2025.08.19更新

前歯をインプラントにする前に知っておきたいメリット・デメリット

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

前歯をインプラントにした女性

前歯は、会話中や笑ったときなど、人の目にふれやすく、見た目の印象を大きく左右する非常に重要な部位です。そんな前歯を失った場合、選択肢の一つにインプラント治療があります。インプラントは、

見た目の美しさだけでなく、しっかりとした噛み心地を取り戻すことができる治療法ですが、メリットばかりではありません。どのような治療でもそうであるように、デメリットもあります。

今回は、前歯をインプラントにすることで得られるメリットと注意すべきデメリット、さらには治療の流れや費用について、わかりやすく解説していきます。

失った前歯をインプラントにするメリット

失った前歯をインプラントにするメリットイメージ

前歯をインプラントにすることによるメリットを、具体的に紹介していきます。

自然な見た目を取り戻せる

インプラントの魅力の一つに、天然の歯のように自然な見た目を再現できることがあります。前歯は特に目立つ部位のため、見た目が不自然だったり、被せ物だとわかったりしてしまうことを避けたい方が多いです。見た目が良いことは大きなメリットといえるでしょう。

インプラントの上部構造には、セラミックやジルコニアといった審美性の高い素材が使われることが多く、周囲の歯と馴染んだ違和感の無い色味や透明感を再現できます。

噛む力や発音機能が安定する

前歯は食べ物を噛み切る役割を持つだけでなく、発音にも大きく関わっています。特に、サ行やタ行の発音は、舌と前歯の位置関係が重要なため、前歯がないと滑舌が悪くなることもあります。

インプラントは骨としっかり結合するので、グラつきがなく安定した状態で機能するため、しっかり噛めて会話にも支障が出にくくなります。また、入れ歯のようにズレたり外れたりすることもないため、ストレスを感じにくいというメリットもあります。

他の歯への負担が少ない

歯を失った場合、ブリッジ治療では両隣の健康な歯を削って土台にする必要があります。インプラントは人工歯根を単独で埋め込むため、周囲の歯を犠牲にすることはありません。

健康な歯の寿命を守ることができ、長期的に見てもお口全体の健康維持につながります。

失った前歯をインプラントにするデメリット

失った前歯をインプラントにするデメリットイメージ

どんな治療にもデメリットがあるように、インプラントにもデメリットがあります。ここでは、失った前歯をインプラントにする時のデメリットを具体的に紹介します。

外科手術が必要

インプラント治療では、顎の骨に直接、チタン製の人工歯根を埋め込むため、外科手術が必要となります。局所麻酔を使用して行われるため、手術中の痛みは抑えられますが、術後に腫れや痛みを伴うことがあります。

また、心疾患や糖尿病、骨粗しょう症などの全身疾患をお持ちの方は、インプラント治療ができないことがあります。全身状態が安定している場合には、医科との連携によって治療が可能になるケースもありますので、一度歯科医院に相談するのが良いでしょう。

費用が高額になりやすい

インプラント治療は、健康保険が適用されないため自費診療になります。歯科医院によって費用は異なりますが、1本あたりの相場は30万円〜50万円です。骨の量が少ない場合に行われる骨造成術も受ける場合には、別途5万円〜20万円程度かかります。

分割払いや医療ローンに対応している歯科医院もありますので、事前に費用の内訳や支払い方法についてしっかり確認しておくことが大切です。

治療期間が長くなることがある

インプラント治療では、人工歯根と骨がしっかり結合するのを待つ期間が必要です。一般的に、骨との結合にかかる時間は3ヶ月〜6ヶ月程度です。個人差があり、骨の状態によってはさらに長期化することもあります。

前歯のインプラント治療が難しいといわれる理由

前歯のインプラント治療が難しいといわれる理由イメージ

前歯のインプラントは、他の部位のインプラントと比べて難しいといわれることが多いです。理由は次のとおりです。

骨の厚みや高さが不十分になりやすい

前歯の部位は奥歯に比べて骨が薄く、歯を失った後に骨吸収が進みやすい場所といえます。インプラントを安定して埋入するためには十分な骨の幅と高さが必要ですが、これが足りない場合は骨造成といった追加処置が必要になることがあります。

