炎症です。頬の内側や唇の裏側に、白い薄皮ができるのが特徴です。剥がれた部分は赤くなり、周囲も赤く腫れることがあります。
免疫力の低下や薬の服用により、常在菌のバランスが崩れることで発症しやすくなります。
インビザライン矯正中に口内炎ができる原因とは?
インビザライン矯正中にできる口内炎は、カタル性口内炎が多いでしょう。一般的に発症頻度の高い、アフタ性口内炎ができることもあります。
インビザラインは従来からあるワイヤー矯正と比較して、粘膜部分に装置が触れにくいため、矯正中に口内炎になる頻度は低いでしょう。インビザラインの他にもマウスピース矯正のブランドはありますが、インビザラインのマウスピースは特に粘膜に触れる部分が少ないです。
とはいえ、口内炎に全くならないわけではありません。インビザライン矯正中に口内炎ができてしまう原因は、以下の通りです。
・マウスピースの縁が粘膜に当たる
・アタッチメントが粘膜に当たる
・口腔内やマウスピースが汚れている
・免疫力が低下している
それぞれ解説します。
マウスピースの縁が粘膜に当たる
インビザラインのマウスピースは、一人一人のお口の状態に合わせて作られています。
しかし、マウスピースの形態などにより、縁の部分が粘膜に当たってしまうことがあります。唇の裏側や頬など、マウスピースがよく当たる部位に口内炎ができる傾向があります。
アタッチメントが粘膜に当たる
インビザライン矯正をする際に、歯にアタッチメントというプラスチックの突起を取り付ける場合があります。矯正力を調整したり強めたりする目的で取り付けられます。
インビザライン矯正中は1日のほとんどの時間マウスピースを装着して過ごすため、マウスピースがアタッチメント覆って刺激になることはありません。
しかし、マウスピースを外しているときにアタッチメントが粘膜に当たると、口内炎ができることがあります。
口腔内やマウスピースが汚れている
歯みがきの際はマウスピースを外すことができるため、従来の矯正方法と比較するとお口の中を清潔に保ちやすいです。口腔ケアやマウスピースの洗浄を丁寧に行っていれば、口内炎になることは少ないでしょう。
しかし、ケアを怠ったりマウスピースが汚れている場合には、口内炎ができやすくなるので注意が必要です。
免疫力が低下している
栄養・睡眠不足、ストレスなどにより免疫力が低下していると、口内炎ができやすくなります。免疫力が低下している状態で粘膜に刺激が加わると、口内炎ができるリスクが高くなります。
インビザライン矯正中に口内炎ができるのを予防する方法
物理的な刺激に加えて、口腔内で細菌が増殖したり免疫力が低下したりすると、口内炎ができやすい状態になります。口内炎ができるのを予防するためには、以下の内容に注意しましょう。
装置が粘膜に触れる時は歯科医師に伝える
インビザライン矯正を始めて、マウスピースやアタッチメントが粘膜に当たる場合は歯科医師に相談してみましょう。矯正治療に影響のない場所であれば、研磨して調整するなど、粘膜に当たらないようにできる場合があります。
口腔内やマウスピースを清潔に保つ
毎日の歯みがきを丁寧に行い、マウスピースの洗浄も必ず行うようにしましょう。アタッチメントがついている場合は、汚れが溜まりやすいので注意して磨いてください。
睡眠や休息、栄養をしっかりとる
免疫力が低下していると、口内炎ができやすくなります。睡眠や休息、栄養をしっかりとって免疫力を高めましょう。
ストレスも免疫力を低下させるので、趣味の時間を設けたり適度に運動したり、ストレスを溜めない生活を心がけてください。
インビザライン矯正中に口内炎ができたら
インビザライン矯正中に口内炎ができた場合の対処法は、以下のとおりです。
歯科医院を受診する
通常、口内炎の多くは時間の経過と共に自然に治ります。
しかし、矯正装置が粘膜に当たっていることが原因の場合、時間の経過では治りません。歯科医師に状況を診てもらい、必要に応じてマウスピースを研磨するなど調整してもらいましょう。
口内炎ができるとマウスピースの装着をやめたくなるかもしれませんが、外している時間が長くなると矯正治療に悪影響を及ぼします。マウスピースの装着は続けて、早めに受診しましょう。
刺激を避ける
口内炎ができているときに、熱いもの・辛いものなど刺激になるものを食べると痛みがでやすいです。口内炎が悪化してしまうこともあるので、刺激になる飲食物は避けてください。
指や舌で頻繁に触るのも、口内炎が悪化する原因になるのでやめましょう。
口内炎の薬を塗る
1〜2週間で治ることが多いですが、口内炎が辛い場合には口内炎用の薬を塗ることで炎症を抑えましょう。痛みを和らげたり、治癒を早めたりできる場合があります。
歯科医院で処方してもらえる薬の他、市販の薬でも問題ありません。
ただし、物理的刺激が原因の場合は、刺激を取り除かなければいくら薬を塗っても治らないでしょう。歯科医院を受診して、物理的に刺激となっている部分を調整してもらってください。
まとめ
