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2024.09.03更新

親知らずの抜歯は痛い?いつまで続く?原因や対処法を解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

親知らず

前の歯から数えて8番目、歯列の一番奥に生えてくる親知らずは、抜歯を勧められることも珍しくありません。将来的に虫歯や歯周病などのトラブルを引き起こすことが多いため、真っすぐに生えていない親知らずは抜歯することが多いです。

しかし、親知らずの抜歯は痛いという情報を目にすることもあるでしょう。親知らずの抜歯に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、親知らずの抜歯の痛みについて詳しく解説します。

親知らずの抜歯は痛い?

抜歯イメージ

親知らずの抜歯は、局所麻酔をしてから行うため術中に痛みを感じることはありません。

ただし、強い力が加わるので圧迫感を覚えたり、歯を脱臼させる音や器具の振動などに恐怖心を感じたりすることはあるかもしれません。基本的には痛みは感じないため、親しらずの抜歯を必要以上に恐れる必要はないでしょう。

親知らずの抜歯が痛いと言われる理由は、抜歯の処置が終わって麻酔が切れてきたときに傷口が痛むことがあるためです。痛みの感じ方は人それぞれですが、親知らずの抜歯後に痛みが出ることは正常な反応とも言えます。

親知らずを抜歯したときには痛み止めを処方されることが多いので、痛みがある場合は我慢せずに薬を飲んで痛みを抑えましょう。

親知らずの抜歯の痛みはいつまで続く?

親知らずの抜歯の痛みはいつまで続くかイメージ

親知らずの抜歯後の痛みは、2~3日で徐々に治まってくることがほとんどです。多少の違和感は残りますが、痛み止めを飲むほどの痛みはなくなるでしょう。

痛みのピークは、麻酔が切れた瞬間から2日後程度までです。ピークを過ぎたあとは傷口の治りに従って徐々に治まっていき、1週間程度で落ち着くでしょう。

また、親知らずの抜歯は腫れを伴うこともあります。痛みよりも少し遅れた抜歯後3日目程度でピークを迎えます。とくに、下顎の親知らずを抜歯した場合に痛みや腫れが強い場合が多いです。下顎は、上顎に比べて骨が硬いためです。

一般的には1~2日をピークに親知らずの抜歯後の痛みは徐々に治まりますが、中には1週間以上痛みが続くケースがあります。抜歯の際に傷口に細菌が入ってしまったことや、抜歯の際に歯ぐきの切開や骨を削る処置が必要だった場合に多く見受けられます。

また、ドライソケットと呼ばれる症状に陥った場合、痛みが長期間続くでしょう。ドライソケットとは、抜歯後の穴が血液の塊で塞がれずに骨が露出した状態を言います。

ドライソケットの場合、術後に感じていなかった痛みが3~5日ほどたってから現れることが特徴です。親知らず抜歯後1週間ほどたっても痛みが治まらない場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。

親知らずの抜歯の痛みの原因

親知らずの抜歯の痛みの原因イメージ

親知らずの抜歯後の痛みの原因は、主に以下の3つです。

・外科処置のため
・細菌感染
・ドライソケット

詳しく解説します。

外科処置のため

親知らずの抜歯は、外科処置にあたります。歯を抜くだけでも、歯茎や歯の周辺の骨に刺激を与え、出血を伴うのが一般的です。歯茎や歯の周辺の骨が傷つくと、炎症反応が起きて痛みや腫れが生じます。

とくに、複雑な生え方をしている親知らずの場合は、歯茎を切開したり骨を削ったりすることもあるため、より痛みや腫れを生じやすいでしょう。痛みや腫れの原因は、出血を止めるために白血球や血小板が毛細血管に集まることです。

親知らずの生え方によっても痛みの程度は異なりますが、真っすぐ正常に生えている親知らずの場合でも、多少の痛みは伴うでしょう。

細菌感染

親知らずを抜歯した後は歯茎を縫合することもありますが、完全に抜歯窩を塞げるわけではありません。どうしても一時的に穴が開いた状態となります。そこに汚れが溜まると、細菌感染を起こして痛みが出る場合があります。

抜歯した部分を強く刺激することは避けたほうが良いですが、通常の口腔ケアはしっかりと行いましょう。口腔内の細菌の数を減らす必要があるためです。

抗生物質を処方されている場合は、きちんと服用することで細菌感染を防げます。

ドライソケット

ドライソケットとは、抜歯後の穴が塞がれずに骨が露出した状態を指します。

通常、抜歯した後の穴は血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊が穴を覆い、その上を歯肉が徐々に修復することで傷口が塞がります。血餅が何らかの理由で形成されなかったり、途中で取れたりした場合、ドライソケットになります。

ドライソケットで骨が露出した状態の場所に刺激が加わると、痛みを引き起こします。

抜歯した傷口は、必要以上に触らないことが重要です。強いうがいを避け、抜歯後2~3日は血流が良くなる激しい運動や飲酒、長風呂なども控えましょう。

親知らずの抜歯の痛みがつらいときの対処法

痛み止めを飲んでいる女性

親知らずの抜歯の痛みがつらいときは、以下の対処法を試してみましょう。

・痛み止めを早めに飲む
・患部を冷やす
・ガーゼを噛む
・強くうがいをしない
・喫煙しない
・アルコールを控える
・刺激物を食べない
・歯科医院で消毒してもらう

詳しく解説します。

痛み止めを早めに飲む

親知らずの抜歯後、麻酔が切れると痛みが出やすいため、麻酔が切れる少し前に痛み止めを飲んでおくと痛みを和らげることができます。

また、親知らずの抜歯後は痛み止めと抗生剤を処方される場合がほとんどです。抗生剤は痛みがなくてもきちんと服用しましょう。口内の細菌感染を防ぐことができます。

患部を冷やす

冷却シートやアイスバックなどで患部周辺を冷やすことも有効です。患部に軽くあてることで熱を吸収して、痛みや腫れを和らげられるでしょう。

ただし、冷やしすぎると血液の循環が悪くなるため、時間を決めて冷やしてください。また、氷を口の中に入れる、保冷剤を直接当てるなど、過度な冷却は避けてください。

ガーゼを噛む

抜歯後は出血が止まるまでガーゼを軽く噛んで止血しましょう。20分ほどたっても出血が止まっていない場合は、新しいガーゼに替えます。

出血を早めに止めることで痛みを抑えられます。

強くうがいをしない

抜歯した穴は、血餅(けっぺい)と呼ばれる血液の塊ができることで治癒していきます。かさぶたのような役割を持つ血餅は、細菌から骨を守る役割も持っています。

この血液がいつまでも固まらない場合や、固まってもとれてしまった場合は、骨が露出したままで痛みが伴います。術後は少しずつ血が滲み出ることがありますが、強いうがいをしすぎると血餅が取れる可能性があるため、抜歯後は強いうがいをしないように気をつけましょう。

喫煙しない

喫煙すると血流の流れが悪くなるため、歯茎の治癒を遅らせます。喫煙習慣のある方は、術後しばらくは禁煙することで痛みを抑えられる可能性があります。

アルコールを控える

アルコールは、血管を広げて血流を促進する作用があります。抜歯後は血が固まりにくく痛みが長引く可能性があるため、抜歯当日から痛みが残っている間はアルコールを控えるようにしましょう。

刺激物を食べない

辛い食べものなどは、傷口の刺激になることがあります。血流が促進されることもあるでしょう。痛みを抑えるためには、抜歯後痛みがある間は控えるようにしましょう。

また、固い食べものも患部の刺激になるため食べないほうが良いでしょう。

歯科医院で消毒してもらう

歯科医院で消毒してもらうのも方法の一つです。抜歯後はどうしても通常通りに口腔ケアが行えなかったり、食べ物が詰まりやすかったりするので、歯科医院で患部を洗浄・消毒してもらうと良いでしょう。

こまめに経過観察してもらうことで、トラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。

親知らずの抜歯の痛みを歯医者に相談したほうがいいケース

親知らずの抜歯について相談している患者

親知らずの抜歯後は痛みを伴うことが多いですが、通常は2〜3日をピークに1週間程度で徐々に痛みは治まります。痛みが1週間以上続いている場合や、術後は痛みがなかったのに3〜5日経過してから痛みが生じてきた場合は、歯医者に相談したほうが良いでしょう。

また、腫れがひどくなったり熱を伴ったりする場合も早めに相談しましょう。ドライソケットや患部の細菌感染の可能性が考えられます。

いずれの場合も、早めに対処してもらうことで重症化を防げます。

まとめ

抜歯イメージ

親知らずの抜歯後に痛みが出ることがありますが、痛みは2〜3日をピークに徐々に落ち着いていきます。傷の治りとともに徐々に治まっていき、1週間もあれば痛みはなくなるでしょう。

親知らずの抜歯後の痛みは人それぞれ異なりますが、術中は局所麻酔によって痛みを感じることはありません。親知らずの抜歯後は、処方された痛み止めや抗生剤をきちんと飲みながら様子をみることが大切です。

痛みが1週間以上続くような場合は、細菌感染やドライソケットの可能性があるため早めに歯科医院に相談しましょう。親知らずの抜歯後は、なるべく安静を心がけることで痛みを和らげることができるでしょう。

親知らずの抜歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.08.27更新

MTMとは?歯科で予約する流れ・検査や治療内容・費用・重要性を解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

MTMの治療をしている人

皆さんはMTM(メディカルトリートメントモデル)という言葉をご存じでしょうか。MTMとは患者さんの口腔内の状態を詳しく確認したうえで将来的なリスクを評価し、予防をおこなうプログラムのことです。

従来の「歯が痛くなったから歯医者に行く」という考えではなく「歯の健康を維持するために歯医者に行く」ことを目的としています。

歯が痛い・歯茎から出血した・歯が欠けたなど何かきっかけがないと歯科医院を受診しないという方がいるかもしれませんが、MTMについて知り、今一度自分の歯の健康について考えてみてはいかがでしょうか。

今回は、MTMの流れや内容、費用、重要性などについて解説します。

MTM(メディカルトリートメントモデル)とは?

