2025.07.15更新

歯の矯正期間はどのくらい?歯が動きやすい人の特徴も

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

歯の矯正期間のイメージ

大人になって矯正治療を受けたいと思っても「治療期間はどれくらいかかるのだろう?」と、治療期間の長さがネックになっている人もいるのではないでしょうか。

実は、歯列矯正をする際、歯の動きやすい人とそうではない人がいます。矯正期間は歯が動くスピードに左右されるので、歯が動きにくい人は当初の計画よりも治療期間が延びることがあります。

今回は、歯の矯正にかかる期間について解説します。歯が動きやすい人の特徴や、計画通りに矯正治療を進めるために大切なこともご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

矯正治療で歯を動かす仕組み

矯正治療で歯を動かす仕組みについて説明する女性

歯の周囲には歯を支える歯槽骨という骨があります。その歯槽骨と歯の間には弾力のある歯根膜と呼ばれる薄い膜があり、歯にかかる衝撃を和らげるクッションのような役割があります。

矯正装置を装着して歯に力を加えると、圧迫された側の歯根膜が縮み、元の厚みに戻そうとして顎の骨を溶かします。顎の骨が溶けた分、歯を動かせます。また、反対側の伸びて引っ張られた歯根膜がもとの厚みに戻ろうとして骨を再生させる細胞を作ります。

このように、少しずつ顎の骨の吸収と再生を繰り返すことで歯を移動させていくのです。歯列矯正では、矯正装置によって弱い力をかけては、骨ができるのを待つということを繰り返していきます。1か月に歯を動かせる限界は0.5mm〜1mm程度です。

歯の矯正期間はどのくらい?

歯の矯正期間はどのくらいか考えるイメージ

一般的に歯の矯正に必要な期間は、全体矯正か部分矯正かで異なります。また、歯並びの状態や矯正方法などによっても大きく異なります。

全体矯正

全体矯正にかかる平均的な期間は、一般的に1〜3年ほどです。マウスピース矯正や表側矯正では1〜3年程度、裏側矯正やハーフリンガル矯正では2〜3年程度が目安になります。

また、矯正治療では歯を動かすための矯正期間と歯並びを安定させるための保定期間という2つの期間が必要です。矯正期間が終了したら、移動させた歯を固定させるためにリテーナーという保定装置を装着する必要があります。この期間が、保定期間です。

保定期間は歯を動かすためにかかった期間と同程度となることが多く、実際には治療に3~5年程度かかることになります。

部分矯正

主に前歯だけを対象にした部分矯正は、すべての人に適応となるわけではありません。軽微な症状に向いている治療法です。部分矯正が適応となる歯並びであれば、歯を動かす距離が短いため、数か月で治療が完了するケースもあります。

マウスピース矯正の場合は6か月〜1年程度、表側矯正の場合は3か月〜1年程度が目安です。裏側矯正の治療期間は6か月〜2年程度と全体矯正同様、長期になりがちです。

歯が動きやすい人とは

年齢が若いうちに矯正を始めた女の子の口元

歯が動きやすいかどうかで、歯列矯正の治療期間が大きく変わります。ここでは、歯が動きやすい人の特徴についてまとめています。

症状が軽度である

症状が軽いほど、治療期間も短くなる傾向があります。特に、前歯だけの部分矯正で治療できる症例では、治療が短期間で済むケースが多いです。また、抜歯せずに歯を動かせる場合も短期間で治療が完了する可能性があります。

年齢が若い

年齢が若い人ほど代謝が良いので、歯が動きやすい傾向にあります。特に、成長期の子どもは骨の成長と再構築が活発なため、顎の成長を利用して不正咬合の治療も可能です。顎の成長が終わる子どものうちに歯列矯正を行うとスムーズに治療が進むでしょう。

歯を動かすスペースがある

歯を動かせるスペースがあれば、ほかの歯に干渉されず適切な位置に歯を移動させることが可能です。特に、歯のサイズが小さい方の場合は、スペースが確保されているケースが多く、歯もスムーズに動かせます。

一方、顎が小さいと歯を動かすスペースがないケースがほとんどです。歯を動かすスペースを作るために、ほかの歯を少し削ったり、抜歯が必要になったりすることもあります。

新陳代謝がよい

歯列矯正では、矯正装置によって歯を動かしたい方向へ力を加え、歯槽骨が吸収と再生を繰り返して歯を移動させます。代謝が良ければ骨の吸収と再生のサイクルが頻繁に行われ、歯もスムーズに動くでしょう。

