2024.07.23更新
ジルコニアセラミックとは?メリット・デメリットや費用を解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
歯の見た目を綺麗にしたいと考える方が被せ物をいれる際に候補に入る素材のひとつにジルコニアセラミックがあります。
しかし、ジルコニアセラミックとはどのような素材なのか、また選択することでどのようなメリットがあるのか知らない方も多くいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、ジルコニアセラミックとはどのような素材なのか、またどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。ジルコニアセラミックの費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ジルコニアセラミックとは?
ジルコニアセラミックとは、二酸化ジルコニウムから作られたセラミックのことをいいます。ジルコニアと聞くと多くの方が宝石のジルコニアを想像するかもしれません。
宝石のジルコニアと歯科で使うジルコニアの違いは添加物の量です。歯科用ジルコニアでは添加物を減らしているため加工がしやすくなり、それぞれの歯にマッチした被せ物が作成できるようになっているのです。
これまで、審美歯科治療では陶材を使用したセラミックが一般的でした。
しかし、セラミックには強度をはじめ、さまざまな弱点がありました。セラミックの弱点を補完してくれるのがジルコニアセラミックなのです。
ジルコニアセラミックのメリット
ジルコニアセラミックにはさまざまなメリットがあります。ジルコニアセラミックの治療を検討している方はこれらのメリットをしっかりと知っておきましょう。ジルコニアセラミックのメリットは、次の通りです。
強度が高い
セラミックの弱点であった強度を補っているのがジルコニアセラミックです。ジルコニアは人工ダイヤモンドといわれるほど強度が高いことが特徴です。
セラミックよりも強度が高く、通常のセラミックの10倍以上ともいわれていることから、セラミックでは簡単に割れる可能性がある奥歯にも使えます。また、人と接触するスポーツをしても割れる可能性がセラミックよりも低いといわれています。
割れにくいことから長い期間使用できるでしょう。
審美性が高い
ジルコニアセラミックは、陶材であるセラミックを使用しているため天然の歯のような白さを再現できます。色調の調整ができるため、ほかの歯と馴染むでしょう。天然の歯のような自然な見た目を再現できる点は大きなメリットといえます。
金属アレルギーの心配がない
金属の詰め物や被せ物を入れると唾液によって金属が溶けだして金属アレルギーの症状が現れることがあります。歯茎が黒ずむこともあるでしょう。
一方でジルコニアセラミックは、金属を一切使用していないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。歯茎が黒ずむ心配もありません。
虫歯になるリスクが低い
虫歯になるリスクが低い点もジルコニアセラミックのメリットです。セラミックの表面は滑らかで、汚れが付着しにくいという特徴があります。歯磨きをしっかりと行えば汚れを落とせるため、虫歯になりにくいのです。
ジルコニアセラミックのデメリット
さまざまなメリットがあるジルコニアセラミックですが、デメリットもあります。ジルコニアセラミックのメリットだけでなくデメリットについても知ったうえで検討しましょう。
ジルコニアセラミックのデメリットは、以下のとおりです。
支台歯の影響を受けやすい
ジルコニアセラミックは、歯を装着する支台歯の影響を受けやすいとされています。支台歯の色や形の影響を受けることから、ジルコニアセラミックそのものの審美性は高いのに支台歯のせいで審美性が低くなるというケースもあるのです。
費用が高額
ジルコニアセラミックをはじめとしたセラミック治療は保険が適用されません。そのため、費用が高額になります。
治療実績が少ない
ジルコニアセラミックは近年新たに出てきた歯科材料であることから治療実績がほかの歯科材料と比較してもまだまだ少ないのが現状です。そのため、ジルコニアセラミックを歯科材料として取り入れていない歯科医院もあるかもしれません。
ジルコニアセラミックを検討されている方は、取り扱いがあるか歯科医院で確認しましょう。
微調整が困難
ジルコニアセラミックは、一般的なジルコニアと比較すると扱いやすい素材となっている一方、歯科材料という観点で考えると扱いにくいため、微調整が困難です。
研磨や調整が非常に難しいことから、割れたり欠けたりした場合には修理ができず、最初から治療をしなければならないケースもあります。せっかく治療をしても、破損した場合にはまた1からやり直しになる可能性があるという点はデメリットといえるでしょう。
ジルコニアセラミックの費用
ジルコニアセラミックは審美治療のため保険が適用されません。自費診療になるため、歯科医院によって費用は異なりますが、1本あたり10~20万円程度が相場といわれています。
ジルコニアセラミックそのものの費用に加えて検査費用やアフターケアの費用がかかることもあります。費用に関しては、事前に歯科医院で確認しておきましょう。
なお、ジルコニアセラミックは貴金属材料のように価格の変動が少ないといわれています。そのため、時代の流れによって価格が大きく変わることは少ないです。
ジルコニアセラミックはどのような方に選ばれている?