インビザライン矯正中は、装置が粘膜に当たることなどが原因となり、口内炎ができる場合があります。従来のワイヤー矯正よりは口内炎ができにくい矯正方法ですが、口内炎ができないわけではありません。
口内炎ができた場合は、早く治すためにもまずは受診しましょう。粘膜に触れる部分を研磨するなど、調整を行うことで改善できる場合があります。
矯正治療中は口の中に異物が入っているため、ストレスを感じることが多くなります。免疫力が低下していると口内炎ができやすくなるので、睡眠や休息、栄養をしっかり取って、ストレスを解消することを心がけましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.01.09更新
インビザラインで治療が難しい3つの症例と治療が向かない人の特徴!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザラインは、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる矯正治療です。日本では2006年に導入されましたが、矯正していることがわかりにくく矯正中の痛みが少ないことから、非常に注目を集めています。
しかし、インビザラインでは治療が難しい症例もあります。インビザラインは年齢に関係なく受けられる治療ですが、どのような歯並びにも対応できるわけではありません。歯の状態などによっては、インビザライン治療を断られるケースがあるのです。
今回は、インビザラインでの治療が難しい症例と、治療が向かない人の特徴について解説します。
インビザラインで歯を動かす仕組み
インビザラインは、透明なマウスピースを1日20〜22時間装着して歯並びを整える治療法です。1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで、徐々に理想の歯並びを目指します。
インビザラインに限らず、歯列矯正では歯根膜という組織の性質を利用して歯を移動させます。歯根膜とは、歯を支える歯槽骨と歯の根の間にある膜のことです。歯根膜には、膜の厚みを一定に保とうとする性質があるのです。
インビザラインのマウスピースによって歯に矯正力がかかると、移動させる方向にある歯根膜は縮められます。反対側の歯根膜は、引き伸ばされて厚みが増すでしょう。
縮められた歯根膜は、もとの厚みに戻るために歯槽骨を溶かす細胞を増やします。引き伸ばされた歯根膜は、歯槽骨を作る細胞を増やします。
歯根膜の厚みを一定に保つために、歯槽骨の吸収と再生が繰り返されることで、歯が移動するのです。
インビザラインで使用するマウスピースは、上述しましたが1〜2週間に一度と頻繁に交換します。マウスピースは1枚1枚少しずつ形状が異なり、現状の歯並びからずらして作成されています。
歯並びとマウスピースにずれがあることで、継続的に歯列に矯正力をかけ、歯を移動させるのです。
インビザラインで治療が難しい3つの症例
インビザラインはマウスピースを用いるので、年齢に関係なく治療を受けられます。
ただし、インビザラインでの治療が難しい症例も存在します。どのような症例がインビザラインでは治療が難しいのか確認しましょう。
重度の叢生(そうせい)である
叢生(そうせい)とは、歯が重なり合ってガタガタした歯並びのことです。一部の歯が歯列から突出している八重歯も、叢生に含まれます。
叢生の原因の多くは、顎が小さいことで歯が歯列に収まらないことです。顎に対して歯が大きい場合も、歯列に収まらないので叢生になることが多いです。
軽度〜中度の叢生はインビザラインで治療可能なことが多いですが、重度の叢生は難しいことがあります。歯の移動距離や本数が増加するため、徐々に歯並びを整えるインビザラインは適さないことがあるのです。
歯を動かすスペースを作るために、抜歯をすることもあります。マウスピースの枚数が増え治療が複雑になることが多いので、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法のほうが適している可能性が高いです。
重度の歯周病がある
歯周病とは、歯垢に含まれる細菌が増殖したことで歯茎が炎症を起こす病気です。初期段階では、歯茎が赤くなる腫れる、出血するなどの症状しか現れず、歯周病に気づかない方も多いでしょう。
進行して歯槽骨にまで炎症が広がると、骨が溶けて歯がグラグラし始めます。非常に歯が不安定な状態なので、重度の歯周病がある人はインビザラインに限らず歯列矯正を受けられません。
歯列矯正による負荷に耐えられず、歯が抜け落ちる可能性があるためです。インビザラインを行う前に歯周病の治療を受けて、口腔環境を整えなければなりません。
骨格に問題がある
出っ歯や受け口には、歯の傾斜や生え方が原因の症例と、顎の骨格が原因の症例があります。顎の位置や発達に問題がなく、歯の生え方に問題があって出っ歯や受け口になっている場合は、インビザラインで治療できるでしょう。