歯並びに影響する悪習癖がない

唇を噛む癖や舌で前歯を押す癖、頬杖をつく癖などがあると、歯を動かしにくくなります。このような癖は、歯や歯槽骨に不自然な圧力をかけ、矯正治療の進行を遅らせる要因となるのです。

しかし、これらの歯並びに悪影響を及ぼす癖がなければ、矯正中の歯の動きもスムーズです。矯正装置の力を歯に効果的に伝えられることから、計画通りに矯正治療を進められるでしょう。

歯科医師の指示を守れている

歯科医師の指示を守れている方も、計画どおりに治療が進みやすいです。マウスピース矯正の場合は、マウスピースの装着時間や交換時期を守る必要があります。ワイヤー矯正の場合は、装置の調整のために定期的に歯科医院を受診しなければなりません。

歯科医師からの指示を守らないと、計画通りに歯を動かせず、治療期間が延びる可能性もあります。歯科医師の指示どおりに矯正装置を装着し、定期的に通院することで矯正治療はスムーズに進行します。不安なことや不明なことがあれば、歯科医師に相談しましょう。

計画どおりに矯正治療を進めるために大切なこと

計画どおりに矯正治療を進めるためのポイントのイメージ

ここでは、計画通りに矯正治療を進めるために大切なことについて解説します。

歯科医院を慎重に選択する

スムーズに矯正治療を進めるために、経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けましょう。

また、矯正治療中は定期的に通院することになるので、歯科医院の立地も大きなポイントといえます。勤務先や自宅の近くなど、患者さん自身が通院しやすい歯科医院を選ぶことも大切です。

モチベーションを維持する

矯正治療は数か月から数年と長期にわたるため、途中で気持ちが緩んでしまうことがあります。治療期間中のモチベーションを保ち続けるためには、歯並びのビフォー・アフターを写真で記録するなどの工夫も必要です。

また、歯科医師や歯科衛生士とのコミュニケーションも欠かせません。不安やストレスを感じたときに相談できる相手がいるだけで、前向きな気持ちを維持しやすくなるでしょう。

定期的にメンテナンスを受ける

計画どおりに矯正治療を進めるためには定期的に歯科医院を受診し、治療の進捗状況や口腔内の状態をしっかりチェックしてもらうことが大切です。定期的なメンテナンスでは、歯の動きを確認し、必要に応じて装置の調整を行います。

また、矯正治療中は装置を装着することで虫歯や歯周病になるリスクが高まりますが、定期的に診察を受けることでこれらの早期発見にもつながります。

歯のクリーニングが行われるケースも多く、ふだんの歯磨きでは落としきれない汚れを除去してもらうことで、虫歯や歯周病の予防にもつながるでしょう。歯磨き指導や食事の注意点などのアドバイスも受けられます。

丁寧にセルフケアを行う

矯正治療中に虫歯や歯周病になると、それらの治療が優先されるケースが多いです。これによって、矯正治療を一時中断することになると、治療期間が延びる可能性があります。

そのため、いつも以上に丁寧にセルフケアを行い、虫歯や歯周病を予防することが大切です。特にワイヤー矯正の場合は、装置周りの磨き方の指導を受け、それに基づいて歯を磨きましょう。

まとめ

歯の矯正をして綺麗な歯並びになった親子

矯正治療での歯の動くスピードには個人差があり、患者さんの年齢や症状、生活習慣などによって治療期間は大きく異なります。

計画どおりに矯正治療を進めるためには、歯科医師の指示どおりに通院すること、矯正装置の使用ルールを守ることが何より重要です。加えて、正しいセルフケアの継続、生活習慣や癖の改善など、患者さん自身の努力も欠かせません。

これから歯列矯正治療を受けたいけれど、なかなか踏み出せないという方は、まずは歯科医院を受診して相談しましょう。

歯列矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

当院は、予防治療に力を入れています。虫歯の原因を根本から改善し、口内を健康に保ちます。マウスピース矯正や審美歯科も実施しているので、ぜひ一度ホームページをご覧ください。Web予約もお受けしています。

投稿者: きたむら歯科経堂

2023.10.31更新

インビザライン矯正の費用相場は?追加費用が発生するケースも解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

歯科用マウスピースを持つ女性

「インビザラインは本当に目立たないの?」 「インビザライン矯正の費用はどれくらい?」 などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。透明なマウスピースを使用した歯列矯正、インビザラインが近年注目を集めています。