MTMの説明している歯科医師

MTM(メディカルトリートメントモデル)とは、患者さんの口腔内の状態を確認して初期のリスク評価から予防プログラムの立案、最小限の治療、メンテナンスまでの一連の流れのことをいいます。

従来の歯科医療では、虫歯や歯周病の早期発見や症状のある部分の修復・補綴などを目的としていましたが、近年では「できるだけ欠損しないように」「健康な歯をより長く保てるように」という予防的なアプローチへと変化しています。現在では多くの歯科医院がMTMによるプログラムを作成し、患者さんへの予防的なマネジメントをおこなっているのです。

歯科でMTMを予約する流れ

歯科でMTMを予約している人

歯科でMTMを予約するには、まず受診したい歯科医院がMTMに対応しているかを確認する必要があるでしょう。MTMを取り入れているどうかは歯科医院のホームページで確認することもできますし、電話で問い合わせることもできます。

突然来院されてもお時間が確保できない可能性があるため、必ず予約を入れてから受診するようにしてください。また、予約の際に「MTMを希望します」「MTMについて詳しい内容が知りたいです」と伝えていただけるとスムーズにご案内ができるでしょう。

MTMの検査や治療内容

MTMの治療計画を説明している歯科医師

では、MTMではどのような検査や治療がおこなわれるのでしょうか。ここでは、MTMの検査や治療の内容について解説します。

初診

初診では、まず問診票を記入していただきます。年齢や生活習慣、既往歴などを確認し、治療と予防の計画に役立てます。気になる症状などがあれば、初診時にお伝えください。初診の日に検査をおこなうことが一般的です。

初診時は検査時間も含めて60分ほどかかりますので、お時間に余裕のある日に予約を取るとよいでしょう。

検査

問診が終了したあとは、患者さんの口腔内の状態を詳しくチェックするために検査をおこないます。検査では、レントゲン撮影や口腔内写真撮影、唾液検査、歯周検査などがおこなわれることが一般的です。

しかし、具体的な検査の項目については歯科医院によっても異なります。

治療計画の説明

検査のあとには、検査結果をもとに現在の口腔内の状態や将来的なリスクなどについて説明があります。その後、患者さん一人ひとりに合った予防計画を説明し、実際に治療開始となるでしょう。

検査や治療計画の説明終了後には、歯科衛生士から歯磨き指導や歯石除去、PMTC(専用機械を使ったクリーニング)、フッ素塗布などを受けて初診日は終了です。

初期治療

初期治療では、初診日のブラッシング指導のとおりに丁寧にセルフケアができているかを確認し、再度ブラッシング指導がおこなわれます。丁寧に磨いているつもりでも、歯垢や歯石が蓄積している可能性はありますので、歯垢や歯石の除去もおこないます。

その後、専用の機械を用いたクリーニング(PMTC)をおこない、フッ素を塗布して終了です。

評価

初期治療が終了したら、再度虫歯や歯周病の検査をおこない、口腔内の環境が改善されているかどうか評価をおこないます。このとき、再度口腔内写真を撮影し、治療前後の状態をチェックします。これまでの経過を踏まえて、今後のための予防プランを説明します。

治療

初期虫歯であれば適切な歯磨きやメンテナンスで進行を止めることが可能です。

しかし、虫歯治療の必要があると判断した場合には、治療をおこないます。

治療後の再評価

虫歯の治療が完了したら、これまでの治療により口腔内の状態がどの程度改善されたかを再評価します。治療開始前との口腔内の状態を比較するために、レントゲン撮影や口腔内写真撮影、唾液検査をおこなうことが一般的です。

一連の治療が終了したら、これまでの経過を患者さん自身がいつでも確認できるようにデータをお渡しします。

メンテナンス

その後は3か月~6か月に1回の頻度でメンテナンスを受けます。口腔内の状態を確認することはもちろんですが、普段のケアでは落としきれない汚れを歯科医院で定期的に除去してもらうことが重要です。

定期的なメンテナンスではしっかりと歯磨きができているかを確認したり、フッ素の塗布を受けたりすることもできます。普段のケアで気になることや気になる症状などがあれば、定期検診で確認しましょう。

歯科でMTMをするときの費用

歯科でMTMをするときの費用イメージ

MTM(メディカルトリートメントモデル)にかかる費用ですが、検査から評価、予防プログラムの立案、ケアなどを含めて1万5,000円ほどが一般的です。

なお、口腔内の常在菌の状態を検査し、虫歯や歯周病のリスクを確認するための唾液検査(サリバテスト)には別途3,000円程度かかります。それ以外にも、CT検査が必要と判断された場合には、5,000円〜1万5,000円ほどかかるでしょう。

MTMでの検査の項目については歯科医院によって異なるため、事前に確認してください。

MTMの重要性

MTMの初期治療をしている人

歯科を受診する目的として、虫歯の予防を挙げる方は少ないかもしれません。多くの場合は「虫歯の治療のため」「早期発見のため」「失った歯を補うため」などではないでしょうか。

しかし、そのように何らかの症状を改善することを目的とした歯科医療では、再発を繰り返すケースが非常に多いのです。そして結果的に健康な歯を失う方が多いのも現状です。

MTMは「悪くなったら治せばいい」という考えではなく「健康な歯を維持していく」という目的から生まれたプログラムです。患者さん自身が自分の口腔内の状態やリスクを理解したうえで自分自身に合った予防をおこなうため、歯の寿命を延ばすことに繋がります。

また、歯科医師や歯科衛生士のサポートのもと、患者さん自身が変化を実感できることにより、セルフケアのモチベーション維持にも役立つでしょう。

歯の定期検診とMTMの違い

歯の定期検診とMTMの違いについて考えている人

虫歯を予防するために定期検診を受けている方もいるかもしれません。もちろん、定期検診も虫歯・歯周病の予防や早期発見・早期治療に役立つものではありますが、個々の将来的なリスクを予防するという観点からいうと物足りない内容であることはいうまでもありません。

生活習慣や口腔内の状態、歯磨きのクセなどは一人ひとり異なるものです。MTMは口腔内の状態やリスクをしっかりと確認したうえで、土台からしっかりと口腔内の健康状態を改善していくことを目的としています。

また、患者さんそれぞれの生活習慣や口腔内の状態に合わせたオーダーメイドのプランを立案できることもMTMの強みといえるでしょう。

定期検診のように、ただ歯垢や歯石を除去し、歯磨き指導を受けるだけでなく、患者さん自身が「自分の歯の健康を維持していこう」と改めて実感できる機会にもなります。

まとめ

MTMにて自分にあったセルフケアをしている親子

MTM(メディカルトリートメントモデル)とは、患者さん一人ひとりに合わせた予防プログラムのことです。MTMでは事前に検査をおこない、現在の口腔内の状態や将来的なリスクを確認したうえで自分に合ったセルフケアを身につけることができます。

虫歯や歯周病を繰り返す方などは、MTMを活用してまずは自分の口腔内の状態をしっかりと確認するとよいでしょう。

歯科医院に対するイメージが「悪い箇所を治す場所」という考えから「お口の健康を維持するために通う場所」という考えに変わるよう、歯科医師や歯科衛生士がサポートいたしますので、ぜひMTMをご活用ください。

予防歯科を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.08.20更新

インプラントとは?治療の流れや費用も解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インプラント

虫歯や事故、怪我などで歯を失った場合、歯を補う治療を受けなければなりません。見た目が天然歯のように美しく、歯を失う前と同じように食事を楽しめるインプラントに注目している方も多いのではないでしょうか。

「インプラントは安全?」「インプラント治療にはどのくらい時間がかかるの?」「費用はどのくらい?」など、治療や手術について疑問や不安を抱いている方もいるでしょう。治療を始める前に、インプラントに関する正しい情報を知ることが大切です。

今回は、インプラントとは何かを解説し、治療の流れや入れ歯・ブリッジとの違い、治療に必要な費用などをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

インプラントとは?

インプラント

インプラントとは、体内に埋め込む人工部品の総称です。歯科領域では、顎の骨に金属製のネジを埋め込んで土台を作り、その上に人工歯を取り付けて歯を再建する治療法を指します。

インプラント体を埋め込むために外科的手術を行いますが、見た目・機能ともに天然歯と変わらないのがインプラントの特徴です。

入れ歯・ブリッジとの違い

入れ歯

失った歯を取り戻す治療には、インプラントのほかに入れ歯やブリッジなどがあります。ここでは、入れ歯やブリッジとインプラントの違いについて詳しく解説します。

入れ歯とインプラントの違い

入れ歯は、失った歯を補うための着脱式の装置です。プラスチック製の素材をベースに、人工歯を取り付けたものです。

入れ歯には、一部の歯を補う部分入れ歯と、すべての歯を失った時に使用する総入れ歯の2種類があります。

部分入れ歯は、バネのある入れ歯とバネのない入れ歯に分類されます。バネのある入れ歯は、両隣の歯に金属でできたバネを引っ掛けて入れ歯を固定する仕組みで、保険が適用されます。

バネのない入れ歯は、見た目の美しさから人気ですが、保険は適用されないため費用の負担が増加します。

総入れ歯は、人工歯と人工歯を支える床(しょう)と呼ばれるピンク色の歯茎にあたる部分の2つで構成されています。プラスチックで製作したものは保険が適用されますが、審美性・機能性を高めたものには保険が適用されません。

保険が適用される入れ歯は1万5,000円程度で製作でき、寿命は5〜8年です。見た目が良くない、話しづらい、食べ物の熱さ・冷たさを感じにくいなどのデメリットがあり、天然歯に近い機能性を持つインプラントに劣ります。