しかし、顎の骨格が原因の場合はインビザラインだけでは治療が難しいです。歯並びだけを整えても、前歯の突出感やしゃくれている印象は改善されないのです。
骨格に問題がある症例では、外科手術が必要になる可能性があります。
インビザラインでの治療が向かない人の特徴
インビザラインで治療ができる症例でも、インビザラインが適しているとは限りません。インビザラインでの治療が向かない人の特徴を確認しましょう。
・マウスピースの管理ができない
・定期的に通院できない
・インプラントがある
それぞれ解説します。
マウスピースの管理ができない
インビザラインでは、マウスピースを使用して歯並びを整えます。そのため、マウスピースの管理ができなければインビザラインの治療は向きません。
マウスピースは、基本的には食事と歯磨きの時間以外は装着する必要があります。1日20〜22時間装着しなければならず、頻繁に外すと治療計画どおりに歯の移動が進まないでしょう。
装着時間を守ることと同様に、交換時期を守ることも重要です。歯科医師の指示に従って、定期的にマウスピースを交換してください。同じマウスピースを装着し続けても、歯の移動は進みません。
また、マウスピースを外した際はマウスピースの清掃と歯磨きをしてから再装着しなければなりません。マウスピースや口腔内の清潔を保てないと、口腔環境の悪化につながります。
マウスピースの適切な管理ができない人は、インビザライン治療は向かないでしょう。
定期的に通院できない
インビザライン治療中は、口腔内や治療の進み具合を確認してもらうために定期的に通院する必要があります。矯正治療は数年間に及ぶことも多いですが、通院を怠るとさまざまなトラブルにつながります。
虫歯や歯周病になった場合、治療期間が長引くでしょう。虫歯治療で歯の形が変わった場合、マウスピースの作り直しが必要になることもあります。余分な費用がかかる可能性もあるので、定期的に通院することは非常に重要なのです。
また、定期的に通院していないと、発生したトラブルにも気づけない可能性があります。歯の移動速度には個人差があるので、マウスピースの装着時間を守っていたからといって必ず計画どおりに歯が移動するとは限らないのです。
治療計画と実際の歯の動きにずれがある場合は、治療計画を修正しなければならないでしょう。適切に治療を進めるために、定期的に通院する必要があります。
インプラントがある
インプラントがあってもインビザライン治療を受けることは可能です。
しかし、インプラントは矯正力をかけても移動しません。そのため、特にインプラントの本数が多い場合は、インビザラインに限らず歯列矯正が難しいです。
インプラントは、人工歯根を顎の骨に埋め込んで失った歯を補う治療を指します。顎の骨と結合するので天然歯のように噛めることが特徴ですが、人工物なので歯根膜がなく、矯正力をかけても移動しないのです。
動かせない歯を設定して治療計画を立てることは可能ですが、理想とする歯並びにならない可能性があることは理解する必要があるでしょう。
インビザラインで治療が難しい場合にはどうしたらいい?
インビザラインで治療が難しい場合でも、歯列矯正を諦める必要はありません。インビザラインが難しい場合の治療方法を確認しましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯に接着したブラケットにワイヤーを通して矯正力をかけて歯並びを整える治療です。非常に歴史が長い歯列矯正方法で、適応できる症例が幅広いことが特徴です。
インビザラインでは治療が難しい症例でも、ワイヤー矯正なら治療できることが多いでしょう。
ワイヤー矯正には、歯の表側にブラケットを装着する表側矯正、歯の裏側にブラケットを装着する裏側矯正、上の歯は裏側に下の歯は表側にブラケットを装着するハーフリンガル矯正があります。裏側矯正のほうが目立ちませんが、高度な技術が必要なため費用が高額になる傾向があります。
ワイヤー矯正とインビザラインの併用
抜歯の本数が多くインビザラインだけでは治療が難しい症例でも、ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで治療できる場合があります。大きな歯の移動が必要な矯正初期はワイヤー矯正を行い、歯並びの微調整を行う矯正中期・後期をインビザラインで行う流れが一般的です。
まとめ
今回は、インビザラインで治療が難しい3つの症例と、インビザライン治療が向かない人の特徴について解説しました。
インビザラインは、重度の叢生や骨格に問題がある歯並びなどは対応することが難しいでしょう。重度の歯周病がある場合は、インビザラインに限らず歯列矯正が難しくなります。
インビザラインでの治療が難しくても、歯列矯正を諦める必要はありません。ほかの矯正方法も検討して、理想の歯並びを目指しましょう。
歯列矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2023.12.12更新
インビザラインの7つのメリット!治療が適している人とは?