奥歯のインプラントよりも治療工程が複雑になりやすいことが、前歯のインプラント治療が難しいと言われる理由でしょう。

歯ぐきの形状や位置にこだわりが求められる

前歯は、口元の印象に大きく関わる部位です。そのため、ただインプラントを入れるだけでなく、周囲の歯や歯ぐきと調和した見た目に仕上げる必要があります。

上部構造の色味はもちろんのこと、歯ぐきの厚みやライン、位置関係によって、見た目の美しさが大きく変わります。歯ぐきの形成や仮歯の微調整などが必要になることがあるのです。

前歯のインプラント治療の流れ

前歯のインプラント治療について説明する歯科医師

前歯をインプラントにする場合の一般的な治療の流れを解説します。

カウンセリング・診査診断

まずは患者様のご希望をお聞きし、インプラント治療を知っていただくためにカウンセリングを行います。場合によって、お口の状態をしっかり把握するため、CT撮影・口腔内写真撮影・模型作製などを行います。

骨の厚みや歯ぐきの状態、噛み合わせを確認したうえで、治療計画を立案します。

仮歯の装着

必要に応じて仮歯の装着を行います。前歯は見た目の印象を大きく左右するため、初期段階で仮歯を作成・装着し、治療中も審美性を維持できるようにするケースが多いです。

骨造成や歯肉形成

骨が不足している場合や、歯ぐきの形を整える必要がある場合には、インプラント手術の前にこれらの処置を行います。

インプラント埋入手術

インプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋入します。術後は数ヶ月間、骨とインプラントがしっかり結合するまで安静期間を設けます。

手術方法は、1回法と2回法のいずれかが選択されます。

1回法は、インプラント体を埋入と同時に上部構造との接続部分(アバットメント)も装着する方法です。手術が1回なので負担が少ないというメリットがありますが、手術後はアバットメントが露出するため、術後の管理や外見への配慮が必要です。

一方で2回法は、インプラント体を埋入したあとに歯ぐきを完全に閉じ、数ヶ月の治癒期間を経てから、2回目の手術でアバットメントを取り付ける方法です。骨とインプラントがしっかりと結合するまで外力がかかりにくく、感染リスクも抑えられるというメリットがあります。

上部構造(被せ物)の作製・装着

インプラント体と骨と結合が完了し、アバットメントも問題なく装着できたら、型取りをして最終的な被せ物を作製します。ジルコニアやセラミックが選択されることが多く、周囲の歯と馴染む審美性の高い上部構造が入ります。

前歯をインプラントにする場合にかかる費用と期間

前歯をインプラントにする場合にかかる費用と期間イメージ

デメリットにも少し記載しましたが、インプラントは費用が高くなり、期間が長くなる治療です。あらかじめ、費用の目安・治療期間の目安を知っておきましょう。

費用の目安

前歯のインプラントは1本あたり約30〜50万円が相場です。

ただし、仮歯や骨造成、歯肉移植などが加わると、総額で50〜80万円前後になるケースもあります。治療を開始する前に、初診料・検査料・メンテナンス費用なども含めたトータル費用を確認しておきましょう。

治療期間の目安

治療期間には個人差がありますが、骨や歯ぐきの状態が良ければ、インプラント埋入から最終的な被せ物まで3〜6ヶ月が目安です。骨造成を含む場合や、術後の治癒期間を慎重に設ける必要がある場合は、9ヶ月〜1年程度かかることもあります。

まとめ

前歯をインプラントにした美しい歯の女性の口元

前歯のインプラント治療は、見た目・機能性・耐久性を兼ね備えた優れた治療法です。

しかし、費用や治療期間、手術のリスクといった点にも注意が必要です。特に、前歯は見た目に影響を与えやすい部位なので、審美的な配慮をしてもらえるよう、カウンセリングの時点で疑問点や不安点をしっかり確認しておきましょう。

前歯のインプラント治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.11.07更新

セラミック歯の値段はどれくらい?治療にかかる費用内訳も解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックの歯

セラミック歯は高額なイメージがあるため、値段が気になり治療を受けるかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。

セラミック歯には多くの種類がありますが、基本的には保険が適用されません。歯科医院によって値段が異なるため、治療を検討する際は相場を把握するとよいでしょう。

今回は、セラミック歯の値段を種類ごとに解説します。値段の内訳や保険適用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

セラミック歯とは?