ブリッジとインプラントの違い

失った歯に隣接する歯を土台にして人工歯を被せる治療法で、橋のような構造からブリッジと呼ばれています。隣接する歯を削ったり、神経を取ったりする必要がありますが、インプラントのような大がかりな外科手術を行うことはありません。

ただし、複雑な形をしているため汚れがたまりやすく、しっかりケアをしなければ歯周病の原因になりやすいです。

また、ブリッジの寿命は7〜8年ですが、ブリッジを入れる際に隣接する歯を削らなければならないため、健康な天然歯の寿命を縮めるリスクがあります。

インプラントのメリット

インプラントのメリットイメージ

審美性・機能性に優れたインプラントには、さまざまなメリットがあります。

自然な会話や食事が可能

顎の骨に歯の根となる人工歯根を取り付けるため、患者様自身の歯のような使用感を得られます。違和感もないので、食べ物を強く咀嚼したり、しっかり発音して自然な会話を楽しんだりすることが可能です。

周囲の健康な歯を守れる

顎の骨に人工歯根を1本1本埋め込んで歯を再現するインプラントでは、ブリッジや入れ歯のように歯を削るなど、周囲の歯に負担をかけることがありません。負担のかかった歯は寿命が縮まるため、周囲の歯をなるべく残したい方に選ばれています。

審美性に優れている

入れ歯やブリッジは、金具が見えたり人工歯の色調が不自然だったり、見た目の印象が悪くなりかねません。人工歯の種類にもよりますが、インプラントは審美性に優れているため、天然歯の色や艶を再現できナチュラルな印象に仕上がります。

ケアが簡単

天然歯と構造が同じなため、お手入れは通常の歯磨きと同様に行います。もともと習慣がない方は、フロスや歯間ブラシの使用を追加しましょう。歯と歯の間や歯と歯茎の境目を丁寧に磨く必要があります。

入れ歯のアタッチメントの洗浄など、面倒な作業がありません。定期メンテナンスに通う必要はありますが、インプラントが安定すれば頻度は低くなります。

寿命が長い

インプラントの平均寿命は10〜15年です。定期的にメンテナンスに通いセルフケアをしっかり行えば、20年以上問題なく使用できるケースもあります。ほかの治療法に比べ、寿命が長いのは大きなメリットといえるでしょう。

骨が痩せるのを防げる

天然歯を失って刺激が伝わらなくなると、顎の骨が徐々に痩せていきます。入れ歯などにより咀嚼の刺激が伝わらなくなると、周囲の歯にも影響がでます。

顎の骨に人工歯根を埋め込むインプラントは、しっかり噛んで顎の骨へ刺激を与えられます。顎の骨が痩せるのを防ぎ、天然歯のようにしっかり噛み続けられるでしょう。

インプラントのデメリット

インプラントのデメリットイメージ

メリットの多いインプラントですが、デメリットもあります。メリットだけでなくデメリットについてもしっかり把握しましょう。

治療できない人がいる

外科的手術を伴う治療なので、治療を受けられない方がいます。例えば、妊娠中の方は手術を受けられません。外科手術や麻酔が、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるからです。

また、糖尿病の方や人工透析を受けている方、骨粗鬆症などの全身疾患のある方は、手術を受けられない可能性があります。全身疾患のある方は、担当医と歯科医師が密接に連絡を取り合い、手術が可能かどうか判断します。

その際に、手術をする際の注意事項などもしっかり確認しておきましょう。

健康保険が適用されない

インプラント治療には、基本的に健康保険が適用されません。自費治療となるため、ほかの治療法に比べ治療費が高額になります。

また、どのくらいの費用がかかるのかは個人差があるため、事前のカウンセリングで治療費についても確認しましょう。

外科手術が必要

インプラントを埋入するためには、局部麻酔をし、歯茎を切開して顎の骨を削る外科的手術が必要です。麻酔を安全に行うためには、全身の状態が良くないといけません。

また、麻酔や鎮痛剤でケアはするものの、術後は腫れや痛み、出血を伴います。可能性は低いものの、感染症にかかったり、神経や血管を傷つけたりする可能性もあるでしょう。

治療期間が長い

個々の症状により治療期間は異なりますが、一般的には4か月ほどかかります。追加処置が必要な場合などは、1年以上かかることもあるでしょう。

治療期間が長くなることも考慮して、術前にスケジュールの確認をしておきましょう。

定期的なメンテナンスが必要

インプラントは術後のメンテナンスが非常に重要です。毎日の丁寧なケアが欠かせないだけでなく、メンテナンスのために定期的に通院しなければなりません。

メンテナンスを怠ると、インプラントの上部構造を留めているネジが緩んで外れたり、インプラント周囲炎を発症したりするリスクがあります。最悪のケースでは、せっかく埋入したインプラントを除去しなければならなくなることもあります。

また、治療後定期健診を受けなければ、インプラントに不具合が生じて修理や治療が必要になった場合に保証が受けられないことが多いです。

インプラント治療はどのような流れで行う?

インプラント治療はどのような流れで行うかイメージ

外科手術を伴うインプラントは、入れ歯やブリッジとは治療の流れが異なります。一つずつ確認しましょう。

カウンセリング

インプラント手術の前にカウンセリングを受けます。インプラントに対する不安や疑問がある方は、率直に相談するようにしましょう。

金属アレルギーのある方、食いしばりや歯ぎしりのある方、全身疾患のある方も、カウンセリングの際に伝えてください。カウンセリング時間は患者様により異なりますが、1時間程度と考えておきましょう。

精密検査・治療計画の決定

術前検査では、歯科用CTスキャンを使用し、顎の骨の状態や神経・血管の位置などを確認します。十分な骨の厚みや密度がなければインプラント体を埋め込むことができないため、骨の状態を確認することが重要です。

骨に十分な厚みがない場合は、骨造成を行うなど、懸念となる病気の治療や症状の改善から始めなければなりません。

1回目のインプラント手術

歯茎を開き、専用のドリルを使用してインプラントを埋め込むための穴を開けてインプラントを埋め込みます。所要時間はインプラントの本数により異なりますが、1時間程度と考えておきましょう。

手術後2〜3日をピークに腫れや痛みの症状が出ます。痛み止めの薬を服用することで和らぎ、10日前後で収まります。

抜糸・仮歯調整

傷口を塞ぐために使用した糸を抜糸します。抜糸が終わったら、必要に応じて仮歯の調整を行い、インプラント体が顎の骨と結合するまでの待機期間中の生活に支障がないようにします。

仮歯で強く噛んでしまうとインプラント体の定着が悪くなることがあるので、通常の歯のように使わないように注意してください。

待機期間

上述しましたが、歯の根となるインプラント体と顎の骨が結合して一体化するまで、ある程度の期間がかかります。定着するまでの期間は個人差がありますが、平均して2〜3か月程度です。

2回目のインプラント手術

1回目の手術で埋め込んだインプラントと骨の結合が確認できたら、インプラント体と人工歯をつなげるアバットメントを装着するために、2回目の手術を行います。骨を削ることはありませんが、歯茎を開いてインプラント体にアバットメントを取り付けます。

手術後2週間ほどで歯茎の傷が治り、形も安定してくるでしょう。

人工歯の型取りと装着

2回目の手術後、歯茎が安定したら型取りへと進み、人工歯の素材も選びます。術前の検査を参考に、噛み合わせも考慮して人工歯を製作します。

インプラントの上部構造が完成したら、取り付けて治療は完了です。

メンテナンス

上述した通り、インプラントの治療後もメンテナンスに通わなければなりません。特に、手術後は噛み合わせをチェックしたり、歯周病を予防したりすることが重要です。

適切なケアを行わなければインプラント周囲炎を発症しやすくなるので、術後1か月、3か月、6か月、1年と、定期的にメンテナンスを行いましょう。

インプラント治療にかかる費用

インプラント治療にかかる費用イメージ

インプラント治療にかかる費用は、平均して1本30〜40万円です。人工歯の種類によっても変動します。保険が適用されないため、高額な治療といえるでしょう。

治療を始める前に、検査・診断料、手術代、上部構造の費用、術後の消毒・検診代など、治療に伴う費用の詳細についてしっかり確認しておきましょう。

入れ歯やブリッジよりも長い期間良い状態で使用できることが多いので、長期的に考えるとコストパフォーマンスが良いと考える人もいます。

まとめ

綺麗な歯の女性

インプラント治療は、虫歯や怪我などで失った歯を取り戻すための治療です。天然歯と変わらない咀嚼力や高い審美性など、入れ歯やブリッジにはないメリットがあります。

しかし、外科的手術を伴うため、細やかな検査と診断を行い、正しい手順と期間を踏まえて実施しなければなりません。

インプラントによる治療を受けられない方もいるため、事前にインプラント治療に対応している歯科医師に相談してみましょう。

インプラント治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.08.13更新

顎関節症とは?症状や原因、治療や予防について解説

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

口周りの骨

顎関節症とはどのような疾患なのか気になっている方がいるのではないでしょうか。多くの人が経験する可能性がある疾患で、放置すると日常生活に影響を及ぼすこともあります。

この記事では、顎関節症とはどのような疾患なのか解説します。症状や原因、治療法、そして日常生活で心がけるべき予防策についても詳しく解説しますので、顎関節症にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

顎関節症とは

顎関節症イメージ

顎関節症とは、顎の関節や周辺の筋肉に問題が生じることで発症する症状の総称です。主に顎を動かす際に痛みや違和感が生じたり、口を開閉する際に音が鳴ったりするのが特徴です。