ジルコニアセラミックのメリットとデメリットを踏まえたうえで、ジルコニアセラミックはどのような方に選ばれているのかを解説します。
人と接触するスポーツをする方
バスケットやサッカー、ラグビーなど人と接触する可能性があるスポーツをすると、歯が割れたり欠けたりする可能性があります。自分の歯でも割れたり欠けたりするリスクがあるためセラミックにおいてはその可能性がさらに高くなるでしょう。
上述のとおり、ジルコニアセラミックは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が高いジルコニアを使用しています。オールセラミックと比較しても強度が高いことから、人と接触するスポーツにおいて割れたり欠けたりするリスクが少ないとされているのです。
前歯の被せ物を検討している方
ジルコニアセラミックは色の調整が可能です。ほかの歯と馴染むように色の調整ができます。自然な見た目を再現できることから、見た目が重視される前歯にも使用可能です。前歯の治療において、耐久性だけではなく審美性も重視する方にも選ばれています。
奥歯の被せ物を検討している方
奥歯は前歯に比べて強い力がかかりやすいです。奥歯をぐっと噛みしめたときにかかる力は、最小で27.5kg、最大で100kgとされています。セラミックは陶器と類似した素材であるため、強い力が加わると割れることがあります。
一方でジルコニアセラミックはオールセラミックよりも強度が高いことから、強い力がかかっても簡単に割れることはないでしょう。そのため、奥歯の被せ物としてジルコニアセラミックは選ばれやすい傾向にあります。
参照元:日本歯科医師会「スポーツと歯科」
まとめ
ジルコニアセラミックは、一般的なセラミックと異なり耐久性に優れていることが最大の特徴です。
そのため、人と接触するスポーツをしている方や奥歯をかみしめる癖がある方にも使用できます。また、色の調整が可能で、天然の歯のような白さを再現できることから前歯の被せ物としても選ばれています。
ただし、ジルコニアセラミックをはじめとしたセラミック治療は保険が適用されません。そのため、費用は高額になります。また、硬い素材であるため微調整が難しいという点もデメリットです。
これらの特徴を理解したうえで歯科医師に相談し、ご自身に合った素材を選択しましょう。
審美歯科治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。
投稿者:
2024.05.21更新
奥歯をセラミックに!メリットやデメリット、費用を詳しく解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミックは、歯を失った際に選択される、歯を補うための素材のひとつです。被せ物や詰め物だけでなく、入れ歯の人工歯の素材としても使用されます。
人工歯の素材には、セラミック以外に、銀歯や金歯、プラスチック素材などがあります。保険診療の素材であれば、費用の負担を抑えられるでしょう。
しかし、あえて奥歯にセラミックを使う方も少なくありません。なぜ高額な費用がかかるセラミックを選択するのか、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
今回は、セラミックのメリットやデメリットをお伝えし、複数あるセラミック素材の中でどれが奥歯にふさわしいのかを解説します。セラミックの費用の相場もお伝えするので、セラミックを検討している方は参考にしてください。
奥歯をセラミックにするメリットとは?