セラミック治療

セラミック歯とは、審美性に優れたセラミックを使用した詰め物・被せ物のことです。虫歯治療で歯を削った際は、削った部分の機能を回復するために詰め物・被せ物をします。

詰め物・被せ物といえば銀歯をイメージする方が多いと思いますが、天然歯に近いセラミックを選択することもできます。セラミック歯の特徴は、以下のとおりです。

・透明感があり、天然歯に近い色調に調整できる

・強度がある

・経年劣化しにくく長持ちする

・表面がなめらかで汚れが付着しにくい

・着色・変色しにくい

・虫歯の再発リスクが低い

・生体親和性が高く馴染みやすい

・金属を使用しない場合は、金属アレルギーの心配がない

セラミックは天然歯のような自然な色に調節できるため、本物の歯と見分けがつかないこともあるでしょう。そのため、前歯などの目立ちやすい場所の治療にも適しています。

セラミック歯の値段はどれくらい?

白いノートと白い電卓

セラミック歯には多くの種類があり、値段がそれぞれ異なります。セラミック歯の種類ごとの値段を詳しく確認しましょう。

オールセラミック

オールセラミックの値段は、詰め物の場合40,000~80,000円、被せ物の場合80,000~220,000円が相場です。オールセラミックは、すべてセラミックでできた詰め物・被せ物のことです。

天然歯と見分けがつかないほどの白さと透明感があり、変色もほとんどしません。歯垢や食べかすなどの汚れが付着しにくいため、虫歯の再発リスクが低いのも特徴です。

ただし、強度はジルコニアセラミックより低く、割れることがあります。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックの値段は、詰め物の場合30,000~60,000円、被せ物の場合100,000~200,000円が相場です。ジルコニアセラミックは、審美性と強度を兼ね合わせた詰め物です。

柔軟性があり割れにくいため、噛み合わせが強い奥歯などにも使用できます。また、天然歯に近い色に調整できるため、審美性に優れています。

しかし、非常に硬いため、噛み合う歯を傷めることがあるのがデメリットです。

メタルボンド

メタルボンドの被せ物の値段は、80,000~150,000円が相場です。メタルボンドとは、金属の土台にセラミックを焼き付けた被せ物のことを指します。

表面はセラミックなので天然歯に近く、審美性に優れています。

ただし、オールセラミックと比較すると白さや透明感は劣るでしょう。メタルボンドの土台は金属でできているため強度がありますが、角度によっては金属の土台が見える可能性があります。また、金属を使用しているため、金属アレルギーの方は使用できません。金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむこともあります。

ハイブリッドセラミック 

ハイブリッドセラミックの値段は、詰め物の場合は約30,000円、被せ物の場合は40,000~80,000円が相場です。

ハイブリッドセラミックは、適用条件を満たせば保険が適用されますが、自費診療のハイブリッドセラミックのほうが審美性に優れています。また、保険適用のハイブリッドセラミックは、被せ物にしか使用できません。保険が適用された場合は10,000円程度で受けられるでしょう。

ハイブリッドセラミックとは、セラミックにレジンを混ぜた詰め物・被せ物です。レジンが混ざっているため、ほかのセラミック歯よりも値段を抑えられます。時間が経つと変色しますが、保険適用のレジンよりは変色しにくいです。

セラミック歯の治療にかかる費用の内訳

歯医者で話をする男性

セラミック歯の治療には、セラミック自体の費用のほかに、初診・カウンセリングや虫歯治療、治療後のメンテナンスなどに費用がかかります。費用の内訳を確認しましょう。

初診・カウンセリング

虫歯治療で初めて受診した際は、お口の中の診察やレントゲン撮影などの検査を行って治療方針を決めます。初診料が発生するため、3割負担で3,000~4,000円程度かかるでしょう。

