2024.05.28更新
インビザライン矯正後の後戻りを防ぐ!原因と効果的な対策
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
「インビザラインをしても、元の歯並びに戻ることがあるって本当?」と疑問に思っていませんか。矯正してきれいになった歯並びが、元の歯並びに戻ることを後戻りといいます。
インビザラインは保険適用外の治療で費用が高額なので、治療の効果は保たれるのか不安に思う方もいるでしょう。
本記事では、インビザライン後に後戻りする原因や、後戻りしないための対策などを解説します。ぜひ参考にしてください。
後戻りとは?
後戻りとは、矯正してきれいに整えた歯並びが元の歯並びに戻る現象のことです。インビザライン治療後も、後戻りが起こる可能性があります。
歯は歯周靭帯(ししゅうじんたい)と呼ばれる組織などによって、顎の骨とつながっています。矯正して歯の位置が変わると、歯周靭帯が歯を元の場所に戻そうとする力が働き、後戻りが起こるのです。
インビザラインで矯正をしても、歯並びが定着するまで固定しなければ後戻りが起こるでしょう。
インビザラインで後戻りは起こりやすい?
インビザラインだから後戻りが起こりやすいということはありません。どの矯正方法でも、歯は自然と元の位置に戻ろうとするため後戻りが起こります。後戻りを防ぐには、矯正治療後に歯を固定することが非常に重要でしょう。
矯正治療後の歯を十分に固定できていれば、後戻りするリスクは低いです。しっかり固定しているのに後戻りする場合は、治療計画やリテーナー(保定装置)に問題があるかもしれません。
インビザライン後に後戻りする原因
インビザライン後に後戻りする原因は、以下の通りです。
・リテーナーの装着時間が短い
・歯並びに影響する悪い癖がある
・虫歯や歯周病がある
・加齢による口内の変化
・無理な治療をした
・インビザライン矯正後に顎が成長した
それぞれ解説します。
リテーナーの装着時間が短い
インビザライン矯正後、リテーナーの装着時間が短いと後戻りが起こりやすいです。リテーナーとは保定装置とも呼ばれ、矯正治療できれいになった歯並びを保つために装着します。
リテーナーの装着時間が足りないと、歯周靭帯に牽引されて歯が元の位置に戻ろうとするのです。新しい歯並びが定着するまでは、歯科医院で指示された時間を守って装着することが大切です。
歯並びに影響する悪い癖がある
歯並びに影響を与えるような悪い癖があると、インビザライン矯正後に後戻りが起こる可能性があります。口呼吸や歯ぎしり、歯を舌で押すなどの口周りの癖のほか、頬杖をついたり、うつ伏せで寝たりする癖も、歯並びに影響することがあります。
インビザライン矯正を受けた方に限らず、上記のような癖は歯並びが悪くなる原因になります。矯正治療で歯並びが整っても、悪い癖が抜けていなければ徐々に元の歯並びに戻るでしょう。
虫歯や歯周病がある
虫歯や歯周病などの口腔トラブルは、インビザライン矯正後の後戻りにつながります。
虫歯や歯周病が進行すると、歯槽骨という顎の骨が溶け出します。顎の骨は歯の土台の役割を果たしているため、溶けると歯が不安定になります。少しの力が加わっただけで簡単に歯が動くため、後戻りしやすいのです。
加齢による口内の変化
加齢による口内の変化も、インビザライン矯正後の後戻りの原因になることがあります。
例えば、歳をとると歯茎が痩せて根本が見えてくることがあります。歯茎が痩せると歯を支える力が弱くなるので、若い方と比べると歯が動きやすいのです。
また、加齢とともに歯がすり減って噛み合わせが変化すると、一部にだけ力がかかって歯並びが崩れることがあります。
無理な治療をした
無理のある治療をすると、治療後に後戻りするケースがあります。歯を並べるスペースが不十分なのに抜歯をせずインビザライン矯正を行った場合などが挙げられます。
スペースが足りないまま無理に歯を移動させても、移動後の位置に安定しません。歯と歯が押し合い、元の位置に移動するのです。
インビザライン矯正後に顎が成長した
インビザライン矯正後に顎が成長すると、顎の成長に合わせて歯の位置が移動して後戻りする可能性があります。顎の骨は、通常20歳を超えると成長が止まります。
しかし、成長には個人差があるため20歳を超えても成長する場合もあるのです。また、インビザライン矯正後に親知らずが生えると、親知らずが奥から歯列を圧迫して後戻りすることもあります。
インビザライン後に後戻りしないためには
インビザライン矯正後の後戻りを防ぐには、以下の5つを心がけましょう。