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザラインは、多くの歯科医院で採用されているマウスピース矯正です。
「インビザラインにはどのようなメリットがあるの?「インビザラインにはデメリットはあるの?」など疑問をおもちの方もいるでしょう。インビザラインを検討するにあたり、メリットとデメリットの双方を理解しておくことが大切です。
今回は、インビザラインのメリットとデメリットについて詳しく解説します。インビザラインを検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
インビザラインとは?
インビザラインとは、多くの歯科医院で採用されているマウスピース矯正です。
インビザラインは、3Dスキャナーで歯の動きをシミュレーションして治療計画を立て、治療計画に合わせてマウスピースが作製されます。
インビザラインでは治療に使用するすべてのマウスピースを一度に作製し、1〜2週間の頻度で交換しながら歯を動かす矯正方法です。
インビザラインの7つのメリット
インビザラインには、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法にはないメリットがあります。インビザラインのメリットを知ることで、ご自身に適した矯正方法か判断するのに役立つでしょう。
インビザラインのメリットは、以下の7つです。
①矯正中でも目立たない
インビザラインのマウスピースは、透明で薄いため、パッと見ただけではマウスピースをつけているとわかりません。矯正中でも目立たないため「仕事に支障が出るのは困る」「笑ったときに矯正装置が目立つのが気になる」など、審美性が気になる方に適した矯正方法といえるでしょう。
②通院頻度が少ない
インビザラインは、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法に比べて通院頻度が少ない点もメリットといえます。ほかの矯正方法の通院頻度が約1か月に1回なのに対して、インビザラインの通院頻度は約2〜3か月に1回です。
インビザラインでは、歯の動きをコンピューター上でシミュレーションをして、すべてのマウスピースを一度に作製します。一度にまとめてマウスピースを受け取れるため、自宅で1〜2週間のペースで交換しながら治療ができるのです。
仕事や学業、子育てなどで忙しく、頻繁に歯科医院に通えない方や、遠方から歯科医院に通っている方にも負担になりにくいでしょう。
③ほかのマウスピース矯正に比べて幅広い症例に対応できる
インビザラインは、ほかのマウスピース矯正に比べて幅広い症例に対応できます。ほかのマウスピース矯正では対応が難しい症例でも、インビザラインであれば対応できることがあるのです。
例えば、抜歯が必要な症例でも、インビザラインで対応できる場合があります。「マウスピース矯正は、軽度の症例しか治療できない」というイメージを覆す矯正方法なのです。
④型取りの負担が少ない
インビザラインには、歯の型取りによる負担が少ないというメリットもあります。本来の型取り(印象)は、粘土のような材料を口の中に入れ、固まるまで待つ方法でした。
しかし、インビザラインでは3Dスキャナーを使用して歯の型取りをします。そのため、口の中に異物が入ることで嘔吐反射が起こるリスクが減るのです。
さらに、本来の型取りに比べて、より精密な歯並びと噛み合わせの情報を得られます。負担なく、正確な情報をもとに、矯正治療ができる点は大きなメリットといえるでしょう。
⑤歯並びのシミュレーションができる
インビザライン矯正を始めるにあたって、3Dスキャナーで得た情報をもとにコンピューター上でシミュレーションをします。今の歯並びがどのように動き、理想の歯並びへと変化するのかイメージしやすいです。
治療後の歯並びがイメージできるため、矯正治療のモチベーションも保ちやすく、治療への不安も軽減されるでしょう。
⑥取り外しができる
ワイヤー矯正の場合は、強い痛みが出ることや、矯正装置にものが挟まることがあり、ふだんどおりに食事ができないことがあります。
一方、インビザラインのマウスピースは取り外しが可能です。そのため、矯正治療前と同じように食事ができるのです。また、マウスピースを取り外せるため、ふだんどおりに歯磨きもできます。マウスピースを取り外して歯磨きができるため、お口の中を清潔に保てるでしょう。
⑦金属アレルギーの心配がない
インビザラインで使用するマウスピースは、ポリウレタン製です。金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。金属アレルギーがある方や、金属アレルギーが心配な方でも安心して矯正治療を受けられます。
インビザラインの4つのデメリット
ワイヤー治療や、ほかのマウスピース矯正にもいえることですが、インビザラインはメリットだけでなくデメリットもあります。インビザラインのデメリットを理解し、ご自身に適した矯正方法かを考えることも大切です。
インビザラインのデメリットは、以下の4つです。
①対応できない症例もある
