2024.02.27更新
インビザライン矯正中に虫歯になったらどうしたらいい?対処法を解説
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザライン矯正中は、何もしていない状態と比較すれば虫歯になるリスクが高いといわれています。インビザライン矯正中に虫歯になった場合、治療が計画通り続けられるのか不安に感じる方もいるかもしれません。
本記事では、インビザライン矯正中に虫歯になってしまった場合にはどうしたらいいのか、その対処法について解説します。
インビザラインとは?
インビザラインとは、透明なマウスピース型の矯正装置を装着して歯並びを整える矯正方法です。2006年に日本に上陸し、治療を受ける方が増加しています。2023年時点では世界で1,600万人以上の実績を誇ります。
インビザライン矯正の対象となる歯並び
インビザライン矯正の対象となる歯並びは、叢生(乱ぐい歯)や交叉咬合、下顎前突(受け口)、空隙歯列(すきっ歯)、過蓋咬合、開咬です。状態によっては該当していてもインビザライン矯正ができないこともありますが、多くの歯並びが対象となる治療法です。
インビザライン矯正の特徴
インビザライン矯正の最大の特徴は、取りはずしができることです。これまで日本で矯正治療の主流となっていたワイヤー矯正は、一度付けたら自分で取りはずしができません。
しかし、インビザライン矯正のマウスピースは簡単に取り外せます。歯のお手入れがしやすく、食事の際のストレスもありません。
また、インビザライン矯正のマウスピースは透明なため目立ちにくく、審美的な観点からも矯正治療の負担を軽くしています。
インビザライン矯正前に虫歯が見つかったら
インビザライン矯正前に虫歯が見つかった場合は、虫歯の治療を先に行ってから矯正治療に移ります。歯並びを放置していても悪化する可能性は低いものの、虫歯を放置していれば悪化していく可能性が高いです。
虫歯が悪化して歯を抜くことになった場合、せっかく作成したマウスピースを装着できなくなるでしょう。作り直しが必要になり、追加の費用もかかるかもしれません。
先に虫歯の治療をしておけば、虫歯の進行を気にすることなく治療を進められます。歯を削る範囲も少なくなるため、計画通りにインビザライン矯正を進められるでしょう。
インビザライン矯正と虫歯治療を同時に行う場合もありますが、矯正前に虫歯が見つかった場合ほとんどの歯科が虫歯治療を優先します。
インビザライン矯正中に虫歯になる原因
前述したように、インビザライン矯正のマウスピースは取りはずしが容易にできることから、食べ物が挟まりにくく歯磨きを丁寧にできます。そのため、ワイヤー矯正よりも虫歯にはなりくいでしょう。
ですが、完全に虫歯にならないわけではありません。インビザライン矯正中に虫歯ができる原因は、次の通りです。
マウスピースによって唾液が行き届かなくなる
インビザライン矯正では、1日20~22時間程度マウスピースを装着しなければなりません。マウスピースは歯をしっかりと動かすために、歯に密着するように作られています。
そのため、マウスピースの装着中は歯に唾液が届かなくなります。そもそも、歯は唾液の自浄作用によって汚れを洗い流しています。唾液が届かないと、自浄作用が低下するのです。
唾液には殺菌作用もあるので、唾液がうまく歯に届かないことで虫歯のリスクが高まります。
ケアが不十分
インビザライン矯正中には、主に2つのケアが重要となります。
1つは口腔内のケアです。マウスピースを長時間装着するため、唾液による自浄作用・殺菌作用を受けられなくなります。
虫歯を予防するためには、歯磨きが非常に重要です。インビザライン矯正によって徐々に歯並びが整ってきているとはいえ、まだ、歯に隙間があったり重なっていたりする部分があるでしょう。うまく歯磨きができないケースもあります。
もう1つはマウスピースのケアです。マウスピースが汚い状態のまま歯に装着し続けると、マウスピースないで細菌が繁殖して虫歯の原因になる可能性があります。
インビザライン矯正中に虫歯になったときは
インビザライン矯正中に虫歯になったときは、インビザライン矯正前と異なり、対処法にさまざまな選択肢があります。インビザライン矯正中に虫歯になったときの対処法は、次の通りです。
インビザライン矯正を中断して虫歯治療をする