・リテーナーの装着時間を守る
・歯磨きを丁寧に行う
・歯並びに影響する悪い癖を治す
・無理のない治療計画を立てる
・定期検診を受ける
それぞれ詳しく解説します。
リテーナーの装着時間を守る
インビザライン矯正で整えた歯並びを維持するために、リテーナーの装着時間を守りましょう。リテーナーには、綺麗に並べた歯をその位置に固定させる役割があります。
インビザライン矯正が完了した直後は、ただ歯が移動してきれい並んだだけの状態です。何も装着せずに過ごすと、元の場所に戻ろうとする力が働きます。そのため、リテーナーの装着時間が不十分だと簡単に後戻りするのです。
歯磨きを丁寧に行う
インビザライン矯正後に後戻りする可能性を低くするには、毎日の歯磨きを丁寧に行うことも大切です。インビザライン矯正後の虫歯や歯周病は、後戻りの原因となります。
歯磨きを丁寧に行えば、口の中をより清潔に保てます。虫歯や歯周病になりにくいため、後戻りを予防することにつながるでしょう。
毎食後の歯磨きを徹底したり、歯ブラシ以外にフロスなどのケアグッズを使用したりするのが効果的です。
歯並びに影響する悪い癖を治す
歯並びに悪い影響を与える癖がある場合は改善しましょう。癖が治らないと、インビザライン矯正後の歯並びに影響を及ぼして後戻りする恐れがあります。
口呼吸や舌で歯の裏を押す、頬杖をついたりうつ伏せで寝たりする癖などが、歯並びに影響するとされています。後戻りを防ぐためにも、歯並びに影響する癖がある方は改善を心がけましょう。
無理のない治療計画を立てる
無理のある治療をすると、後戻りの原因となります。歯科医師とよく相談した上で、適切な治療計画を立てましょう。
不適切な計画で治療して後戻りした場合、インビザライン矯正にかけた時間とお金が無駄になるかもしれません。再度歯並びを整えるには、新たに治療計画を立て直して再治療する必要があります。
定期検診を受ける
インビザライン矯正終了後は、歯科医院で定期検診を受けると後戻りを予防できます。異常を早い段階で発見し、後戻りしないように適切な対策をとれるからです。
また、定期検診では、歯のクリーニングや歯磨きのアドバイスなども受けることができます。虫歯・歯周病予防の観点からも、定期検診は非常に重要です。
インビザライン後に後戻りした場合の対処法
注意していても、矯正治療後に後戻りすることはあります。ここでは、インビザライン矯正後に後戻りした場合の対処法について解説します。
歯科で相談する
後戻りしたからといってご自身で対応しようとするのはやめましょう。まずは歯科医院に相談してください。
間違った方法で対処すると、歯並びが悪化する恐れがあります。歯科医院で正しい対処法を教えてもらったり、適切な処置をしてもらったりする必要があります。
再度矯正治療を行う
後戻りが軽度の場合は、リテーナーや最後に使用したマウスピースを使用して改善できる可能性があります。
しかし、大きく後戻りしている場合は、再び矯正治療が必要になるでしょう。基本的には、インビザラインのマウスピースを再度装着して歯の位置を調整します。後戻りの程度によっては、ワイヤー矯正に切り替える可能性もあるでしょう。
また、歯を並べるスペースの不足により後戻りした場合は、抜歯やIPRを行ってスペースを確保してから、もう一度矯正治療を行うこともあります。医師とよく相談して治療方針を決めていきましょう。
まとめ
本記事では、インビザライン矯正後に後戻りする原因や、後戻りを防ぐ方法などを解説しました。リテーナーの装着時間や日々のお手入れを適切に行っていれば、矯正後に後戻りすることは基本的にありません。
定期検診に通っていれば、より確実に後戻りを防げます。後戻りしていることに気づいたら、まず歯科医院に相談しましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.05.14更新
インビザライン矯正中に口内炎ができたらどうしたらいい?対処法を解説
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザラインは、装置が透明で目立たないという点が人気の矯正方法です。歯に目立つ装置をつけないので、従来の矯正方法と比較して違和感や痛みが少ないという特徴もあります。
とはいえ、歯に異物を装着するので、お口のトラブルが起きる可能性はあります。
今回は、インビザライン矯正中に口内炎ができた場合の対処法や、口内炎を予防する方法について詳しく解説します。
口内炎とは?