また、セラミック歯の治療に入る前は、治療内容や値段などについてカウンセリングを行います。カウンセリング値段の相場は、無料~5,000円です。

虫歯治療

虫歯治療にかかる値段は、虫歯の進行度によって異なります。虫歯治療には保険が適用されるため、窓口での支払い額は負担割合に応じた金額です。

進行度別の値段の目安は、以下のとおりです。

<進行度に応じた値段の目安>

進行度 状態 値段の目安 (3割負担の場合)
軽度 エナメル質に留まる虫歯 3,000円
中等度 エナメル質だけでなく、象牙質にまで及んでいる虫歯 2,000~10,000円
神経まで達する 抜髄(ばつずい)や根管治療が必要な虫歯 7,000~20,000円
重度 歯の上部が完全になくなって神経が壊死し、抜歯が必要な状態 3,000~20,000円

虫歯が重度まで進行して抜歯が必要な状態になると、ブリッジや入れ歯、インプラントを選択することになります。一般的に、虫歯は進行すればするほど値段が高くなるため、早期治療を心がけましょう。

治療後のメンテナンス

治療後のメンテナンスにかかる値段は、3割負担で1回あたり3,000~4,000円が目安です。メンテナンスの頻度は状態によって異なります。

適切に歯磨きできない方や、虫歯や歯周病になりやすい方は1~2か月に1回、お口の状態に問題がなくしっかりケアできている方は、3~6か月に1回のペースでよいでしょう。

メンテナンスの内容は、以下のとおりです。

・虫歯・歯周病のチェック

・歯垢・歯石の除去

・染め出し

・ブラッシング指導

・生活習慣指導

・フッ素塗布

セラミック歯は、保険治療で使用される素材に比べて長持ちしますが、メンテナンスをしっかり受けていることが前提です。虫歯が再発しにくいセラミックでも、メンテナンスを怠ると虫歯や歯周病にかかり、寿命が短くなる可能性があります。

セラミック歯を長持ちさせるためには、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、詰め物や被せ物の状態、虫歯や歯周病の有無などを確認することが大切です。また、歯の健康を守るためには、歯科医院でのメンテナンスだけでなく、自宅でのセルフケアも非常に重要です。

メンテナンスの際に歯科医師や歯科衛生士からケア方法の指導・アドバイスを受けると、正しいケアを継続できるでしょう。

セラミック歯の治療は保険が適用される?

医療保険イメージ

セラミック歯の治療は、基本的に保険適用外です。健康保険が適用されるのは、虫歯などで失われた機能の回復を目的とした治療に限られているためです。

セラミック歯は機能の回復に加え、審美的な目的で行われることが多いです。そのため、自由診療で治療費は全額自己負担となります。

ただし、ハイブリッドセラミックは、適用条件を満たす症例であれば保険が適用されます。セラミックと歯科用プラスチックを材料として使用したCAD/CAM冠という被せ物で、日本では2016年4月から保険が適用されるようになりました。

2016年の段階では小臼歯のみの適用でしたが、2023年10月現在、多くの歯を保険適用で治療できるようになっています。CAD/CAM冠の保険適用条件は、以下のとおりです。

・前歯〜第二小臼歯の治療である

・第一大臼歯の場合、上下左右すべての第二大臼歯が残っている

・第二大臼歯の場合、金属アレルギーと診断されている

CAD/CAM冠の治療では、破損を避けるために銀歯やセラミック治療より歯を多く削る必要があります。また、保険治療を行った部分は原則2年間、保険での再治療ができません。破損などのトラブルが起きた場合は、修理するか自費で作り直す必要があります。

また、CAD/CAM冠はどの歯科医院でも治療を受けられるわけではありません。厚生労働省に承認された歯科医院のみ取り扱える治療法です。

CAD/CAM冠での治療を検討している方は、事前に歯科医院に確認しましょう。

まとめ

セラミック歯の女性

セラミック歯は、審美性に優れたセラミックを使用した詰め物・被せ物です。保険適用の詰め物・被せ物は見た目が悪く、劣化しやすい、虫歯の再発リスクが高いなどのデメリットがあり、比較的短期間で再治療が必要になるでしょう。

