2024.02.06更新
セラミックの詰め物・被せ物が取れる原因とは?対処法も詳しく解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミックの詰め物や被せ物は長持ちしやすいといわれていますが、永久的に使えるものではありません。何らかの原因で、取れることもあります。
この記事では、セラミックの詰め物・被せ物が取れる5つの原因について解説しています。あらかじめセラミックが取れる原因を知ることで、詰め物や被せ物が取れることを予防できるでしょう。セラミックが取れた際に注意したいポイントや対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
セラミックの詰め物・被せ物が取れる原因
セラミックの詰め物・被せ物が取れる主な原因は、以下のとおりです。
虫歯
セラミックが取れる多くの原因は、詰め物・被せ物の土台の歯が再度虫歯になることです。セラミックで治療した歯は虫歯になりにくいとはいわれているものの、歯とセラミックのわずかな隙間から細菌が侵入して虫歯になることがあります。
セラミックの詰め物・被せ物の下の歯が虫歯になると、セラミックと歯の形が合わなくなって取れてしまうのです。
歯ぎしり・食いしばり
虫歯になっていなくても、歯ぎしり・食いしばりによって負担がかかってセラミックが取れることがあります。就寝中やスポーツの際など、無意識で行うことが多い歯ぎしり・食いしばりは、普段の噛む力の約3倍(100㎏以上)の負担を歯にかけるといわれています。
セラミックに過大な負担がかかることで、セラミックが欠けたり割れたりすることもあるので注意が必要です。
噛み合わせが悪い
噛み合わせがあっていない場合、セラミックに負担がかかって取れることがあります。セラミックを装着した直後はよくても、噛み合わせは徐々に変化します。
セラミックは自分の歯よりも丈夫で硬いため、天然歯だけがすり減って噛み合わせが悪くなることがあるのです。噛み合わせが変わることでセラミックに負荷がかかり、取れることがあります。
セメントの経年劣化
セラミックの詰め物や被せ物を歯に装着する際は、専用の接着剤を使用します。接着剤が経年劣化すると、セラミックが取れることがあります。
外傷・スポーツによる衝撃
事故などの外傷やスポーツによる強い衝撃などで、セラミックが取れることがあります。
特に、サッカーや野球などの球技や、ボクシングやラグビーなどの力がかかるスポーツは、歯やセラミックに負担がかかりやすいです。スポーツ用のマウスピースを使用するなど、負担を軽減しましょう。
セラミックの詰め物・被せ物が取れたときの注意点
セラミックの詰め物・被せ物が取れた際に注意したい5つのポイントを解説します。
セラミックが取れたまま放置しない
セラミックが取れて痛みがなくても、放置するのは絶対にやめましょう。歯は外側からエナメル質、内象牙質、神経の三層構造になっています。
セラミックの詰め物や被せ物をする際には、歯を削ります。セラミックが取れたままの歯は象牙質や神経がむき出しになっていることがあり、虫歯になるリスクが高くなります。刺激も伝わりやすくなるため、放置すると歯がしみたり痛んだりすることもあるでしょう。
セラミックが取れたまま放置すると歯の寿命を縮めることにつながるため、必ず歯科医院を受診してください。
自分で付け直さない
取れたセラミックを自分で付け直すことはやめましょう。セラミックをご自身で正しい位置に付けなおすことは難しく、付け直したとしてもすぐに取れる可能性が高いといえます。
食事中に取れた場合、セラミックやご自身の歯が欠けたり割れたり、間違って飲み込んだりするおそれがあります。就寝中にセラミックが取れた場合、気道に入る危険性もあるでしょう。
中には、瞬間接着剤を使用してセラミックを付け直す方がおられますが、これも絶対にやめてください。市販されている接着剤は歯科用ではないので、人体に有害な可能性があります。
また、歯科医院で治療する際、瞬間接着剤を使用しているとうまく外れず、削って壊すしかない場合もあるのです。
取れたセラミックを確認する
セラミックが取れたら、まずはお口の中を確認し、破片がある場合は取り除きましょう。鋭利なセラミックの破片によって、口内を傷つける恐れがあります。飲み込んで喉や食道を傷つけることもあるでしょう。
セラミックや歯の状態によりますが、取れたものを再装着できる可能性もあります。処分せずに大切に保管してください。
硬いものを噛まない
セラミックが取れた歯はもろいので、硬いものは食べないようにしましょう。セラミックが取れた歯で無理に硬いものを噛むと、歯が欠けたり割れたりすることがあります。
特に、神経を抜いた後の歯はもろく、破損しやすいため注意が必要です。ナッツなどの豆類、せんべい、するめなどの硬いものは、治療が終わるまでは避けましょう。
冷たいもの・熱いものを避ける
セラミックが取れた歯で冷たいものや熱いものを食べると、歯がしみたり痛んだりすることがあります。セラミックが取れた直後は何も症状がなくても、辛いものや酸っぱいものなど、刺激物を食べることで知覚過敏のような症状が出る場合もあります。