口内炎とは、口の中の粘膜に起こる炎症全てを指します。いくつか種類がありますので、ご紹介します。
アフタ性口内炎
最も多く見られる口内炎です。境界がはっきりとした表面が白色、もしくは黄白色の小さい潰瘍で、周りが赤色になった状態です。
頬の内側・舌・唇の裏・歯ぐきにできやすく、痛みがあり食べ物がしみます。放っておいても1〜2週間程度で自然に治ります。
ストレス・寝不足・栄養不足などによる免疫力の低下が主な原因で、口の中にできた傷に細菌やウイルスなどが感染すると悪化します。女性の場合、生理前や妊娠中など、ホルモンバランスが乱れる時期にもアフタ性口内炎ができやすいです。
カタル性口内炎
物理的な刺激によって起こる口内炎です。口の中の粘膜が赤くなったり、水疱やひび割れなどの症状が見られます。アフタ性口内炎のようにはっきりと目立つわけではなく、全体的に赤く腫れるので口内炎だと気がつかない場合もあります。
刺激の強い食べ物がしみたり、ヒリヒリとした痛みを感じることがあります。
入れ歯や矯正装置、食べ物などの物理的な刺激によって傷ができ、そこで細菌が繁殖することが原因です。疲れている時や風邪をひいている時など、免疫力が低下した際に発症しやすくなります。
ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で起こる口内炎です。子供に多いのが特徴で、免疫力が低下している際に発症しやすいです。
激しい痛みや発熱・倦怠感などが現れるため、小児科を受診しましょう。
カンジダ性口内炎
カンジダというカビの一種が口腔内で増殖して起こる炎症です。頬の内側や唇の裏側に、白い薄皮ができるのが特徴です。剥がれた部分は赤くなり、周囲も赤く腫れることがあります。
免疫力の低下や薬の服用により、常在菌のバランスが崩れることで発症しやすくなります。
インビザライン矯正中に口内炎ができる原因とは?
インビザライン矯正中にできる口内炎は、カタル性口内炎が多いでしょう。一般的に発症頻度の高い、アフタ性口内炎ができることもあります。
インビザラインは従来からあるワイヤー矯正と比較して、粘膜部分に装置が触れにくいため、矯正中に口内炎になる頻度は低いでしょう。インビザラインの他にもマウスピース矯正のブランドはありますが、インビザラインのマウスピースは特に粘膜に触れる部分が少ないです。
とはいえ、口内炎に全くならないわけではありません。インビザライン矯正中に口内炎ができてしまう原因は、以下の通りです。
・マウスピースの縁が粘膜に当たる
・アタッチメントが粘膜に当たる
・口腔内やマウスピースが汚れている
・免疫力が低下している
それぞれ解説します。
マウスピースの縁が粘膜に当たる
インビザラインのマウスピースは、一人一人のお口の状態に合わせて作られています。
しかし、マウスピースの形態などにより、縁の部分が粘膜に当たってしまうことがあります。唇の裏側や頬など、マウスピースがよく当たる部位に口内炎ができる傾向があります。
アタッチメントが粘膜に当たる
インビザライン矯正をする際に、歯にアタッチメントというプラスチックの突起を取り付ける場合があります。矯正力を調整したり強めたりする目的で取り付けられます。
インビザライン矯正中は1日のほとんどの時間マウスピースを装着して過ごすため、マウスピースがアタッチメント覆って刺激になることはありません。
しかし、マウスピースを外しているときにアタッチメントが粘膜に当たると、口内炎ができることがあります。
口腔内やマウスピースが汚れている
歯みがきの際はマウスピースを外すことができるため、従来の矯正方法と比較するとお口の中を清潔に保ちやすいです。口腔ケアやマウスピースの洗浄を丁寧に行っていれば、口内炎になることは少ないでしょう。
しかし、ケアを怠ったりマウスピースが汚れている場合には、口内炎ができやすくなるので注意が必要です。
免疫力が低下している
栄養・睡眠不足、ストレスなどにより免疫力が低下していると、口内炎ができやすくなります。免疫力が低下している状態で粘膜に刺激が加わると、口内炎ができるリスクが高くなります。