セラミックと銀歯やコンポジットレジンを比べると、どのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく確認しましょう。
二次カリエスのリスクを軽減できる
銀歯は経年劣化により変形しやすく、天然歯と接着部分に隙間ができて虫歯になることがあります。セラミックは長年使用していても変形しにくいので、隙間ができにくく、虫歯の再発を防ぎやすいとされています。
また、セラミックの表面には汚れがつきにくいので、プラークもつきにくいです。奥歯を虫歯から守るために、セラミックを選択する方もいます。
見た目が良い
銀歯は金属であるため、白い天然歯とは馴染まず目立ちます。セラミックはただ白いだけではなく、患者さま自身の天然歯に近い色や透明感を再現できるので、非常に自然に仕上がるでしょう。
また、銀歯を使用していると、金属イオンが溶け出すことにより歯茎が黒く変色することがあります。一部のセラミック素材を除いて、セラミックには金属が使用されていないので、歯茎が変色する心配もありません。
セラミックは長期間きれいなままで維持できることも大きなメリットです。
金属アレルギーの心配がない
銀歯の場合、金属イオンが溶け出すことによってアレルギー症状がでる患者さまもいます。セラミック素材であれば、そのような心配はありません。
しかし、セラミックの中にも、メタルボンドのように金属を使用した素材があります。金属アレルギーや歯茎の変色が心配な方は、メタルボンドは避けてください。
硬すぎないので噛みあう歯を傷つけない
耐久性を高めるために硬さは大切です。
しかし、天然歯よりもあまりにも硬すぎる場合は、噛みあう歯を傷つける危険性があります。セラミックの多くは、天然歯と同じくらいの硬さか、天然歯よりも少し硬いです。
そのため、噛みあう歯を傷つけることはありません。
奥歯をセラミックにするデメリットとは?
セラミックを奥歯に使用するメリットは多いです。
しかし、以下のようなデメリットもあげられます。
保険診療ではないので費用が高額
セラミックは審美性を追求した素材であるため、保険診療ではありません。そのため、銀歯やコンポジットレジンに比べて費用が高額です。
ただし、銀歯やコンポジットレジンより耐久性が高く、二次カリエスになりにくいです。寿命も長く頻繁に交換する必要がないので、後から必要になる治療費は軽減できるともいえます。
歯を削る必要がある
セラミックの耐久性は低くありませんが、金属の銀歯と比較すると劣ります。強度を保つためには、ある程度の厚みが必要です。そのため、銀歯で治療する場合と比較すると、歯を少し多めに削る必要があります。
また、歯を削った際に歯髄が露出した場合は、歯の神経を取る処置を行うこともあるでしょう。
大きな力がかかると割れる可能性がある
セラミックは天然の歯と同等か、天然歯よりも少し硬い素材です。大きな力がかかった時に、欠けたり割れたりすることがあるでしょう。
特に、奥歯は強い力がかかりやすい部位です。強い歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、破損のリスクが高いためセラミックを選択できないこともあるでしょう。
就寝中にセラミックを保護するために、ナイトガードの装着をすすめられる場合もあります。
奥歯に適したセラミックの素材は?