インビザライン矯正を中断して虫歯の治療を優先するという選択肢です。もしも虫歯が悪化して歯を抜くことになった場合、せっかくインビザライン矯正で歯並びが整ったとしても、審美性が低下するでしょう。
治療を中断するためマウスピースは作り直しになる可能性が高いですが、治療後はインビザライン矯正がスムーズに進むでしょう。
インビザライン矯正と並行して虫歯治療をする
インビザライン矯正の場合、マウスピースを着脱できるので虫歯治療を一緒におこなえます。歯を抜くなど、歯並びが変わるような大きな治療はできませんが、少し削って詰め物をする程度の治療であれば可能です。
歯並びに大きな影響を及ぼすほど虫歯が進行している場合、この選択はできません。
応急処置のみをする
応急処置のみをして、インビザライン矯正を継続する方法もあります。虫歯の進行リスクが低く、インビザライン矯正が終わりに差しかかっている方限定の選択肢です。
インビザライン矯正が終了したら、すぐに虫歯治療をする必要があります。
インビザライン矯正中は虫歯予防が重要!
インビザライン矯正を予定通りに遂行するためには、虫歯予防が重要といえます。インビザライン矯正中に、とくに意識しておこなってほしい虫歯の予防方法は、次の通りです。
歯磨きをしっかりとおこなう
虫歯予防として最も効果があるのが歯磨きです。矯正前よりも意識して丁寧に歯磨きを行いましょう。
とくに、インビザライン矯正のときにアタッチメントを装着している場合は注意してください。アタッチメントの周りは汚れが溜まりやすいので、念入りに磨きましょう。
ブラッシングだけでなく、フロスや歯間ブラシ、洗口液も使用するとしっかりと汚れを落とせます。
歯磨きをするタイミングは、マウスピースを装着する前がベストです。きれいな歯でマウスピースをつければ、汚れのなかで繁殖した菌がマウスピース内で増殖することはありません。虫歯のリスクを低減できるでしょう。
マウスピースを清潔にする
歯だけでなくマウスピースも清潔にしておきましょう。マウスピースに汚れが溜まっている状態だと、汚れに付着した菌がマウスピースのなかで繁殖してしまいます。
マウスピースは水やぬるま湯で汚れを落としてから、ブラッシングをして丁寧にすすぎ、よく乾燥させましょう。週に2〜3回、マウスピース専用の洗浄剤を使用するとより清潔に保てます。
マウスピースをつけたまま飲食しない
食事や飲水の際にはマウスピースを外さなければなりません。飲み物を飲むだけの場合や、食べ歩きしている場合、外食する場合など、マウスピースを外さずに飲食したいこともあるかもしれません。
マウスピースをつけたまま飲食をすると、マウスピースと歯の間に食べ物や飲み物の糖分が入り込み、虫歯のリスクを高めます。虫歯予防のためにも、マウスピースをつけたままの飲食は控えましょう。
水分を摂取する
インビザライン矯正中は、口のなかが乾燥しやすいといわれています。唾液の分泌量が低下している状態のため、虫歯菌が繁殖しやすいでしょう。そのため、こまめに水分を摂って口の中の乾燥を予防することが重要です。
ただし、糖が含まれている飲み物は避けてください。
まとめ
インビザライン矯正中は、ワイヤー矯正ほどではないものの虫歯になるリスクがあります。そのため、インビザライン矯正中は虫歯予防をしっかりとおこないましょう。
インビザライン矯正中に虫歯になった場合は治療を中断しなければならない可能性があります。軽度な虫歯であれば少し処置をしてインビザライン矯正を継続できることもありますが、重度の虫歯の場合は矯正を中断することが多いです。
虫歯の治療で歯を抜いたり削ったりすると、最初に作っていたマウスピースを装着できなくなるでしょう。作り直しが必要になり、費用や時間がかかってしまいます。
インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.02.20更新
金属アレルギーでも大丈夫?安心してセラミック治療を受けるためには
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
金属アレルギーの方の場合は、補綴物や矯正治療の装置などを選ぶ際に気をつける必要があります。装置や素材によっては金属が使われているからです。
セラミック治療は、セラミックで作った詰め物・被せ物で行う治療のことですが、金属アレルギーの方でも受けられるのでしょうか。
今回は、金属アレルギーの症状や金属アレルギーの方が使えるセラミック、使えないセラミックについて解説します。
セラミック治療とは?