しかし、インビザラインの特徴や治療にかかる費用については、詳しく知らない方もいるでしょう。

今回は、インビザラインの概要や費用相場について解説します。追加費用がかかるケースなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

歯科医療で使用するマウスピース

インビザラインとは、透明な取り外し可能なマウスピースを使用して歯を移動させる歯列矯正です。1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換して、徐々に歯並びを整えます。

インビザラインでは透明なマウスピースを使用するので、治療中であることが目立ちません。食事や歯磨きの際に容易に取り外せるので、日常生活の負担が少ないことが大きなメリットでしょう。金属のブラケットやワイヤーを使わないため、違和感や痛みが少ないことも魅力です。

3D技術を活用して治療計画を立てるので、治療前に治療後の歯並びを確認できます。整った歯並びを実際に確認できることは、治療のモチベーション維持に大きな役割を果たすでしょう。

マウスピースは非常に薄いので、口内に痛みや違和感を生じることも少ないです。発音や滑舌にも影響がない場合が多いでしょう。

定期的にご自身でマウスピースを交換して治療を進めるので、通院頻度は2〜3か月に一度程度と、ワイヤー矯正と比較すると少ないです。

インビザラインの種類

インビザラインでは、歯列不正の度合いに応じてパッケージが用意されています。それぞれの特徴を確認しましょう。

インビザライン・エクスプレス

非常に軽微な歯並びの乱れに対応したパッケージです。使用できるマウスピースの枚数は7枚までなので、3〜6か月という短い期間で気になる部分の乱れを整えます。

治療期間が短く使用するマウスピースの枚数も少ないので、最も費用を抑えて受けられるインビザラインです。

しかし、大きく歯を移動させなければならない症例には対応できません。

インビザライン・ライト

軽度の歯並びの乱れに最適なインビザラインです。7〜12か月という短期間での矯正が可能で、比較的費用を抑えて受けられるパッケージといえます。

使用できるマウスピースの枚数は14枚までで、1〜2本の歯の位置を整えたい場合などに適しています。

インビザライン・モデラート

中度の歯並びの乱れに対応したパッケージです。使用できるマウスピースの枚数は26枚までなので、大きく噛み合わせを変える必要のない症例に対応しています。

インビザライン・コンプリヘンシブ

あらゆる歯並びの乱れに対応できるパッケージです。使用できるマウスピースの枚数に制限がなく、抜歯を伴う大きな歯の移動が必要な症例にも対応できることがあります。

治療期間が長くなり、費用も高額になることが多いです。費用は後述しますが、治療期間は1年以上かかることもあるでしょう。

インビザライン矯正の費用相場

インビザライン矯正の費用イメージ

インビザラインの費用は、歯列不正の度合いや期間に左右されます。歯科医院や地域によっても費用が異なるので、各医院に問い合わせましょう。

治療の流れと併せて、費用相場をご紹介します。

治療開始前のカウンセリング費用

治療を開始する前に、カウンセリングを行います。理想の歯並びや現状の歯並びについてのお悩みなどを相談しましょう。

初回のカウンセリングの料金は、無料〜5,000円程度です。

検査費用

インビザラインを受けると決めたら、レントゲンやCTなどの詳しい検査を行います。60,000円程度の費用が発生するでしょう。

治療中にかかる費用

カウンセリングと治療前の検査が完了したら、患者様のニーズに合わせてマウスピースが作成されます。矯正する歯の位置や範囲によって、費用は異なります。

特定の箇所や前歯だけを整える部分矯正の場合、100,000〜500,000円程度の費用がかかるでしょう。奥歯も含めた全体を矯正する場合は600,000〜1,000,000円程度の費用が必要になることが多いです。

歯科医院によって異なりますが、2〜3月に一度の調整の際に6,000円程度の費用がかかる場合もあります。

メンテナンス期間にかかる費用

矯正後は、歯の位置がもとに戻る後戻りが起きます。後戻りを防ぐために、リテーナーを装着して過ごさなければなりません。リテーナーの費用相場は、10,000〜60,000円程度でしょう。

後戻りを防ぎ、歯の位置を固定させる期間を保定期間といいますが、保定期間中も定期的に通院する必要があります。保定期間の通院にかかる費用は、2,000〜5,000円程度でしょう。

インビザライン矯正で追加費用が発生することはある?