重い物を持つ時や力を入れる時に、人間は歯を食いしばります。その時に大きな力がかかるのが奥歯で、約60㎏、最大で100㎏もの力がかかることもあります。
どれだけの力がかかるかは人によって異なりますが、奥歯は大きな力をかけた時に耐えられる耐久性が必要といえます。また、奥歯は口を開けた際に目立ちにくい歯なので、審美性よりも耐久性が重視されるでしょう。
セラミックの中で奥歯に使われることが多いのは、ジルコニアとメタルボンド、e-maxの3種類です。それぞれの素材の特徴を説明します。
ジルコニア
ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれている素材です。歯だけではなく、包丁やゴルフクラブなどにも使用されているほど強度が高いです。
セラミックの代表的な素材としてオールセラミックがありますが、オールセラミックはジルコニアほどの強度はありません。そのため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、ジルコニアを選択することが多いです。
ジルコニアは患者さまの天然の歯に合わせた色を再現しやすいので、前歯に使われることもあります。
メタルボンド
メタルボンドは、金属をセラミックでコーティングした素材です。内側が金属であるため、他のセラミックと比較すると割れにくく、強い衝撃を与えても壊れる可能性が低いです。
しかし、見た目はオールセラミックより劣り、金属アレルギーのリスクがあります。金属の溶け出しによって歯茎が黒ずむ、メタルタトゥーのリスクも避けられません。
e-max
e-maxは、天然の歯とほぼ同じ硬さのセラミックです。そのため、噛み合う天然歯を傷つけにくいことがメリットです。
また、透明感のある美しい仕上がりを期待する方にも選択されることが多いです。
奥歯をセラミックにする場合にかかる費用
奥歯に使用されることが多いセラミックは、ジルコニアとメタルボンドとe-maxの3種類であることを解説しました。どの素材もそれぞれのメリットがあり、患者さまの好みや噛み合わせの状態、歯ぎしりや食いしばりの癖を考慮した上で選びましょう。
1本あたりの費用は、以下の通りです。
<セラミックの費用相場>
素材 |
詰め物 |
被せ物 |
---|---|---|
ジルコニア |
4~6万円 |
10~20万円 |
メタルボンド |
– |
8~15万円 |
e-max |
4~6万円 |
7~10万円 |
セラミックは自由診療のため、歯科医院によって金額が異なります。治療を受ける前に費用を確認しておきましょう。ご自身の希望や予算、素材の特徴・費用を考慮して選択することが重要です。
まとめ
食べものを食べたり会話をしたり、スポーツをしたり、力を出したりする際に奥歯の働きは欠かません。他の歯よりも大きな負荷がかかるため、他の歯以上に耐久性を重視して治療する素材を選ぶことが大切といえるでしょう。
保険診療では銀歯やコンポジットレジンという選択肢がありますが、どちらも虫歯の再発リスクが高く、審美性は低いです。自由診療なので費用がかかりますが、セラミックを選択するメリットは大きいと言えるでしょう。
セラミックにはさまざまな素材がありますが、ジルコニアとメタルボンドとe-maxが奥歯の治療で使用されることが多いです。ジルコニアは耐久性と審美性を備えた素材で、メタルボンドは内側が金属であるため、割れにくいのが大きなメリットといえます。
e-maxは天然の歯と同程度の硬さなので噛み合う天然歯を傷つけるリスクが低いです。審美性が非常に高いことも特徴でしょう。
患者さまのお口の状態に合わせて、治療に使用する素材を選択してください。
奥歯のセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
投稿者:
2023.12.05更新
セラミックとジルコニアの違いとは?費用や寿命など比較して解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミックとジルコニアはどちらも見た目が美しく、金属アレルギーの心配がない身体に優しい素材ですが「セラミックとジルコニアの違いは何?」「どちらを選ぶべき?」など疑問をもつ方もいるでしょう。
今回は、セラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説します。費用や寿命などの違いを比較して解説しますので、ご自身に合った治療法を選択するために、ぜひ参考にしてください。
セラミックとは?
セラミックとは、陶器と同じ素材を使用した詰め物・被せ物です。
天然歯のような透明感があり、自然な色調を再現できます。虫歯治療だけでなく、過去に金属で治療した詰め物・被せ物の交換や、歯並びや歯の形の改善、歯の変色の治療などに用いられる治療法です。
メリット
セラミックには見た目の美しさだけでなく、多くのメリットがあります。