セラミック治療とは、セラミックを素材とした詰め物や被せ物で行う治療のことです。詰め物・被せ物の治療で使われる素材には、保険診療の銀歯やコンポジットレジン、自由診療のセラミックがあります。
セラミックのメリットは、透明感のある白さで見た目が良いことです。硬く耐久性が高いこと、保険診療の素材と比較して虫歯や歯周病になりにくいことも挙げられるでしょう。
セラミックには、ジルコニアやメタルボンド、E-max(イーマックス)、オールセラミック、ハイブリッドセラミックなどさまざまな種類があります。それぞれ特性が異なり費用に差があるので、歯科医院で説明を受けたうえで選択してください。
セラミック治療は金属アレルギーでも大丈夫?
セラミックは陶材なので、基本的には金属アレルギーの方も安心して使用可能です。実際に、セラミック治療で使われるほとんどの素材はメタルフリーであるため心配ありません。
しかし、金属アレルギーの方には使用できないセラミックの詰め物・被せ物もあります。金属アレルギーの方は、治療を受ける際に必ず歯科医師に伝えましょう。
金属アレルギーの方が使用できないセラミックは、メタルボンドです。メタルボンドは、表面はセラミックで内側が金属でできている被せ物です。
通常のセラミックよりも強度が高く奥歯にも使用できますが、内側の金属の影響で金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
金属アレルギーとは?
金属アレルギーの場合、皮膚や粘膜に金属が触れることで、かゆみがでたり赤く腫れたりする症状がでます。発熱や倦怠感などの症状が出ることもあるでしょう。
アレルギー反応が出やすい金属は、ニッケルやコバルト、クロム、スズ、銅、亜鉛などが挙げられます。
歯科治療では、被せ物や詰め物だけではなく、入れ歯や矯正装置などにも金属が使用されます。そのため、歯科治療由来の金属アレルギーが引き起こされることもあります。
口の中に金属が長時間入っていると、唾液が徐々に金属を溶かします。口内炎や歯肉炎、口腔内が腫れるなどのトラブルにつながることもあります。
金属に近い部分の粘膜が荒れる、舌に白いまだら模様ができる、かゆくなる、ヒリヒリするといった症状がある場合、金属アレルギーの可能性があるでしょう。そのまま放置して重症化すると、味覚や痛みがなくなることもあるので早めに歯科医院に相談してください。
また、歯科金属が原因で全身性金属皮膚炎になることもあります。この場合は口の中だけではなく、全身に炎症や湿疹が広がります。
疲れやすくなったり、不眠症状がでたり、イライラしたり、生活に支障が出ることも多いでしょう。
「金属アレルギーはないから大丈夫」と考える方もいるかもしれませんが、今まで症状がなくてもある日突然金属アレルギーの症状が出る方もいます。
また、どの金属に反応するかは人それぞれです。心配な方は、大学病院の専門外来や皮膚科などで金属アレルギー検査をしておくと良いでしょう。
最も安全なのは、金属不使用の技工物を使うことです。詰め物・被せ物については、保険診療でもプラスチックの素材も選択できるため、金属が使われているかいないかをしっかり確認してから素材を選びましょう。
金属を使用しないセラミックはある?