セラミック歯は基本的に保険が適用されないため値段は高額ですが、審美性や機能性、耐久性に優れており、メリットの多い治療です。セラミック歯には多くの種類があるため、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、ご自身に合った治療法を選択することが大切です。

セラミック歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.10.29更新

ジルコニアの歯とは?メリットや治療の流れを解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

ジルコニアの歯

歯に詰め物や被せ物をするセラミック治療では、陶器で作られた素材を使用するのが一般的でした。

しかし、近年では、審美性の高さや丈夫さからジルコニアを選ぶ方が増加しています。従来のセラミックとジルコニアは、どのように違うのでしょうか。

今回は、ジルコニアの歯の選ぶメリット・デメリットや、セラミックとの違い、治療の流れを解説します。

ジルコニアの歯とは?

ジルコニア

歯のセラミック治療とは、白く透明感のあるセラミックという素材を詰め物・被せ物に使用する治療法です。歯科治療におけるジルコニアはセラミックの一種で「ジルコニアセラミック」とも呼ばれています。

ジルコニアという素材は、二酸化ジルコニウムを指します。人工ダイヤモンドとも呼ばれ、宝飾品などにも使用されている素材です。透明度が高く美しい素材であり、強度と耐久性にも優れています。

ジルコニアは加工が難しい素材ですが、技術と研究の進歩によって歯の治療に使用される機会が増加しました。

ジルコニアとセラミックの違い

 ジルコニアとセラミックを比較する女性

従来のセラミック治療では、白い陶器で作られた素材を使用することが一般的でした。陶器素材はオールセラミックとも呼ばれています。

ジルコニアと従来のセラミックの違いは、以下のとおりです。

強度

従来のセラミックは陶器素材なので、脆く割れやすいという特徴があります。そのため、噛み合わせが強い奥歯や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある人には向きませんでした。

ジルコニアは強度が高く、金属に匹敵するほどの耐久性があります。奥歯の治療にも向いており、適応できる歯が多いといえるでしょう。

見た目

ジルコニアは白く審美性の高い素材ですが、透明感に欠けています。セラミックは白く透明感があり、色調も比較的自由に再現できます。

そのため、前歯の治療では従来のセラミックが使用されることが多いです。

寿命

従来のセラミックは、衝撃を受けることや、歯に力が加わることで、破損するリスクがあります。ジルコニアは強度が高いので、セラミックが破損するような衝撃が加わっても耐えられるでしょう。

従来のセラミックよりも寿命が長いといえます。

ジルコニアのメリット・デメリット

ジルコニアのメリット・デメリットイメージ

歯の治療にジルコニアを使用するメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

ジルコニアの歯にするメリットは、以下のとおりです。

強度・耐久性が高い

ジルコニアは従来のセラミックの何倍もの強度があり、前歯だけではなく奥歯にも適応できます。

セラミックの場合は転倒する、ボールが顔にぶつかるなど、顔に衝撃を受けると割れることがありました。再治療が必要になり、手間とコストがかかります。

一方で、ジルコニアは顔に衝撃を受けても割れる可能性は低いです。金属と比較されるほど強く、金属よりも劣化しにくいので耐久性も高いといえます。

虫歯になりにくい

詰め物・被せ物治療では、虫歯の再発に注意が必要です。金属の詰め物は天然歯との間にすき間ができやすく、細菌が入り込んで虫歯の再発を引き起こす可能性が高いといえます。

しかし、セラミックの詰め物はすき間ができにくく細菌が入り込みにくいため、虫歯の再発を防止します。ジルコニアはセラミックの一種なので、虫歯の再発予防に最適な素材といえるでしょう。

