2024.10.29更新
重度の歯周病の症状と治療方法!費用や期間、放置するとどうなるのか
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
「歯科医院で重度の歯周病と診断された」「重度の歯周病を放っておくとどうなるの?」という方もいらっしゃるでしょう。「重度といわれても、どのような状態なのかイメージがつきにくい」と感じている方もいるかもしれません。
今回は、重度の歯周病の症状や治療方法、治療にかかる費用と期間、放置するリスクなどについて解説します。
重度の歯周病の症状
重度の歯周病と聞いても、具体的にはどのような症状がでるのか分からないという患者さんも多いのではないでしょうか。ここでは、そもそも歯周病とはどのような病気なのか、重度の歯周病とはどのような状態を指すのかとあわせて、重度の歯周病の症状を解説します。
歯周病とは
歯周病とは、歯周病菌によって引き起こされる炎症性の疾患のことです。歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)に細菌が蓄積することにより引き起こされます。
初期の段階では自覚できる症状がないことがほとんどですが、進行にともなって歯周ポケットが深くなり、出血や歯ぐきの腫れ、膿などの症状が現れます。「そのまま放っておけば治るのではないか」と考える方もいますが、歯周病が自然に治ることはありません。
そのまま放っておけば病気は進行し、最悪の場合には歯が抜け落ちることもあります。歯周病は口の中だけの病気だと考える方は多いかもしれませんが、全身疾患と関連していることも明らかになっています。
治療せずに放置するとさまざまなリスクを伴うため、早めに治療を受けることが重要です。
重度の歯周病とは
歯周病の段階は、歯周ポケットの深さで判断されます。健康な歯ぐきの状態では歯周ポケットは1~2mm、軽度の歯周炎では3~5mm、中等度では4~7mm、重度では6mm以上となります。
重度の歯周病は、歯を支える骨の2/3以上は破壊されている状態です。
重度の歯周病の症状
重度の歯周病になると、歯がグラグラと動いたり食べ物を噛みにくくなったりする症状がみられます。また、歯肉は下がり、歯根が露出することも特徴です。露出した歯根には大量の歯石が付着していることも確認できるでしょう。
さらに、歯肉が赤く腫れて、歯と歯肉のすき間から膿が出ることもあります。朝起きた際に口の中がネバついたり、血の味がしたりすることもあるでしょう。血や膿の影響で、口臭が強くなることも重度の歯周病の症状として挙げられます。
重度の歯周病の治療方法
重度の歯周病の治療には、いくつかの種類があります。ここでは、代表的な治療方法について解説します。
歯周病の基本治療
歯周病の段階に関係なく、基本治療が行われます。基本治療とは、歯周病の原因となる歯垢や歯石の除去、噛み合わせの調整など、口腔内の環境を改善するための治療のことを指します。
歯周病の基本治療では、歯科医院で行うクリーニングなどはもちろん、患者さん自身が自宅で行うセルフケアも重要となります。
FMD
FMD(フルマウスディスインフェクション)とは、歯周病菌に効く抗生剤の服用とバイオフィルムの除去を行う治療です。一度できたバイオフィルムは普段のブラッシングだけでは除去できませんので、歯科医院でプロのクリーニングを受ける必要があります。
身体の中と口腔内、両方から歯周病菌の除去にアプローチすることで、治療の効果を高めます。
歯周外科治療
歯周病が重度まで進むと、歯の根っこの深い部分にまで歯石が付着するため通常の器具では取り除くことが難しくなります。歯ぐきを直接切開して歯根を露出させ、歯石を除去完璧に除去しなければなりません。
なお、治療の際は麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯を支える組織を再生させる治療です。失われた組織を再生するために薬剤を使用します。薬剤には、エムドゲイン、幹細胞サイトカイン、CGF、AGFなどいくつか種類がありますが、歯科医院によって使用するものは異なります。
歯周補綴療法
重度の歯周病の状態では、歯を支える骨の半分以上が溶けて歯がグラグラしてきます。そのような状態では、食べ物を噛む際に支障が出るだけでなく、クリーニングやセルフケアもしにくくなるでしょう。
そのため、グラグラしている歯を被せ物で固定し、安定させる治療を行います。歯が安定することにより歯周治療が行いやすくなるだけでなく、噛み合わせの回復も目指せます。