セラミック治療では、メタルボンド以外は金属を使用しません。そのため、メタルボンドを選ばなければ、金属アレルギーの方も安心して治療できます。
金属アレルギーの方でも適したセラミックをいくつかみていきましょう。
オールセラミック
オールセラミックは、名前の通り100%すべてセラミックでできています。金属アレルギーの心配がないというだけではなく、艶と透明感があって非常に美しいです。そのため、前歯など目立つ部分に使われることが多いです。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。他のセラミックと比較して優れた強度を持つため、強い力がかかる奥歯に使用されることも多いです。
見た目は、オールセラミックにはやや劣りますが、強度の面から目立つ歯にもジルコニアセラミックを選択する方も多いです。
E-max(イーマックス)
E-maxとは、ガラスセラミックと呼ばれるバランスが良い素材です。見た目は天然歯に近く、強度についても天然歯と同程度です。
歯垢や歯石がつきにくいので、虫歯や歯周病が心配な方から選ばれる傾向があります。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材のことをさします。自由診療のものだけではなく、保険診療のハイブリッドセラミックもあります。
他のセラミックの素材と比べると安価であることが大きなメリットです。レジンと比較すると変色しにくく、色のバリエーションもあるため自然に仕上がるでしょう。
オールセラミックと比較すると耐久性と審美性が劣るため、審美性を追求したい方は注意しなければなりません。
金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるためには
金属アレルギーの方の場合、歯科治療に対して不安を感じることもあるでしょう。日本の歯科治療では、虫歯治療の際に銀歯を使用するのは一般的です。矯正治療でも金属のワイヤーを使用することがあります。
ここでは、金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるために気をつけるべきことを解説します。
金属アレルギーであることを歯科医師に伝える
患者さま自身が金属アレルギーであることが既にわかっている場合は、あらかじめ歯科医師に伝えるようにしてください。そうすることで、金属を使っているメタルボンドは除外して治療の選択ができます。
銀歯やメタルボンドなど、金属で歯を補った後に金属アレルギーと判明した場合は、早めにメタルフリーの素材に交換しましょう。口内に金属がある限り、金属アレルギーの症状が落ち着くことはありません。
皮膚科の診断を受ける
金属アレルギーと思われる症状はあるけれど、大学病院の専門外来や皮膚科で診断を受けていない場合は、一度検査をしてもらいましょう。金属アレルギーと思われる症状が出ていても、実は別の病気の可能性もあります。
アレルギー反応が出る金属が特定できれば、原因金属を確実に避けて安全に治療を受けられるでしょう。
選択できる治療の費用を計算しておく
金属アレルギーの方は、金属を使用する治療が選択できません。そのため、高額な素材を選ばなくてはいけないことも多いです。事前に予算をどれくらいかけられるのかを考慮しておきましょう。
保険診療のコンポジットレジンなら安価で、金属アレルギーの方でも問題なく使用できます。
医療費控除を申請する
セラミック治療を選択する場合は、費用は1本5万円以上になることが多いでしょう。1年にかかった医療費が10万円を超えると、医療費控除の対象になります。
セラミックで歯を数本治療すると総額10万円以上になるので、医療費控除を申請すると良いでしょう。領収書が必要になるので、大切に保管しておいてください。
まとめ
歯科治療では金属の技工物が使用されることがよくあります。金属アレルギーの方は気をつける必要があるでしょう。
セラミック治療の場合は、基本的には金属不使用の素材を使います。金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられると言えます。
しかし、金属を使用したセラミックも存在します。表側がセラミックで裏側が金属できたメタルボンドは、金属アレルギーの方は避ける必要があるでしょう。
金属アレルギーの方が歯科医院で治療を受ける際は、事前にその旨を伝えてください。治療後に症状が現れた場合は、放置せずに迅速に歯科医院に連絡しましょう。