また、ジルコニアは経年劣化しにくいことも特徴です。時間が経過してももとの歯に密着し続けるので、長期に渡って虫歯を防いでくれます。

審美性が高い

ジルコニアを含め、セラミック素材で作る歯は天然歯のような色調を再現することが可能です。金属のように目立つことはなく、歯茎が変色することもありません。

患者様一人ひとりの歯に合った色調を再現できるため、自然な仕上がりになります。変色しにくい素材なので、長期的に白く美しい見た目を維持できるでしょう。

身体に優しい

ジルコニアを含めたセラミック治療では金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも装着できます。銀歯は数年で口の中で溶け出すといわれており、虫歯の再発や歯周病、歯茎の黒ずみなどを引き起こします。

ジルコニアは口の中で溶け出す心配がないため、安心して使用できるでしょう。

デメリット

ジルコニアはメリットが多いですが、デメリットも存在します。

研磨や調整が難しい

ジルコニアは非常に硬いため、歯科医師や歯科技工士による研磨・調整が難しいことがデメリットです。

詰め物・被せ物では、歯の形にしっかりと合わせることが大切ですが、ジルコニアは歯にぴったり合わせるための研磨や調整に高いレベルを要します。そのため、歯科医師の技術が治療結果を左右するといえるでしょう。

歯を削る量が多くなる可能性がある

ジルコニアは、歯を削る量が多くなることがあるといわれています。

ただし、歯を削る量は歯の状態や歯科医師によって異なるため、一概にはいえません。

自由診療になる

ジルコニアを含むセラミック素材には、保険が適用されません。自由診療になるため、治療費は保険診療に比べると高額になります。

しかし、銀歯に比べると治療後のメンテナンスを行いやすいことや、審美性が高いことなど、メリットは多いです。

ジルコニアの治療の流れ

ジルコニアの治療の流れのイメージ

ジルコニアは、セラミック治療や虫歯治療、インプラント治療などさまざまな治療で用いられます。ジルコニアの歯にする治療の流れは、以下のとおりです。

仮歯に置き換える

虫歯部分の歯を削り、すでに被せ物をしている場合は古い被せ物を除去します。そして、口元に合わせた仮歯を作ります。

噛み合わせや最終的な歯の形を決める大切な段階なので、型取りをして仮歯を作ることもあるでしょう。

歯の根の治療をする

歯の根に炎症が起きている場合は、根幹治療を行います。歯の神経は残せるように治療を進めるのが一般的ですが、歯の神経を取ることもあるでしょう。

歯の土台を作る

ジルコニアを装着するには、歯の土台が必要です。土台を立てることで、被せ物の審美性を高めながら歯の根への負担を軽減します。

型取りをする

シリコンの材料で歯の型取りをします。最終的な被せ物を作るための型取りなので、歯の色などを相談しながら決定してください。型取りをしたあとは、技工所で被せ物が作成されます。

被せ物を装着する

完成した被せ物を装着し、噛み合わせを調整します。問題がなければ、専用の材料で被せ物を接着して治療は完了です。

ジルコニアはどのような人におすすめ?

食いしばりする女性

ジルコニアは、強度が高い、審美性に優れているなどメリットの多い素材です。ジルコニアの治療は、次のような人が向いています。

・嚙む力が強い奥歯を治療する人

・歯ぎしりや食いしばりの癖がある人

・丈夫さを求める人

・金属アレルギーのある人

・身体に安全な素材で治療したい人

歯の治療では、治療する場所や嚙み合わせなどによって素材を慎重に選ぶことが大切です。選んだ素材によって仕上がりが異なるため、治療前は歯科医師としっかり相談しましょう。

まとめ

歯医者の器具

ジルコニアは、人工ダイヤモンドといわれるほど強度と耐久性に優れており、セラミック治療で注目されている素材です。従来のセラミックよりも割れにくいため、奥歯の治療にも適しています。

費用を抑えたい場合は樹脂や銀歯という選択肢もありますが、審美性や身体への負担という面ではジルコニアに劣ります。歯の治療法は数多くあるので、患者様自身が後悔しない治療を受けることが大切です。

どのような素材がご自身に適しているのか、歯科医師としっかり相談して決めてください。

ジルコニアの歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.10.14更新

歯のセラミック治療とは?種類や費用、銀歯との違いを解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミック治療をした女性

歯のセラミック治療は、審美目的で選択されることが多いですが、虫歯治療の際に検討する方もいるのではないでしょうか。
今回は、セラミック治療とはどのような治療なのかを解説します。メリット・デメリットや、セラミック治療の種類、費用などもご紹介するので、セラミック治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

歯のセラミック治療とは?