歯科医院に行くまでは、セラミックが取れた歯で無理に噛まず、刺激が少ないものを食べましょう。
セラミックの詰め物・被せ物が取れたときの対処法
セラミックの詰め物・被せ物が取れたら、以下の方法で対処しましょう。
なるべく早く歯科医院を受診する
何も症状がないからと放置していると、セラミックが取れた歯が新たに虫歯になったり、大きく歯が欠けたりする可能性があります。セラミックが取れたまま放置せず、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。
取れたセラミックを持参する
セラミックの詰め物・被せ物が取れた場合、欠けたり割れたりしていなければそのまま付け直しできる可能性があります。取れたセラミックは処分せず、歯科医院に持参しましょう。
取れたセラミックに強い力がかかると、変形したり破損したりすることがあります。ティッシュなどに包んで保管すると間違って捨てる可能性があるため、プラスチックなどの硬いケースに入れて保管してください。
お口の中を清潔にする
セラミックが取れた後の歯は、虫歯になりやすいといえます。歯科医院を受診するまでの間は、できるかぎりお口の中を清潔に保ちましょう。
セラミックの詰め物・被せ物が取れた歯に汚れがつかないよう、歯ブラシや歯間ブラシ・フロスなどを使用して丁寧に歯磨きしてください。
ただし、象牙質を強く磨くと神経に刺激が伝わって痛むかもしれません。痛みがある場合は無理に磨く必要はないでしょう。強く磨きすぎると歯が削れることもあるため、やさしく磨いてください。
セラミックの詰め物・被せ物を長持ちさせるためには
ここでは、セラミックの詰め物・被せ物を長持ちさせるための方法を解説します。
毎日の歯磨きで虫歯を予防する
セラミックが取れる多くの原因は、セラミックの詰め物・被せ物の下が虫歯になることです。虫歯によって土台の歯が溶かされ、詰め物や被せ物が取れてしまうのです。
そのため、日頃からできるだけ磨き残しを失くし、虫歯を予防することが欠かせません。虫歯になりやすい歯と歯の間や歯と歯茎の境目などは、歯間ブラシやフロス、タフトブラシなどを使用して歯磨きしましょう。
マウスピースを使用する
セラミックは、スポーツによる衝撃、歯ぎしり・食いしばりなどによる負担によって取れることがあります。
そのため、サッカーやボクシング、ラグビーなど力がかかりやすいスポーツをされている方は、スポーツ用のマウスピースを使用しましょう。歯ぎしり・食いしばりをする場合も、就寝中に装着するマウスピース(ナイトガード)を使用しましょう。
歯ぎしり・食いしばりは無意識で行うので、意識して治すのは難しいといわれています。上下の歯の間にマウスピースがあることで、歯ぎしり・食いしばりによる負担を軽減できるでしょう。
定期検診を受ける
セラミックを長持ちさせるためには、定期的に歯科医院で検診を受けることが欠かせません。
定期検診では、お口全体に虫歯や歯周病がないか、噛み合わせに問題がないか、セラミックの歯に異常がないかなどを確認できます。お口全体のクリーニングや歯磨き指導も行いますので、セラミックだけでなくお口全体の虫歯予防にも効果的です。
セラミック治療に保証を設けている歯科医院が多いですが、保証を受けるには定期検診を受けていることが条件になっているところがほとんどです。セラミックが取れたり破損したりしても、保証期間内であればすぐに対処してもらえるでしょう。
セラミック治療が終わったからといって通院を止めずに定期検診を受けましょう。痛みなどの症状がなくても、3~6か月に一度は検診を受けてください。
まとめ
セラミックの詰め物・被せ物が取れる主な原因は、詰め物・被せ物の下が新たに虫歯になることです。歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの悪さからセラミックに負担がかかることで取れる場合もあるでしょう。
何も症状がないからと放置していると、セラミックが取れた歯が新たに虫歯になったり、大きく歯が欠けたりする可能性があります。そのため、セラミックが取れたら、なるべく早く歯科医院を受診することが大切です。
セラミックの詰め物・被せ物が取れたとしても再装着できる可能性があります。取れたセラミックは処分せず、歯科医院に持参しましょう。
セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2023.12.05更新
セラミックとジルコニアの違いとは?費用や寿命など比較して解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミックとジルコニアはどちらも見た目が美しく、金属アレルギーの心配がない身体に優しい素材ですが「セラミックとジルコニアの違いは何?」「どちらを選ぶべき?」など疑問をもつ方もいるでしょう。
今回は、セラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説します。費用や寿命などの違いを比較して解説しますので、ご自身に合った治療法を選択するために、ぜひ参考にしてください。
セラミックとは?