抜歯
歯がグラグラしている重度の歯周病であっても、まずは歯を残すための治療が行われます。
しかし、残すことによるリスクが高い場合や残せる見込みがない場合には、抜歯を検討しなければなりません。
重度の歯周病の治療にかかる費用と期間
歯周病の治療にかかる費用や期間は、歯ぐきの状態や進行具合などによって異なります。ここでは、重度の歯周病の治療にかかる費用と期間の目安について解説します。
重度の歯周病の治療にかかる費用
歯周病治療には、基本的に保険が適用されます。
ただし、費用は重症度によって異なります。軽度の場合の治療費は5,000円~1万円、中等度では1万円~1万5,000円が目安です。
重度の歯周病になると、1万5,000円~2万円程度が目安でしょう。重度の歯周病では治療完了までに何度も通院する必要があるため、保険適用でもトータルで10万円以上かかるケースも珍しくありません。
重度の歯周病の治療にかかる期間
重度の歯周病の場合、8回~10回程度の診療が必要となります。患者さまの口腔内の状態にもよりますが、治療期間は1年以上に及ぶことも考えられるでしょう。自費診療を選択することにより、通院回数を少なくすることは可能です。
ただし、この場合には、1回あたりの治療費が3万円~5万円と高額になります。通院回数を少なくできるかどうかは、かかりつけの歯科医院と相談しましょう。
重度の歯周病を放置するとどうなる?
重度の歯周病を放置していても自然に治ることはありません。それどころか、さまざまなリスクが生じますので注意が必要です。
以下では、重度の歯周病を放置するリスクについて解説します。
食生活に影響が出る
重度の歯周病では、歯を支える骨の半分以上は破壊されています。歯ぐきが下がって腫れ上がり歯がグラグラとするため、食べ物を噛みにくくなることがあるでしょう。また、それほど硬くない食べ物であっても、噛んだ時に痛みが生じることも考えられます。
口臭が悪化する
重度の歯周病では、歯と歯ぐきのすき間から血や膿が出ます。毎日歯磨きやマウスウォッシュなどをしていても、口臭が悪化していくでしょう。
ご自身の口臭に気づくのは非常に難しく、対人関係に影響を及ぼす恐れもあります。
歯が抜け落ちる
歯周病を放っておいても自然に治ることはありませんので、放置して入れば骨の破壊が進んでいきます。その結果、歯を支える骨が溶かされて、歯が抜け落ちることも考えられるでしょう。
全身疾患が引き起こされることがある
歯周病は、さまざまな全身疾患を引き起こすことが明らかになっています。例えば、歯周病菌が口から体内に入ることにより、心臓血管疾患や呼吸器疾患などが引き起こされることがあります。
また、歯周病により糖尿病の症状が悪化することや、妊婦の場合には低出生体重児などのリスクが高まることもわかっています。
まとめ
重度の歯周病とは、歯周ポケットの深さが6mm以上となり、歯を支える骨が半分以上破壊されたり歯がグラグラしたりした状態のことを指します。この状態では、あまり硬くない食べ物を噛んだだけでも痛みが生じたり、歯と歯ぐきのすき間から血や膿が出たりします。
重度の歯周病が自然に治ることはありません。それどころか、さらに進行すれば歯が抜け落ちることや全身疾患が引き起こされることも考えられるでしょう。
「重度になったら歯を抜くしかないのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、重度であっても行える治療方法は複数あります。できるだけ早めに歯科医院へご相談ください。
重度の歯周病にお悩みの方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。
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2024.09.10更新
歯周病菌とは?大人から子どもにうつる?歯周病が引き起こす怖い病気とは
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
歯周病は、口腔内に歯周病菌が繁殖して感染することにより引き起こされる疾患です。お子さまが身近にいる方は、大人から子どもに歯周病がうつるのかも気になるのではないでしょうか。
今回は、歯周病の原因となる歯周病菌について解説するとともに、歯周病の症状や予防・改善方法についてもまとめています。ぜひ、最後までご覧ください。
歯周病菌とは?