この症状は、若年層から中高年層まで幅広い年代に見られ、日常生活に影響を与えることがあります。

顎関節症の症状

顎が痛い女性

以下に、顎関節症の症状をご紹介します。

顎の痛み

顎関節症の代表的な症状は、顎の痛みです。この痛みは、口を開けたり食べ物を噛んだりする際に顕著に現れます。朝起きたときや長時間会話をしたあとに痛みを感じることもあるでしょう。また、顎だけでなく耳の周りに痛みを感じることや頭痛を伴うことも少なくありません。

顎を動かすと音が鳴る

顎を動かすときに、クリック音やゴリゴリとした音がすることがあります。これらの音は、顎関節内の軟骨がずれることによって生じるものです。口を開けるときに特に目立ちますが、閉じるときに発生することもあります。

口を大きく開けることができない

顎関節症のもう一つの症状は、口を大きく開けることが困難になることです。顎関節やその周囲の筋肉が緊張していることによって引き起こされます。極端な場合には、口を指2本分以上開けられなくなることもあります。

顔や首のコリ・痛み

顎関節症は、顎だけでなく顔や首、肩の筋肉にまで影響を及ぼすことがあります。慢性的なコリや痛みが発生し、長時間の同じ姿勢がつらくなることもあるでしょう。

そのほかの症状

顎関節症の患者さんのなかには、耳鳴りや耳の閉塞感、口の乾燥などの症状を訴える方もいます。顎関節やその周辺の筋肉の問題から派生するものであり、日常生活における不快感の原因になります。

顎関節症の原因

顎関節症の原因イメージ

顎関節症は、さまざまな要因が重なり合って発症することが多いです。以下に、顎関節症の主な原因を説明します。

歯並びや噛み合わせの問題

歯並びや噛み合わせが悪い場合、顎にかかる力のバランスが崩れ、顎関節に負担がかかることがあります。特に、奥歯がしっかり噛み合っていなかったり、一部の歯に過剰な負荷がかかっていたりすると、顎関節症になるリスクが高まるでしょう。

ストレス

精神的なストレスは、顎の筋肉の緊張を引き起こすことがあり、これが顎関節症の一因となります。ストレスを感じると、無意識に歯を食いしばったり、夜間に歯ぎしりをしたりして、顎関節に過度な負担がかかると顎関節症を発症する可能性があるでしょう。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりも顎関節症の原因のひとつです。日中や睡眠中に歯ぎしりや食いしばりをする習慣があると、顎の筋肉や関節に大きな負荷がかかり顎関節症になるリスクが高まります。

姿勢の悪さ

長時間にわたって姿勢が悪い状態が続くと顎や筋肉に負担がかかって顎関節症を引き起こすこともあります。特に前かがみの姿勢は、首や肩、顎に不自然な力がかかることがあります。これにより、顎の位置がずれたり、関節に負担がかかりやすくなったりするのです。

デスクワークやスマートフォンの使用が増えるなかで、姿勢の悪さは顎関節症のリスク要因の一つとなっているのです。

外傷や習慣

顎に直接的な外傷を受けた場合や片側ばかりで噛む習慣がある場合、顎関節や周囲の筋肉に負担がかかります。その結果、顎関節症を引き起こすことがあるのです。

顎関節症は何科を受診すればいいのか

顎関節症の患者を診ている医師

顎関節症の疑いがある場合、適切な医療機関を受診することが重要です。顎関節症は、顎の関節や筋肉に関わる症状が多いため、診察を受ける科を正しく選ぶことが、迅速な診断と治療につながります。

顎関節症の主な診療科は、歯科口腔外科です。歯科口腔外科は、顎の骨や関節、口腔内の疾患を専門的に診察する科です。口を開けるときに痛みがある場合や音が鳴る場合、口の開閉に違和感がある場合は、まず歯科口腔外科を受診するとよいでしょう。

歯科口腔外科では、顎関節の状態を詳しく検査し、原因に応じた治療を提案してもらえます。

顎関節症は一般歯科でも相談できます。一般歯科では、噛み合わせのチェックや口腔内の検査を行い、必要に応じて歯科口腔外科やほかの専門医への紹介を行います。軽度の症状であれば、一般歯科で治療できる場合もあるでしょう。

顎関節症の治療方法

診察を受けている患者

顎関節症の治療は、症状の程度に応じて多様なアプローチを行います。以下に、一般的な治療方法をご紹介します。

理学療法

顎周辺の筋肉をほぐし、関節の動きを改善するために、専門の理学療法士によるストレッチやマッサージが行われます。

スプリント療法

スプリント療法とは、マウスピースを使用した治療法です。夜間に専用のマウスピースを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによって顎関節にかかる負担を軽減します。

薬物療法

薬物療法は、痛みや炎症を和らげる治療法です。鎮痛薬などを用いることで、顎の痛みを抑えることができます。

外科的治療

症状が重い場合は、外科的治療が検討されることがあります。

ただし、外科的治療は最終手段とされ、慎重に判断されます。外科的治療には、関節洗浄(関節リセット)や関節鏡視下手術などがあります。

顎関節症は予防できる?

ストレッチをしている女性

顎関節症は、日常生活のなかで注意を払うことで予防することが可能です。顎関節に負担をかける要因を減らすことで、症状の発生を抑えることができます。以下に、顎関節症を予防するためのポイントをご紹介します。

正しい姿勢を心がける

長時間にわたる不適切な姿勢は、顎に過度な負担をかける可能性があります。特に、スマートフォンやパソコンを使用する際は、背筋を伸ばし、顔を正面に向けるよう意識しましょう。首や肩の緊張を防ぐため、定期的にストレッチを行うことも効果的です。

歯ぎしりや食いしばりを改善する

無意識のうちに行っている歯ぎしりや食いしばりは、顎関節に負担をかけます。ストレスが溜まると歯ぎしりや食いしばりをしやすいといわれています。これを防ぐためには、リラックスする時間を確保し、ストレスを溜めないことが重要です。

また、就寝時にマウスピースを使用することも有効な対策です。

硬い食べ物を避ける

顎に負担をかけないためには、柔らかい食べ物を取り入れたバランスの良い食事が推奨されます。硬い食べ物やガムを過度に噛むことは避け、顎を休めることが大切です。

適度に運動とストレッチをする

顎周りの筋肉を適度に動かすことは、関節の柔軟性を維持し、症状の予防につながります。簡単なストレッチや運動を日常に取り入れることで、筋肉の緊張を和らげ、顎関節症を予防できるでしょう。

定期的に歯科検診を受ける

定期的に歯科検診を受けることで、噛み合わせの問題や顎関節の異常を早期に発見できます。専門家からアドバイスを受け、適切なケアを行うことで、顎関節症のリスクを減らすことが可能です。

まとめ

健康な女性

顎関節症とは、顎の関節や周囲の筋肉に問題が生じ、口を開けるときに痛みが生じたり音が鳴ったりするなどの症状を引き起こす疾患です。

原因としては、噛み合わせの不良や歯ぎしり、ストレス、姿勢の悪さが挙げられます。顎関節症はこれらの要因が顎関節に過度の負担をかけることで発症します。

顎関節症は、スプリント療法や薬物療法、理学療法を通じて治療を行うのが一般的で、症状が重い場合は外科的処置が検討されます。

顎関節症は予防できます。正しい姿勢を維持することやストレス管理を行うこと、硬い食べ物を避けることが重要です。また、定期的に歯科検診を受けることで顎の異常を早期に発見できるでしょう。

顎関節症にお悩みの方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.08.06更新

親知らずは抜くべき?抜いたほうがいいケースと手順を解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

親知らずイメージ

親知らずが生えてきた時、抜くべきかどうか悩む方は多いでしょう。親知らずは他の歯と違って斜めや横向きに生えることが多く、虫歯や歯周病の原因となることが少なくありません。

この記事では、親知らずを抜いたほうがいいケースと、抜歯の手順について詳しく解説します。抜歯後のケアも紹介するので、親知らずに関する悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてください。

親知らずとは?

親知らず

親知らずとは、第三大臼歯とも呼ばれ、通常は20歳前後に生えてくる歯です。一番奥に位置しており磨きにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高いとされています。

親知らずは抜くべき?

親知らずイメージ

すべての親知らずを抜かなければならないわけではありません。親知らずは、抜いたほうが良い場合と抜かなくても良い場合があります。

抜いたほうがいい親知らず

抜いたほうがいい親知らずは、以下の通りです。

斜めや横向きに生えている場合

親知らずが斜めや横向きに生えると、周囲の歯や歯茎に悪影響を及ぼす可能性があります。汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因となるため抜歯が推奨されます。特に、隣の歯を押して歯並びを乱すリスクがあるため、矯正治療を行う前には抜歯するのが一般的です。

噛み合わせが悪い場合

上下どちらかにしか親知らずが生えていない場合、噛み合う歯がないので食事がしづらくなることがあります。この場合、噛む力が均等に分散されず他の歯や顎に負担がかかるため、抜歯を検討する必要があります。

噛み合わせが悪い状態が長期間続くと、顎関節症などの原因にもなるため注意が必要です。

虫歯になっている場合

親知らずが虫歯になっていると、他の健康な歯にも影響を与えるリスクが高まります。特に、親知らずは位置的に治療が難しいため、治療しても再発することが多いです。何度も虫歯になる場合は、抜歯したほうがよいでしょう。

感染が広がる前に抜歯することで、全体の口腔衛生を保つことができます。

智歯周囲炎が繰り返される場合

親知らずの周囲の歯茎が炎症を起こすことを、智歯周囲炎と言います。繰り返し炎症を起こす場合、痛みや腫れが頻発し生活の質を低下させるでしょう。

智歯周囲炎は親知らずの位置や生え方によって発生するため、症状を繰り返す場合は抜歯するのが望ましいです。

歯並びに影響を与える場合

親知らずが他の歯を押して歯並びを悪くするリスクがある場合、抜歯を検討します。特に、矯正治療を受けた後などは、親知らずの影響で歯並びが再び乱れるのを防ぐため、抜歯を考慮することが重要です。

