2024.07.09更新
歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響とセラミックの歯を守る方法
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
「歯ぎしりでセラミックの歯が傷つかないかな?」「セラミックの歯を傷つけないためにはどうすればいいの?」とお悩みではありませんか。歯ぎしりは自分では気づきにくいため、知らないうちにセラミックの歯にダメージを与えていることがあります。
本記事では、歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響や、セラミックの歯を守る方法について詳しく解説します。歯ぎしりに悩んでいる方や、セラミックの歯を長持ちさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは、睡眠中など無意識のうちに上下の歯を擦り合わせたり、噛み締めたりする動作のことです。歯ぎしりは歯の健康に悪影響を及ぼし、歯がすり減ったりグラグラしたりする原因になります。また、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こす可能性も高いです。
歯ぎしりには、次のようなタイプがあります。
クレンチング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる歯ぎしりのことです。食いしばりや噛みしめとも呼ばれます。
歯に大きな力が加わりますが、音がしないため自覚しにくく、他人に指摘されることも少ないので注意が必要です。クレンチングは日中や夜間を問わず行われ、長時間にわたり上下の歯に過度な負担を与え続けます。
グラインディング
グラインディングは、最も一般的な歯ぎしりのタイプです。上下の歯を強く噛みしめて左右に擦り合わせるため、歯やあごに大きな負担をかけます。
主に寝ているときに発生し、ギリギリと音が鳴るため他人に指摘されて初めて気づくことも多いでしょう。長期間続けると、歯が削れたり擦り減ったりすることによって噛み合わせの面が平らになる特徴があります。
タッピング
タッピングとは、上下の歯をカチカチと小刻みに噛み合わせる歯ぎしりのことです。寒さで震えている状態に似ています。
タッピング自体で強い力は加わりませんが、グラインディングやクレンチングのきっかけになることが多いです。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりが起こるメカニズムは明らかになっていませんが、主な原因としては以下の4つが挙げられます。
・ストレスや疲労
・噛み合わせが悪い
・睡眠不足
・生活習慣
順番に見ていきましょう。
ストレスや疲労
歯ぎしりの主な原因の1つが、ストレスや疲労です。仕事や日常生活の中で感じたストレスや不安、憂鬱な気持ちなどを、歯ぎしりによって無意識に解消しているといわれています。
特に、仕事が忙しい時期や人間関係の悩みがあるときに、歯ぎしりが顕著に現れる傾向があります。
噛み合わせが悪い
噛み合わせや歯並びが悪いと、歯ぎしりを誘発しやすいです。噛み合わせが正しくないと、違和感を解消しようとして無意識に歯ぎしりをするのです。また、噛み合わせが悪いことで上下の歯が正しく合わず顎の筋肉が緊張し、歯ぎしりを引き起こす可能性もあるでしょう。
歯ぎしりを改善するには、噛み合わせを調整しなければなりません。高さの合っていない被せ物や詰め物をしている場合は、早めに歯科医師に相談して適切に対処してもらいましょう。
睡眠不足
睡眠不足も歯ぎしりの原因の1つです。深い眠りの際は筋肉の動きが抑制されるため、歯ぎしりが起こりにくいです。
しかし、浅い眠りの場合は筋肉の抑制が解け、咬筋(頬の筋肉)が動いて歯ぎしりが起こりやすいとされています。飲酒や喫煙、ストレスなどは眠りが浅くする原因になるため、注意が必要です。
また、枕やマットレスが体に合っていない、横向きやうつ伏せで寝ることなども、睡眠の質が低下して歯ぎしりを起こす原因になるでしょう。
生活習慣
生活習慣の乱れも歯ぎしりの原因の1つとされています。過度な飲酒や喫煙、カフェインの過剰摂取は睡眠の質を低下させ浅い眠りを引き起こすため、歯ぎしりの原因となるのです。
生活習慣を見直し、改善することが歯ぎしりの改善につながります。
歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響