歯周病菌とは、歯周病の発症・進行に関与する細菌の総称です。歯周病を引き起こす細菌には、アクチノバチルスやアクチノマイセテムコミタンス(A.A菌)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)などが挙げられます。
歯周病菌は酸素を嫌う性質があるため、歯と歯茎の境目の歯周ポケットに棲みつきます。歯周病菌が増殖すると歯周ポケットは深くなり、さらに歯周病菌が好む環境になるでしょう。
歯周病は歯肉の腫れなどの症状を引き起こし、放置すると最終的には歯槽骨が破壊される恐れもあります。
上述した以外にも歯周病菌にはたくさんの種類があり、中でも歯周病を発症しやすい3種類の細菌のことをレッドコンプレックスと呼びます。ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg菌)、トレポネーマ・デンティコラ(Td菌)、タンネレラ・フォーサイセンシス(Tf菌)です。
歯周病治療では、これらの細菌を減らして症状を改善させることを目標の一つとしています。
歯周病菌の原因
歯周病菌は歯周病の発症・進行に大きな影響を及ぼす細菌で、細菌が集まり塊を形成したものをバイオフィルムと言います。歯周病菌が繁殖して口腔内にバイオフィルムを形成することで炎症を起こし、歯周病を発症させます。
歯周病菌のほとんどが嫌気性菌で酸素が苦手なため、歯と歯の隙間や歯と歯茎の隙間に生じる歯周ポケット内に多く存在しています。また、歯周病菌の侵入を防いでいる歯茎は、体の抵抗力が下がると弱まります。
抵抗力が下がって歯周病菌が血液に侵入し全身に運ばれると、様々な病気を引き起こすこともあるので注意が必要です。
歯周病菌は大人から子どもにうつる?
歯周病菌は、子どもから大人まで年齢に関係なく、会話やくしゃみの際に飛ぶ唾液や食器の共用、キスなどによりうつる恐れがあります。歯周病が直接うつるわけではなく、歯周病菌が人から人へ唾液を介して移動するのです。
また、赤ちゃんの口の中には歯周病菌が存在しません。お世話をしたりスキンシップを取ったり、話しかけたりする中で保育者の口腔細菌が移行していきます。
そのため、子どもに関わる大人の口腔内を清潔に保つことが重要です。
歯周病の症状
歯周ポケットに侵入した細菌が歯茎などに炎症を引き起こし、最終的には歯を支える骨である歯槽骨をも溶かす病気が歯周病です。初期段階では痛みなどの症状がないため、気づかないうちに進行するのが特徴です。症状を自覚する頃には、悪化していることも珍しくありません。
治療が遅れると病原菌が口腔内に広がって周囲の歯も影響を受け、最悪の場合には何本も歯が抜け落ちる可能性もある恐ろしい病気です。
歯周病の症状は、進行度によって異なります。軽度の場合、歯茎に腫れや赤みが現れる、歯磨きをした際に出血するなどの症状が現れますが、歯周病であると気付ける方は多くありません。
中等度の場合、歯磨きの際に血や膿が出たり、歯茎が退縮し始めたりします。歯茎が退縮したことで、歯と歯の間にすき間ができる場合もあるでしょう。
重度の場合、硬いものを噛むと痛みを感じる、歯がグラグラするなど、自覚できる症状が現れます。出血や排膿、細菌の増殖の影響で、口臭が発生・悪化する方も多いです。
重症化するほど歯を失う可能性が高まるので、早期発見・治療が重要な病気といえます。
歯周病が引き起こす怖い病気
歯周病の恐ろしいところは、歯周病菌が血液に入り込んで血流にのって運ばれることで、全身疾患を引き起こす原因になる点です。以下で、歯周病によって引き起こされる病気をご紹介します。
心疾患
歯周病菌などの刺激により動脈硬化を誘発する物質が出て血管が狭くなり、狭心症や心筋梗塞を起こすリスクがあります。心臓の心内膜が感染することで、細菌性心内膜炎を起こす可能性もあるでしょう。
脳梗塞
歯周病は、脳梗塞の原因にもなります。血管に入り込んだ歯周病菌が脳の血管を狭くしたり、血栓を作ったりすることで脳の血管が詰まるためです。
肺炎
口の中の細菌が肺に入り込むことによる肺炎を、誤嚥性肺炎といいます。唾液や食べ物に混ざった歯周病菌が誤って気管に入ると誤嚥性肺炎を起こしますが、命に関わることもあるでしょう。
誤嚥性肺炎を起こした患者さまの肺からは、歯周病の原因菌が高い頻度で見つかることから、歯周病と肺炎に強い関連性があるとされています。
糖尿病
歯周病の悪玉菌が増殖すると、菌から発生する炎症物質や毒素により糖尿病が悪化します。
また、歯周病と糖尿病は相互に影響を及ぼし合っていることがわかっています。歯周病を治療すると、糖尿病が改善することもあるとされているのです。