セラミックとは、陶器と同じ素材を使用した詰め物・被せ物です。
天然歯のような透明感があり、自然な色調を再現できます。虫歯治療だけでなく、過去に金属で治療した詰め物・被せ物の交換や、歯並びや歯の形の改善、歯の変色の治療などに用いられる治療法です。
メリット
セラミックには見た目の美しさだけでなく、多くのメリットがあります。
セラミックのメリットは、以下の4つです。
審美性が高い
セラミックの最も大きなメリットは審美性の高さです。天然歯に近い色調を再現でき、透明感のある美しい見た目で隣の歯とよく馴染みます。天然歯と比べても、ほとんど見分けがつかないほどです。
歯茎が変色しない
金属の詰め物・被せ物を長期間使用すると、溶け出した金属イオンの影響で歯茎が黒っぽく変色することがあります。オールセラミックであれば金属を一切使用しないため、歯茎が変色する心配がないのです。
金属アレルギーの心配がない
オールセラミックは金属を使用していません。生体親和性が高く、身体に優しい素材のため、金属アレルギーの方でも安心して使用できるのです。
虫歯が再発しにくい
銀歯は歯との接合性が低く、長期間使用すると歯と銀歯の間にすき間や段差が生じます。歯と銀歯の間にすき間ができると歯垢や歯石が蓄積して、虫歯が再発するリスクがあるのです。
一方、セラミックは歯との接合性に優れており、歯とセラミックの間にすき間や段差が生じにくいため虫歯の再発リスクが低いです。また、セラミックは表面が滑らかで汚れが付着しにくいことからも虫歯になりにくいといえます。
デメリット
セラミックには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
セラミックのデメリットは、以下の3つです。
費用が高い
セラミックは保険が適用されません。そのため、保険が適用される治療と比較すると費用が高いです。
割れやすい
セラミックは陶器と同じ素材でできているため、陶器製の食器などと同じように割れやすいという特徴があります。
日常生活でセラミックの歯が割れるほどの強い衝撃が加わることはあまりありませんが、歯ぎしり・食いしばりによって割れる可能性があるのです。特に就寝中、無意識で行っていることが多い歯ぎしり・食いしばりは、歯に大きな負担をかけます。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合、ナイトガードを使用することで歯への負担を軽減できるでしょう。
健康な歯を削る
セラミックは薄いと割れる可能性が高いため、一定の厚みが必要になります。一定の厚みをもたせるために、健康な歯を削る量が多くなるのです。
健康な歯を削ると歯の寿命を縮めることになるため、歯を削るデメリットを十分に理解したうえで治療法を選択しましょう。
ジルコニアとは?