金属アレルギーでセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.02.13更新
スムーズな治療のために知っておきたいインビザラインと抜歯の関係!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
インビザラインはマウスピース矯正の一種です。抜歯が必要ないというイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。
インビザラインでも、歯並びや噛み合わせの状態によっては抜歯が必要になることがあります。インビザラインで抜歯をすると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
この記事では、インビザラインで抜歯する場合のメリットとデメリット、抜歯が必要なケースについてご紹介します。抜歯が必要ないケースや、費用などについてもわかりやすく説明します。インビザライン治療を受けるか悩んでいる方はぜひ、参考にしてください。
インビザラインで抜歯をするメリット
インビザラインで抜歯をするメリットは、大きく分けて3つあります。
・抜歯をしない場合よりも早く歯並びが整うことがある
・仕上がりがキレイになる
・症状が重い場合でも治せる
抜歯にネガティブなイメージがあるかもしれませんが、歯並びをより美しくするための選択肢の一つです。治療期間が短くなることや、さまざまな症例を治療できるようになることなど、利点もあります。
一つずつ確認しましょう。
抜歯をしない場合よりも早く歯並びが整うことがある
歯を抜くと、歯を動かすスペースができるため治療期間が短くなることがあります。特に、1~2本だけ大きくずれている歯がある場合、その歯を動かすのに時間がかかるかもしれません。
大きくずれた歯を抜歯することで、治療期間が短縮される可能性があります。
仕上がりがキレイになる
歯並びが乱れる原因の多くは、顎が小さい、歯が大きいなど、歯をきれいに並べるスペースが足りないことです。スペースが足りないままだと、矯正治療を受けても歯はきれいに並びません。
歯を抜くことでスペースが確保し、歯並びを美しく整えるのです。
症状が重い場合でも治せる
歯がガタガタになっていたり、出っ歯だったりする場合、抜歯なしではインビザラインで治せないことがあります。インビザラインは、歯を傾けるよりも平行に動かすのが得意です。
しかし、スペースがないと歯を動かすことはできません。抜歯してスペースを確保することで、インビザラインで治せる症例の幅を広げられます。
インビザラインで抜歯をするデメリット
インビザラインで抜歯をする場合、メリットばかりではなくデメリットもあります。
・痛みや腫れが出る
・治療期間が長引く場合がある
・食事に影響する
詳しく確認しましょう。
痛みや腫れが出る
インビザラインでは、前から4番目、もしくは5番目の歯を抜くことが多いです。小さくて抜きやすいため、抜歯後の痛みや腫れはそれほどひどくありません。
しかし、矯正治療での抜歯は健康な歯を抜くことになります。傷口が治るまでの数日間は、不快感が伴うでしょう。
また、細菌に感染しないように、口の中を清潔に保つことが大切です。
治療期間が長引く場合がある
抜歯をすると、抜いた歯の分だけ歯を動かさないといけません。歯の移動距離が短くなって治療期間が短縮されることもありますが、スペースを埋めるのに時間がかかることもあります。
食事に影響する
抜歯した小臼歯は、噛む力を分散させる役割を果たしています。小臼歯がなくなると、残った歯に負担がかかります。
食べ物を噛むのが困難になったり、健康な歯にダメージを与えたりするかもしれません。
インビザラインで抜歯が必要なケース
抜歯が必要なケースは、以下の3つに分けられます。
・歯の位置が悪い
・歯の向きが悪い
・虫歯や歯周病の歯がある
ただし、インビザラインで抜歯が必要になるかどうかは、個々の症状や歯並びの状態によって異なります。歯科医師と相談して、自分に最適な方法を選択してください。
抜歯が必要なケースについて詳しく解説します。
歯の位置が悪い
歯が生えている位置が悪いと、インビザラインで十分に歯を移動できない可能性があります。歯が前後に大きくずれていたり、重なっていたりする場合、抜歯を選択することが多いです。