セラミック

歯のセラミック治療とは、セラミックという素材を使用した歯科治療のことです。虫歯で歯を削ったあとに詰め物として使用する場合が多いでしょう。
近年では、銀歯で治療した歯をセラミックに変える方や、歯の色をきれいにするためにセラミック治療を検討する方も増加しています。

セラミック治療を受ける理由

セラミック治療を受ける理由は、大きく分けて2つあります。
まずは、審美性です。セラミック治療を行えば、非常にきれいな白い歯を手に入れられます。
定期的にホワイトニングを受けても、歯の黄ばみなどが気になる方は多いです。セラミックに変えることで、もともとの歯の色や質感を維持しながら、透明感のあるきれいな歯を手に入れられるでしょう。

次に、機能性です。セラミックは滑らかな素材なので、細菌や汚れが付着しにくいとされています。虫歯や歯周病を予防する目的で、セラミック治療を受ける方もいるのです。

セラミックと銀歯の違いとは?

銀歯

セラミック治療を検討したことがある方は、セラミックと銀歯の違いが気になるかもしれません。セラミックと銀歯の違いは、以下のとおりです。

素材

銀歯は、金属を使用する治療です。セラミックは金属を使用しないので、金属に起因するさまざまなリスクを回避できます。

例えば、金属は唾液によって溶け出し、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。金属アレルギーがある方は、銀歯の治療を受けられないでしょう。
セラミック治療には、メタルタトゥーの心配もありません。メタルタトゥーとは、金属が溶け出すことで、歯茎が黒ずむことです。一度メタルタトゥーで黒ずんだ歯茎は、銀歯を除去してももとの色には戻りません。

虫歯や歯周病のリスク

銀歯は、経年劣化します。劣化した際にセメントが溶け出すと、歯と銀歯の間にすき間が生まれ、虫歯菌が侵入する可能性があります。歯周病になる可能性もあるでしょう。
セラミックは陶器なので、長期間唾液に晒されても劣化しません。虫歯や歯周病のリスクを回避できるでしょう。

また、銀歯は表面に傷がつきやすく、傷から虫歯菌が入り込んで虫歯になる可能性もあります。セラミックの表面は滑らかで傷がつきにくいので、虫歯になりにくいとされています。

見た目

銀歯は金属なので、非常に目立ちやすいです。前歯付近を銀歯で治療すると、会話の際などに銀歯が目立つかもしれません。

しかし、セラミックは天然歯に近い色調や透明感を再現できます。自然な仕上がりになるため、ほとんど目立ちません。近年では、見た目を気にして銀歯からセラミックに変える方もいます。

セラミック治療のメリット

メリットmeritの文字ブロック

セラミック治療のメリットは、以下のとおりです。

長くきれいな色を維持できる

セラミックは、時間が経過しても変色することや黒ずむことがありません。そのため、治療を受けたときの白さを長期間維持できます。

二次的な歯のトラブルを回避できる

銀歯は、長期的に使用すると劣化します。劣化して歯と銀歯の間にすき間が生じると、すき間から虫歯菌が侵入して再度虫歯になることがあるでしょう。
セラミックは劣化しないためすき間が生まれにくく、虫歯のリスクを回避できるのです。

金属アレルギーでも治療できる

銀歯は金属なので、金属アレルギーの方は治療を受けられません。治療を受けたときは金属アレルギーがなくても、銀歯から溶け出した金属を長期的に吸収することで金属アレルギーを発症することがあります。
セラミックには金属が使われていないので、金属アレルギーを発症する可能性はありません。