ジルコニアとは、二酸化ジルコニウムという素材を使用した詰め物・被せ物です。
人工ダイヤモンドとも呼ばれており、強度が非常に高いという特徴があります。セラミックと同様に天然歯に近い白さと透明感を再現することが可能です。
メリット
ジルコニアにはセラミックにはないメリットがあります。
ジルコニアのメリットは、以下の6つです。
審美性が高い
以前のジルコニアは透明感がなく白っぽく見えるのがデメリットでした。
しかし、最近では透過率の高いジルコニアが登場し、天然歯に近い自然な透明感・色調を再現できるようになりました。
強度が高い
ジルコニアは、非常に強度の高い素材です。そのため、噛み合わせが強い奥歯の治療や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方の治療に使用しても、割れることや欠けることがほとんどありません。
しかし、強度が高いとはいえ破損しないとは言い切れません。歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は歯科医師に相談し、ナイトガードの使用などの対応策を検討しましょう。
幅広い治療に対応できる
ジルコニアは強度と審美性を兼ね備えているため、前歯はもちろん、強度を必要とする奥歯も白く修復することが可能です。また、詰め物・被せ物だけでなく、入れ歯やブリッジ、インプラントの人工歯としても使用できます。
歯茎が変色しない
ジルコニアもセラミックと同様に金属を使用しないため、歯茎が変色する心配がありません。
金属アレルギーの心配がない
ジルコニアは金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。生体親和性が高く、身体に優しい素材のため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
虫歯が再発しにくい
ジルコニアはセラミックと同じように接合性に優れているため虫歯が再発しにくいです。強度が高く表面が傷付きにくいことからも、虫歯になるリスクは低いといえるでしょう。
デメリット
ジルコニアにはセラミックにはないメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ジルコニアのデメリットは、以下の4つです。
破損する可能性がある
ジルコニアは非常に強度が高い素材ですが、あくまで人工物なので破損するリスクはゼロではありません。特に、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は破損する可能性があるため注意しましょう。
修理が難しい
ジルコニアは、不具合が起こっても修理が難しいです。不具合が起こったときは作り直しが必要になるでしょう。
費用が高い
ジルコニアは保険が適用されません。そのため、保険が適用される治療に比べて費用が高いです。治療を開始する前に、カウンセリングで費用を確認しましょう。
歯根や噛み合う歯への負担が大きい
ジルコニアは非常に硬いため、歯根や噛み合う歯への負担が大きいです。歯科医院で定期的に噛み合わせの調整を行う必要があります。
セラミックとジルコニアの違い
セラミックとジルコニアにはそれぞれにメリット・デメリットがあるため「どちらを選べばいいのかわからない」という方もいるでしょう。
治療を検討する際の参考になるよう、セラミックとジルコニアの違いを表にまとめました。
<セラミックとジルコニアの違い>
セラミック | ジルコニア | ||
審美性 | 非常に高い | 高い | |
強度 | 高い | 非常に高い | |
寿命 | 7~10年 | 10~15年 | |
変色のリスク | 心配ない | 心配ない | |
虫歯の再発リスク | 低い | 低い | |
金属アレルギー | 心配ない | 心配ない | |
費用 | 詰め物 | 55,000〜80,000円 | 44,000~70,000円 |
被せ物 | 80,000〜220,000円 | 55,000〜110,000円 |
審美性の違い
セラミックとジルコニアはどちらも審美性に優れていますが、セラミックはより透明感のある自然な見た目となります。ジルコニアも天然歯に近い色調を再現でき透明感も十分ありますが、セラミックには少し劣るでしょう。
強度の違い
強度ではセラミックよりジルコニアのほうが圧倒的に優れています。セラミックは割れやすく、万が一破損したら再治療が必要になり、その分時間と費用がかかります。
一方で、ジルコニアは非常に硬い素材なので割れにくいです。そのため、奥歯の治療や歯ぎしり・食いしばりの癖がある方の治療に適しています。
費用の違い