セラミックのメリットは、以下の4つです。
審美性が高い
セラミックの最も大きなメリットは審美性の高さです。天然歯に近い色調を再現でき、透明感のある美しい見た目で隣の歯とよく馴染みます。天然歯と比べても、ほとんど見分けがつかないほどです。
歯茎が変色しない
金属の詰め物・被せ物を長期間使用すると、溶け出した金属イオンの影響で歯茎が黒っぽく変色することがあります。オールセラミックであれば金属を一切使用しないため、歯茎が変色する心配がないのです。
金属アレルギーの心配がない
オールセラミックは金属を使用していません。生体親和性が高く、身体に優しい素材のため、金属アレルギーの方でも安心して使用できるのです。
虫歯が再発しにくい
銀歯は歯との接合性が低く、長期間使用すると歯と銀歯の間にすき間や段差が生じます。歯と銀歯の間にすき間ができると歯垢や歯石が蓄積して、虫歯が再発するリスクがあるのです。
一方、セラミックは歯との接合性に優れており、歯とセラミックの間にすき間や段差が生じにくいため虫歯の再発リスクが低いです。また、セラミックは表面が滑らかで汚れが付着しにくいことからも虫歯になりにくいといえます。
デメリット
セラミックには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
セラミックのデメリットは、以下の3つです。
費用が高い
セラミックは保険が適用されません。そのため、保険が適用される治療と比較すると費用が高いです。
割れやすい
セラミックは陶器と同じ素材でできているため、陶器製の食器などと同じように割れやすいという特徴があります。
日常生活でセラミックの歯が割れるほどの強い衝撃が加わることはあまりありませんが、歯ぎしり・食いしばりによって割れる可能性があるのです。特に就寝中、無意識で行っていることが多い歯ぎしり・食いしばりは、歯に大きな負担をかけます。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合、ナイトガードを使用することで歯への負担を軽減できるでしょう。
健康な歯を削る
セラミックは薄いと割れる可能性が高いため、一定の厚みが必要になります。一定の厚みをもたせるために、健康な歯を削る量が多くなるのです。
健康な歯を削ると歯の寿命を縮めることになるため、歯を削るデメリットを十分に理解したうえで治療法を選択しましょう。
ジルコニアとは?
ジルコニアとは、二酸化ジルコニウムという素材を使用した詰め物・被せ物です。
人工ダイヤモンドとも呼ばれており、強度が非常に高いという特徴があります。セラミックと同様に天然歯に近い白さと透明感を再現することが可能です。
メリット
ジルコニアにはセラミックにはないメリットがあります。
ジルコニアのメリットは、以下の6つです。
審美性が高い
以前のジルコニアは透明感がなく白っぽく見えるのがデメリットでした。
しかし、最近では透過率の高いジルコニアが登場し、天然歯に近い自然な透明感・色調を再現できるようになりました。
強度が高い
ジルコニアは、非常に強度の高い素材です。そのため、噛み合わせが強い奥歯の治療や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方の治療に使用しても、割れることや欠けることがほとんどありません。
しかし、強度が高いとはいえ破損しないとは言い切れません。歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は歯科医師に相談し、ナイトガードの使用などの対応策を検討しましょう。
幅広い治療に対応できる
ジルコニアは強度と審美性を兼ね備えているため、前歯はもちろん、強度を必要とする奥歯も白く修復することが可能です。また、詰め物・被せ物だけでなく、入れ歯やブリッジ、インプラントの人工歯としても使用できます。
歯茎が変色しない
ジルコニアもセラミックと同様に金属を使用しないため、歯茎が変色する心配がありません。
金属アレルギーの心配がない
ジルコニアは金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。生体親和性が高く、身体に優しい素材のため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
虫歯が再発しにくい
ジルコニアはセラミックと同じように接合性に優れているため虫歯が再発しにくいです。強度が高く表面が傷付きにくいことからも、虫歯になるリスクは低いといえるでしょう。
デメリット
ジルコニアにはセラミックにはないメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ジルコニアのデメリットは、以下の4つです。
破損する可能性がある