抜かなくてもよい親知らず

抜かなくてもよい親知らずは、以下の通りです。

正常に生えている場合

親知らずが真っ直ぐに正常に生えており、噛み合わせや周囲の歯に問題を起こさない場合は、無理に抜歯する必要はありません。特に、しっかりと歯磨きができる状態であれば、そのまま残しておいても問題ないでしょう。

完全に埋まっている場合

親知らずが歯茎の中に完全に埋まっていて、痛みや炎症がない場合は抜かなくても良いとされています。特に、周囲の歯や骨に悪影響を与えない場合は、経過観察を続けることが多いでしょう。

ブリッジや入れ歯の土台に利用できる場合

健康な親知らずは、将来的に他の歯が失われた場合にブリッジや入れ歯の土台として利用できることがあります。適切に管理を続けられる場合は、抜歯せずに残しておく選択肢もあります。

また、他の奥歯を失った場合、親知らずを移植して再利用することも可能です。

親知らずを抜く手順

歯のレントゲン

以下に、親知らずを抜く際の一般的な手順を紹介します。

レントゲン撮影

まず、レントゲン撮影を行い、親知らずの位置や周囲の血管、神経の状態を確認します。安全かつ効果的な抜歯計画を立てるには、レントゲン撮影が不可欠です。

麻酔

痛みを最小限に抑えるため、表面麻酔を施してから注射で麻酔を行います。注射の麻酔は、電動麻酔器を使用する歯科医院もあります。電動麻酔器を使用すれば、圧力をコントロールできるので痛みを軽減できます。

抜歯

麻酔が効いたら、専用の器具を使用して親知らずを抜きます。親知らずが完全に埋まっている場合は、周囲の骨を削ったり歯を分割したりしてから取り出します。この間、患者さまが痛みを感じた場合は、追加の麻酔を行います。

縫合と止血

抜歯後は、傷口が早く塞がるように糸で縫合します。傷口に止血用のスポンジを挿入することもあります。ガーゼを噛んで、圧迫止血を行います。

服薬

抜歯後は、抗生物質や鎮痛剤が処方されます。歯茎の腫れや感染を防ぐために、医師の指示通り服薬してください。

糸の除去

抜歯から1週間ほど経過し、傷口が塞がり始めたら糸を取り除きます。完全に回復するまでには数ヶ月かかることもありますが、通常は数週間で日常生活に支障がなくなります。

親知らずを抜いたあとの注意点

うがい薬

親知らずを抜いた後の適切なケアと注意点を理解することは、早期の回復と感染予防にとても重要です。以下、抜歯後に気をつけるべき主なポイントです。

出血の管理

抜歯後は、ガーゼをしっかりと噛んで圧迫し、出血を止めることが大切です。ガーゼは約30~60分間噛み続けてください。出血が続く場合は、清潔なガーゼやティッシュで再度圧迫止血を行います。

過度なうがいは避け、口腔内の血餅(けっぺい)を保つようにしましょう。血餅とは、抜歯窩に溜まった血が固まってできる塊です。かさぶたの役割を果たすため、血餅が取れてしまうと治癒が遅れるだけでなく、感染のリスクも高まります。

抜歯後の数日は、出血を最小限に抑えるために安静に過ごすことが重要です。

痛みと腫れの管理

麻酔が切れた後に痛みが出ることがあるので、処方された痛み止めを指示通りに服用してください。また、腫れが気になる場合は、患部を軽く冷やすと効果的です。

ただし、冷やしすぎは逆効果になることがあるので注意が必要です。冷却する際は、20分冷やして20分休むサイクルを繰り返すと良いでしょう。通常、腫れは抜歯後2~3日でピークを迎え、その後徐々に引いていきます。

食事

抜歯後は、硬い食べ物や刺激物(辛いもの、熱いもの、アルコールなど)は避けるようにし、柔らかい食事を摂りましょう。患部とは反対側で噛むようにして、飲酒や喫煙も避けてください。

飲酒や喫煙は、出血を促進し治癒を遅らせる可能性があるためです。初日はスープやヨーグルトなどの冷たい食べ物を選びましょう。熱い食べ物や飲み物は避け、口腔内の温度を一定に保つことが大切です。

口腔ケア

抜歯当日は、強いうがいや歯磨きを避け、翌日からは軽いうがいを行います。傷口周辺は特にデリケートなので、優しくケアを行いましょう。

口腔内の衛生を保つために、抗菌うがい薬を使用するのも有効です。食後にはぬるま湯で軽くうがいをして、食べ物の残りカスを除去します。

ただし、強くうがいするのは避けてください。ブラッシングの際も傷口を避けて、周囲の歯を優しく磨くようにしましょう。

安静と活動制限

抜歯後は安静に過ごし、激しい運動や長時間の入浴は避けるようにします。これらの行動は血行を促進し、出血や腫れを悪化させる可能性があります。

特に抜歯後24時間は、できるだけ横になって安静にすることが推奨されます。また、頭を高くして寝ると、腫れを軽減できます。

仕事や学校への復帰も、症状が落ち着くまでは控えるようにしましょう。

定期的なフォローアップ

抜歯後の経過を確認するために、歯科医師の指示に従い定期的な診察を受けましょう。異常な痛みや腫れ、出血が続く場合は、早めに歯科医院に相談してください。

通常、抜糸や消毒のために、1週間後に再度受診します。また、血餅が剥がれてしまうドライソケットなどの合併症を避けるために、経過観察を怠らないことが重要です。

まとめ

親知らずを持っている人

親知らずは、第三大臼歯とも呼ばれ、通常20歳前後に生えてくる歯です。正常に生える場合もありますが、多くは斜めや横向きに生えるため、虫歯や歯周病の原因となることが多いです。

抜歯が推奨されるのは、痛みや炎症を繰り返す場合や、周囲の歯に悪影響を及ぼす場合が挙げられます。正常に生えている場合や完全に埋まっている場合は、抜歯を避けることも可能です。

抜歯後は出血の管理、痛みや腫れの対処、適切な口腔ケアが重要です。親知らずに関する疑問や不安がある場合は歯科医師に相談しましょう。

親知らずの抜歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.07.30更新

インビザライン矯正中にマウスピースが割れたときの対処法と予防法

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザラインのマウスピース

インビザライン矯正中にマウスピースが割れるケースがあります。実際に割れた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、インビザラインのマウスピースが割れる原因と、割れた際の対処法・注意点を解説します。マウスピースが割れるのを防ぐ予防法も説明していますので、マウスピースの破損が心配な方はぜひ参考にしてください。

インビザライン矯正中にマウスピースが割れる原因

歯ぎしりが原因でマウスピースが割れた人

インビザライン矯正中にマウスピースが割れた経験がある方もいらっしゃるでしょう。マウスピースが割れる原因として、以下の4つが考えられます。

・歯ぎしりや食いしばり
・着脱方法が適切でない
・専用のケースで保管できていない
・装着したままの状態で食事をしている

それぞれの原因を詳しく解説します。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりがあると非常に強い力が加わるため、インビザラインのマウスピースが割れるリスクが高まります。歯ぎしりや食いしばりは就寝時に無意識に行われることが多いため、ご自身で意識して抑えるのは難しいでしょう。

着脱方法が適切でない

着脱方法が正しくないと、無理な力がマウスピースに加わり割れることがあります。着脱時にマウスピースを無理に引っ張ったり、マウスピースを噛んで装着したりしないようにしましょう。

正しい着脱方法が分からない場合は、歯科医院で確認してください。

専用のケースで保管できていない

マウスピースを外した際に専用のケースに入れていないと、マウスピースが割れる原因になります。専用のケースを使用しないと、紛失するリスクも高まるでしょう。

マウスピースを破損・紛失しないためにも、外したら必ず専用のケースに入れる習慣をつけてください。

装着したままの状態で食事をしている

インビザライン矯正中は、飲食時にマウスピースを外さなければなりません。マウスピースを装着したまま食事をすると、装置が割れる原因になるからです。

飲食の際にマウスピースを外し、飲食後は歯磨きとマウスピースの洗浄を行ってから再度マウスピースを装着するようにしましょう。

マウスピースが割れた際の注意点

マウスピースが割れた際の注意点イメージ

万が一、マウスピースが割れた際は以下の3つの点に注意しましょう。

・割れたままのマウスピースを使用しない
・自分で修理しない
・速やかに歯科医院を受診する

それぞれの注意点を詳しく解説します。

割れたままのマウスピースを使用しない

割れたマウスピースをそのまま使用しないでください。割れたまま使用すると、口の中を怪我したり正しくマウスピースを装着できなかったりする恐れがあります。

少しヒビが入った程度であれば、修理すればマウスピースをそのまま使用できることもあります。

しかし、破損の大きさによっては治療を計画通りに進行できない可能性もあるでしょう。また、そのまま使用するか、修理・作り直しが必要かは歯科医師が判断します。

自分で修理しない

マウスピースが割れた場合に、接着剤などを使用して自分で修理する方がいらっしゃいます。割れたマウスピースの修理は、絶対に自分でしないようにしましょう。

インビザラインのマウスピースは、歯の移動を考慮して緻密に作製されています。そのため、少しでもズレが生じると治療の進行に影響を及ぼす可能性があるのです。

自己判断で修理せず、まずは歯科医師に相談してください。

速やかに歯科医院を受診する

割れた状態のマウスピースは装着しないほうがいいですが、何も装着せずにそのまま過ごすのも良くありません。インビザライン矯正は、1日に20時間以上マウスピースを装着することで継続して歯に矯正力を加えて歯並びを整える矯正治療です。