歯の向きが悪い
インビザラインでは、マウスピースで歯を覆って矯正力をかけて移動させます。歯が生えている向きが悪いと、マウスピースがうまくはまらず矯正の効果が低下することがあるのです。
歯が横向きや斜めに生えていたりする場合は、抜歯したほうがスムーズに治療が進むかもしれません。
虫歯や歯周病
虫歯や歯周病がある場合も、抜歯の対象となることがあります。矯正治療をしない場合でも、虫歯や歯周病が進行して治療が難しいときは、抜歯しないといけません。
また、歯周病で歯茎が弱っている場合は、インビザラインで力がかかると歯が抜けてしまう恐れがあります。
虫歯や歯周病を治療せずにインビザライン矯正を始めても、治療がうまくいかないでしょう。虫歯や歯周病が悪化する可能性もあります。
そのため、矯正治療の前に虫歯の歯や歯周病の影響がある歯を抜歯しておきます。
インビザラインで抜歯せずに治療できるケース
抜歯が不要なケースは、以下のとおりです。
・歯と歯の間を削って対応できる
・歯列の幅を広げて隙間をつくれる
・奥歯を後方にずらしてスペースをつくれる
歯と歯の間を削る方法は、IPRと呼ばれます。歯の健康に影響を与えない範囲で削るので、基本的に痛むことはないでしょう。スペースが少し足りない場合には、この方法で対応できるかもしれません。
歯列の幅を広げてスペースを確保できる場合も、抜歯は必要ありません。この方法は、顎の成長が止まっていない子どもの場合、しっかりと効果を発揮する傾向があります。
大人の場合はあまり広げられないことが多く、IPRと併用するケースもあるでしょう。
奥歯を後ろに動かせる場合も、抜歯は必要ないかもしれません。
ただし、奥歯の後ろに骨がない場合や、親知らずがある場合は、この方法は難しいです。親知らずの抜歯が必要になることもあるでしょう。
抜歯をするタイミングとは?
抜歯をするタイミングは、矯正治療の計画によって決まります。矯正治療を始める前に、医師が歯や顎の状態を診断して矯正治療の計画を立てます。その計画に基づいて、どの歯をいつ抜くかが決まるのです。
一般的には、抜歯は矯正の前に行います。スペースを作ってから歯の移動を始めることで、治療がスムーズに進むのです。
抜歯をすると治療期間が長くなる?
抜歯をする場合、気になるのは治療期間ではないでしょうか。歯の隙間がどれくらいで埋まるかは、それぞれの状況によって変わります。
一般的には、抜歯した傷は1~2週間で治りますが、その後も歯茎が完全に回復するまで矯正治療は開始できません。
治療の開始時期が遅れるので、抜歯しないケースよりも治療期間が長くなることがあるでしょう。
ただし、上述したとおり、抜歯することで治療期間が短くなるケースもあります。移動させる歯の本数が減り、移動距離も短くなるためです。
治療期間には個人差があるので、歯科医師にしっかり確認しましょう。
抜歯の費用はどれくらい?
矯正治療による抜歯は便宜抜歯と呼ばれ、保険が適用されません。歯1本につき、5,000円〜1万円ぐらいの費用がかかります。
自費診療は歯科医院によって費用が異なるので、事前に確認することが重要です。
まとめ
この記事では、インビザラインで抜歯をする場合のメリットとデメリット、費用などについて解説しました。
インビザラインで抜歯をするかどうかは、個人の歯並びや噛み合わせの状態によって異なります。インビザライン治療を受ける前に、歯科医師に相談して自分に合った方法を選ぶことが重要です。
インビザライン治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2024.02.06更新
セラミックの詰め物・被せ物が取れる原因とは?対処法も詳しく解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミックの詰め物や被せ物は長持ちしやすいといわれていますが、永久的に使えるものではありません。何らかの原因で、取れることもあります。
この記事では、セラミックの詰め物・被せ物が取れる5つの原因について解説しています。あらかじめセラミックが取れる原因を知ることで、詰め物や被せ物が取れることを予防できるでしょう。セラミックが取れた際に注意したいポイントや対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
セラミックの詰め物・被せ物が取れる原因
セラミックの詰め物・被せ物が取れる主な原因は、以下のとおりです。