費用に疑問あり

インビザライン矯正では、初期費用以外にマウスピースの追加や治療の修正で、追加費用が発生することがあります。アフターケアや定期的なチェックの際の費用も考慮する必要があるでしょう。

発生する可能性がある追加費用は、以下のとおりです。

矯正期間の延長に伴う費用

インビザライン矯正で追加費用が発生するのは、主に矯正期間の延長による型取りの再実施や通院回数の増加に起因します。矯正期間が予定よりも伸びると、追加の治療や手続きが求められることがあり、追加の費用が発生するかもしれません。

ただし、追加費用の取り扱いは、歯科医院の方針によって異なります。実際に追加費用が発生するのかどうか、どの程度の費用が発生するのかは、歯科医院に確認しましょう。

治療期間が延長になると、リテーナーの使用期間も延びる場合があります。定期的な歯のチェックの頻度が増えることも予想されますが、追加費用が発生する可能性があるでしょう。

矯正装置の紛失・破損による費用

矯正装置の修理費用は、無料〜10,000円程度かかります。

大きく破損して使用できない場合や、紛失した場合は、装置を作り直す必要があります。作り直しには、10,000〜30,000円程度の費用がかかるでしょう。

初回は無料で、2回目以降は追加の費用が発生する歯科医院もあります。契約内容によって変動するので、事前に確認しましょう。

作り直しには追加の費用が発生するだけでなく、新しい装置が届くまで治療が中断されるリスクも伴います。治療が中断されると治療期間が延びるので、さらに追加費用が発生するでしょう。

インビザライン矯正は保険が適用される?

健康保険を計算する医師

インビザライン矯正は、美容目的の治療とみなされることが多いです。そのため、健康保険は適用されません。全額自己負担となり、高額な費用がかかるのです。

ただし、以下の条件に該当する場合は、保険が適用されます。

・厚生労働省が定める特定の疾患が原因で噛み合わせに問題がある場合

・永久歯が正常に生えてこない場合

・顎の骨格に問題があって噛み合わせに異常がある場合

先天的な要因で噛み合わせに問題がある場合などは、保険治療でインビザラインを受けられます。顎変形症など、顎の骨の位置が正常でない場合も、保険が適用されることがあるでしょう。

インビザライン矯正の費用を安くする方法はある?

インビザライン矯正の費用を安くする方法

インビザライン矯正の費用を安くする方法として、複数の医院で見積もりを取得して比較することや、分割払いやデンタルローンを利用することなどが考えられます。

複数の医院で見積もりを取得する

インビザライン矯正は自費診療なので、歯科医院が自由に費用を設定できます。歯科医院によって費用が異なるので、複数の医院で見積もりを取得するとよいでしょう。

ただし、安さだけで治療を受ける歯科医院を決めるのは避けてください。アフターケアをしっかり行っていない場合や、追加費用が発生する処置が多いなど、トラブルにつながる可能性があります。

装着時間や交換時期を守る

費用を安くする方法ではありませんが、追加の費用を発生させないためには、インビザラインの装着時間や交換時期を守ることが重要です。

インビザラインを適切に取り扱っていないと、治療期間が延びる原因になるでしょう。治療期間が延びれば、マウスピースの追加や通院回数の増加に伴って追加の費用が発生します。

予定している費用内で治療を終わらせるために、歯科医師に指示を守ってインビザライン矯正を進めましょう。

分割払いやデンタルローンを活用する

クレジットカードの分割払いやデンタルローンを活用すると、一度に支払う費用を抑えられます。

デンタルローンとは、歯科治療専用のローンのことです。さまざまな金融機関から提供されており、一般的なローンと比べて金利が安く設定されていることが多いです。

ただし、クレジットカードやデンタルローンに対応していない歯科医院もあります。カウンセリングの際に、どのような支払い方法を選択できるのか確認してください。

まとめ

インビザライン矯正後の女性

インビザライン矯正は、透明で取り外し可能なマウスピースを使用することが大きな特徴です。

健康保険が適用されないため、治療にかかる費用は全額負担する必要があります。複数の医院で見積もりを取得して比較すれば、インビザライン矯正にかかる費用を抑えられるでしょう。マウスピースの装着時間・交換時期を守り、追加費用が発生しないようにすることも重要です。

クレジットカードの分割払いやデンタルローンを活用すると、一度に支払う費用の負担を軽減できます。インビザライン矯正は長期的な治療なので、情報をしっかり収集して、最良の選択をしましょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

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