何も装置を装着していないと治療が進まないだけでなく、元の歯並びに戻ろうとする後戻りを起こす可能性もあります。歯並びが乱れる原因にもなるため、何も装着しないまま放置せず、速やかに歯科医院を受診して相談しましょう。

インビザライン矯正中にマウスピースが割れたときは

インビザライン矯正中にマウスピースが割れて歯科医院へ相談している人

インビザライン矯正中にマウスピースが割れた際の対処法は、以下の2つです。

・歯科医院に連絡する
・1つ前もしくは次のマウスピースを使用する

それぞれの対処法について詳しく解説します。

歯科医院に連絡する

インビザライン矯正中にマウスピースが割れた場合は、まずは歯科医院に連絡してください。マウスピースの破損が少なければそのまま使用できることもありますが、破損の状態によっては修理や再製作が必要になることもあるでしょう。

ご自身で判断せず、必ず歯科医師の指示に従うようにしましょう。

1つ前もしくは次のマウスピースを使用する

修理や再製作が必要になった場合、マウスピースが完成するまでの期間は別のマウスピースを使用しなければなりません。この場合、治療の進行状況によって1つ前のマウスピースを使用したり、次のステージのマウスピースを使用したりすることが多いです。

そのため、交換済みのマウスピースも捨てずに保管しておいたほうがいいでしょう。1つ前のマウスピースと次のステージのマウスピースのどちらを使用するかは、歯科医師が判断するため自己判断で行動しないようにしてください。

インビザライン矯正中にマウスピースが割れるのを防ぐには

マウスピースを適切に着脱してケースにて保管している様子

インビザライン矯正のマウスピースが割れるのを防ぐ対策は、以下の4つがあります。

・マウスピースの着脱を適切に行う
・飲食時はマウスピースを外す
・マウスピースは専用のケースで保管する
・歯ぎしりや食いしばりの癖は相談しておく

それぞれの予防法を詳しく解説します。

マウスピースの着脱を適切に行う

マウスピースの着脱は丁寧に行うようにしましょう。無理な着脱をしていると、マウスピースに負担がかかって割れたり歪んだりする原因になります。

マウスピースの着脱が難しい場合は、歯科医師に相談して適切な着脱方法を指導してもらいましょう。

飲食時はマウスピースを外す

飲食時はマウスピースを外さなければなりません。マウスピースを装着したまま食事をすると、装置が破損するだけでなく虫歯や歯周病の原因にもなります。

飲食時はマウスピースを外し、再度マウスピースを装着する前には歯磨きと装置の洗浄を行ってください。

マウスピースは専用のケースで保管する

マウスピースを外した際は、専用のケースで保管するように習慣づけておきましょう。専用のケースに入れていなければ、誤ってマウスピースを落としたり踏んだりして割れるかもしれません。

外出先でティッシュにマウスピースを包んだまま誤って捨てたり紛失したりすることも少なくありません。マウスピースの破損・紛失を避けるためにも、装置は専用のケースで保管しましょう。

歯ぎしりや食いしばりの癖は相談しておく

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、インビザライン矯正ができないというわけではありません。

しかし、歯ぎしりや食いしばりによってマウスピースが破損するリスクを伴います。頻繁にマウスピースが破損するようであれば、治療が進まない可能性もあるでしょう。

そのため、歯ぎしりや食いしばりがある方は、事前に歯科医師に相談しておきましょう。歯ぎしりや食いしばりの原因を考え、症状を軽減するよう対処しておくことがマウスピースの破損予防にもつながります。

まとめ

インビザライン矯正をしている人

インビザラインのマウスピースは、違和感が少なくなるよう薄く作られているため割れる可能性があります。マウスピースが割れた場合、破損したマウスピースをそのまま使わないようにしましょう。

インビザラインのマウスピースは歯の動きを計算して緻密に作製されているため、少しのズレでも治療計画が崩れることがあります。自分で修理するのもやめましょう。

マウスピースが割れた際には、まずは歯科医院に連絡して対処法を確認することが大事です。1つ前のマウスピースや次のステージのマウスピースを使用することもあるため、マウスピースの交換後も捨てずに保管しておいたほうがいいでしょう。

インビザラインのマウスピースは、正しく取り扱うことで破損を防げます。割れないようにするためにも、着脱方法や保管方法、使用の注意点を確認しておきましょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.07.23更新

ジルコニアセラミックとは?メリット・デメリットや費用を解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

ジルコニアセラミックイメージ

歯の見た目を綺麗にしたいと考える方が被せ物をいれる際に候補に入る素材のひとつにジルコニアセラミックがあります。

しかし、ジルコニアセラミックとはどのような素材なのか、また選択することでどのようなメリットがあるのか知らない方も多くいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、ジルコニアセラミックとはどのような素材なのか、またどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。ジルコニアセラミックの費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ジルコニアセラミックとは?

ジルコニアセラミックイメージ

ジルコニアセラミックとは、二酸化ジルコニウムから作られたセラミックのことをいいます。ジルコニアと聞くと多くの方が宝石のジルコニアを想像するかもしれません。

宝石のジルコニアと歯科で使うジルコニアの違いは添加物の量です。歯科用ジルコニアでは添加物を減らしているため加工がしやすくなり、それぞれの歯にマッチした被せ物が作成できるようになっているのです。

これまで、審美歯科治療では陶材を使用したセラミックが一般的でした。

しかし、セラミックには強度をはじめ、さまざまな弱点がありました。セラミックの弱点を補完してくれるのがジルコニアセラミックなのです。

ジルコニアセラミックのメリット

ジルコニアセラミックのメリットイメージ

ジルコニアセラミックにはさまざまなメリットがあります。ジルコニアセラミックの治療を検討している方はこれらのメリットをしっかりと知っておきましょう。ジルコニアセラミックのメリットは、次の通りです。

強度が高い

セラミックの弱点であった強度を補っているのがジルコニアセラミックです。ジルコニアは人工ダイヤモンドといわれるほど強度が高いことが特徴です。

セラミックよりも強度が高く、通常のセラミックの10倍以上ともいわれていることから、セラミックでは簡単に割れる可能性がある奥歯にも使えます。また、人と接触するスポーツをしても割れる可能性がセラミックよりも低いといわれています。

割れにくいことから長い期間使用できるでしょう。

審美性が高い

ジルコニアセラミックは、陶材であるセラミックを使用しているため天然の歯のような白さを再現できます。色調の調整ができるため、ほかの歯と馴染むでしょう。天然の歯のような自然な見た目を再現できる点は大きなメリットといえます。

金属アレルギーの心配がない

金属の詰め物や被せ物を入れると唾液によって金属が溶けだして金属アレルギーの症状が現れることがあります。歯茎が黒ずむこともあるでしょう。

一方でジルコニアセラミックは、金属を一切使用していないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。歯茎が黒ずむ心配もありません。

虫歯になるリスクが低い

虫歯になるリスクが低い点もジルコニアセラミックのメリットです。セラミックの表面は滑らかで、汚れが付着しにくいという特徴があります。歯磨きをしっかりと行えば汚れを落とせるため、虫歯になりにくいのです。

ジルコニアセラミックのデメリット

ジルコニアセラミックのデメリットイメージ

さまざまなメリットがあるジルコニアセラミックですが、デメリットもあります。ジルコニアセラミックのメリットだけでなくデメリットについても知ったうえで検討しましょう。

ジルコニアセラミックのデメリットは、以下のとおりです。

支台歯の影響を受けやすい

ジルコニアセラミックは、歯を装着する支台歯の影響を受けやすいとされています。支台歯の色や形の影響を受けることから、ジルコニアセラミックそのものの審美性は高いのに支台歯のせいで審美性が低くなるというケースもあるのです。

費用が高額

ジルコニアセラミックをはじめとしたセラミック治療は保険が適用されません。そのため、費用が高額になります。

治療実績が少ない

ジルコニアセラミックは近年新たに出てきた歯科材料であることから治療実績がほかの歯科材料と比較してもまだまだ少ないのが現状です。そのため、ジルコニアセラミックを歯科材料として取り入れていない歯科医院もあるかもしれません。

ジルコニアセラミックを検討されている方は、取り扱いがあるか歯科医院で確認しましょう。

微調整が困難

ジルコニアセラミックは、一般的なジルコニアと比較すると扱いやすい素材となっている一方、歯科材料という観点で考えると扱いにくいため、微調整が困難です。

研磨や調整が非常に難しいことから、割れたり欠けたりした場合には修理ができず、最初から治療をしなければならないケースもあります。せっかく治療をしても、破損した場合にはまた1からやり直しになる可能性があるという点はデメリットといえるでしょう。

ジルコニアセラミックの費用

ジルコニアセラミックの費用イメージ

ジルコニアセラミックは審美治療のため保険が適用されません。自費診療になるため、歯科医院によって費用は異なりますが、1本あたり10~20万円程度が相場といわれています。

ジルコニアセラミックそのものの費用に加えて検査費用やアフターケアの費用がかかることもあります。費用に関しては、事前に歯科医院で確認しておきましょう。

なお、ジルコニアセラミックは貴金属材料のように価格の変動が少ないといわれています。そのため、時代の流れによって価格が大きく変わることは少ないです。

ジルコニアセラミックはどのような方に選ばれている?