セラミックとジルコニアはどちらも保険が適用されないため、費用は高額です。費用の違いは大きくはありませんが、ジルコニアのほうが少し安いでしょう。
セラミックが適している方
セラミックは、以下のような方に適しています。
・前歯を治療する方
・見た目の美しさを重視したい方
セラミックは透明感があり天然歯のような自然な色調を再現できるため、目立ちやすい前歯を治療する方に適しています。割れやすいというデメリットはありますが、見た目の美しさを重視したい方に適した治療法といえるでしょう。
ジルコニアが適している方
ジルコニアは、以下のような方に適しています。
・奥歯を治療する方
・歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
・スポーツなど歯に衝撃が加わる機会が多い方
ジルコニアは強度に優れているため、顔に強い衝撃を受けても割れる心配がほとんどありません。野球やサッカー、ラグビーなどのスポーツで、ボールやプレイヤーとの接触によって強い衝撃を受ける可能性がある方にはジルコニアが適しています。
また、ジルコニアは割れることや欠けることがほとんどないため、奥歯の治療や歯ぎしり癖・食いしばりの癖がある方の治療にも適しているでしょう。
破損によって再治療が必要になると、その分費用もかかります。そのため、強度を重視したい方に適しているといえるのです。
まとめ
今回は、セラミックとジルコニアの違いについて詳しく解説しました。
セラミックとジルコニアはどちらも多くのメリットがある治療法ですが、審美性や強度、費用、寿命などに違いがあります。納得して治療を受けるためには、それぞれの治療法を比較検討することが重要です。
今回ご紹介したセラミックとジルコニアの特徴やメリット・デメリットを参考に、ご自身に合った治療法を選択しましょう。
セラミックやジルコニアでの治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2023.11.07更新
セラミック歯の値段はどれくらい?治療にかかる費用内訳も解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
セラミック歯は高額なイメージがあるため、値段が気になり治療を受けるかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。
セラミック歯には多くの種類がありますが、基本的には保険が適用されません。歯科医院によって値段が異なるため、治療を検討する際は相場を把握するとよいでしょう。
今回は、セラミック歯の値段を種類ごとに解説します。値段の内訳や保険適用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
セラミック歯とは?
セラミック歯とは、審美性に優れたセラミックを使用した詰め物・被せ物のことです。虫歯治療で歯を削った際は、削った部分の機能を回復するために詰め物・被せ物をします。
詰め物・被せ物といえば銀歯をイメージする方が多いと思いますが、天然歯に近いセラミックを選択することもできます。セラミック歯の特徴は、以下のとおりです。
・透明感があり、天然歯に近い色調に調整できる
・強度がある
・経年劣化しにくく長持ちする
・表面がなめらかで汚れが付着しにくい
・着色・変色しにくい
・虫歯の再発リスクが低い
・生体親和性が高く馴染みやすい
・金属を使用しない場合は、金属アレルギーの心配がない
セラミックは天然歯のような自然な色に調節できるため、本物の歯と見分けがつかないこともあるでしょう。そのため、前歯などの目立ちやすい場所の治療にも適しています。
セラミック歯の値段はどれくらい?
セラミック歯には多くの種類があり、値段がそれぞれ異なります。セラミック歯の種類ごとの値段を詳しく確認しましょう。
オールセラミック
オールセラミックの値段は、詰め物の場合40,000~80,000円、被せ物の場合80,000~220,000円が相場です。オールセラミックは、すべてセラミックでできた詰め物・被せ物のことです。
天然歯と見分けがつかないほどの白さと透明感があり、変色もほとんどしません。歯垢や食べかすなどの汚れが付着しにくいため、虫歯の再発リスクが低いのも特徴です。
ただし、強度はジルコニアセラミックより低く、割れることがあります。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックの値段は、詰め物の場合30,000~60,000円、被せ物の場合100,000~200,000円が相場です。ジルコニアセラミックは、審美性と強度を兼ね合わせた詰め物です。