低体重児出産・早産
特に、妊娠中は歯周病に注意が必要でしょう。歯周病菌が血管を通じて胎盤に影響を及ぼし、早産や低出生体重児のリスクが高まると考えられているためです。
歯周病菌を減らす方法
歯周病を予防したり進行を食い止めたりするためには、口腔内の歯周病菌を減らすことが重要です。以下で、歯周病菌を減らす方法をご紹介します。
セルフケアを徹底する
歯周病菌は、口腔内の歯垢や歯石に含まれています。そのため、セルフケアを毎日丁寧に行い、歯垢や歯石を蓄積させないことが重要です。
歯の表面に付着したプラークなどは、歯ブラシで丁寧にブラッシングして除去しましょう。歯ブラシを小刻みに揺らしながら、1本ずつ優しく丁寧に磨いていきます。
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスを使用すると効果的に除去できるでしょう。フロスが歯にあたる角度を調節しながら、歯と歯の間の汚れを丁寧に落としてください。
歯と歯茎の間の汚れは、歯間ブラシを差し込んで軽く前後に動かして除去します。力を入れすぎると歯茎にダメージが加わって退縮する可能性があるため、力加減には気をつけましょう。
歯間ブラシにはサイズがあるので、歯科医師や歯科衛生士に歯茎の隙間に合うものを選んでもらうといいでしょう。
歯科医院でクリーニングを受ける
新しくできたプラークは歯磨きで取り除きやすいですが、歯石や歯周ポケット内のプラークは歯磨きで除去するのは難しいです。そのため、定期的に歯科医院を受診し、歯のクリーニングをしてもらいましょう。
プロによるクリーニングでは専用の機械を使用するため、歯周ポケット内のプラークや歯石もきれいに除去できるでしょう。歯垢を除去して歯周病の原因となる細菌の数を可能な限り減らすことをプラークコントロールと呼び、歯周病の予防や治療の中心となります。
歯周病を予防・改善する方法
歯周病を予防するには、歯周病菌を減らすためにセルフケアや歯科医院でのクリーニングを徹底することが大切です。同時に、生活習慣の改善も歯周病予防には欠かせません。
例えば、喫煙すると、タバコに含まれる有害物質によって血流が悪くなって免疫力が低下します。免疫力が低下すると細菌感染しやすくなるため、歯周病になるリスクが高まるでしょう。そのため、禁煙することで歯周病を予防できます。
また、栄養バランスを意識した食事をすることも、歯周病の予防・改善には重要です。
免疫が低いと歯周病になりやすい他、炎症が悪化する可能性もあります。免疫を高めるために大切なのが、栄養バランスの取れた食事を摂取することです。
日々の食生活が歯周病の予防や改善につながるので、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
まとめ
歯周病菌は、日常生活の様々なシーンで唾液を介して感染します。感染しないように気を付けることも重要ですが、歯科医院での定期的なクリーニングやセルフケアによってプラーク・歯石をきれいに除去して、歯周病菌を減らすことも大切でしょう。
定期的に歯科医院を受診して口腔内のチェックをしてもらうことで、歯周病の早期発見・治療につながります。もし、歯茎の腫れや痛み、出血があるなど何らかの症状に気づいた場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯周病の治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。
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2023.10.26更新
インビザラインの治療期間は?治療期間を左右する要因も解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
「インビザライン矯正を検討しているけど、治療が終わるまでにどのくらいの期間がかかるのだろう……」などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。矯正治療は歯を少しずつ動かすため、年単位の時間がかかります。
今回は、インビザラインの治療期間について解説します。治療期間を左右する5つの要因や、計画どおりに治療を終わらせるためのポイントもご紹介するので、インビザライン矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとは?
インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース型の矯正装置です。歯並びを整える治療方法として、1997年から研究と改良を続けています。
インビザラインは、基本的にこどもから大人まで年齢を問わず使用でき、世界で1,400万人以上の実績があります(2022年9月時点)。少しガタガタしている歯並びから、噛み合わせの調整が必要な歯並びまで、さまざまな症例に対応可能です。
インビザラインには、以下の4つの特徴があります。
・目立ちにくい
・痛みが少ない
・取り外せる
・通院回数が少ない
インビザラインは口の中のトラブルを起こしにくく、矯正する前と変わらない日常生活を送ることが可能です。4つの特徴について、それぞれ詳しく確認しましょう。
目立ちにくい
インビザラインでは透明なマウスピースを使用するので、ワイヤーを使った矯正と比べると目立ちにくいです。人前で話す機会が多いなど、周囲に気づかれたくない方に向いています。
見た目の問題でこれまで矯正をためらっていた方も、インビザラインなら安心して治療に臨めるでしょう。
痛みが少ない
インビザラインは、歯を段階的に動かして矯正します。マウスピースを交換しながら少しずつ歯を移動させるので、痛みが少ないことが特徴です。
また、マウスピースは患者さまの歯にフィットするように作られているので、装着中も快適に過ごせるでしょう。
取り外せる
ワイヤー矯正は、食べ物が詰まる、歯磨きが難しいなどのデメリットがあります。インビザライン矯正では、マウスピースを取り外せるので食事や歯磨きをふだんどおり行えます。
マウスピースを外して歯磨きができるため、虫歯になりにくいことも特徴です。
通院回数が少ない
インビザラインによる矯正は、通常1~2か月に1回程度通院して経過を観察します。ワイヤー矯正の場合は基本的に月に1回は通院します。
インビザライン矯正は、頻繁に通院することが難しい方にも向いているでしょう。
インビザラインの治療期間
インビザラインの一般的な治療期間は、短くて1年半程度、多くの場合2~3年程度かかります。
部分矯正か全体矯正か、そして実際の歯並びの状態などによって異なります。歯科医師の治療方針や治療計画によっても変動するでしょう。
また、保定期間は2年程度必要なので、矯正期間と保定期間を合わせると3~5年程度かかります。
ただし、矯正にかかる期間は患者さまによって異なります。実際の治療期間は、担当の歯科医師に確認しましょう。
インビザライン矯正の流れは、以下のとおりです。
・カウンセリング
・精密検査
・治療開始
・定期診察
・保定期間
それぞれ確認しましょう。
カウンセリング
初診では、問診票をもとに矯正治療についてのカウンセリングを行います。
歯並びや嚙み合わせなどに関する患者さまの悩みを聞き出すだけでなく、シミュレーションツールを用いて歯並びの変化を確認します。矯正後歯並びをイメージできるので、前向きに矯正治療に取り組めるでしょう。
精密検査
治療を希望する場合は、精密検査に進みます。検査の内容は、以下のとおりです。
・口腔内検査
・レントゲン撮影
・口の中や顔の写真撮影
・歯型の採取
検査結果をもとに、治療計画を立案します。
治療開始
治療を開始する際は、まず完成したマウスピースを受け取ります。実際にマウスピースを装着して、フィットしているかしっかりと確認しましょう。
また、着脱やお手入れ方法、注意事項などの説明を受けます。
定期診察
治療開始後は、経過観察のために定期的な通院が必要です。診察では、矯正治療の進行具合や口の中の状態を観察します。
保定期間
歯並びが整ったら矯正治療は終了ですが、もとの歯並びに戻らないように一定期間保定装置を装着します。矯正終了直後は歯並びがもとに戻りやすいので、位置を固定する必要があるのです。
保定期間は矯正期間と同程度とする歯科医院が多いです。
インビザラインの治療期間を左右する要因
インビザラインの治療にかかる期間は、さまざまな要因に左右されます。
特に、以下のようなケースでは、予定より治療が長引く可能性があるので注意してください。
・抜歯した場合
・装着時間が短い場合
・虫歯や歯周病の治療が必要な場合
・治療計画の修正が必要な場合
・マウスピースを紛失した場合
それぞれ解説します。
抜歯した場合
矯正治療を進めるにあたって、スペースを確保するために抜歯が必要となることがあります。例えば、ガタガタしている歯並びや、顎と歯の大きさのバランスが悪い場合は、抜歯することが多いです。