歯ぎしりによる歯への負担は、体重の数倍から数十倍に達するといわれています。強い力が日常的に加わると、セラミックの歯にはどのような影響があるのでしょうか。
考えられる主な影響は、以下のとおりです。
セラミックの脱落
歯ぎしりによってセラミックに強い力がかかると、脱落するリスクがあります。歯ぎしりを断続的に行うことで、歯とセラミックを固定するための接着剤が劣化したり隙間が生じたりして、セラミックが脱落するのです。
とくに、左右に歯を擦り合わせるグラインディングをしていると隙間が生じやすくなるため、より一層セラミックの脱落につながるでしょう。
セラミックの破損
セラミックは審美性に優れた素材ですが、衝撃に弱く破損しやすいという特性があります。そのため、歯ぎしりによって強い力が加わると破損・摩耗につながる可能性があるのです。
破損したセラミックの歯は修復が難しい場合があり、新たなセラミックの歯の作製が必要になることもあるので注意が必要です。セラミックを長持ちさせるためには、歯ぎしりの改善が非常に重要であることがわかるでしょう。
歯ぎしりからセラミックの歯を守るためには
歯ぎしりからセラミックを守るためには、噛み合わせの調整や生活習慣の見直しが重要です。他にも、セラミックの歯を守る方法はいくつかあります。
セラミック治療後の歯を保護するための方法は以下のとおりです。
ナイトガードを装着する
ナイトガードを使用すると、睡眠中の歯ぎしりからセラミックの歯を守ることができます。
ナイトガードとは、睡眠中に使用するマウスピースのことです。 装着することで、寝ている間に歯と歯が擦れ合うのを防ぎ、歯ぎしりによって歯に加わる力を軽減してくれます。睡眠中の歯ぎしりに悩んでいる方は、ナイトガードの使用を検討してみてください。
顔周りの筋肉のマッサージ
顔周りの筋肉をマッサージすることで、歯ぎしりの改善が期待できます。特に、咬筋(こうきん)や側頭筋のマッサージが効果的です。
咬筋は奥歯を噛みしめたときに固くなるエラ部分の筋肉です。親指をあごの裏に添えて他の指で円を描くように30秒間マッサージしましょう。
側頭筋は、こめかみの部分に位置する筋肉です。咬筋と同様に、円を描くようにマッサージします。
入浴後など血行が良い時に行うと、より効果的でしょう。マッサージオイルを使用すると摩擦が減り、筋肉をほぐしやすくなります。
ボトックス注射
ボトックスとは、ボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素から毒素を取り除いて抽出されたタンパク質の一種です。美容の世界ではシワ取りなどで使用されているボトックス注射ですが、歯科でも歯ぎしりの緩和を目的として使用されることがあります。
咬筋にボトックスを注射することで、筋肉の働きを弱めて歯ぎしりを軽減します。また、ボトックス注射をすることで、筋肉の緊張による頭痛や顎の痛みが緩和されることもあるでしょう。
定期的にメンテナンスを受ける
歯ぎしりのクセがある方は、セラミックやご自身の歯を守るために歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが重要です。歯ぎしりの原因の1つに噛み合わせの悪さがあるため、定期的に歯科医に噛み合わせをチェックしてもらいましょう。
また、セラミックの状態だけでなく、むし歯や歯周病の有無もチェックしてもらえば口腔内の健康を維持することにも役立ちます。症状がなくても、3〜6か月に一度はメンテナンスを受けましょう。
まとめ
本記事では、歯ぎしりがセラミックの歯に及ぼす影響と、対策について詳しく解説しました。歯ぎしりは無意識のうちに上下の歯を接触させる行為であり、歯の摩耗や破損、顎の痛みなどの症状を引き起こします。
特に、セラミックの歯を装着している方々にとって、歯ぎしりによる影響は大きな問題でしょう。歯ぎしりの原因にはストレス・疲労・噛み合わせの悪さなどがあり、原因を取り除くことが歯ぎしりの改善につながります。
歯ぎしりに悩んでいる方やセラミックの歯を長持ちさせたい方は、この記事を参考にしてセラミックを長持ちさせる対策を取り入れてみてください。
セラミックを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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2023.10.29更新
ジルコニアの歯とは?メリットや治療の流れを解説!
こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。
歯に詰め物や被せ物をするセラミック治療では、陶器で作られた素材を使用するのが一般的でした。
しかし、近年では、審美性の高さや丈夫さからジルコニアを選ぶ方が増加しています。従来のセラミックとジルコニアは、どのように違うのでしょうか。
今回は、ジルコニアの歯の選ぶメリット・デメリットや、セラミックとの違い、治療の流れを解説します。
ジルコニアの歯とは?
歯のセラミック治療とは、白く透明感のあるセラミックという素材を詰め物・被せ物に使用する治療法です。歯科治療におけるジルコニアはセラミックの一種で「ジルコニアセラミック」とも呼ばれています。
ジルコニアという素材は、二酸化ジルコニウムを指します。人工ダイヤモンドとも呼ばれ、宝飾品などにも使用されている素材です。透明度が高く美しい素材であり、強度と耐久性にも優れています。
ジルコニアは加工が難しい素材ですが、技術と研究の進歩によって歯の治療に使用される機会が増加しました。
ジルコニアとセラミックの違い
従来のセラミック治療では、白い陶器で作られた素材を使用することが一般的でした。陶器素材はオールセラミックとも呼ばれています。
ジルコニアと従来のセラミックの違いは、以下のとおりです。
強度
従来のセラミックは陶器素材なので、脆く割れやすいという特徴があります。そのため、噛み合わせが強い奥歯や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある人には向きませんでした。
ジルコニアは強度が高く、金属に匹敵するほどの耐久性があります。奥歯の治療にも向いており、適応できる歯が多いといえるでしょう。
見た目
ジルコニアは白く審美性の高い素材ですが、透明感に欠けています。セラミックは白く透明感があり、色調も比較的自由に再現できます。
そのため、前歯の治療では従来のセラミックが使用されることが多いです。
寿命
従来のセラミックは、衝撃を受けることや、歯に力が加わることで、破損するリスクがあります。ジルコニアは強度が高いので、セラミックが破損するような衝撃が加わっても耐えられるでしょう。
従来のセラミックよりも寿命が長いといえます。
ジルコニアのメリット・デメリット
歯の治療にジルコニアを使用するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
ジルコニアの歯にするメリットは、以下のとおりです。
強度・耐久性が高い
ジルコニアは従来のセラミックの何倍もの強度があり、前歯だけではなく奥歯にも適応できます。
セラミックの場合は転倒する、ボールが顔にぶつかるなど、顔に衝撃を受けると割れることがありました。再治療が必要になり、手間とコストがかかります。
一方で、ジルコニアは顔に衝撃を受けても割れる可能性は低いです。金属と比較されるほど強く、金属よりも劣化しにくいので耐久性も高いといえます。
虫歯になりにくい
詰め物・被せ物治療では、虫歯の再発に注意が必要です。金属の詰め物は天然歯との間にすき間ができやすく、細菌が入り込んで虫歯の再発を引き起こす可能性が高いといえます。
しかし、セラミックの詰め物はすき間ができにくく細菌が入り込みにくいため、虫歯の再発を防止します。ジルコニアはセラミックの一種なので、虫歯の再発予防に最適な素材といえるでしょう。
また、ジルコニアは経年劣化しにくいことも特徴です。時間が経過してももとの歯に密着し続けるので、長期に渡って虫歯を防いでくれます。
審美性が高い
ジルコニアを含め、セラミック素材で作る歯は天然歯のような色調を再現することが可能です。金属のように目立つことはなく、歯茎が変色することもありません。
患者様一人ひとりの歯に合った色調を再現できるため、自然な仕上がりになります。変色しにくい素材なので、長期的に白く美しい見た目を維持できるでしょう。