虫歯
セラミックが取れる多くの原因は、詰め物・被せ物の土台の歯が再度虫歯になることです。セラミックで治療した歯は虫歯になりにくいとはいわれているものの、歯とセラミックのわずかな隙間から細菌が侵入して虫歯になることがあります。
セラミックの詰め物・被せ物の下の歯が虫歯になると、セラミックと歯の形が合わなくなって取れてしまうのです。
歯ぎしり・食いしばり
虫歯になっていなくても、歯ぎしり・食いしばりによって負担がかかってセラミックが取れることがあります。就寝中やスポーツの際など、無意識で行うことが多い歯ぎしり・食いしばりは、普段の噛む力の約3倍(100㎏以上)の負担を歯にかけるといわれています。
セラミックに過大な負担がかかることで、セラミックが欠けたり割れたりすることもあるので注意が必要です。
噛み合わせが悪い
噛み合わせがあっていない場合、セラミックに負担がかかって取れることがあります。セラミックを装着した直後はよくても、噛み合わせは徐々に変化します。
セラミックは自分の歯よりも丈夫で硬いため、天然歯だけがすり減って噛み合わせが悪くなることがあるのです。噛み合わせが変わることでセラミックに負荷がかかり、取れることがあります。
セメントの経年劣化
セラミックの詰め物や被せ物を歯に装着する際は、専用の接着剤を使用します。接着剤が経年劣化すると、セラミックが取れることがあります。
外傷・スポーツによる衝撃
事故などの外傷やスポーツによる強い衝撃などで、セラミックが取れることがあります。
特に、サッカーや野球などの球技や、ボクシングやラグビーなどの力がかかるスポーツは、歯やセラミックに負担がかかりやすいです。スポーツ用のマウスピースを使用するなど、負担を軽減しましょう。
セラミックの詰め物・被せ物が取れたときの注意点
セラミックの詰め物・被せ物が取れた際に注意したい5つのポイントを解説します。
セラミックが取れたまま放置しない
セラミックが取れて痛みがなくても、放置するのは絶対にやめましょう。歯は外側からエナメル質、内象牙質、神経の三層構造になっています。
セラミックの詰め物や被せ物をする際には、歯を削ります。セラミックが取れたままの歯は象牙質や神経がむき出しになっていることがあり、虫歯になるリスクが高くなります。刺激も伝わりやすくなるため、放置すると歯がしみたり痛んだりすることもあるでしょう。
セラミックが取れたまま放置すると歯の寿命を縮めることにつながるため、必ず歯科医院を受診してください。
自分で付け直さない
取れたセラミックを自分で付け直すことはやめましょう。セラミックをご自身で正しい位置に付けなおすことは難しく、付け直したとしてもすぐに取れる可能性が高いといえます。
食事中に取れた場合、セラミックやご自身の歯が欠けたり割れたり、間違って飲み込んだりするおそれがあります。就寝中にセラミックが取れた場合、気道に入る危険性もあるでしょう。
中には、瞬間接着剤を使用してセラミックを付け直す方がおられますが、これも絶対にやめてください。市販されている接着剤は歯科用ではないので、人体に有害な可能性があります。
また、歯科医院で治療する際、瞬間接着剤を使用しているとうまく外れず、削って壊すしかない場合もあるのです。
取れたセラミックを確認する
セラミックが取れたら、まずはお口の中を確認し、破片がある場合は取り除きましょう。鋭利なセラミックの破片によって、口内を傷つける恐れがあります。飲み込んで喉や食道を傷つけることもあるでしょう。
セラミックや歯の状態によりますが、取れたものを再装着できる可能性もあります。処分せずに大切に保管してください。
硬いものを噛まない
セラミックが取れた歯はもろいので、硬いものは食べないようにしましょう。セラミックが取れた歯で無理に硬いものを噛むと、歯が欠けたり割れたりすることがあります。
特に、神経を抜いた後の歯はもろく、破損しやすいため注意が必要です。ナッツなどの豆類、せんべい、するめなどの硬いものは、治療が終わるまでは避けましょう。
冷たいもの・熱いものを避ける
セラミックが取れた歯で冷たいものや熱いものを食べると、歯がしみたり痛んだりすることがあります。セラミックが取れた直後は何も症状がなくても、辛いものや酸っぱいものなど、刺激物を食べることで知覚過敏のような症状が出る場合もあります。
歯科医院に行くまでは、セラミックが取れた歯で無理に噛まず、刺激が少ないものを食べましょう。