虫歯治療を受けている人

ジルコニアセラミックのメリットとデメリットを踏まえたうえで、ジルコニアセラミックはどのような方に選ばれているのかを解説します。

人と接触するスポーツをする方

バスケットやサッカー、ラグビーなど人と接触する可能性があるスポーツをすると、歯が割れたり欠けたりする可能性があります。自分の歯でも割れたり欠けたりするリスクがあるためセラミックにおいてはその可能性がさらに高くなるでしょう。

上述のとおり、ジルコニアセラミックは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が高いジルコニアを使用しています。オールセラミックと比較しても強度が高いことから、人と接触するスポーツにおいて割れたり欠けたりするリスクが少ないとされているのです。

前歯の被せ物を検討している方

ジルコニアセラミックは色の調整が可能です。ほかの歯と馴染むように色の調整ができます。自然な見た目を再現できることから、見た目が重視される前歯にも使用可能です。前歯の治療において、耐久性だけではなく審美性も重視する方にも選ばれています。

奥歯の被せ物を検討している方

奥歯は前歯に比べて強い力がかかりやすいです。奥歯をぐっと噛みしめたときにかかる力は、最小で27.5kg、最大で100kgとされています。セラミックは陶器と類似した素材であるため、強い力が加わると割れることがあります。

一方でジルコニアセラミックはオールセラミックよりも強度が高いことから、強い力がかかっても簡単に割れることはないでしょう。そのため、奥歯の被せ物としてジルコニアセラミックは選ばれやすい傾向にあります。

参照元:日本歯科医師会「スポーツと歯科」

まとめ

ジルコニアセラミックイメージ

ジルコニアセラミックは、一般的なセラミックと異なり耐久性に優れていることが最大の特徴です。

そのため、人と接触するスポーツをしている方や奥歯をかみしめる癖がある方にも使用できます。また、色の調整が可能で、天然の歯のような白さを再現できることから前歯の被せ物としても選ばれています。

ただし、ジルコニアセラミックをはじめとしたセラミック治療は保険が適用されません。そのため、費用は高額になります。また、硬い素材であるため微調整が難しいという点もデメリットです。

これらの特徴を理解したうえで歯科医師に相談し、ご自身に合った素材を選択しましょう。

審美歯科治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。

マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.07.20更新

夏季休暇のお知らせ

8月11日(日)から8月15日(木)までを、夏季休業とさせていただきます。

ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.07.17更新

インビザラインで受け口は治る?治療期間や費用も解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザラインのマウスピースを持っている歯科医師

受け口を治したいと考え、インビザラインでの治療を希望している方もいるでしょう。インビザラインで受け口を治すことはできるのでしょうか。

今回は、インビザラインで受け口を治せるかどうかについて解説します。インビザラインのメリット・デメリットや治療にかかる費用、期間もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

受け口とは

受け口の人

受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前方に位置したり、下顎全体が上顎よりも前に突出したりしている状態のことです。専門的には、下顎前突や反対咬合と呼ばれます。

受け口は、歯槽性と骨格性の2つに大きく分けられます。歯槽性の受け口は主に歯の傾きや位置が原因で、骨格性の受け口は顎骨の成長異常や位置関係の問題によって起こります。

受け口を放置すると、虫歯や歯周病になりやすい、顎関節症を発症しやすいなどの問題が生じるでしょう。

受け口になる原因

受け口になる原因イメージ

受け口になる原因を確認しましょう。

遺伝的要因

受け口の原因の一つに、遺伝的要因が挙げられます。歯の大きさや骨格の特徴は、遺伝の影響を受けます。そのため、親や祖父母に受け口の特徴がある場合、子孫に遺伝する可能性があるのです。

ただし、遺伝的に受け口の傾向があるからといって、必ず受け口になるわけではありません。また、幼少期に受け口になる傾向がみられた場合には、顎の発達を抑える治療を行うことで防いだり症状を軽減したりできます。

悪習癖や口呼吸

幼少期から続く悪習癖は顎の成長や歯の位置に影響を及ぼし、受け口の原因になります。例えば、指しゃぶりの癖や、舌で下の前歯を前方に押し出す癖がある場合、年月の経過とともに下顎が前方に押し出され受け口になるかもしれません。

また、口呼吸をすると口を常に開けた状態になり、舌の位置が下がって気道を圧迫します。下顎を前に出して呼吸をするようになるため、受け口につながります。

上記の習慣は顎の正常な発育を妨げ、下顎が前に成長しやすくなる傾向があります。早期に改善することが重要です。

上顎と下顎のバランスの崩れ

上顎と下顎がバランスよく成長することで、適切な咬合関係が維持されます。そのため、下顎の過剰な成長は受け口の原因になります。また、上顎の成長が不十分な場合も、相対的に下顎が前方に突出しているように見えるでしょう。

下顎の成長が早く上顎の成長が遅いというように、成長期には一時的に上下の顎のバランスが崩れて受け口の状態になることがあります。多くの場合、成長を終える頃には両顎のバランスが整いますが、中には不均衡なままになるケースもあるでしょう。

受け口を放置するとどのようなリスクがある?

受け口を放置して虫歯になった人

受け口を放置した場合に、どのようなリスクがあるのか確認しましょう。

コンプレックスになる

受け口は、横顔のバランスが崩れたり顔の下半分が長く見えたりします。下顎が前方に突出することで、しゃくれ顔と呼ばれる顔貌になり、特に思春期においては外見に対して強いコンプレックスを抱く可能性があるでしょう。

写真を撮られることを避けたり、社交的な場面で消極的になったりします。長期的には自尊心の低下や社会生活での不安、精神的な問題につながる恐れもあるのです。

虫歯や歯周病になりやすい

受け口は、口腔内の衛生状態を維持することを困難にし、虫歯や歯周病のリスクを高めます。受け口で噛み合わせが悪いと、口の中が乾燥しやすくなるためです。

また、受け口と叢生などを併発している場合、歯磨きが困難になります。磨き残しが発生しやすく、歯垢や歯石が蓄積することによって虫歯や歯周病になるリスクが高まるでしょう。

咀嚼や発音への悪影響

受け口の状態では、上下の歯が正常に噛み合わないため、効率的な咀嚼が困難になります。特に、食べ物を上手く噛み切れず不便に感じるでしょう。食べ物を十分に咀嚼しないまま飲み込むと、胃腸に負担をかけて消化不良や栄養吸収の低下につながります。

また、受け口は、特定の音の発音が困難になる可能性があります。例えば、上下の前歯が正しく噛み合わないため、サ行やタ行の発音が不明瞭になることなどが挙げられます。発音の問題によって、会話に苦手意識を持つかもしれません。

歯や顎に負担がかかる

受け口は歯や顎に過度な負担をかけ、長期的には様々な健康問題を引き起こす可能性があります。正常な咬合では咀嚼力が歯全体に均等に分散されますが、受け口の場合は力の分散が不均衡になり、歯の摩耗や歯の動揺につながるのです。

また、顎への負担が増えれば、顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、顎関節と周囲の筋肉、靭帯などに問題が生じる疾患です。顎の痛みや、口を開閉する際に音が鳴るなどの症状が現れます。

インビザラインで受け口は治る?

インビザラインで受け口は治るか考えている人

インビザラインで受け口の治療を行うことは可能です。例えば、歯並びが原因であるの受け口の場合は、インビザラインで矯正が可能なケースが多いでしょう。

ただし、インビザラインは軽度から中程度の不正咬合に対して用いられる治療法です。顎の骨格に問題があるなどの重度の受け口は、インビザラインのみでは治療できないでしょう。

ワイヤー矯正や外科手術など、他の治療と組み合わせる必要があったり、症例によってはインビザラインで治療できなかったりします。

インビザラインで受け口を治すメリットは?

インビザラインで受け口を治すメリットイメージ

インビザラインで受け口を治すメリットを確認しましょう。

目立ちにくい

インビザラインで使用する矯正装置は薄い透明なマウスピースなため、装着していてもほとんど目立ちません。矯正していることに気づかれにくく、人前で話す機会が多い方にとって大きなメリットといえるでしょう。

取り外しができる

インビザラインのマウスピースは、取り外しが可能です。食事や歯磨きの際にはマウスピースを外すので、食べ物が矯正装置に詰まる心配がなく歯磨きも通常通り行えます。そのため、口内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減できるでしょう。

また、一日に必要な装着時間さえ確保できていれば、スピーチなど人前に出るときにマウスピースを取り外すこともできます。

通院頻度が低い

インビザライン矯正では、治療計画に基づいてマウスピースが作製されます。患者さまご自身で段階ごとにマウスピースを交換して治療を進めるため、頻繁に歯科医院に通う必要がないのです。

通院頻度は患者さまによって異なりますが、一般的には2〜3ヶ月程度です。忙しく、なかなか歯科医院を受診できない方でも治療を継続しやすいでしょう。

インビザラインで受け口を治すデメリットは?

インビザラインで受け口を治すデメリットイメージ

インビザラインで受け口を治すデメリットを確認しましょう。

自己管理が必要

インビザラインによる治療を成功させるには、マウスピースの自己管理が重要です。

インビザラインでは、1日20〜22時間以上マウスピースを装着する必要があります。マウスピースの装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間の延長などにつながるでしょう。

また、マウスピースの定期的な交換や適切な洗浄、紛失・破損の防止なども、患者さまご自身で行わなければなりません。そのため、自己管理が苦手な人にとっては大きな負担になるかもしれません。

管理不足によりマウスピースに何らかの問題が起きて使用できなくなった場合、再作製が必要になります。治療期間が長引く恐れがあるので、注意が必要です。

重度の受け口には不向き

インビザラインは、軽度から中等度の受け口の治療に対しては効果的ですが、すべての症例に適応できるわけではありません。骨格的な問題の重度の受け口などに対しては限界があり、インビザラインだけでは治療効果が得られないことがあります。

インビザラインで受け口を治す方法

インビザラインのマウスピース

インビザラインでは、装着するマウスピースを1〜2週間ごとに交換することで歯を動かし、歯並びを整えていきます。受け口を治す場合、下の歯を後退させながら上の歯を前に出すように歯並びを整えます。

ただし、歯を並べるスペースが足りない場合は抜歯が必要なケースがあります。また、歯の移動距離が大きい場合は、ある程度ワイヤー矯正で歯並びを整えたあとにインビザラインで最終調整を行うケースもあるでしょう。