ジルコニアは非常に強度が高い素材ですが、あくまで人工物なので破損するリスクはゼロではありません。特に、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は破損する可能性があるため注意しましょう。
修理が難しい
ジルコニアは、不具合が起こっても修理が難しいです。不具合が起こったときは作り直しが必要になるでしょう。
費用が高い
ジルコニアは保険が適用されません。そのため、保険が適用される治療に比べて費用が高いです。治療を開始する前に、カウンセリングで費用を確認しましょう。
歯根や噛み合う歯への負担が大きい
ジルコニアは非常に硬いため、歯根や噛み合う歯への負担が大きいです。歯科医院で定期的に噛み合わせの調整を行う必要があります。
セラミックとジルコニアの違い
セラミックとジルコニアにはそれぞれにメリット・デメリットがあるため「どちらを選べばいいのかわからない」という方もいるでしょう。
治療を検討する際の参考になるよう、セラミックとジルコニアの違いを表にまとめました。
<セラミックとジルコニアの違い>
セラミック | ジルコニア | ||
審美性 | 非常に高い | 高い | |
強度 | 高い | 非常に高い | |
寿命 | 7~10年 | 10~15年 | |
変色のリスク | 心配ない | 心配ない | |
虫歯の再発リスク | 低い | 低い | |
金属アレルギー | 心配ない | 心配ない | |
費用 | 詰め物 | 55,000〜80,000円 | 44,000~70,000円 |
被せ物 | 80,000〜220,000円 | 55,000〜110,000円 |
審美性の違い
セラミックとジルコニアはどちらも審美性に優れていますが、セラミックはより透明感のある自然な見た目となります。ジルコニアも天然歯に近い色調を再現でき透明感も十分ありますが、セラミックには少し劣るでしょう。
強度の違い
強度ではセラミックよりジルコニアのほうが圧倒的に優れています。セラミックは割れやすく、万が一破損したら再治療が必要になり、その分時間と費用がかかります。
一方で、ジルコニアは非常に硬い素材なので割れにくいです。そのため、奥歯の治療や歯ぎしり・食いしばりの癖がある方の治療に適しています。
費用の違い
セラミックとジルコニアはどちらも保険が適用されないため、費用は高額です。費用の違いは大きくはありませんが、ジルコニアのほうが少し安いでしょう。
セラミックが適している方
セラミックは、以下のような方に適しています。
・前歯を治療する方
・見た目の美しさを重視したい方
セラミックは透明感があり天然歯のような自然な色調を再現できるため、目立ちやすい前歯を治療する方に適しています。割れやすいというデメリットはありますが、見た目の美しさを重視したい方に適した治療法といえるでしょう。
ジルコニアが適している方
ジルコニアは、以下のような方に適しています。
・奥歯を治療する方
・歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
・スポーツなど歯に衝撃が加わる機会が多い方
ジルコニアは強度に優れているため、顔に強い衝撃を受けても割れる心配がほとんどありません。野球やサッカー、ラグビーなどのスポーツで、ボールやプレイヤーとの接触によって強い衝撃を受ける可能性がある方にはジルコニアが適しています。
また、ジルコニアは割れることや欠けることがほとんどないため、奥歯の治療や歯ぎしり癖・食いしばりの癖がある方の治療にも適しているでしょう。
破損によって再治療が必要になると、その分費用もかかります。そのため、強度を重視したい方に適しているといえるのです。
まとめ
今回は、セラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説しました。
セラミックとジルコニアはどちらも多くのメリットがある治療法ですが、審美性や強度、費用、寿命などに違いがあります。納得して治療を受けるためには、それぞれの治療法を比較検討することが重要です。
今回ご紹介したセラミックとジルコニアの特徴やメリット・デメリットを参考に、ご自身に合った治療法を選択しましょう。
セラミックやジルコニアでの治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
投稿者:
2023.10.29更新
ジルコニアの歯とは?メリットや治療の流れを解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
歯に詰め物や被せ物をするセラミック治療では、陶器で作られた素材を使用するのが一般的でした。
しかし、近年では、審美性の高さや丈夫さからジルコニアを選ぶ方が増加しています。従来のセラミックとジルコニアは、どのように違うのでしょうか。
今回は、ジルコニアの歯の選ぶメリット・デメリットや、セラミックとの違い、治療の流れを解説します。
ジルコニアの歯とは?