セラミックの詰め物・被せ物が取れたときの対処法
セラミックの詰め物・被せ物が取れたら、以下の方法で対処しましょう。
なるべく早く歯科医院を受診する
何も症状がないからと放置していると、セラミックが取れた歯が新たに虫歯になったり、大きく歯が欠けたりする可能性があります。セラミックが取れたまま放置せず、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。
取れたセラミックを持参する
セラミックの詰め物・被せ物が取れた場合、欠けたり割れたりしていなければそのまま付け直しできる可能性があります。取れたセラミックは処分せず、歯科医院に持参しましょう。
取れたセラミックに強い力がかかると、変形したり破損したりすることがあります。ティッシュなどに包んで保管すると間違って捨てる可能性があるため、プラスチックなどの硬いケースに入れて保管してください。
お口の中を清潔にする
セラミックが取れた後の歯は、虫歯になりやすいといえます。歯科医院を受診するまでの間は、できるかぎりお口の中を清潔に保ちましょう。
セラミックの詰め物・被せ物が取れた歯に汚れがつかないよう、歯ブラシや歯間ブラシ・フロスなどを使用して丁寧に歯磨きしてください。
ただし、象牙質を強く磨くと神経に刺激が伝わって痛むかもしれません。痛みがある場合は無理に磨く必要はないでしょう。強く磨きすぎると歯が削れることもあるため、やさしく磨いてください。
セラミックの詰め物・被せ物を長持ちさせるためには
ここでは、セラミックの詰め物・被せ物を長持ちさせるための方法を解説します。
毎日の歯磨きで虫歯を予防する
セラミックが取れる多くの原因は、セラミックの詰め物・被せ物の下が虫歯になることです。虫歯によって土台の歯が溶かされ、詰め物や被せ物が取れてしまうのです。
そのため、日頃からできるだけ磨き残しを失くし、虫歯を予防することが欠かせません。虫歯になりやすい歯と歯の間や歯と歯茎の境目などは、歯間ブラシやフロス、タフトブラシなどを使用して歯磨きしましょう。
マウスピースを使用する
セラミックは、スポーツによる衝撃、歯ぎしり・食いしばりなどによる負担によって取れることがあります。
そのため、サッカーやボクシング、ラグビーなど力がかかりやすいスポーツをされている方は、スポーツ用のマウスピースを使用しましょう。歯ぎしり・食いしばりをする場合も、就寝中に装着するマウスピース(ナイトガード)を使用しましょう。
歯ぎしり・食いしばりは無意識で行うので、意識して治すのは難しいといわれています。上下の歯の間にマウスピースがあることで、歯ぎしり・食いしばりによる負担を軽減できるでしょう。
定期検診を受ける
セラミックを長持ちさせるためには、定期的に歯科医院で検診を受けることが欠かせません。
定期検診では、お口全体に虫歯や歯周病がないか、噛み合わせに問題がないか、セラミックの歯に異常がないかなどを確認できます。お口全体のクリーニングや歯磨き指導も行いますので、セラミックだけでなくお口全体の虫歯予防にも効果的です。
セラミック治療に保証を設けている歯科医院が多いですが、保証を受けるには定期検診を受けていることが条件になっているところがほとんどです。セラミックが取れたり破損したりしても、保証期間内であればすぐに対処してもらえるでしょう。
セラミック治療が終わったからといって通院を止めずに定期検診を受けましょう。痛みなどの症状がなくても、3~6か月に一度は検診を受けてください。
まとめ
セラミックの詰め物・被せ物が取れる主な原因は、詰め物・被せ物の下が新たに虫歯になることです。歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの悪さからセラミックに負担がかかることで取れる場合もあるでしょう。
何も症状がないからと放置していると、セラミックが取れた歯が新たに虫歯になったり、大きく歯が欠けたりする可能性があります。そのため、セラミックが取れたら、なるべく早く歯科医院を受診することが大切です。
セラミックの詰め物・被せ物が取れたとしても再装着できる可能性があります。取れたセラミックは処分せず、歯科医院に持参しましょう。
セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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