治療中は定期的に歯科医院を訪れて進捗を確認し、必要に応じて治療計画の微調整を行います。

インビザライン治療が完了した後は、歯の位置を安定させるための保定期間が必要です。リテーナーと呼ばれる保定装置を使用して、矯正治療で移動した歯の位置を固定します。

インビザラインで受け口を治す場合の費用

インビザラインで受け口を治す場合の費用イメージ

インビザラインで受け口を治療する場合の費用は、受け口の程度などによって異なります。一般的には、70万円〜100万円程度です。

インビザラインは保険適用外の自費治療のため、歯科医院によっても費用が異なります。検査費や調整費などが別途かかる場合もあるので、歯科医院に詳しい費用を確認することが大切です。

インビザラインで受け口を治す場合の期間

インビザラインで受け口を治す場合の期間イメージ

インビザラインで受け口を治療する場合の一般的な治療期間は、1年~3年程度です。歯を動かす範囲や抜歯の有無などによって、かかる期間は変動します。

また、治療期間はインビザラインの装着状況によっても変化します。決められた装着時間を守っていなければ予定通りに歯が動かず、治療期間が長引く可能性があるでしょう。

予定していた治療期間内で治療を終えるには、装着時間をしっかり守ることが大切です。

まとめ

インビザラインで受け口治療をした人

インビザラインによって受け口を改善することは可能です。

ただし、インビザラインは軽度から中度の不正咬合に対して用いられる治療です。そのため、重度の受け口の治療には対応できないことがあります。

受け口は、外見がコンプレックスになったり、口腔ケアを妨げて虫歯や歯周病になりやすかったりするリスクがあります。受け口が気になっている方は、一度矯正治療に精通した歯科医院を受診してみましょう。

インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。

マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.07.09更新

歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響とセラミックの歯を守る方法

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックの歯

「歯ぎしりでセラミックの歯が傷つかないかな?」「セラミックの歯を傷つけないためにはどうすればいいの?」とお悩みではありませんか。歯ぎしりは自分では気づきにくいため、知らないうちにセラミックの歯にダメージを与えていることがあります。

本記事では、歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響や、セラミックの歯を守る方法について詳しく解説します。歯ぎしりに悩んでいる方や、セラミックの歯を長持ちさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

歯ぎしりとは?

歯ぎしりイメージ

歯ぎしりとは、睡眠中など無意識のうちに上下の歯を擦り合わせたり、噛み締めたりする動作のことです。歯ぎしりは歯の健康に悪影響を及ぼし、歯がすり減ったりグラグラしたりする原因になります。また、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こす可能性も高いです。

歯ぎしりには、次のようなタイプがあります。

クレンチング

クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる歯ぎしりのことです。食いしばりや噛みしめとも呼ばれます。

歯に大きな力が加わりますが、音がしないため自覚しにくく、他人に指摘されることも少ないので注意が必要です。クレンチングは日中や夜間を問わず行われ、長時間にわたり上下の歯に過度な負担を与え続けます。

グラインディング

グラインディングは、最も一般的な歯ぎしりのタイプです。上下の歯を強く噛みしめて左右に擦り合わせるため、歯やあごに大きな負担をかけます。

主に寝ているときに発生し、ギリギリと音が鳴るため他人に指摘されて初めて気づくことも多いでしょう。長期間続けると、歯が削れたり擦り減ったりすることによって噛み合わせの面が平らになる特徴があります。

タッピング

タッピングとは、上下の歯をカチカチと小刻みに噛み合わせる歯ぎしりのことです。寒さで震えている状態に似ています。

タッピング自体で強い力は加わりませんが、グラインディングやクレンチングのきっかけになることが多いです。

 歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因イメージ

歯ぎしりが起こるメカニズムは明らかになっていませんが、主な原因としては以下の4つが挙げられます。

・ストレスや疲労
・噛み合わせが悪い
・睡眠不足
・生活習慣

順番に見ていきましょう。

ストレスや疲労

歯ぎしりの主な原因の1つが、ストレスや疲労です。仕事や日常生活の中で感じたストレスや不安、憂鬱な気持ちなどを、歯ぎしりによって無意識に解消しているといわれています。

特に、仕事が忙しい時期や人間関係の悩みがあるときに、歯ぎしりが顕著に現れる傾向があります。

噛み合わせが悪い

噛み合わせや歯並びが悪いと、歯ぎしりを誘発しやすいです。噛み合わせが正しくないと、違和感を解消しようとして無意識に歯ぎしりをするのです。また、噛み合わせが悪いことで上下の歯が正しく合わず顎の筋肉が緊張し、歯ぎしりを引き起こす可能性もあるでしょう。

歯ぎしりを改善するには、噛み合わせを調整しなければなりません。高さの合っていない被せ物や詰め物をしている場合は、早めに歯科医師に相談して適切に対処してもらいましょう。

睡眠不足

睡眠不足も歯ぎしりの原因の1つです。深い眠りの際は筋肉の動きが抑制されるため、歯ぎしりが起こりにくいです。

しかし、浅い眠りの場合は筋肉の抑制が解け、咬筋(頬の筋肉)が動いて歯ぎしりが起こりやすいとされています。飲酒や喫煙、ストレスなどは眠りが浅くする原因になるため、注意が必要です。

また、枕やマットレスが体に合っていない、横向きやうつ伏せで寝ることなども、睡眠の質が低下して歯ぎしりを起こす原因になるでしょう。

生活習慣

生活習慣の乱れも歯ぎしりの原因の1つとされています。過度な飲酒や喫煙、カフェインの過剰摂取は睡眠の質を低下させ浅い眠りを引き起こすため、歯ぎしりの原因となるのです。

生活習慣を見直し、改善することが歯ぎしりの改善につながります。

歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響

セラミックの歯

歯ぎしりによる歯への負担は、体重の数倍から数十倍に達するといわれています。強い力が日常的に加わると、セラミックの歯にはどのような影響があるのでしょうか。

考えられる主な影響は、以下のとおりです。

セラミックの脱落

歯ぎしりによってセラミックに強い力がかかると、脱落するリスクがあります。歯ぎしりを断続的に行うことで、歯とセラミックを固定するための接着剤が劣化したり隙間が生じたりして、セラミックが脱落するのです。

とくに、左右に歯を擦り合わせるグラインディングをしていると隙間が生じやすくなるため、より一層セラミックの脱落につながるでしょう。

セラミックの破損

セラミックは審美性に優れた素材ですが、衝撃に弱く破損しやすいという特性があります。そのため、歯ぎしりによって強い力が加わると破損・摩耗につながる可能性があるのです。

破損したセラミックの歯は修復が難しい場合があり、新たなセラミックの歯の作製が必要になることもあるので注意が必要です。セラミックを長持ちさせるためには、歯ぎしりの改善が非常に重要であることがわかるでしょう。

歯ぎしりからセラミックの歯を守るためには

診察をする女性歯科医

歯ぎしりからセラミックを守るためには、噛み合わせの調整や生活習慣の見直しが重要です。他にも、セラミックの歯を守る方法はいくつかあります。

セラミック治療後の歯を保護するための方法は以下のとおりです。

ナイトガードを装着する

ナイトガードを使用すると、睡眠中の歯ぎしりからセラミックの歯を守ることができます。

ナイトガードとは、睡眠中に使用するマウスピースのことです。 装着することで、寝ている間に歯と歯が擦れ合うのを防ぎ、歯ぎしりによって歯に加わる力を軽減してくれます。睡眠中の歯ぎしりに悩んでいる方は、ナイトガードの使用を検討してみてください。

顔周りの筋肉のマッサージ

顔周りの筋肉をマッサージすることで、歯ぎしりの改善が期待できます。特に、咬筋(こうきん)や側頭筋のマッサージが効果的です。

咬筋は奥歯を噛みしめたときに固くなるエラ部分の筋肉です。親指をあごの裏に添えて他の指で円を描くように30秒間マッサージしましょう。

側頭筋は、こめかみの部分に位置する筋肉です。咬筋と同様に、円を描くようにマッサージします。

入浴後など血行が良い時に行うと、より効果的でしょう。マッサージオイルを使用すると摩擦が減り、筋肉をほぐしやすくなります。

ボトックス注射

ボトックスとは、ボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素から毒素を取り除いて抽出されたタンパク質の一種です。美容の世界ではシワ取りなどで使用されているボトックス注射ですが、歯科でも歯ぎしりの緩和を目的として使用されることがあります。

咬筋にボトックスを注射することで、筋肉の働きを弱めて歯ぎしりを軽減します。また、ボトックス注射をすることで、筋肉の緊張による頭痛や顎の痛みが緩和されることもあるでしょう。

定期的にメンテナンスを受ける

歯ぎしりのクセがある方は、セラミックやご自身の歯を守るために歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが重要です。歯ぎしりの原因の1つに噛み合わせの悪さがあるため、定期的に歯科医に噛み合わせをチェックしてもらいましょう。

また、セラミックの状態だけでなく、むし歯や歯周病の有無もチェックしてもらえば口腔内の健康を維持することにも役立ちます。症状がなくても、3〜6か月に一度はメンテナンスを受けましょう。

まとめ

セラミック歯の人

本記事では、歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響と、対策について詳しく解説しました。歯ぎしりは無意識のうちに上下の歯を接触させる行為であり、歯の摩耗や破損、顎の痛みなどの症状を引き起こします。

特に、セラミックの歯を装着している方々にとって、歯ぎしりによる影響は大きな問題でしょう。歯ぎしりの原因にはストレス・疲労・噛み合わせの悪さなどがあり、原因を取り除くことが歯ぎしりの改善につながります。

歯ぎしりに悩んでいる方やセラミックの歯を長持ちさせたい方は、この記事を参考にしてセラミックを長持ちさせる対策を取り入れてみてください。

セラミックを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

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