インビザラインは、ほかのマウスピース矯正に比べて幅広い症例に対応できるとはいえ、すべての症例に対応できるわけではありません。例えば、重度の症例や骨格が関係している症例には対応できないことがあります。
インビザラインでは対応が難しいと診断された場合は、ワイヤー矯正で矯正治療を行う必要があるのです。インビザラインで対応できる症例かは、歯科医師の診断が必要となるため、一度カウンセリングを受けるとよいでしょう。
②自己管理の必要がある
インビザラインは、ご自身でマウスピースを交換しながら治療を進めるため、自己管理が必要です。例えば、矯正治療中は以下のことを守る必要があります。
・装着時間を守る
・交換時期を守る
・正しく装着する
・マウスピースを清潔に保つ
マウスピースの装着時間や交換時期を守らないと、計画どおりに歯が動きません。マウスピースを正しく装着しないことも、計画どおりに歯が動かない原因になるでしょう。
また、マウスピースを清潔に保つことも重要です。マウスピースのお手入れを怠ると、装置に細菌が繁殖し虫歯や歯周病の原因になります。
インビザライン矯正中に虫歯・歯周病になると、虫歯・歯周病の治療をするためにインビザライン矯正を一時中断することがあるでしょう。虫歯・歯周病の治療後にインビザライン矯正が再開となるため、治療期間が延長になります。
このように、自己管理ができないと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延長になることがあるのです。
③細かい調整をしなければならない
インビザラインは、矯正治療の過程で細かい調整をしながら治療を進めていくことを理解しておかなければなりません。コンピューター上でシミュレーションをして治療計画を立てますが、計画どおりに進むとは限らないためです。
例えば、マウスピースの装着時間が短い場合や正しく装着されていない場合、計画どおりに歯が動きません。また、頬杖や舌の使い方などの癖が影響して、計画どおりに歯が動かないことも考えられます。
計画どおりに歯が動いていない場合には、微調整をしながら治療を進めていくのです。2〜3か月ごとに通院した際に、経過を確認し調整をします。状態によっては、作り直しが必要になることもあるでしょう。
④マウスピースが破損のリスクがある
歯ぎしりや食いしばりによって、マウスピースが破損するリスクもあります。インビザラインは弾力性のある装置ですが、非常に薄く、強い力が加わると破損することがあるのです。
歯ぎしりや食いしばりをすると、ご自身の体重やその倍以上の力がかかります。継続的にマウスピースに強い力が加わることで、破損するリスクが高くなるのです。
マウスピースが破損した場合、作り直しになる可能性があります。マウスピースの作り直しには1〜2か月程度かかるため、治療期間も延長になるのです。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、ワイヤー矯正のほうが適していると判断されることもあるでしょう。
インビザラインが適している方
インビザラインのメリットとデメリットを考慮し、インビザラインの治療が適しているか見極める必要があります。
インビザラインが適している方は、以下のとおりです。
・周りに気づかれることなく矯正をしたい方
・食事を楽しみたい方
・金属アレルギーのある方
・自己管理ができる方
周りに気づかれることなく矯正をしたい方
「職業柄、人と話すことが多いため、装置が目立つのは困る」という方もいるでしょう。インビザラインは薄く透明なマウスピースを使用するため、周りに気づかれずに矯正をしたい方に適しています。
食事を楽しみたい方
インビザラインのマウスピースは取り外しができるため、ふだんどおりに食事ができます。そのため「矯正前と変わらずになんでも食べたい」という方にも適した矯正方法といえるでしょう。
金属アレルギーのある方
インビザラインのマウスピースは、ポリウレタン製です。金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられます。
自己管理ができる方
前述のとおり、インビザラインではマウスピースの装着時間や交換時期を守らないと、計画どおりに歯は動きません。そのため、マウスピースの装着時間や交換時期などの自己管理ができる方に適した矯正方法といえるでしょう。
まとめ
今回は、インビザラインのメリット・デメリットについて解説しました。
インビザラインでは透明のマウスピースを使用するため、目立たないというメリットがあります。また、取り外しができるため矯正前と変わらず、なんでも食べることが可能です。
一方、すべての症例に対応できるわけではない点や、自己管理が必要である点はデメリットといえます。
この記事で解説したインビザラインのメリットとデメリットを理解したうえで、歯科医師の意見を聞きながらご自身に適した矯正方法を選択しましょう。
インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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