インビザライン矯正中に口内炎ができるのを予防する方法
物理的な刺激に加えて、口腔内で細菌が増殖したり免疫力が低下したりすると、口内炎ができやすい状態になります。口内炎ができるのを予防するためには、以下の内容に注意しましょう。
装置が粘膜に触れる時は歯科医師に伝える
インビザライン矯正を始めて、マウスピースやアタッチメントが粘膜に当たる場合は歯科医師に相談してみましょう。矯正治療に影響のない場所であれば、研磨して調整するなど、粘膜に当たらないようにできる場合があります。
口腔内やマウスピースを清潔に保つ
毎日の歯みがきを丁寧に行い、マウスピースの洗浄も必ず行うようにしましょう。アタッチメントがついている場合は、汚れが溜まりやすいので注意して磨いてください。
睡眠や休息、栄養をしっかりとる
免疫力が低下していると、口内炎ができやすくなります。睡眠や休息、栄養をしっかりとって免疫力を高めましょう。
ストレスも免疫力を低下させるので、趣味の時間を設けたり適度に運動したり、ストレスを溜めない生活を心がけてください。
インビザライン矯正中に口内炎ができたら
インビザライン矯正中に口内炎ができた場合の対処法は、以下のとおりです。
歯科医院を受診する
通常、口内炎の多くは時間の経過と共に自然に治ります。
しかし、矯正装置が粘膜に当たっていることが原因の場合、時間の経過では治りません。歯科医師に状況を診てもらい、必要に応じてマウスピースを研磨するなど調整してもらいましょう。
口内炎ができるとマウスピースの装着をやめたくなるかもしれませんが、外している時間が長くなると矯正治療に悪影響を及ぼします。マウスピースの装着は続けて、早めに受診しましょう。
刺激を避ける
口内炎ができているときに、熱いもの・辛いものなど刺激になるものを食べると痛みがでやすいです。口内炎が悪化してしまうこともあるので、刺激になる飲食物は避けてください。
指や舌で頻繁に触るのも、口内炎が悪化する原因になるのでやめましょう。
口内炎の薬を塗る
1〜2週間で治ることが多いですが、口内炎が辛い場合には口内炎用の薬を塗ることで炎症を抑えましょう。痛みを和らげたり、治癒を早めたりできる場合があります。
歯科医院で処方してもらえる薬の他、市販の薬でも問題ありません。
ただし、物理的刺激が原因の場合は、刺激を取り除かなければいくら薬を塗っても治らないでしょう。歯科医院を受診して、物理的に刺激となっている部分を調整してもらってください。
まとめ
インビザライン矯正中は、装置が粘膜に当たることなどが原因となり、口内炎ができる場合があります。従来のワイヤー矯正よりは口内炎ができにくい矯正方法ですが、口内炎ができないわけではありません。
口内炎ができた場合は、早く治すためにもまずは受診しましょう。粘膜に触れる部分を研磨するなど、調整を行うことで改善できる場合があります。
矯正治療中は口の中に異物が入っているため、ストレスを感じることが多くなります。免疫力が低下していると口内炎ができやすくなるので、睡眠や休息、栄養をしっかり取って、ストレスを解消することを心がけましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2023.11.28更新
インビザラインとワイヤー矯正の違い!あなたに適した治療法とは?
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
矯正治療を検討している方は、インビザラインとワイヤー矯正のどちらにしようか迷うでしょう。「せっかくお金と時間をかけて矯正するのだから後悔したくない」と考える方は非常に多いです。ワイヤー矯正とインビザラインの違いを理解して、ご自身に適した治療法を選ぶことが大切です。
今回は、インビザラインとワイヤー矯正の違いについて詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットや、どのような方に向いているのかを解説するので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとは?