歯のセラミック治療とは、白く透明感のあるセラミックという素材を詰め物・被せ物に使用する治療法です。歯科治療におけるジルコニアはセラミックの一種で「ジルコニアセラミック」とも呼ばれています。
ジルコニアという素材は、二酸化ジルコニウムを指します。人工ダイヤモンドとも呼ばれ、宝飾品などにも使用されている素材です。透明度が高く美しい素材であり、強度と耐久性にも優れています。
ジルコニアは加工が難しい素材ですが、技術と研究の進歩によって歯の治療に使用される機会が増加しました。
ジルコニアとセラミックの違い
従来のセラミック治療では、白い陶器で作られた素材を使用することが一般的でした。陶器素材はオールセラミックとも呼ばれています。
ジルコニアと従来のセラミックの違いは、以下のとおりです。
強度
従来のセラミックは陶器素材なので、脆く割れやすいという特徴があります。そのため、噛み合わせが強い奥歯や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある人には向きませんでした。
ジルコニアは強度が高く、金属に匹敵するほどの耐久性があります。奥歯の治療にも向いており、適応できる歯が多いといえるでしょう。
見た目
ジルコニアは白く審美性の高い素材ですが、透明感に欠けています。セラミックは白く透明感があり、色調も比較的自由に再現できます。
そのため、前歯の治療では従来のセラミックが使用されることが多いです。
寿命
従来のセラミックは、衝撃を受けることや、歯に力が加わることで、破損するリスクがあります。ジルコニアは強度が高いので、セラミックが破損するような衝撃が加わっても耐えられるでしょう。
従来のセラミックよりも寿命が長いといえます。
ジルコニアのメリット・デメリット
歯の治療にジルコニアを使用するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
ジルコニアの歯にするメリットは、以下のとおりです。
強度・耐久性が高い
ジルコニアは従来のセラミックの何倍もの強度があり、前歯だけではなく奥歯にも適応できます。
セラミックの場合は転倒する、ボールが顔にぶつかるなど、顔に衝撃を受けると割れることがありました。再治療が必要になり、手間とコストがかかります。
一方で、ジルコニアは顔に衝撃を受けても割れる可能性は低いです。金属と比較されるほど強く、金属よりも劣化しにくいので耐久性も高いといえます。
虫歯になりにくい
詰め物・被せ物治療では、虫歯の再発に注意が必要です。金属の詰め物は天然歯との間にすき間ができやすく、細菌が入り込んで虫歯の再発を引き起こす可能性が高いといえます。
しかし、セラミックの詰め物はすき間ができにくく細菌が入り込みにくいため、虫歯の再発を防止します。ジルコニアはセラミックの一種なので、虫歯の再発予防に最適な素材といえるでしょう。
また、ジルコニアは経年劣化しにくいことも特徴です。時間が経過してももとの歯に密着し続けるので、長期に渡って虫歯を防いでくれます。
審美性が高い
ジルコニアを含め、セラミック素材で作る歯は天然歯のような色調を再現することが可能です。金属のように目立つことはなく、歯茎が変色することもありません。
患者様一人ひとりの歯に合った色調を再現できるため、自然な仕上がりになります。変色しにくい素材なので、長期的に白く美しい見た目を維持できるでしょう。
身体に優しい
ジルコニアを含めたセラミック治療では金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも装着できます。銀歯は数年で口の中で溶け出すといわれており、虫歯の再発や歯周病、歯茎の黒ずみなどを引き起こします。
ジルコニアは口の中で溶け出す心配がないため、安心して使用できるでしょう。
デメリット
ジルコニアはメリットが多いですが、デメリットも存在します。
研磨や調整が難しい
ジルコニアは非常に硬いため、歯科医師や歯科技工士による研磨・調整が難しいことがデメリットです。
詰め物・被せ物では、歯の形にしっかりと合わせることが大切ですが、ジルコニアは歯にぴったり合わせるための研磨や調整に高いレベルを要します。そのため、歯科医師の技術が治療結果を左右するといえるでしょう。
歯を削る量が多くなる可能性がある
ジルコニアは、歯を削る量が多くなることがあるといわれています。
ただし、歯を削る量は歯の状態や歯科医師によって異なるため、一概にはいえません。
自由診療になる
ジルコニアを含むセラミック素材には、保険が適用されません。自由診療になるため、治療費は保険診療に比べると高額になります。
しかし、銀歯に比べると治療後のメンテナンスを行いやすいことや、審美性が高いことなど、メリットは多いです。
ジルコニアの治療の流れ
ジルコニアは、セラミック治療や虫歯治療、インプラント治療などさまざまな治療で用いられます。ジルコニアの歯にする治療の流れは、以下のとおりです。
仮歯に置き換える
虫歯部分の歯を削り、すでに被せ物をしている場合は古い被せ物を除去します。そして、口元に合わせた仮歯を作ります。
噛み合わせや最終的な歯の形を決める大切な段階なので、型取りをして仮歯を作ることもあるでしょう。
歯の根の治療をする
歯の根に炎症が起きている場合は、根幹治療を行います。歯の神経は残せるように治療を進めるのが一般的ですが、歯の神経を取ることもあるでしょう。
歯の土台を作る
ジルコニアを装着するには、歯の土台が必要です。土台を立てることで、被せ物の審美性を高めながら歯の根への負担を軽減します。
型取りをする
シリコンの材料で歯の型取りをします。最終的な被せ物を作るための型取りなので、歯の色などを相談しながら決定してください。型取りをしたあとは、技工所で被せ物が作成されます。
被せ物を装着する
完成した被せ物を装着し、噛み合わせを調整します。問題がなければ、専用の材料で被せ物を接着して治療は完了です。
ジルコニアはどのような人におすすめ?