抜歯すると歯を動かす距離が長くなるので、必然的に治療期間も長くなります。
装着時間が短い場合
マウスピースの装着時間が短いと、想定しているよりも治療期間が長引きます。インビザラインの矯正で使用するマウスピースは、最大0.25mmしか歯を動かせません。
食事や歯磨きのときに取り外しができるのはメリットですが、装着時間が短くならないように注意しましょう。
虫歯や歯周病の治療が必要な場合
虫歯や歯周病などのトラブルが起きると、矯正治療よりも虫歯や歯周病の治療を優先する場合が多いです。矯正治療が中断されるので、治療期間が長引くでしょう。
また、虫歯や歯周病の治療によって歯の形が変化すると、マウスピースが合わなくなる可能性もあります。もう一度マウスピースを作ることになり、矯正期間も延びるでしょう。
治療計画の修正が必要な場合
治療計画どおりに歯が移動しなかった場合は、途中で修正します。シミュレーションと実際の経過が異なった場合は、誤差を修正するために追加のマウスピースを作成するリファインメントを行うのです。
マウスピースを紛失した場合
マウスピースは取り外せるので、外食した際に外して置き忘れるケースも少なくありません。紛失した場合は、一段階前のものを使うか、再度作成することになるでしょう。
作り直す場合は時間がかかるので、治療期間の長期化につながります。
インビザラインの治療を計画どおりに終わらせるためのポイント
インビザラインの治療を計画どおりに進めるためには、以下のポイントを意識することが大切です。
・装着時間を守る
・通院間隔を守る
・口の中を清潔に保つ
・紛失しないように管理する
・きちんと保定する
それぞれ詳しく解説します。
装着時間を守る
マウスピースは、1日20〜22時間装着しなければなりません。装着している時間が短ければ短いほど、歯を動かすのに時間がかかります。
治療を計画どおりに終わらせるためには、食事や歯磨き以外の時間は装着しましょう。
通院間隔を守る
インビザラインによる矯正は、通常1~2か月に1回のペースで通院します。定期的な通院は、矯正治療の進行度を確認するために必要です。
治療計画に遅れがあっても、早い段階で発見できれば大きな修正は必要ないでしょう。忘れずに受診してください。
口の中を清潔に守る
治療中に虫歯になると、矯正を中断して虫歯の治療が必要になることが多いです。そのため、口の中を清潔に保つことは非常に重要です。
また、マウスピースを清潔にすることも忘れないでください。
紛失しないように管理する
マウスピースを紛失すると、新しいものを作成するのに1~2週間ほどかかります。移動した歯がもとの位置に戻ると、治療期間が長引く原因となります。
特に、外出先では紛失しないように注意しましょう。
きちんと保定をする
矯正によって動かした歯は、その場所に安定させるために保定する期間が必要です。歯は矯正することで移動しますが、もと戻ろうとする働きがあります。
歯がもとの位置に戻ろうとすることを後戻りといいますが、適切に保定が行われないと後戻りする可能性があるのです。
まとめ
今回は、インビザラインの概要と治療期間について解説しました。
インビザラインの治療は通常2~3年程度かかり、さらに矯正後の後戻りを防ぐために2年程度の保定期間が必要です。インビザラインは取り外せるので、清潔に保ちやすいことがメリットでしょう。
一方で、取り外せるメリットは紛失につながりやすいため注意してください。通院は1~2か月に1回と少ないので、ご自身で治療を進める必要があります。自己管理が非常に重要な治療といえるでしょう。
決められた装着時間を守るなど、基本的なことに気をつけてインビザライン治療を進めてください。
インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2023.10.14更新
歯のセラミック治療とは?種類や費用、銀歯との違いを解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
歯のセラミック治療は、審美目的で選択されることが多いですが、虫歯治療の際に検討する方もいるのではないでしょうか。
今回は、セラミック治療とはどのような治療なのかを解説します。メリット・デメリットや、セラミック治療の種類、費用などもご紹介するので、セラミック治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
歯のセラミック治療とは?