セラミック治療のデメリット

デメリットと書かれたカード

次に、セラミック治療におけるデメリットを解説します。メリットだけでなく、デメリットも理解したうえで、セラミック治療を受けるかどうか判断しましょう。

自費診療である

銀歯の場合は保険が適用されますが、セラミック治療は自費診療です。詳しい金額は後述しますが、高額な費用がかかることは理解するべきでしょう。
セラミック単体の費用に加えて検査や診察、治療などにも費用がかかるので、金銭的に余裕がない方が治療を受けるのは難しいかもしれません。

割れることがある

セラミックは丈夫ですが、強い力が加われば割れる可能性があります。十分にメンテナンスをしていなければ、長期間使用することはできないでしょう。
割れた場合は再治療が必要になるので、追加で費用がかかります。

セラミック治療の種類

セラミックの種類

セラミック治療の種類は、主に3つです。それぞれ解説します。

オールセラミック

セラミックのみで作られた冠を被せる治療方法です。
金属やレジンなどを一切使用しないため、変色や劣化が起こりにくいことが特徴でしょう。透明度が高く、天然歯と見分けがつかないほど美しく仕上がります。
オールセラミックは、耐久性が高いことも特徴です。しっかりとケアすれば、長く使い続けられるでしょう。

ラミネートベニア

歯の表面を削り、薄いセラミックを貼り付ける治療です。主に前歯に行われます。つけ爪をイメージするとわかりやすいでしょう。
歯を削る量が少なく神経にも達しないので、短時間で終了します。麻酔は使用しませんが、痛むことはありません。
前歯を白くしたい、すきっ歯を治したい、歯の形が気になるという方に適したセラミック治療です。特に、神経が壊死して黒っぽく変色した歯はホワイトニングをしても白くならないので、神経が壊死した歯を白くするときにも行われます。

メタルボンド

金属にセラミックを焼き付けて作った冠を被せる治療法です。歯を大きく削った場合に有効な治療方法です。
内部が金属でできているので耐久性に優れており、奥歯など強い力がかかる部分にも使用できます。表面に白いセラミックを焼き付けていますが、内部が金属なのでオールセラミックと比較すると透明度や白さはやや劣ります。

セラミック治療の費用

コストのブロック

セラミック治療を受ける際に気になるのは、費用でしょう。セラミック治療は保険適用外なので、施術を受ける歯科医院やセラミックの種類によって費用が変動します。

ご紹介したセラミックごとの費用相場は、以下のとおりです。

・オールセラミック:80,000〜180,000円

・メタルボンド:80,000〜150,000円

・ラミネートべニア:50,000〜150,000円

1本あたりの費用なので、施術を受ける本数が増えればさらに費用がかかります。
オールセラミックは、ほかの治療と比べると費用が高い歯科医院が多いです。診察代や検査代、治療の手技の費用も追加されます。

セラミック治療が向いている人

歯の治療

セラミック治療が向いている人は、以下のとおりです。

歯を削る必要がある人

過去に詰めた詰め物が破損・変色した場合や、虫歯になった場合など、これから歯を削る必要がある人は、セラミック治療が向いています。セラミックのためだけに歯を削る必要がなく、治療の過程でセラミックをつけられます。
セラミック治療による大きな負担がないでしょう。

金属アレルギーがある人

金属アレルギーがあって銀歯を入れられない人は、セラミック治療が向いています。セラミック治療は金属を使用していないので、アレルギー反応は出ないでしょう。
丈夫で美しい歯を手に入れることができます。

早く見た目を美しくしたい人

人前に出る仕事をしているなど、歯の治療に時間をかけられない人にも、セラミック治療は適しています。
特に、ラミネートべニアは短期間で前歯の見た目を改善できるでしょう。

まとめ

治療をして笑顔の女性

丈夫で白く美しい歯を作れるセラミック治療は、金属アレルギーのある方や虫歯治療で銀歯を入れたくない方、歯を白く美しく見せたい方から人気の治療です。

しかし、歯を削らなければならない、治療に高額な費用がかかるなど、デメリットがあることも理解しなければなりません。セラミック治療を受けよう思っている方は、まず歯科医院のカウンセリングを受けましょう。自分の歯の状態を調べたうえで、セラミック治療を受けるべきか検討してください。

歯のセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

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