身体に優しい
ジルコニアを含めたセラミック治療では金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも装着できます。銀歯は数年で口の中で溶け出すといわれており、虫歯の再発や歯周病、歯茎の黒ずみなどを引き起こします。
ジルコニアは口の中で溶け出す心配がないため、安心して使用できるでしょう。
デメリット
ジルコニアはメリットが多いですが、デメリットも存在します。
研磨や調整が難しい
ジルコニアは非常に硬いため、歯科医師や歯科技工士による研磨・調整が難しいことがデメリットです。
詰め物・被せ物では、歯の形にしっかりと合わせることが大切ですが、ジルコニアは歯にぴったり合わせるための研磨や調整に高いレベルを要します。そのため、歯科医師の技術が治療結果を左右するといえるでしょう。
歯を削る量が多くなる可能性がある
ジルコニアは、歯を削る量が多くなることがあるといわれています。
ただし、歯を削る量は歯の状態や歯科医師によって異なるため、一概にはいえません。
自由診療になる
ジルコニアを含むセラミック素材には、保険が適用されません。自由診療になるため、治療費は保険診療に比べると高額になります。
しかし、銀歯に比べると治療後のメンテナンスを行いやすいことや、審美性が高いことなど、メリットは多いです。
ジルコニアの治療の流れ
ジルコニアは、セラミック治療や虫歯治療、インプラント治療などさまざまな治療で用いられます。ジルコニアの歯にする治療の流れは、以下のとおりです。
仮歯に置き換える
虫歯部分の歯を削り、すでに被せ物をしている場合は古い被せ物を除去します。そして、口元に合わせた仮歯を作ります。
噛み合わせや最終的な歯の形を決める大切な段階なので、型取りをして仮歯を作ることもあるでしょう。
歯の根の治療をする
歯の根に炎症が起きている場合は、根幹治療を行います。歯の神経は残せるように治療を進めるのが一般的ですが、歯の神経を取ることもあるでしょう。
歯の土台を作る
ジルコニアを装着するには、歯の土台が必要です。土台を立てることで、被せ物の審美性を高めながら歯の根への負担を軽減します。
型取りをする
シリコンの材料で歯の型取りをします。最終的な被せ物を作るための型取りなので、歯の色などを相談しながら決定してください。型取りをしたあとは、技工所で被せ物が作成されます。
被せ物を装着する
完成した被せ物を装着し、噛み合わせを調整します。問題がなければ、専用の材料で被せ物を接着して治療は完了です。
ジルコニアはどのような人におすすめ?
ジルコニアは、強度が高い、審美性に優れているなどメリットの多い素材です。ジルコニアの治療は、次のような人が向いています。
・嚙む力が強い奥歯を治療する人
・歯ぎしりや食いしばりの癖がある人
・丈夫さを求める人
・金属アレルギーのある人
・身体に安全な素材で治療したい人
歯の治療では、治療する場所や嚙み合わせなどによって素材を慎重に選ぶことが大切です。選んだ素材によって仕上がりが異なるため、治療前は歯科医師としっかり相談しましょう。
まとめ
ジルコニアは、人工ダイヤモンドといわれるほど強度と耐久性に優れており、セラミック治療で注目されている素材です。従来のセラミックよりも割れにくいため、奥歯の治療にも適しています。
費用を抑えたい場合は樹脂や銀歯という選択肢もありますが、審美性や身体への負担という面ではジルコニアに劣ります。歯の治療法は数多くあるので、患者様自身が後悔しない治療を受けることが大切です。
どのような素材がご自身に適しているのか、歯科医師としっかり相談して決めてください。
ジルコニアの歯を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。
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