歯のセラミック治療とは、セラミックという素材を使用した歯科治療のことです。虫歯で歯を削ったあとに詰め物として使用する場合が多いでしょう。
近年では、銀歯で治療した歯をセラミックに変える方や、歯の色をきれいにするためにセラミック治療を検討する方も増加しています。
セラミック治療を受ける理由
セラミック治療を受ける理由は、大きく分けて2つあります。
まずは、審美性です。セラミック治療を行えば、非常にきれいな白い歯を手に入れられます。
定期的にホワイトニングを受けても、歯の黄ばみなどが気になる方は多いです。セラミックに変えることで、もともとの歯の色や質感を維持しながら、透明感のあるきれいな歯を手に入れられるでしょう。
次に、機能性です。セラミックは滑らかな素材なので、細菌や汚れが付着しにくいとされています。虫歯や歯周病を予防する目的で、セラミック治療を受ける方もいるのです。
セラミックと銀歯の違いとは?
セラミック治療を検討したことがある方は、セラミックと銀歯の違いが気になるかもしれません。セラミックと銀歯の違いは、以下のとおりです。
素材
銀歯は、金属を使用する治療です。セラミックは金属を使用しないので、金属に起因するさまざまなリスクを回避できます。
例えば、金属は唾液によって溶け出し、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。金属アレルギーがある方は、銀歯の治療を受けられないでしょう。
セラミック治療には、メタルタトゥーの心配もありません。メタルタトゥーとは、金属が溶け出すことで、歯茎が黒ずむことです。一度メタルタトゥーで黒ずんだ歯茎は、銀歯を除去してももとの色には戻りません。
虫歯や歯周病のリスク
銀歯は、経年劣化します。劣化した際にセメントが溶け出すと、歯と銀歯の間にすき間が生まれ、虫歯菌が侵入する可能性があります。歯周病になる可能性もあるでしょう。
セラミックは陶器なので、長期間唾液に晒されても劣化しません。虫歯や歯周病のリスクを回避できるでしょう。
また、銀歯は表面に傷がつきやすく、傷から虫歯菌が入り込んで虫歯になる可能性もあります。セラミックの表面は滑らかで傷がつきにくいので、虫歯になりにくいとされています。
見た目
銀歯は金属なので、非常に目立ちやすいです。前歯付近を銀歯で治療すると、会話の際などに銀歯が目立つかもしれません。
しかし、セラミックは天然歯に近い色調や透明感を再現できます。自然な仕上がりになるため、ほとんど目立ちません。近年では、見た目を気にして銀歯からセラミックに変える方もいます。
セラミック治療のメリット
セラミック治療のメリットは、以下のとおりです。
長くきれいな色を維持できる
セラミックは、時間が経過しても変色することや黒ずむことがありません。そのため、治療を受けたときの白さを長期間維持できます。
二次的な歯のトラブルを回避できる
銀歯は、長期的に使用すると劣化します。劣化して歯と銀歯の間にすき間が生じると、すき間から虫歯菌が侵入して再度虫歯になることがあるでしょう。
セラミックは劣化しないためすき間が生まれにくく、虫歯のリスクを回避できるのです。
金属アレルギーでも治療できる
銀歯は金属なので、金属アレルギーの方は治療を受けられません。治療を受けたときは金属アレルギーがなくても、銀歯から溶け出した金属を長期的に吸収することで金属アレルギーを発症することがあります。
セラミックには金属が使われていないので、金属アレルギーを発症する可能性はありません。
セラミック治療のデメリット
次に、セラミック治療におけるデメリットを解説します。メリットだけでなく、デメリットも理解したうえで、セラミック治療を受けるかどうか判断しましょう。
自費診療である
銀歯の場合は保険が適用されますが、セラミック治療は自費診療です。詳しい金額は後述しますが、高額な費用がかかることは理解するべきでしょう。
セラミック単体の費用に加えて検査や診察、治療などにも費用がかかるので、金銭的に余裕がない方が治療を受けるのは難しいかもしれません。