インビザラインは、透明なポリウレタン製のマウスピースを用いて歯並びを整える治療法です。
3D画像を用いたシミュレーションを行い、治療計画を立てます。治療計画をもとに作られたマウスピースを1日20〜22時間装着し、1~2週間ごとにご自身で交換しながら治療を進めます。
インビザラインは、軽度から中度の歯列不正に対して行われることが多いです。
インビザラインのメリット
インビザラインでは透明なマウスピースを用いるので、目立ちにくく、矯正治療中であることが気づかれにくいです。
マウスピースは自由に取り外すことができることもメリットでしょう。食事の際は取り外して、歯磨きをしたあと再び装着します。マウスピースのことを気にせずにふだんどおりに食事ができるのです。
歯磨きやデンタルフロスによるセルフケアは、マウスピースを外した状態で行う必要があります。矯正装置が歯磨きを邪魔することがないので、口腔内を清潔に保ちやすいでしょう。
また、マウスピースは約0.5mmと薄く、表面もなめらかです。口腔粘膜や舌を傷つけないので、不快感を抑えながら治療を続けることができます。
インビザラインのデメリット
マウスピースによって歯を動かすインビザラインは、ワイヤー矯正と比べると歯を大きく移動させるのには向いていません。重度の歯並びの乱れには対応できないことがあります。
マウスピースは患者さまがご自身で管理して、正しく装着する必要があります。スムーズに治療を進めるためには、1日20〜22時間装着しなければなりません。装着時間が短いと、治療が予定どおりに進まなくなります。
自由に取り外せるのはインビザラインの大きなメリットですが、自己管理が苦手な方にとってはデメリットになるでしょう。
ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正は、ブラケットという金属製の装置を歯に取りつけ、ワイヤーを通して歯を移動させる方法です。ワイヤーがもとに戻ろうとする力を利用して歯を移動させます。
歯の1本1本にしっかりと力が加わるので、比較的短期間で歯を大きく移動させることができます。ワイヤー矯正は歯科医院だけでなく大学病院でも行われており、抜歯や外科処置を伴う複雑な歯列不正の治療にも用いられることが多いです。
ワイヤー矯正のメリット
ワイヤー矯正の歴史は長く、世界中で多くの治療が行われてきました。症例に合わせて、どのように治療を進めるのがよいのか、どのようなトラブルが発生する可能性があるのかなど、豊富な研究データをもとに判断できるため、安心して治療を受けられるでしょう。
ワイヤー矯正は適応症例が幅広く、すきっ歯、八重歯、出っ歯、受け口、噛み合わせの不良など、歯並びに関するさまざまな悩みをカバーできることもメリットです。
また、歯を大きく移動させられるので、治療期間は比較的短いといわれています。抜歯と組み合わせることで、歯並びを大きく変化させることも可能です。
ワイヤー矯正のデメリット
歯の表側にブラケットを取り付けるワイヤー矯正は、目立ちやすいというデメリットがあります。
機能面においては、食事や歯磨きがしづらいことがデメリットです。歯の表面にブラケットとワイヤーが固定されるので、食べ物が引っかかりやすく、矯正装置の破損につながることもあります。
食べかすが歯と歯のすき間や、歯と矯正装置のすき間に残りやすいこともデメリットでしょう。矯正装置が邪魔をして歯磨きがしづらく、デンタルフロスを通しにくいなど、口腔内を清潔に保つことが難しくなります。セルフケアをしっかり行わないと、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。
矯正装置が口腔粘膜を傷つける可能性もあります。食事や会話をするときに矯正装置が粘膜と接触し、痛みが生じる場合や、口内炎ができる場合があるでしょう。
インビザラインとワイヤー矯正の違い
インビザラインとワイヤー矯正はいずれも自由診療のため、治療の進め方や費用などは歯科医院によって異なります。単純に比較することは難しいですが、インビザラインとワイヤー矯正の違いを確認しましょう。
通院頻度
通院回数には、大きな違いがあります。ワイヤー矯正は1か月に一度の頻度で通院してブラケットやワイヤーの調整を行います。インビザラインは歯科医院によって異なりますが、2〜3か月に一度の頻度で経過観察を行うのが一般的です。