柔軟性があり割れにくいため、噛み合わせが強い奥歯などにも使用できます。また、天然歯に近い色に調整できるため、審美性に優れています。
しかし、非常に硬いため、噛み合う歯を傷めることがあるのがデメリットです。
メタルボンド
メタルボンドの被せ物の値段は、80,000~150,000円が相場です。メタルボンドとは、金属の土台にセラミックを焼き付けた被せ物のことを指します。
表面はセラミックなので天然歯に近く、審美性に優れています。
ただし、オールセラミックと比較すると白さや透明感は劣るでしょう。メタルボンドの土台は金属でできているため強度がありますが、角度によっては金属の土台が見える可能性があります。また、金属を使用しているため、金属アレルギーの方は使用できません。金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむこともあります。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックの値段は、詰め物の場合は約30,000円、被せ物の場合は40,000~80,000円が相場です。
ハイブリッドセラミックは、適用条件を満たせば保険が適用されますが、自費診療のハイブリッドセラミックのほうが審美性に優れています。また、保険適用のハイブリッドセラミックは、被せ物にしか使用できません。保険が適用された場合は10,000円程度で受けられるでしょう。
ハイブリッドセラミックとは、セラミックにレジンを混ぜた詰め物・被せ物です。レジンが混ざっているため、ほかのセラミック歯よりも値段を抑えられます。時間が経つと変色しますが、保険適用のレジンよりは変色しにくいです。
セラミック歯の治療にかかる費用の内訳
セラミック歯の治療には、セラミック自体の費用のほかに、初診・カウンセリングや虫歯治療、治療後のメンテナンスなどに費用がかかります。費用の内訳を確認しましょう。
初診・カウンセリング
虫歯治療で初めて受診した際は、お口の中の診察やレントゲン撮影などの検査を行って治療方針を決めます。初診料が発生するため、3割負担で3,000~4,000円程度かかるでしょう。
また、セラミック歯の治療に入る前は、治療内容や値段などについてカウンセリングを行います。カウンセリング値段の相場は、無料~5,000円です。
虫歯治療
虫歯治療にかかる値段は、虫歯の進行度によって異なります。虫歯治療には保険が適用されるため、窓口での支払い額は負担割合に応じた金額です。
進行度別の値段の目安は、以下のとおりです。
<進行度に応じた値段の目安>
進行度 | 状態 | 値段の目安 (3割負担の場合) |
---|---|---|
軽度 | エナメル質に留まる虫歯 | 3,000円 |
中等度 | エナメル質だけでなく、象牙質にまで及んでいる虫歯 | 2,000~10,000円 |
神経まで達する | 抜髄(ばつずい)や根管治療が必要な虫歯 | 7,000~20,000円 |
重度 | 歯の上部が完全になくなって神経が壊死し、抜歯が必要な状態 | 3,000~20,000円 |
虫歯が重度まで進行して抜歯が必要な状態になると、ブリッジや入れ歯、インプラントを選択することになります。一般的に、虫歯は進行すればするほど値段が高くなるため、早期治療を心がけましょう。
治療後のメンテナンス
治療後のメンテナンスにかかる値段は、3割負担で1回あたり3,000~4,000円が目安です。メンテナンスの頻度は状態によって異なります。
適切に歯磨きできない方や、虫歯や歯周病になりやすい方は1~2か月に1回、お口の状態に問題がなくしっかりケアできている方は、3~6か月に1回のペースでよいでしょう。
メンテナンスの内容は、以下のとおりです。
・虫歯・歯周病のチェック
・歯垢・歯石の除去
・染め出し
・ブラッシング指導
・生活習慣指導
・フッ素塗布
セラミック歯は、保険治療で使用される素材に比べて長持ちしますが、メンテナンスをしっかり受けていることが前提です。虫歯が再発しにくいセラミックでも、メンテナンスを怠ると虫歯や歯周病にかかり、寿命が短くなる可能性があります。
セラミック歯を長持ちさせるためには、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、詰め物や被せ物の状態、虫歯や歯周病の有無などを確認することが大切です。また、歯の健康を守るためには、歯科医院でのメンテナンスだけでなく、自宅でのセルフケアも非常に重要です。
メンテナンスの際に歯科医師や歯科衛生士からケア方法の指導・アドバイスを受けると、正しいケアを継続できるでしょう。
セラミック歯の治療は保険が適用される?