割れることがある
セラミックは丈夫ですが、強い力が加われば割れる可能性があります。十分にメンテナンスをしていなければ、長期間使用することはできないでしょう。
割れた場合は再治療が必要になるので、追加で費用がかかります。
セラミック治療の種類
セラミック治療の種類は、主に3つです。それぞれ解説します。
オールセラミック
セラミックのみで作られた冠を被せる治療方法です。
金属やレジンなどを一切使用しないため、変色や劣化が起こりにくいことが特徴でしょう。透明度が高く、天然歯と見分けがつかないほど美しく仕上がります。
オールセラミックは、耐久性が高いことも特徴です。しっかりとケアすれば、長く使い続けられるでしょう。
ラミネートベニア
歯の表面を削り、薄いセラミックを貼り付ける治療です。主に前歯に行われます。つけ爪をイメージするとわかりやすいでしょう。
歯を削る量が少なく神経にも達しないので、短時間で終了します。麻酔は使用しませんが、痛むことはありません。
前歯を白くしたい、すきっ歯を治したい、歯の形が気になるという方に適したセラミック治療です。特に、神経が壊死して黒っぽく変色した歯はホワイトニングをしても白くならないので、神経が壊死した歯を白くするときにも行われます。
メタルボンド
金属にセラミックを焼き付けて作った冠を被せる治療法です。歯を大きく削った場合に有効な治療方法です。
内部が金属でできているので耐久性に優れており、奥歯など強い力がかかる部分にも使用できます。表面に白いセラミックを焼き付けていますが、内部が金属なのでオールセラミックと比較すると透明度や白さはやや劣ります。
セラミック治療の費用
セラミック治療を受ける際に気になるのは、費用でしょう。セラミック治療は保険適用外なので、施術を受ける歯科医院やセラミックの種類によって費用が変動します。
ご紹介したセラミックごとの費用相場は、以下のとおりです。
・オールセラミック:80,000〜180,000円
・メタルボンド:80,000〜150,000円
・ラミネートべニア:50,000〜150,000円
1本あたりの費用なので、施術を受ける本数が増えればさらに費用がかかります。
オールセラミックは、ほかの治療と比べると費用が高い歯科医院が多いです。診察代や検査代、治療の手技の費用も追加されます。
セラミック治療が向いている人
セラミック治療が向いている人は、以下のとおりです。
歯を削る必要がある人
過去に詰めた詰め物が破損・変色した場合や、虫歯になった場合など、これから歯を削る必要がある人は、セラミック治療が向いています。セラミックのためだけに歯を削る必要がなく、治療の過程でセラミックをつけられます。
セラミック治療による大きな負担がないでしょう。
金属アレルギーがある人
金属アレルギーがあって銀歯を入れられない人は、セラミック治療が向いています。セラミック治療は金属を使用していないので、アレルギー反応は出ないでしょう。
丈夫で美しい歯を手に入れることができます。
早く見た目を美しくしたい人
人前に出る仕事をしているなど、歯の治療に時間をかけられない人にも、セラミック治療は適しています。
特に、ラミネートべニアは短期間で前歯の見た目を改善できるでしょう。
まとめ
丈夫で白く美しい歯を作れるセラミック治療は、金属アレルギーのある方や虫歯治療で銀歯を入れたくない方、歯を白く美しく見せたい方から人気の治療です。
しかし、歯を削らなければならない、治療に高額な費用がかかるなど、デメリットがあることも理解しなければなりません。セラミック治療を受けよう思っている方は、まず歯科医院のカウンセリングを受けましょう。自分の歯の状態を調べたうえで、セラミック治療を受けるべきか検討してください。
歯のセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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