ジルコニアは、強度が高い、審美性に優れているなどメリットの多い素材です。ジルコニアの治療は、次のような人が向いています。
・嚙む力が強い奥歯を治療する人
・歯ぎしりや食いしばりの癖がある人
・丈夫さを求める人
・金属アレルギーのある人
・身体に安全な素材で治療したい人
歯の治療では、治療する場所や嚙み合わせなどによって素材を慎重に選ぶことが大切です。選んだ素材によって仕上がりが異なるため、治療前は歯科医師としっかり相談しましょう。
まとめ
ジルコニアは、人工ダイヤモンドといわれるほど強度と耐久性に優れており、セラミック治療で注目されている素材です。従来のセラミックよりも割れにくいため、奥歯の治療にも適しています。
費用を抑えたい場合は樹脂や銀歯という選択肢もありますが、審美性や身体への負担という面ではジルコニアに劣ります。歯の治療法は数多くあるので、患者様自身が後悔しない治療を受けることが大切です。
どのような素材がご自身に適しているのか、歯科医師としっかり相談して決めてください。
ジルコニアの歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
投稿者:
ARTICLE
SEARCH
ARCHIVE
CATEGORY
- CAD/CAM冠
- IPR
- MTM
- インビザライン
- インビザライン・エクスプレス
- インビザライン・コンプリヘンシブ
- インビザライン・モデラート
- インビザライン・ライト
- インビザライン矯正
- インプラント治療
- オールセラミック
- カウンセリング
- ジルコニア
- ジルコニアセラミック
- セラミック
- セラミック歯
- セラミック治療
- デメリット
- デンタルローン
- ハイブリッドセラミック
- ブラケット
- ブリッジ
- ホワイトニング
- マウスピース
- マウスピース型
- マウスピース矯正
- メタルタトゥー
- メタルボンド
- メリット
- メンテナンス
- ラミネートベニア
- リスク
- ワイヤー
- ワイヤー矯正
- 予防歯科
- 二酸化ジルコニウム
- 人工ダイヤモンド
- 仮歯
- 保定期間
- 保険適用
- 健康保険
- 入れ歯
- 全体矯正
- 出っ歯
- 前歯
- 医療費控除
- 受け口
- 口腔外科
- 噛み合わせ
- 天然歯
- 失敗
- 奥歯
- 定期診察
- 審美
- 審美性
- 抜歯
- 歯ぎしり
- 歯並び
- 歯列矯正
- 歯周病
- 歯周病菌
- 歯型
- 歯科技工士
- 歯科矯正
- 歯茎
- 治療期間
- 症例
- 矯正期間
- 矯正装置
- 精密検査
- 自由診療
- 自費診療
- 虫歯
- 虫歯治療
- 虫歯菌
- 被せ物
- 親知らず
- 詰め物
- 費用
- 通院
- 通院頻度
- 部分入れ歯
- 部分矯正
- 金属
- 金属アレルギー
- 銀歯
- 顎関節症
- 食いしばり