セラミック歯の治療は、基本的に保険適用外です。健康保険が適用されるのは、虫歯などで失われた機能の回復を目的とした治療に限られているためです。
セラミック歯は機能の回復に加え、審美的な目的で行われることが多いです。そのため、自由診療で治療費は全額自己負担となります。
ただし、ハイブリッドセラミックは、適用条件を満たす症例であれば保険が適用されます。セラミックと歯科用プラスチックを材料として使用したCAD/CAM冠という被せ物で、日本では2016年4月から保険が適用されるようになりました。
2016年の段階では小臼歯のみの適用でしたが、2023年10月現在、多くの歯を保険適用で治療できるようになっています。CAD/CAM冠の保険適用条件は、以下のとおりです。
・前歯〜第二小臼歯の治療である
・第一大臼歯の場合、上下左右すべての第二大臼歯が残っている
・第二大臼歯の場合、金属アレルギーと診断されている
CAD/CAM冠の治療では、破損を避けるために銀歯やセラミック治療より歯を多く削る必要があります。また、保険治療を行った部分は原則2年間、保険での再治療ができません。破損などのトラブルが起きた場合は、修理するか自費で作り直す必要があります。
また、CAD/CAM冠はどの歯科医院でも治療を受けられるわけではありません。厚生労働省に承認された歯科医院のみ取り扱える治療法です。
CAD/CAM冠での治療を検討している方は、事前に歯科医院に確認しましょう。
まとめ
セラミック歯は、審美性に優れたセラミックを使用した詰め物・被せ物です。保険適用の詰め物・被せ物は見た目が悪く、劣化しやすい、虫歯の再発リスクが高いなどのデメリットがあり、比較的短期間で再治療が必要になるでしょう。
セラミック歯は基本的に保険が適用されないため値段は高額ですが、審美性や機能性、耐久性に優れており、メリットの多い治療です。セラミック歯には多くの種類があるため、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、ご自身に合った治療法を選択することが大切です。
セラミック歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2023.10.29更新
ジルコニアの歯とは?メリットや治療の流れを解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
歯に詰め物や被せ物をするセラミック治療では、陶器で作られた素材を使用するのが一般的でした。
しかし、近年では、審美性の高さや丈夫さからジルコニアを選ぶ方が増加しています。従来のセラミックとジルコニアは、どのように違うのでしょうか。
今回は、ジルコニアの歯の選ぶメリット・デメリットや、セラミックとの違い、治療の流れを解説します。
ジルコニアの歯とは?
歯のセラミック治療とは、白く透明感のあるセラミックという素材を詰め物・被せ物に使用する治療法です。歯科治療におけるジルコニアはセラミックの一種で「ジルコニアセラミック」とも呼ばれています。
ジルコニアという素材は、二酸化ジルコニウムを指します。人工ダイヤモンドとも呼ばれ、宝飾品などにも使用されている素材です。透明度が高く美しい素材であり、強度と耐久性にも優れています。
ジルコニアは加工が難しい素材ですが、技術と研究の進歩によって歯の治療に使用される機会が増加しました。
ジルコニアとセラミックの違い
従来のセラミック治療では、白い陶器で作られた素材を使用することが一般的でした。陶器素材はオールセラミックとも呼ばれています。
ジルコニアと従来のセラミックの違いは、以下のとおりです。
強度
従来のセラミックは陶器素材なので、脆く割れやすいという特徴があります。そのため、噛み合わせが強い奥歯や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある人には向きませんでした。
ジルコニアは強度が高く、金属に匹敵するほどの耐久性があります。奥歯の治療にも向いており、適応できる歯が多いといえるでしょう。
見た目
ジルコニアは白く審美性の高い素材ですが、透明感に欠けています。セラミックは白く透明感があり、色調も比較的自由に再現できます。
そのため、前歯の治療では従来のセラミックが使用されることが多いです。
寿命
従来のセラミックは、衝撃を受けることや、歯に力が加わることで、破損するリスクがあります。ジルコニアは強度が高いので、セラミックが破損するような衝撃が加わっても耐えられるでしょう。
従来のセラミックよりも寿命が長いといえます。
ジルコニアのメリット・デメリット
歯の治療にジルコニアを使用するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
ジルコニアの歯にするメリットは、以下のとおりです。
強度・耐久性が高い
ジルコニアは従来のセラミックの何倍もの強度があり、前歯だけではなく奥歯にも適応できます。