通院に伴う負担は、インビザラインのほうが小さいといえます。
日常生活への影響
ワイヤー矯正は、強い締めつけ感を覚える方が多いです。
しかし、インビザラインで強い痛みや不快感を覚える方は少ないです。痛みがあっても、2〜3日程度で慣れて気にならなくなる方が多いでしょう。
また、ワイヤー矯正では矯正装置が少なからず食事や歯磨きの妨げになります。インビザラインではマウスピースを取り外して食事や歯磨きを行うので、ふだんどおりに行えます。
自己管理
インビザラインは、患者さまご自身でマウスピースを管理し、日々適切に装着する必要があります。装着時間を守る必要もあるので、自己管理が苦手な方には向かないでしょう。
ワイヤー矯正はご自身で装置を取り外すことはできないので、自己管理する必要はありません。
治療費
矯正治療には、すべての歯を対象とする全体矯正と、前歯などを部分的に治療する部分矯正があります。全体矯正か部分矯正かによって費用は大きく異なります。
基本的に、インビザラインとワイヤー矯正で費用が大きく変化することはないでしょう。
全体矯正の場合は、いずれも600,000~1,000,000円程度です。部分矯正の費用はワイヤー矯正で300,000~700,000円程度、インビザラインで200,000円~600,000円程度でしょう。
ただし、インビザラインのほうが費用を抑えられるケースがあります。例えば、ワイヤー矯正には目立たないように矯正装置を歯の裏側に取りつける裏側矯正という治療法があります。裏側矯正の費用相場は700,000~1,700,000円程度と、高額な傾向があるのです。
また、ワイヤー矯正では、使用する装置の素材を選択できることがあります。セラミックやジルコニアのブラケット、目立ちにくいホワイトワイヤーなどは、別途費用がかかるのが一般的です。
治療期間
治療期間に大きな違いはなく、インビザラインとワイヤー矯正のいずれも全体矯正なら1~3年程度とされています。部分矯正の場合、早ければ2か月程度で治療が完了するでしょう。
ただし、歯列不正の程度などの条件が同じ場合は、ワイヤー矯正のほうが治療期間が短くなることが多いです。
また、インビザラインは軽度から中度の歯列不正を扱うことが多いため、比較的短期間で治療が終わるといえます。治療期間が長期に及ぶ可能性が高い重度の歯列不正は、インビザラインではなくワイヤー矯正で治療するのが一般的です。
インビザラインが向いている方
インビザラインが向いているのは、周囲の視線が気になる方、矯正装置が食事や歯磨きの妨げになることを避けたい方、日常生活への負担が少ないほうがよい方が挙げられるでしょう。
ただし、ワイヤー矯正と比べると、インビザラインの適応症例は広くありません。複雑な歯列不正や複数本の抜歯が必要な症例は、対応できないことが多いです。
インビザラインの適応になるかどうか、希望する歯並びを実現できるかどうかは、歯科医師が適切に判断します。気になる方は、歯科医院に相談するとよいでしょう。
ワイヤー矯正が向いている方
ワイヤー矯正が向いているのは、自己管理が苦手な方、矯正装置が目立つことが気にならない方、できるだけ早く治療を終えたい方といえます。治療実績が豊富で多くの歯科医院が採用しているので、安心して治療を受けたい方も挙げられるでしょう。
また、ワイヤー矯正はインビザラインに比べて適応症例が幅広いです。複雑な歯の移動が必要な方や、歯を大きく移動させる必要がある方に適しているでしょう。インビザラインでの治療は難しい症例でも、ワイヤー矯正なら可能というケースも少なくありません。
まとめ
今回は、インビザラインとワイヤー矯正の違いについて解説しました。
目立ちにくく自由に取り外せるインビザラインは、周囲の視線が気になる方に向いています。食事や歯磨きをふだんどおり行うことができるので、治療中の不快感を軽減できるでしょう。
ワイヤー矯正は、非常に歴史が長く適応症例が幅広い治療法です。インビザラインでは対応できない複雑な歯列不正を治療できることもあります。
矯正治療を受けるときは、納得できるまで歯科医師に質問して、ご自身に適した方法を選びましょう。
インビザラインやワイヤー矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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