セラミックの場合は転倒する、ボールが顔にぶつかるなど、顔に衝撃を受けると割れることがありました。再治療が必要になり、手間とコストがかかります。
一方で、ジルコニアは顔に衝撃を受けても割れる可能性は低いです。金属と比較されるほど強く、金属よりも劣化しにくいので耐久性も高いといえます。
虫歯になりにくい
詰め物・被せ物治療では、虫歯の再発に注意が必要です。金属の詰め物は天然歯との間にすき間ができやすく、細菌が入り込んで虫歯の再発を引き起こす可能性が高いといえます。
しかし、セラミックの詰め物はすき間ができにくく細菌が入り込みにくいため、虫歯の再発を防止します。ジルコニアはセラミックの一種なので、虫歯の再発予防に最適な素材といえるでしょう。
また、ジルコニアは経年劣化しにくいことも特徴です。時間が経過してももとの歯に密着し続けるので、長期に渡って虫歯を防いでくれます。
審美性が高い
ジルコニアを含め、セラミック素材で作る歯は天然歯のような色調を再現することが可能です。金属のように目立つことはなく、歯茎が変色することもありません。
患者様一人ひとりの歯に合った色調を再現できるため、自然な仕上がりになります。変色しにくい素材なので、長期的に白く美しい見た目を維持できるでしょう。
身体に優しい
ジルコニアを含めたセラミック治療では金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも装着できます。銀歯は数年で口の中で溶け出すといわれており、虫歯の再発や歯周病、歯茎の黒ずみなどを引き起こします。
ジルコニアは口の中で溶け出す心配がないため、安心して使用できるでしょう。
デメリット
ジルコニアはメリットが多いですが、デメリットも存在します。
研磨や調整が難しい
ジルコニアは非常に硬いため、歯科医師や歯科技工士による研磨・調整が難しいことがデメリットです。
詰め物・被せ物では、歯の形にしっかりと合わせることが大切ですが、ジルコニアは歯にぴったり合わせるための研磨や調整に高いレベルを要します。そのため、歯科医師の技術が治療結果を左右するといえるでしょう。
歯を削る量が多くなる可能性がある
ジルコニアは、歯を削る量が多くなることがあるといわれています。
ただし、歯を削る量は歯の状態や歯科医師によって異なるため、一概にはいえません。
自由診療になる
ジルコニアを含むセラミック素材には、保険が適用されません。自由診療になるため、治療費は保険診療に比べると高額になります。
しかし、銀歯に比べると治療後のメンテナンスを行いやすいことや、審美性が高いことなど、メリットは多いです。
ジルコニアの治療の流れ
ジルコニアは、セラミック治療や虫歯治療、インプラント治療などさまざまな治療で用いられます。ジルコニアの歯にする治療の流れは、以下のとおりです。
仮歯に置き換える
虫歯部分の歯を削り、すでに被せ物をしている場合は古い被せ物を除去します。そして、口元に合わせた仮歯を作ります。
噛み合わせや最終的な歯の形を決める大切な段階なので、型取りをして仮歯を作ることもあるでしょう。
歯の根の治療をする
歯の根に炎症が起きている場合は、根幹治療を行います。歯の神経は残せるように治療を進めるのが一般的ですが、歯の神経を取ることもあるでしょう。
歯の土台を作る
ジルコニアを装着するには、歯の土台が必要です。土台を立てることで、被せ物の審美性を高めながら歯の根への負担を軽減します。
型取りをする
シリコンの材料で歯の型取りをします。最終的な被せ物を作るための型取りなので、歯の色などを相談しながら決定してください。型取りをしたあとは、技工所で被せ物が作成されます。
被せ物を装着する
完成した被せ物を装着し、噛み合わせを調整します。問題がなければ、専用の材料で被せ物を接着して治療は完了です。
ジルコニアはどのような人におすすめ?
ジルコニアは、強度が高い、審美性に優れているなどメリットの多い素材です。ジルコニアの治療は、次のような人が向いています。
・嚙む力が強い奥歯を治療する人
・歯ぎしりや食いしばりの癖がある人
・丈夫さを求める人
・金属アレルギーのある人
・身体に安全な素材で治療したい人
歯の治療では、治療する場所や嚙み合わせなどによって素材を慎重に選ぶことが大切です。選んだ素材によって仕上がりが異なるため、治療前は歯科医師としっかり相談しましょう。
まとめ
ジルコニアは、人工ダイヤモンドといわれるほど強度と耐久性に優れており、セラミック治療で注目されている素材です。従来のセラミックよりも割れにくいため、奥歯の治療にも適しています。
費用を抑えたい場合は樹脂や銀歯という選択肢もありますが、審美性や身体への負担という面ではジルコニアに劣ります。歯の治療法は数多くあるので、患者様自身が後悔しない治療を受けることが大切です。
どのような素材がご自身に適しているのか、歯科医師としっかり相談して決めてください。
ジルコニアの歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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